【上方歌舞伎会】国立文楽劇場 8月24日(土)・25日(日)
演目は、歌舞伎で初演となる地歌舞の『荒れねずみ』
上方歌舞伎の代表的な作品『恋飛脚大和往来 封印切』
地歌『荒れねずみ』を始めて見た。
地歌『荒れねずみ』とは座敷芸とのこと。
ネズミの動きのユーモラスな所作や地歌の言葉の隅々までものユーモアに、思わずほくそえんでしまう。
座敷芸とのことで、故千之丞さんの『起き上がりこぼし』を思い浮かべながらも、楽しくまったりと拝見させていただいた。
『恋飛脚大和往来 封印切』を関西の若手役者が熱演。
この熱演!というところは見逃せない。
八右衛門と梅川は、安定してみることができた。
他の役者も一生懸命さは伝わってきたので、今後に期待。
また、封印切の場面は
切ってやるぞ型
切れてしもうた型
のどちらでもなく、
切れてしもうた型を強調した
【ああ~、きれてしまってるぅ~。しもたぁ~。
きれてしもうたわぁあぁ~~ん。】
みたいな。
ここまで極端に強調した【切れてしもうた】型の演じ方を初めて見た。
或る意味、良い経験をさせていただいた。
「上方歌舞伎会」とは
関西の若手俳優有志による勉強会「若鮎の会」を前身とし、平成2年より新たな勉強の場として毎年開催してきました。
上方歌舞伎の継承を志す若い俳優たちが大役に挑むことで伝統を実感し、その経験を今後の飛躍につなげることが目的。
国立文楽劇場における盛夏恒例の公演として回を重ね、今年で34回目を数えます。
地歌『荒れねずみ』(あれねずみ)
地歌は、江戸時代に上方、つまり今の京阪地方で発展した三味線音楽のひとつ。地歌の作品には、主に動物を題材に擬人法で描いたユーモラスな内容を特徴とする「作物(さくもの)」という分類があります。「作物」に属するこの作品の主人公は〝ねずみ〟。家人が寝静まった後に現れたねずみの一団。危険な場所に行かないよう確認したり、食べ物を集めるよう算段したりするうち、赤斑の大猫の存在を知り、怖がって一斉に逃げ出します。
二世楳茂都扇性(うめもとせんしょう)による七人立ちの巧みな振付は、ねずみの所作がウイットに富んだ楽しい群舞に仕上がっています。地歌舞を育んだ風土に親しむ上方の俳優陣が、同じ上方を中心に活躍する菊央雄司(きくおうゆうじ)の演奏により、素(す)の形式で舞います。
『恋飛脚大和往来 封印切』(こいびきゃくやまとおうらい ふういんきり)
新町井筒屋の場
宝永年間の大坂で、飛脚屋の忠兵衛(ちゅうべえ)が廓通いの末に公金を横領するという事件が発生しました。この事件を人形浄瑠璃に脚色したのが、今年で没後300年となる名作者・近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)です。その作品『冥途の飛脚(めいどのひきゃく)』は改作され、さらにその改作が歌舞伎に移されて独自なアレンジが加わり、『恋飛脚大和往来』が初演されました。現行では「封印切」と「新口村(にのくちむら)」が上演されますが、今回は「封印切」を取り上げます。
主人公の忠兵衛を演じる俳優によって、演技や大道具(舞台装置)、芝居の運び等、演出が変わります。上方歌舞伎会では、片岡仁左衛門家(松嶋屋)と中村鴈治郎家(成駒家)、各家に伝わる演出で上演を重ねました。今回は鴈治郎家の演出です。令和2年に予定されていた上演が、新型コロナウイルス感染症の影響による公演中止で見送りとなり、ようやく実現します。
(青字は、上方歌舞伎会の説明)
演目は、歌舞伎で初演となる地歌舞の『荒れねずみ』
上方歌舞伎の代表的な作品『恋飛脚大和往来 封印切』
地歌『荒れねずみ』を始めて見た。
地歌『荒れねずみ』とは座敷芸とのこと。
ネズミの動きのユーモラスな所作や地歌の言葉の隅々までものユーモアに、思わずほくそえんでしまう。
座敷芸とのことで、故千之丞さんの『起き上がりこぼし』を思い浮かべながらも、楽しくまったりと拝見させていただいた。
『恋飛脚大和往来 封印切』を関西の若手役者が熱演。
この熱演!というところは見逃せない。
八右衛門と梅川は、安定してみることができた。
他の役者も一生懸命さは伝わってきたので、今後に期待。
また、封印切の場面は
切ってやるぞ型
切れてしもうた型
のどちらでもなく、
切れてしもうた型を強調した
【ああ~、きれてしまってるぅ~。しもたぁ~。
きれてしもうたわぁあぁ~~ん。】
みたいな。
ここまで極端に強調した【切れてしもうた】型の演じ方を初めて見た。
或る意味、良い経験をさせていただいた。
「上方歌舞伎会」とは
関西の若手俳優有志による勉強会「若鮎の会」を前身とし、平成2年より新たな勉強の場として毎年開催してきました。
上方歌舞伎の継承を志す若い俳優たちが大役に挑むことで伝統を実感し、その経験を今後の飛躍につなげることが目的。
国立文楽劇場における盛夏恒例の公演として回を重ね、今年で34回目を数えます。
地歌『荒れねずみ』(あれねずみ)
地歌は、江戸時代に上方、つまり今の京阪地方で発展した三味線音楽のひとつ。地歌の作品には、主に動物を題材に擬人法で描いたユーモラスな内容を特徴とする「作物(さくもの)」という分類があります。「作物」に属するこの作品の主人公は〝ねずみ〟。家人が寝静まった後に現れたねずみの一団。危険な場所に行かないよう確認したり、食べ物を集めるよう算段したりするうち、赤斑の大猫の存在を知り、怖がって一斉に逃げ出します。
二世楳茂都扇性(うめもとせんしょう)による七人立ちの巧みな振付は、ねずみの所作がウイットに富んだ楽しい群舞に仕上がっています。地歌舞を育んだ風土に親しむ上方の俳優陣が、同じ上方を中心に活躍する菊央雄司(きくおうゆうじ)の演奏により、素(す)の形式で舞います。
『恋飛脚大和往来 封印切』(こいびきゃくやまとおうらい ふういんきり)
新町井筒屋の場
宝永年間の大坂で、飛脚屋の忠兵衛(ちゅうべえ)が廓通いの末に公金を横領するという事件が発生しました。この事件を人形浄瑠璃に脚色したのが、今年で没後300年となる名作者・近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)です。その作品『冥途の飛脚(めいどのひきゃく)』は改作され、さらにその改作が歌舞伎に移されて独自なアレンジが加わり、『恋飛脚大和往来』が初演されました。現行では「封印切」と「新口村(にのくちむら)」が上演されますが、今回は「封印切」を取り上げます。
主人公の忠兵衛を演じる俳優によって、演技や大道具(舞台装置)、芝居の運び等、演出が変わります。上方歌舞伎会では、片岡仁左衛門家(松嶋屋)と中村鴈治郎家(成駒家)、各家に伝わる演出で上演を重ねました。今回は鴈治郎家の演出です。令和2年に予定されていた上演が、新型コロナウイルス感染症の影響による公演中止で見送りとなり、ようやく実現します。
(青字は、上方歌舞伎会の説明)