乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

映画『音量を上げろタコ! なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ! ! 』 3,7★/5 監督・脚本:三木聡 阿部サダヲ 吉岡里帆 松尾スズキ ふせえり 2018年

2019年09月30日 | 映画

  映画『音量を上げろタコ! なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ! ! 』 3,7★/5 監督・脚本:三木聡 阿部サダヲ 吉岡里帆 松尾スズキ ふせえり 2018年




 結構面白く、最後はスカッとすることができる映画。

 松尾スズキさんが出てこられ、あまりにもおかしくて、映画にのめり込んでしまった。

 また、場面場面の台詞の展開が面白くって、笑い続ける。

 気に入った台詞の言い回しは
「結局、曲順、あるんだろが!」
 小気味がよく、ブラボーと、内心手を叩いていた。

 それにしても、男性は、切ないなぁ。
 いや、本当のところは幸せだったのかも^^ね


 簡単な記録のみにて失礼申し上げます。




 公開日: 2018年10月12日 (日本)
 監督: 三木 聡
 脚本: 三木聡

 音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!


 監督 三木聡
 脚本 三木聡

 出演者
 阿部サダヲ
 吉岡里帆
 松尾スズキ 
 ふせえり他

 上映時間 107分
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『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 6オ  近松門左衛門作        11

2019年09月29日 | 近松門左衛門



  『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 6オ  近松門左衛門作        11


 

 (でつち小者もせふしがり、早ふかへつてくだされかしと。)

 待日も西能のどり足見せさし此尓成尓けり。かご

 能鳥なる梅川尓こがれて通ふさとすゞめ。忠兵衛ハ

 とぼ/\と外能ぐめん内能くび。心ハくもでかくなハや

 十文色も出てくるハ、なむ三宝がくれるとあしを

 空に立帰り、門口尓ハ着けれ共、るす能内尓方ゝ

 能、さいそく使妙閑能ミヽ尓入ていか様能、首尾尓なつ

 たもきづかハし、誰ぞ。出よかし内證をとくと聞きて

 入りたしと、家家ながら敷居高く、内をのぞけば食(めし)

 (たき能まんめが酒屋へ行体也、きやつハ木ではなもぎ 6ウ)





 すずめ=古語辞典では「すずめ」は本文の意味に到達しないが、歌舞伎では「廊下雀」という言葉が使われる。
    「廊下雀は嫌われますよ。」と言った台詞がある。
     だが、「廊下雀」も古語辞典では出てこない。
     歌舞伎では「廊下雀」とは、花魁のいるような遊郭で、客があちこちの部屋(花魁など)を覗き探すような行動を指す。
     (乱鳥の解釈)

 ぐめん=工面

 くもで=蜘蛛手(熊手か)

 なむ三宝=南無三宝(なむさんぼう)   (ブリタニカ国際大百科事典)
      南無は namasの音写で帰命するという意。
      三宝は仏教で尊ぶ3種の宝で,仏陀,仏教の説く真理,出家修行者や信徒またはその集団をいう。
      したがって,以上の三宝に対して敬礼するという意。
      一般には,危機に遭遇したとき発する言葉として用いられる。

      ①仏仏と仏の教えと僧の三宝に帰依(キエ)することを表す語。   (漢字ペディア)
       ②大変だ。しまった。驚いたときや失敗したときに、三宝に助けを求める語。
      「南無三」ともいう。

 妙閑=この名が出てくるのは、本文中で二度目
     淡路町の段. 母 妙閑

 内證=内証文

             (6オ)      

               『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」P.284  



 (1オ)(1ウ)(2 オ)= (一丁表)(一丁裏)(二丁表)…と言う意味です。
  本文に「。」が付いている場合は「。」 付いて無い場合は「、」突表記しています。
 (「尓」「能」などのように、助詞の部分はそのまま元字で書いています)



 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 1 オ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 1 ウ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 2オ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 2ウ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 3オ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 3ウ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 4オ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 4ウ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 5オ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 5ウ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 6オ  近松門左衛門作


「冥途の飛脚」 1 オ
   梅川 冥途の飛脚 近松門左衛門作
 身をつくし難波尓さくやこの花能。里ハ
 三すぢ尓町の名も佐渡と越後
 相の手を。かよう千鳥の淡路町、亀屋
 能世つぎ忠兵衛、ことし廾能上はまだ四
 年、いぜんに大和より、敷金をもつて養子
 ぶん後家妙閑のかいほう処、あきなひ功
 者駄荷づもり江戸へも上下三度笠。

「冥途の飛脚」 1 ウ
 茶のゆはいかい素双のべに手能かど                
 とれて。酒も三川四川五川所もん羽二重も
 出ずいらず。無地の丸つばぞうがんの國 
 ざいく尓はまれ男。色能わけ志り里志りて
 暮るを待ずとぶ足能。飛脚宿能いそがし
 さ。荷をつくるやら不どくやら。手代ハ帳面
 そろばんをおゝ口とも尓どや/\と。千万両能
 やりくりも、つくしあづま能とりやりもゐながら

「冥途の飛脚」 2オ
 かね能自由さハ、一歩小判やしろかね尓つばさ能
 有がごとく也、町通り能状取立帰つてそれ/\と。
 とめ帳つくり所へたそ頼もふ忠兵宿尓ゐやる              
 かと。あん内するハ出入能屋やしき能さむらい。手代共ゐん
 ぎん尓。ヤア是ハ甚内さま。忠兵衛ハるすなればお下
 し物能御用ならば。私尓仰聞られなせ。お茶もて
 おじや、と、あいしらう。いや/\下り能用はなし。ゑど
 若だんなより御状が来た。是おきゝやれとおしひらき。

「冥途の飛脚」 2ウ
 来月二日出の三度尓金子三百両毎さしのばせ
 申べく候。九日十日両日能中、その地亀屋忠兵衛方
 より。右三百両毎請取内ゝ申置候こと共、埒明申さ
 るべく候。則飛脚能請取證文此度登せ候間。金子
 請取次第この證文忠兵衛尓渡し申さるべく候。是
 此通仰下された。今日迄とゝかぬ処大事能御用の
 手はづがちがう。なぜか様にふらちなとはなを。しかめ
 言ひければ。ハヽ御尤/\。去りながら此中能雨つゝき。川ゝ

「冥途の飛脚」 3オ
 仁 水が出ますれば、道中尓日がこミ。かね能とゝかぬ
 のみならず、手前も大分能そん銀。もし盗賊が
 切取道からふつと出来心。万ゝ貫目取られても。
 十八軒能飛脚宿からわきまへ。けし程も御損
 かけませむ、おきづかひあられるな。いはせもはてず
 是さ/\。いふまでもない御そんかけてハ忠兵衛がくびが
 とぶ。日銀のびてハ御用能間があく仁より、それ処
 能せんさく迎ひ飛脚をつかハして早速尓持参

「冥途の飛脚」 3ウ
 せいとかちわかたうもゐくハう。銀ごしらへも
 うさんなまりちらして成りしが。まだ頼みませふ/\。
 中能嶋丹波屋八右衛門から来ました。江戸尓舟
 町米どひ屋能かハせ銀そへ状ハなぜ
 とゞきませぬ。此中文を進しても返事もござ
 らず。使をやれば酢能こんにやくのといつ届けさつ
 しやるぞ。此者わたして人をつけて下され。手形
 手形もどそと申さるゝ、サア金子請とらふと立はたかつ

「冥途の飛脚」 4オ
 てわめきける。主おもひ能手代の伊右衛、さハがぬ躰尓
 て。是お使い、八右衛門さまが其様尓、りくつ臭い口上ハ
 有まい。五千兩七千両、人能かねをあづかって。百丗里
 を家尓し、江戸大阪を。ひろふせばふする亀屋。そ
 こ一軒でハ有まいし。をそいこともなふてハ。今でも旦
 那かへかへられらば此方から返事せふ。五千両尓たらぬ
 金あたがしたましういふまいと。かさから気を
 のまれ、使ハまじめ尓帰りけり。母妙閑ハこたつ能

「冥途の飛脚」 4ウ
 そばをなることもなん戸を出。ヤァ今能ハなんぞ。たん
 ば屋能金のとゞいたハ慥十日もいぜん能こと。なぜ忠
 兵衛ハ渡さぬの。けさかた二軒三軒能金のさいそく
 ゑず。終尓中間へなんぎをうけず、十八軒能飛脚屋
 聞きてゐる。おやじ此代からの此家尓かね一匁能さいそく
 能かゞミといはれた此亀屋。ミなハ心もつかぬか。
 兵衛か此処能そぶりがどふも、のミこまぬ。昨今能者ハ
 しるまいが、じだい是能実子でなし。もとハ大和新口

「冥途の飛脚」 5オ
 村勝木孫右衛門と云大百姓能ひとり子母ご
 ぜハお死尓やって継母がゝり能技くれ尓。悪性狂
 ひも出来るぞと、てゝごせ能思案で是能世とり尓
 もらひしが。せたいまハり商売ごと何尓おろかハな
 けれ共。此比ハそハ/\と何も手尓付かぬ見た、ゐけん
 能しさいとあれど、養子能母もまま母も。同前と
 思はふかせハ/\いふよりいはぬ身を。はぢいらせふと
 おもふて、目をねふつても聞所、見所ハみてゐる、いつ

「冥途の飛脚」 5ウ  
 能ま尓やら大気尓なり述べ能はな紙二枚三枚手尓あ
 たり次第。かさねながら、はなかミやる。過ぎゆかれしおや
 じ能咄尓。はな紙びんびと仕ふ者ハくせ者じやと
 いはれたが。忠兵衛が内を出さま尓のべ三折づゝ入て
 出て何程はなをかむやらもどり尓ハ一枚も残らぬ。
 身が達者な能わかいのとて。あの様尓はな噛んでハ。
 どこぞで病も出ませふとよまいごとして入ければ。
 でつち小者もせふしがり、早ふかへつてくだされかしと。

「冥途の飛脚」 6オ
 待日も西能のどり足見せさし此尓成尓けり。かご
 能鳥なる梅川尓こがれて通ふさとすゞめ。忠兵衛ハ
 とぼ/\と外能ぐめん内能くび。心ハくもでかくなハや
 十文色も出てくるハ、なむ三宝がくれるとあしを
 空に立帰り、門口尓ハ着けれ共、るす能内尓方ゝ
 能、さいそく使妙閑能ミヽ尓入ていか様能、首尾尓なつ
 たもきづかハし、誰ぞ。出よかし内證をとくと聞きて
 入りたしと、家家ながら敷居高く、内をのぞけば食(めし)

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『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 5ウ  近松門左衛門作     10

2019年09月29日 | 近松門左衛門



  『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 5ウ  近松門左衛門作    10


 

 (おもふて、目をねふつても聞所、見所ハみてゐる、いつ)

 能ま尓やら大気尓なり述べ能はな紙二枚三枚手尓あ

 たり次第。かさねながら、はなかミやる。過ぎゆかれしおや

 じ能咄尓。はな紙びんびとつかふ者ハくせ者じやと

 いはれたが。忠兵衛が内を出さま尓のべ三折づゝ入て

 出て何程はなをかむやらもどり尓ハ一枚も残らぬ。

 身が達者な能わかいのとて。あの様尓はな噛んでハ。

 どこぞで病も出ませふとよまいごとして入ければ。

 でつち小者もせふしがり、早ふかへつてくだされかしと。

 (待日も西能のどり足見せさし此尓成尓けり。かご 6オ)

 

 せふし=笑止

 早ふかへつてくだされかしと。(早う帰って下されかし)
 かし=終助詞《接続》文の言い切りの形に付く。  (学研全訳古語辞典)
 ①〔強く念を押す〕…ね。…よ。
 出典枕草子 大進生昌が家に
 「あけむとならば、ただ入りねかし」
  [訳] (女性の部屋に)入ろうというのなら、さっさと入ってしまえよ。
 ②〔自分に言い聞かせる〕…よ。
 出典枕草子 清涼殿の丑寅のすみの
 「これは知りたることぞかし」
  [訳] これ(=『古今和歌集』の歌)は覚えているはずのことなのだよ。
 参考係助詞「か」に副助詞「し」が付いたもの。
 語の歴史(1)中古以降の会話文に用いられ、和歌に用いられた例は極めて少ない。(2)中世後期になると、「命令形+かし」「ぞ+かし」の例が多い。 


             (5ウ)      

               『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」P.284  




 (1オ)(1ウ)(2 オ)= (一丁表)(一丁裏)(二丁表)…と言う意味です。
  本文に「。」が付いている場合は「。」 付いて無い場合は「、」突表記しています。
 (「尓」「能」などのように、助詞の部分はそのまま元字で書いています)



 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 1 オ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 1 ウ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 2オ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 2ウ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 3オ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 3ウ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 4オ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 4ウ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 5オ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 5ウ  近松門左衛門作


「冥途の飛脚」 1 オ
   梅川 冥途の飛脚 近松門左衛門作
 身をつくし難波尓さくやこの花能。里ハ
 三すぢ尓町の名も佐渡と越後
 相の手を。かよう千鳥の淡路町、亀屋
 能世つぎ忠兵衛、ことし廾能上はまだ四
 年、いぜんに大和より、敷金をもつて養子
 ぶん後家妙閑のかいほう処、あきなひ功
 者駄荷づもり江戸へも上下三度笠。

「冥途の飛脚」 1 ウ
 茶のゆはいかい素双のべに手能かど                
 とれて。酒も三川四川五川所もん羽二重も
 出ずいらず。無地の丸つばぞうがんの國 
 ざいく尓はまれ男。色能わけ志り里志りて
 暮るを待ずとぶ足能。飛脚宿能いそがし
 さ。荷をつくるやら不どくやら。手代ハ帳面
 そろばんをおゝ口とも尓どや/\と。千万両能
 やりくりも、つくしあづま能とりやりもゐながら

「冥途の飛脚」 2オ
 かね能自由さハ、一歩小判やしろかね尓つばさ能
 有がごとく也、町通り能状取立帰つてそれ/\と。
 とめ帳つくり所へたそ頼もふ忠兵宿尓ゐやる              
 かと。あん内するハ出入能屋やしき能さむらい。手代共ゐん
 ぎん尓。ヤア是ハ甚内さま。忠兵衛ハるすなればお下
 し物能御用ならば。私尓仰聞られなせ。お茶もて
 おじや、と、あいしらう。いや/\下り能用はなし。ゑど
 若だんなより御状が来た。是おきゝやれとおしひらき。

「冥途の飛脚」 2ウ
 来月二日出の三度尓金子三百両毎さしのばせ
 申べく候。九日十日両日能中、その地亀屋忠兵衛方
 より。右三百両毎請取内ゝ申置候こと共、埒明申さ
 るべく候。則飛脚能請取證文此度登せ候間。金子
 請取次第この證文忠兵衛尓渡し申さるべく候。是
 此通仰下された。今日迄とゝかぬ処大事能御用の
 手はづがちがう。なぜか様にふらちなとはなを。しかめ
 言ひければ。ハヽ御尤/\。去りながら此中能雨つゝき。川ゝ

「冥途の飛脚」 3オ
 仁 水が出ますれば、道中尓日がこミ。かね能とゝかぬ
 のみならず、手前も大分能そん銀。もし盗賊が
 切取道からふつと出来心。万ゝ貫目取られても。
 十八軒能飛脚宿からわきまへ。けし程も御損
 かけませむ、おきづかひあられるな。いはせもはてず
 是さ/\。いふまでもない御そんかけてハ忠兵衛がくびが
 とぶ。日銀のびてハ御用能間があく仁より、それ処
 能せんさく迎ひ飛脚をつかハして早速尓持参

「冥途の飛脚」 3ウ
 せいとかちわかたうもゐくハう。銀ごしらへも
 うさんなまりちらして成りしが。まだ頼みませふ/\。
 中能嶋丹波屋八右衛門から来ました。江戸尓舟
 町米どひ屋能かハせ銀そへ状ハなぜ
 とゞきませぬ。此中文を進しても返事もござ
 らず。使をやれば酢能こんにやくのといつ届けさつ
 しやるぞ。此者わたして人をつけて下され。手形
 手形もどそと申さるゝ、サア金子請とらふと立はたかつ

「冥途の飛脚」 4オ
 てわめきける。主おもひ能手代の伊右衛、さハがぬ躰尓
 て。是お使い、八右衛門さまが其様尓、りくつ臭い口上ハ
 有まい。五千兩七千両、人能かねをあづかって。百丗里
 を家尓し、江戸大阪を。ひろふせばふする亀屋。そ
 こ一軒でハ有まいし。をそいこともなふてハ。今でも旦
 那かへかへられらば此方から返事せふ。五千両尓たらぬ
 金あたがしたましういふまいと。かさから気を
 のまれ、使ハまじめ尓帰りけり。母妙閑ハこたつ能

「冥途の飛脚」 4ウ
 そばをなることもなん戸を出。ヤァ今能ハなんぞ。たん
 ば屋能金のとゞいたハ慥十日もいぜん能こと。なぜ忠
 兵衛ハ渡さぬの。けさかた二軒三軒能金のさいそく
 ゑず。終尓中間へなんぎをうけず、十八軒能飛脚屋
 聞きてゐる。おやじ此代からの此家尓かね一匁能さいそく
 能かゞミといはれた此亀屋。ミなハ心もつかぬか。
 兵衛か此処能そぶりがどふも、のミこまぬ。昨今能者ハ
 しるまいが、じだい是能実子でなし。もとハ大和新口

「冥途の飛脚」 5オ
 村勝木孫右衛門と云大百姓能ひとり子母ご
 ぜハお死尓やって継母がゝり能技くれ尓。悪性狂
 ひも出来るぞと、てゝごせ能思案で是能世とり尓
 もらひしが。せたいまハり商売ごと何尓おろかハな
 けれ共。此比ハそハ/\と何も手尓付かぬ見た、ゐけん
 能しさいとあれど、養子能母もまま母も。同前と
 思はふかせハ/\いふよりいはぬ身を。はぢいらせふと
 おもふて、目をねふつても聞所、見所ハみてゐる、いつ

「冥途の飛脚」 5ウ  
 能ま尓やら大気尓なり述べ能はな紙二枚三枚手尓あ
 たり次第。かさねながら、はなかミやる。過ぎゆかれしおや
 じ能咄尓。はな紙びんびと仕ふ者ハくせ者じやと
 いはれたが。忠兵衛が内を出さま尓のべ三折づゝ入て
 出て何程はなをかむやらもどり尓ハ一枚も残らぬ。
 身が達者な能わかいのとて。あの様尓はな噛んでハ。
 どこぞで病も出ませふとよまいごとして入ければ。
 でつち小者もせふしがり、早ふかへつてくだされかしと。

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映画『さくらん』4,8★ 監督:蜷川実花 生花デザイン:東信 照明:熊谷秀夫 美術:岩城南海子 装飾:相田敏晴 土屋アンナ 安藤政信 市川左團次 椎名桔平 石橋蓮司 他

2019年09月29日 | 乱鳥徒然 Rancho's room.

 映画『さくらん』4,8★ 監督:蜷川実花 生花デザイン:東信 照明:熊谷秀夫 美術:岩城南海子 装飾:相田敏晴 土屋アンナ 安藤政信 市川左團次 椎名桔平 石橋蓮司 小栗旬他


 なんども見た映画『さくらん』をみる。

 『Diner ダイナー』5★ 『人間失格 太宰治と3人の女たち』5,8★(満点以上)にいたく感動した後にみる蜷川実花作品である『さくらん』は、また新鮮なものに感じた。

『さくらん』は印象深い、江戸時代の遊郭の風習を吟味して創られた素晴らしい作品であり好きだが、蜷川実花監督は、ここにきてさらにグレーフォアップをされたいい意味での怪物のようなアーティスチオである。


 世間では蜷川実花監督において突拍子もない色使いであるといったことをおっしゃる方もいらっしゃる。
 人それぞれの感想があって良いのだとおもすし、私の感想は私の感じたことであって、感傷において正解や間違いはないのである。
 だが、一つ言えることは、蜷川実花監督の色彩は、サイケデリックといった一言では片付けられないし、また、基本を押さえておられる彼女のチキ量に拍手を送りたい。

 一見多くの色を多用されていらっしゃるように思うかもしれないが、必ず画面のどこかからポイントの色が流れ、重要な方向に目が行くように構図を整えられている。
『さくらん』の場合は例えば例一例を挙げるならば、毛氈の赤は花魁の衣装を通って壁に流れ、画面(視線)が作品を移動させるといった名画との共通点が多い。
 そして、多くの色合いを使われているかと思うと、必ず、モノトーンに近い場を描き、モノトーンに見えるが実は色彩豊かであるといった高度なテクニックを使われていらっしゃる。
 この「色」という世界観は絶対音感の色判といってもようであろう蜷川実花監督の世界観を繰り広げ、好きな方は大変好きであると言える。

 また、蜷川実花監督は映画を製作されるにあたって、細やかにその当時の風習などを取り入れられていらっしゃる
 例えば、一見全く大切ではないように見える小栗旬さんの役どころ(魚屋)は、当時は鰹の初売りなどをし、人気があった。
 威勢の良い言葉は江戸そのもので、嫌いな客にはたとえ頭とて売らないという勢いのある職業であったという研究者もいらっしゃるくらいである。
 歌舞伎『髪結新三』に出てくる初鰹売りは、まさしく威勢の良い江戸風情の一つである。
 その魚がにこりと笑い、花魁が微笑み返す、なんとも小気味の良い場面であった。

 映画には歌舞伎役者の左団次さんがご出演されていた。
 この役は左団次さんに適役であり、すんなりと見られる。
 適役というより、まさにそのもののような錯覚に陥るお役柄であったことにおいて拍手を送りたい。
 左団次さんを起用されたことにより、歌舞伎の世界へと誘い、道行の場面が一層強調される。
 蜷川実花監督、あっぱれじゃ!と心底私は内心はしゃぐ。

 最後の場面は、道行。 
 映画『さくらん』は、あっけらかんとして暗さを見せない、明るい心中物である。
 心中場面こそ漆出されてはいないのだが、禿が泣きながら行った次の言葉がそれを暗示させる。
「怖い夢をみた。姉さんが遠くに行って死んでしまう夢を見た。」
 心中物をこのような形で描き出せることができると知ったら、近松門左衛門はどのような顔をすののであろうかと思うと、興味深い。
 そういう私も今まさに『近松全集』「冥途の飛脚」を読んでいる真っ最中である。
『さくらん』では心中の場面までは到達しない。最後まで完全には描かれてなく余韻を残す形。これは心中物とは呼ばない方がようのであろうか。
 吉原を足抜けし、あっけらかんと咲き誇る桜の元へ旅立つ二人の姿で、映画は終わる。


 余談ですが、映画中の生花は最高に気を高め、場を盛り上げている。






 スタッフ
監督:蜷川実花
原作:安野モヨコ
脚本:タナダユキ
音楽:椎名林檎
照明:熊谷秀夫
美術:岩城南海子
装飾:相田敏晴
スタイリスト:伊賀大介、杉山優子
生花デザイン:東信 https://www.pinterest.jp/phalaenopsist/東信/
 (東信 https://azumamakoto.com/about/より)
 AMKK
 AMKK(東信、花樹研究所)とは、フラワーアーティスト東信(あずま まこと)の花・植物を題材とした実験的なクリエイションを展開していく集団であり、その活動は、花・植物のみが有しているもっとも神秘的な形を見つけ、それを芸術的レベルに変換し表現する事で、植物の存在価値を高める事に一貫している。 (東信 https://azumamakoto.com/about/より)

 東 信(あずま まこと)
 1976年生まれ。フラワーアーティスト
 2002年より、注文に合わせてデッザンを起こし、花材を仕入れ、花束をつくるオートクチュールの花屋「JARDINS des FLEURS」を銀座に構える(現在は南青山所在)。2005年頃から、こうした花屋としての活動に加え、植物による表現の可能性を追求し、彫刻作品ともいえる造形表現=Botanical Sculptureを開始し、海外から注目を集めはじめる。ニューヨークでの個展を皮切りに、パリやデュッセルドルフなどで実験的な作品を数多く発表するほか、2009年より実験的植物集団「東信、花樹研究所 (AMKK)
」を立ち上げ、ミラノ、ベルギー、上海、メキシコの美術館やアートギャラリー、パブリックスペースで作品発表を重ねる。近年では自然界では存在し得ないような地球上のさまざまなシチュエーションで花を活けるプロジェクトを精力的に展開。独自の視点から植物の美を追求し続けている。

 椎木 俊介(しいのき しゅんすけ)
 1976年生まれ。ボタニカル・フォトグラファー
 2002年より、東信とともにオートクチュールの花屋「JARDINS des FLEURS」を構える。東が植物による造形表現をはじめると時期を同じくして、カメラを手にし、刻々と朽ちゆき、姿かたちを変容させていってしまう生命のありようを写真に留める活動に傾倒していく。
 日々、植物に触れ、その生死に向き合ってきたからこそ、導き出すことのできる花や植物のみが生来的に有する自然界特有の色彩や生命力、神秘性を鋭く切り取っていく。


キャスト
きよ葉(日暮):土屋アンナ・幼少期:小池彩夢
倉之助:椎名桔平
惣次郎:成宮寛貴
高尾:木村佳乃
粧ひ:菅野美穂
光信:永瀬正敏
若菊:美波
大工:山本浩司
坂口:遠藤憲一
しげじ:山口愛
お染:倉内沙莉
お蘭:小泉今日子
楼主:石橋蓮司
女将:夏木マリ
ご隠居:市川左團次(特別出演)
清次:安藤政信
桃花:蜷川みほ
揚羽:兵頭有紀
琴音:もたい陽子
空蝉:松下恵
昼顔:月船さらら
夕凪:藤森麻由
舞鶴:中村ゆり
つつじ:海老沢神菜
雪路:近野成美
白玉:杉林沙織
にほひ:吉田里琴
とめき:齋藤飛鳥
みやこ:矢口蒼依
遣手:星野晶子
吉造:野村貴志
小春:飯沢もも
明石:真中莉子
浮船:彩輝ゆう
若狭屋:影山英俊
粧ひの客:津田寛治
きよ葉の客:長塚圭史
床紅葉の客:SABU
日暮の客:丸山智己
花屋:小栗旬
俺達:会田誠、安藤武徳、庵野秀明、忌野清志郎、大森南朋、小川洋之、小山登美夫、ゴリ(ガレッジセール)、古厩智之、村松利史
客:天田暦、飯塚俊太郎、井川哲也、大迫茂生、椎名泰三、芝崎昇、渋川清彦、清水伸、杉本凌士、清家栄一、田島俊弥、山田強


『さくらん』 安野モヨコの漫画作品。映画化され、2007年2月24日に公開。
 江戸・吉原で育ったきよ葉が、花魁になるまでの葛藤や苦涯、事件などの人生模様が描かれている。
 キャッチコピーは「てめぇの人生、てめぇで咲かす」

 物語の主人公。禿のときの名前は「とめき」、引込のときは「おりん」、新造のときは「きよ葉」、第二部(花魁)での名は「日暮(ひぐらし)」。本名は不明。

 あらすじ
 吉原の玉菊屋に連れてこられた8歳の少女はきよ葉と名付けられ、高級花魁で気の強い粧ひに面倒を見られることに。
 何度も脱走を試みるきよ葉だが粧ひや玉菊屋の清次などに導かれ花魁になることを決意する。
 17歳になったきよ葉は持って生まれた美貌と気性の強さで一躍売れっ子となる。
 やがて、きよ葉は、お客として来た青年・惣次郎と恋に落ちるが…。


 遊女屋
 玉菊屋(たまぎくや)
 吉原の遊女屋で主人公のきよ葉らが在籍する店。粧ひを初めとする人気花魁を次々輩出している。
 松葉屋(まつばや)
 お染が在籍していた店。







 写真は、長浜子供歌舞伎
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
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横浜中華街で昼食。 『孤独のグルメ』じゃ無いけれど、「腹が減った」ので、食事をする。

2019年09月28日 | お出かけ


 横浜中華街で昼食。



 

『孤独のグルメ』じゃ無いけれど、「腹が減った」ので、食事をする。

 店内の白い壁には程よいお値段感覚の京劇の絵が飾られている。

 肩のこらない此雰囲気、うまし。


 

 程よく品の良いご年配のウェイター。

 本日のお勧め料理を書いたブッラックボードを持ち運んでくる、サブウェイター。

 ご年配のウェイターにお勧めとご自分の好きな料理を尋ねると、気楽に教えてくれた。


 そうか!

 今日は魚コースに肉を足すとしようと、私たち夫婦は顔を見合わせて微笑んだ。

 人間、美味いものを食べるときは、幸せ感が増してくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 横浜中華街は、これで二度目。


 前回は作家 大佛次郎が通ったという「肉巻き(?)」の有名な小さなお店でコース料理。

 子供たちと三人、ディズニーランドの帰りだったよ。

 コース料理を三人分頼んだんだけど、店主曰く、
「量が多いから、二人ぶんにしておいた方がいいですよ。」
と。

 大変親切で美味しい小さなお店だったけど、海老料理の火の通り具合と、シメの「ネギラーメン」がとても美味しかったな。

 少し探してみたけれど、そのお店、見つからなかったな。

 
 今度中国に行った際は、中国人の方が見に行く京劇を見て、ピリ辛魚料理と鳥料理を食べるよ^^v

      ハォ!

 


 
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『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 5オ  近松門左衛門作      9

2019年09月28日 | 近松門左衛門



  『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 5オ  近松門左衛門作     9


 

 (……大和新口)

 村勝木孫右衛門と云大百姓能ひとり子母ご

 ぜハお死尓やって継母がゝり能技くれ尓。悪性狂

 ひも出来るぞと、てゝごせ能思案で是能世とり尓

 もらひしが。せたいまハり商売ごと何尓おろかハな

 けれ共。此比ハ そハ/\と何も手尓付かぬ見た、ゐけん

 能しさいとあれど、養子能母もまま母も。同前と

 思は ふかせハ/\いふよりいはぬ身を。はぢいらせふと

 おもふて、目をねふつても聞所、見所ハみてゐる、いつ

 (能ま尓やら大気尓なり述べ能はな紙二枚三枚手尓あ(たり次第)  5ウ)





 忠兵衛=村勝木孫右衛門と云大百姓能ひとり子
     母は瞽女で死んでいる。

 てゝごせ=父と母

 ゐけん=意見

 目をねふつても=目は眠ってもの意


             (5オ)      

               『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」P.283  




 (1オ)(1ウ)(2 オ)= (一丁表)(一丁裏)(二丁表)…と言う意味です。
  本文に「。」が付いている場合は「。」 付いて無い場合は「、」突表記しています。
 (「尓」「能」などのように、助詞の部分はそのまま元字で書いています)



 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 1 オ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 1 ウ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 2オ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 2ウ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 3オ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 3ウ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 4オ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 4ウ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 5オ  近松門左衛門作


「冥途の飛脚」 1 オ
   梅川 冥途の飛脚 近松門左衛門作
 身をつくし難波尓さくやこの花能。里ハ
 三すぢ尓町の名も佐渡と越後
 相の手を。かよう千鳥の淡路町、亀屋
 能世つぎ忠兵衛、ことし廾能上はまだ四
 年、いぜんに大和より、敷金をもつて養子
 ぶん後家妙閑のかいほう処、あきなひ功
 者駄荷づもり江戸へも上下三度笠。

「冥途の飛脚」 1 ウ
 茶のゆはいかい素双のべに手能かど                
 とれて。酒も三川四川五川所もん羽二重も
 出ずいらず。無地の丸つばぞうがんの國 
 ざいく尓はまれ男。色能わけ志り里志りて
 暮るを待ずとぶ足能。飛脚宿能いそがし
 さ。荷をつくるやら不どくやら。手代ハ帳面
 そろばんをおゝ口とも尓どや/\と。千万両能
 やりくりも、つくしあづま能とりやりもゐながら

「冥途の飛脚」 2オ
 かね能自由さハ、一歩小判やしろかね尓つばさ能
 有がごとく也、町通り能状取立帰つてそれ/\と。
 とめ帳つくり所へたそ頼もふ忠兵宿尓ゐやる              
 かと。あん内するハ出入能屋やしき能さむらい。手代共ゐん
 ぎん尓。ヤア是ハ甚内さま。忠兵衛ハるすなればお下
 し物能御用ならば。私尓仰聞られなせ。お茶もて
 おじや、と、あいしらう。いや/\下り能用はなし。ゑど
 若だんなより御状が来た。是おきゝやれとおしひらき。

「冥途の飛脚」 2ウ
 来月二日出の三度尓金子三百両毎さしのばせ
 申べく候。九日十日両日能中、その地亀屋忠兵衛方
 より。右三百両毎請取内ゝ申置候こと共、埒明申さ
 るべく候。則飛脚能請取證文此度登せ候間。金子
 請取次第この證文忠兵衛尓渡し申さるべく候。是
 此通仰下された。今日迄とゝかぬ処大事能御用の
 手はづがちがう。なぜか様にふらちなとはなを。しかめ
 言ひければ。ハヽ御尤/\。去りながら此中能雨つゝき。川ゝ

「冥途の飛脚」 3オ
 仁 水が出ますれば、道中尓日がこミ。かね能とゝかぬ
 のみならず、手前も大分能そん銀。もし盗賊が
 切取道からふつと出来心。万ゝ貫目取られても。
 十八軒能飛脚宿からわきまへ。けし程も御損
 かけませむ、おきづかひあられるな。いはせもはてず
 是さ/\。いふまでもない御そんかけてハ忠兵衛がくびが
 とぶ。日銀のびてハ御用能間があく仁より、それ処
 能せんさく迎ひ飛脚をつかハして早速尓持参

「冥途の飛脚」 3ウ
 せいとかちわかたうもゐくハう。銀ごしらへも
 うさんなまりちらして成りしが。まだ頼みませふ/\。
 中能嶋丹波屋八右衛門から来ました。江戸尓舟
 町米どひ屋能かハせ銀そへ状ハなぜ
 とゞきませぬ。此中文を進しても返事もござ
 らず。使をやれば酢能こんにやくのといつ届けさつ
 しやるぞ。此者わたして人をつけて下され。手形
 手形もどそと申さるゝ、サア金子請とらふと立はたかつ

「冥途の飛脚」 4オ
 てわめきける。主おもひ能手代の伊右衛、さハがぬ躰尓
 て。是お使い、八右衛門さまが其様尓、りくつ臭い口上ハ
 有まい。五千兩七千両、人能かねをあづかって。百丗里
 を家尓し、江戸大阪を。ひろふせばふする亀屋。そ
 こ一軒でハ有まいし。をそいこともなふてハ。今でも旦
 那かへかへられらば此方から返事せふ。五千両尓たらぬ
 金あたがしたましういふまいと。かさから気を
 のまれ、使ハまじめ尓帰りけり。母妙閑ハこたつ能

「冥途の飛脚」 4ウ
 そばをなることもなん戸を出。ヤァ今能ハなんぞ。たん
 ば屋能金のとゞいたハ慥十日もいぜん能こと。なぜ忠
 兵衛ハ渡さぬの。けさかた二軒三軒能金のさいそく
 ゑず。終尓中間へなんぎをうけず、十八軒能飛脚屋
 聞きてゐる。おやじ此代からの此家尓かね一匁能さいそく
 能かゞミといはれた此亀屋。ミなハ心もつかぬか。
 兵衛か此処能そぶりがどふも、のミこまぬ。昨今能者ハ
 しるまいが、じだい是能実子でなし。もとハ大和新口

「冥途の飛脚」 5オ
 村勝木孫右衛門と云大百姓能ひとり子母ご
 ぜハお死尓やって継母がゝり能技くれ尓。悪性狂
 ひも出来るぞと、てゝごせ能思案で是能世とり尓
 もらひしが。せたいまハり商売ごと何尓おろかハな
 けれ共。此比ハそハ/\と何も手尓付かぬ見た、ゐけん
 能しさいとあれど、養子能母もまま母も。同前と
 思はふかせハ/\いふよりいはぬ身を。はぢいらせふと
 おもふて、目をねふつても聞所、見所ハみてゐる、いつ

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『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 4ウ  近松門左衛門作       8

2019年09月27日 | 近松門左衛門


  『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 4ウ  近松門左衛門作     8


 

 そばをなることもなん戸を出。ヤァ今能ハなんぞ。たん

 ば屋能金のとゞいたハ慥十日もいぜん能こと。なぜ忠

 兵衛ハ渡さぬの。けさかた二軒三軒能金のさいそく

 ゑず。終尓中間へなんぎをうけず、十八軒能飛脚屋

 能かゞミといはれた此亀屋。ミなハ心もつかぬか。忠

 兵衛か此処能そぶりがどふも、のミこまぬ。昨今能者ハ

 しるまいが、じだい是能実子でなし。もとハ大和新口

 (村勝木孫右衛門と云大百姓能ひとり子母  5オ)





             (4ウ)      

               『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」P.283  




 あたまがしい
 あた=( 接頭 )
    名詞・形容詞などに付いて不快の念をこめながら、程度のはなはだしいことを強調する意を表す。
    「 -ぎたない」 「 -子細らしい威立おどしだて/浄瑠璃・大経師 中」
    〔「あた聞きともない」などのように副詞的にも用いる〕  (大辞林 第三版)

 あた=[副]《「あだ」とも》不快・嫌悪の気持ちを表す語に付いて、その程度がはなはだしいという意を表す。あった。
    「―めんだうなとつきたふせば」〈浄・傾城三度笠〉
    [補説]「あたがましい」のように、連濁を伴って接頭語的にも用いる。
    「五十両に足らぬ金あたがしましう言ふまい」〈浄・冥途の飛脚〉   (大辞泉)





 (1オ)(1ウ)(2 オ)= (一丁表)(一丁裏)(二丁表)…と言う意味です。
  本文に「。」が付いている場合は「。」 付いて無い場合は「、」突表記しています。
 (「尓」「能」などのように、助詞の部分はそのまま元字で書いています)




 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 1 オ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 1 ウ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 2オ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 2ウ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 3オ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 3ウ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 4オ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 4ウ  近松門左衛門作


「冥途の飛脚」 1 オ
   梅川 冥途の飛脚 近松門左衛門作
 身をつくし難波尓さくやこの花能。里ハ
 三すぢ尓町の名も佐渡と越後
 相の手を。かよう千鳥の淡路町、亀屋
 能世つぎ忠兵衛、ことし廾能上はまだ四
 年、いぜんに大和より、敷金をもつて養子
 ぶん後家妙閑のかいほう処、あきなひ功
 者駄荷づもり江戸へも上下三度笠。

「冥途の飛脚」 1 ウ
 茶のゆはいかい素双のべに手能かど                
 とれて。酒も三川四川五川所もん羽二重も
 出ずいらず。無地の丸つばぞうがんの國 
 ざいく尓はまれ男。色能わけ志り里志りて
 暮るを待ずとぶ足能。飛脚宿能いそがし
 さ。荷をつくるやら不どくやら。手代ハ帳面
 そろばんをおゝ口とも尓どや/\と。千万両能
 やりくりも、つくしあづま能とりやりもゐながら

「冥途の飛脚」 2オ
 かね能自由さハ、一歩小判やしろかね尓つばさ能
 有がごとく也、町通り能状取立帰つてそれ/\と。
 とめ帳つくり所へたそ頼もふ忠兵宿尓ゐやる              
 かと。あん内するハ出入能屋やしき能さむらい。手代共ゐん
 ぎん尓。ヤア是ハ甚内さま。忠兵衛ハるすなればお下
 し物能御用ならば。私尓仰聞られなせ。お茶もて
 おじや、と、あいしらう。いや/\下り能用はなし。ゑど
 若だんなより御状が来た。是おきゝやれとおしひらき。

「冥途の飛脚」 2ウ
 来月二日出の三度尓金子三百両毎さしのばせ
 申べく候。九日十日両日能中、その地亀屋忠兵衛方
 より。右三百両毎請取内ゝ申置候こと共、埒明申さ
 るべく候。則飛脚能請取證文此度登せ候間。金子
 請取次第この證文忠兵衛尓渡し申さるべく候。是
 此通仰下された。今日迄とゝかぬ処大事能御用の
 手はづがちがう。なぜか様にふらちなとはなを。しかめ
 言ひければ。ハヽ御尤/\。去りながら此中能雨つゝき。川ゝ

「冥途の飛脚」 3オ
 仁 水が出ますれば、道中尓日がこミ。かね能とゝかぬ
 のみならず、手前も大分能そん銀。もし盗賊が
 切取道からふつと出来心。万ゝ貫目取られても。
 十八軒能飛脚宿からわきまへ。けし程も御損
 かけませむ、おきづかひあられるな。いはせもはてず
 是さ/\。いふまでもない御そんかけてハ忠兵衛がくびが
 とぶ。日銀のびてハ御用能間があく仁より、それ処
 能せんさく迎ひ飛脚をつかハして早速尓持参

「冥途の飛脚」 3ウ
 せいとかちわかたうもゐくハう。銀ごしらへも
 うさんなまりちらして成りしが。まだ頼みませふ/\。
 中能嶋丹波屋八右衛門から来ました。江戸尓舟
 町米どひ屋能かハせ銀そへ状ハなぜ
 とゞきませぬ。此中文を進しても返事もござ
 らず。使をやれば酢能こんにやくのといつ届けさつ
 しやるぞ。此者わたして人をつけて下され。手形
 手形もどそと申さるゝ、サア金子請とらふと立はたかつ

「冥途の飛脚」 4オ
 てわめきける。主おもひ能手代の伊右衛、さハがぬ躰尓
 て。是お使い、八右衛門さまが其様尓、りくつ臭い口上ハ
 有まい。五千兩七千両、人能かねをあづかって。百丗里
 を家尓し、江戸大阪を。ひろふせばふする亀屋。そ
 こ一軒でハ有まいし。をそいこともなふてハ。今でも旦
 那かへかへられらば此方から返事せふ。五千両尓たらぬ
 金あたがしたましういふまいと。かさから気を
 のまれ、使ハまじめ尓帰りけり。母妙閑ハこたつ能

「冥途の飛脚」 4ウ
 そばをなることもなん戸を出。ヤァ今能ハなんぞ。たん
 ば屋能金のとゞいたハ慥十日もいぜん能こと。なぜ忠
 兵衛ハ渡さぬの。けさかた二軒三軒能金のさいそく
 ゑ図ず。終尓中間へなんぎをうけず、十八軒能飛脚屋
 能かゞミといはれた此亀屋。ミなハ心もつかぬか。
 兵衛か此処能そぶりがどふも、のミこまぬ。昨今能者ハ
 しるまいが、じだい是能実子でなし。もとハ大和新口



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『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 4オ  近松門左衛門作     

2019年09月27日 | 近松門左衛門


   『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 4オ  近松門左衛門作      


 

 (此者わたして人をつけて下され。手形)

 てわめきける。主おもひ能手代の伊右衛、さハがぬ躰尓

 て。是お使い、八右衛門さまが其様尓、りくつ臭い口上ハ

 有まい。五千兩七千両、人能かねをあづかって。百丗里

 を家尓し、江戸大阪を。ひろふせばふする亀屋。そ

 こ一軒でハ有まいし。をそいこともなふてハ。今でも旦

 那かへかへられらば此方から返事せふ。五千両尓たらぬ

 金あたがしたましういふまいと。かさから気を

 のまれ、使ハまじめ尓帰りけり。母妙閑ハこたつ能

 (そばをなることもなん戸を出。ヤァ今能ハなんぞ。たんば屋)

             (4オ)      

               『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」P.281  

 乱鳥の覚書
 主=あるじ
 百丗里=百三十里
  一里=三六町=3.93km(約4km)
  例:普通の人の足取りで、ちょうど一時間程度の距離。
  一里塚といって昔、一里ごとに土を盛り、木を植えて旅人の目印にした。(古文書ネット)
  百三十里= 約520キロ
 ひろふせばふ=広う狭う
 をそいこともなふてハ=遅いことも無うては


 
 (1オ)(1ウ)(2 オ)= (一丁表)(一丁裏)(二丁表)…と言う意味です。
  本文に「。」が付いている場合は「。」 付いて無い場合は「、」突表記しています。
 (「尓」「能」などのように、助詞の部分はそのまま元字で書いています)




 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 1 オ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 1 ウ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 2オ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 2ウ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 3オ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 3ウ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 4オ  近松門左衛門作

「冥途の飛脚」 1 オ
   梅川 冥途の飛脚 近松門左衛門作
 身をつくし難波尓さくやこの花能。里ハ
 三すぢ尓町の名も佐渡と越後
 相の手を。かよう千鳥の淡路町、亀屋
 能世つぎ忠兵衛、ことし廾能上はまだ四
 年、いぜんに大和より、敷金をもつて養子
 ぶん後家妙閑のかいほう処、あきなひ功
 者駄荷づもり江戸へも上下三度笠。

「冥途の飛脚」 1 ウ
 茶のゆはいかい素双のべに手能かど                
 とれて。酒も三川四川五川所もん羽二重も
 出ずいらず。無地の丸つばぞうがんの國 
 ざいく尓はまれ男。色能わけ志り里志りて
 暮るを待ずとぶ足能。飛脚宿能いそがし
 さ。荷をつくるやら不どくやら。手代ハ帳面
 そろばんをおゝ口とも尓どや/\と。千万両能
 やりくりも、つくしあづま能とりやりもゐながら

「冥途の飛脚」 2オ
 かね能自由さハ、一歩小判やしろかね尓つばさ能
 有がごとく也、町通り能状取立帰つてそれ/\と。
 とめ帳つくり所へたそ頼もふ忠兵宿尓ゐやる              
 かと。あん内するハ出入能屋やしき能さむらい。手代共ゐん
 ぎん尓。ヤア是ハ甚内さま。忠兵衛ハるすなればお下
 し物能御用ならば。私尓仰聞られなせ。お茶もて
 おじや、と、あいしらう。いや/\下り能用はなし。ゑど
 若だんなより御状が来た。是おきゝやれとおしひらき。

「冥途の飛脚」 2ウ
 来月二日出の三度尓金子三百両毎さしのばせ
 申べく候。九日十日両日能中、その地亀屋忠兵衛方
 より。右三百両毎請取内ゝ申置候こと共、埒明申さ
 るべく候。則飛脚能請取證文此度登せ候間。金子
 請取次第この證文忠兵衛尓渡し申さるべく候。是
 此通仰下された。今日迄とゝかぬ処大事能御用の
 手はづがちがう。なぜか様にふらちなとはなを。しかめ
 言ひければ。ハヽ御尤/\。去りながら此中能雨つゝき。川ゝ

「冥途の飛脚」 3オ
 仁 水が出ますれば、道中尓日がこミ。かね能とゝかぬ
 のみならず、手前も大分能そん銀。もし盗賊が
 切取道からふつと出来心。万ゝ貫目取られても。
 十八軒能飛脚宿からわきまへ。けし程も御損
 かけませむ、おきづかひあられるな。いはせもはてず
 是さ/\。いふまでもない御そんかけてハ忠兵衛がくびが
 とぶ。日銀のびてハ御用能間があく仁より、それ処
 能せんさく迎ひ飛脚をつかハして早速尓持参

「冥途の飛脚」 3ウ
 せいとかちわかたうもゐくハう。銀ごしらへも
 うさんなまりちらして成りしが。まだ頼みませふ/\。
 中能嶋丹波屋八右衛門から来ました。江戸尓舟
 町米どひ屋能かハせ銀そへ状ハなぜ
 とゞきませぬ。此中文を進しても返事もござ
 らず。使をやれば酢能こんにやくのといつ届けさつ
 しやるぞ。此者わたして人をつけて下され。手形
 手形もどそと申さるゝ、サア金子請とらふと立はたかつ

「冥途の飛脚」 4オ
 てわめきける。主おもひ能手代の伊右衛、さハがぬ躰尓
 て。是お使い、八右衛門さまが其様尓、りくつ臭い口上ハ
 有まい。五千兩七千両、人能かねをあづかって。百丗里
 を家尓し、江戸大阪を。ひろふせばふする亀屋。そ
 こ一軒でハ有まいし。をそいこともなふてハ。今でも旦
 那かへかへられらば此方から返事せふ。五千両尓たらぬ
 金あたがしたましういふまいと。かさから気を
 のまれ、使ハまじめ尓帰りけり。母妙閑ハこたつ能


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2019年 南座新開場一周年記念 京の年中行事「當る子歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」 上演演目メモ

2019年09月27日 | 舞台・音楽 雑感メモ
 写真はイランのタイル画




  2019年 南座新開場一周年記念 京の年中行事「當る子歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」
  11月30日(土)~12月26日(木)
  上演演目






 昼の部

 『輝虎配膳』近松門左衛門

 『戻駕色相肩(もどりかごいろにあいかた)』常磐津

 『金閣寺』

 『仮名手本忠臣蔵』から 七段目「祇園一力茶屋の場」義太夫


 夜の部

 『堀川波の鼓』近松門左衛門

 『釣女』

 『魚屋宗五郎』河竹黙阿弥

 『越後獅子』


 『仮名手本忠臣蔵』は「祇園一力茶屋の場」のみだが、仁左衛門丈(通しで見たい)
 『堀川波の鼓』近松門左衛門は仁左衛門丈
 『魚屋宗五郎』は芝翫さんらしい。

  秀太郎さんと藤十郎さんと扇雀さんも見たいが、ムニュムニュ^^
  演目と少な役者が合致しているのは、近松の『堀川波の鼓』かもしれない。

  何気に悩むところである。
  

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『絵本百物語』 巻第三 第十九 葛の葉(くずのは)  (『絵本百物語』桃山人著  竹原春泉 画)

2019年09月27日 | 変体仮名見むとするハいとをかし

 
 『絵本百物語』 巻第三 第十九 葛の葉(くずのは)  (『絵本百物語』桃山人著  竹原春泉 画)


 葛の葉

 信田杜の葛能葉の事ハ

 稚児(おさなご)まで知る事なれ者

 ここにいわず



 葛の葉

 しのだのもりの葛の葉の事は

 おさなごまで知る事なれば

 ここに言わず



    恋しくば尋ね来て見よ 和泉なる信太の森のうらみ葛の葉

    信田(のもり)は、大阪にあります^^
    植物のクズの葉の裏を見ると毛が生えているので、狐の毛に見立てて、葛の葉名付けられました(という説があります。)

    『説経節』(東洋文庫)より「付 信太妻」
     『説経節』から 「付 信太妻」 東洋文庫 平凡社


  本文に「。」が付いている場合は「。」 付いて無い場合は「、」突表記しています。
 (「尓」「能」などのように、助詞の部分はそのまま元字で書いています)




 歌舞伎と脚本でで馴染みのある『葛の葉』は好きな演目で、このブログでも何度か取り上げています。

 2019年(今年)の7月にも松竹座で中村時蔵さんの『葛の葉』を拝見させていただきました。

 まだ記録してませんので、ここでは中村扇雀さんの『葛の葉』をリンクしておきたいと思いますが、記録のみで詳しくは書いていません。

       『葛の葉』2013年 松竹座 中村扇雀さんの『葛の葉』は芸術的でした。

『葛の葉』は民俗学でも注目され、多くの有名な学者も葛の葉の異形の意味合いについて記されてます。

 また、興味深いのは、葛の葉の子供は、安倍晴明ということになっています。お話って、楽しいと感じます。


 好きなお話なので、『絵本百物語』の2回目は巻第三 第十九 葛の葉(くずのは)にいたしました。



 
 『絵本百物語』 巻第三 第 十九 葛の葉(くずのは)  (『絵本百物語』桃山人著  竹原春泉 画)
 
 『絵本百物語』 巻第四 第三十五 神那里(かみなり)(下野の国の雷獣のこと、それを狩りとることが「かみなり狩り」)


 『絵本百物語』 第三十五 【神那里】かみなり(下野の国の雷獣のこと、それを狩りとることが「かみなり狩り」)


 
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『絵本百物語』 第三十五 【神那里】かみなり(下野の国の雷獣のこと、それを狩りとることが「かみなり狩り」) (『絵本百物語』より、竹原春泉 画)

2019年09月26日 | 変体仮名見むとするハいとをかし

 『絵本百物語』 第三十五 【神那里】かみなり(下野の国の雷獣のこと、それを狩りとることが「かみなり狩り」) (『絵本百物語』より、竹原春泉 画)



 
 『絵本百物語』 第三十五  神なり(かみなり)
  本文には下野の国の雷獣のこと、それを狩りとることが「かみなり狩り」と称されてたことが記されている。

   図中には 変体仮名を用い、【神那里】(かみなり)と記されています。


    菅原道真の好きな私は、まず「かみなり」から取り上げました。





『絵本百物語』(えほんひゃくものがたり)は、1841年(天保12年)に刊行された日本の奇談集。

 著者 桃山人 (、江戸時代後期の戯作者・桃花園三千麿のこと か)

 江戸時代の妖怪を主題とした版本は墨線による主版のみ、あるいは主版に薄墨などの淡色を重ねて刷ったものなどが多いが、本書は薄墨を重ねた他に緑・青・赤をはじめとした複数の色版を重ねた多色刷りで印刷された出版物であることも特徴のひとつだとされている。

 話ごとに物語の題名ではなく妖怪の名称を掲げた上に妖怪の挿絵をつけており、怪談集と画集とを融合させた作品。 (ウィキペディア)

 



 『絵本百物語』 第三十五 【神那里】かみなり(下野の国の雷獣のこと、それを狩りとることが「かみなり狩り」)



 『絵本百物語』著者:桃山人




  本文に「。」が付いている場合は「。」 付いて無い場合は「、」突表記しています。
 (「尓」「能」などのように、助詞の部分はそのまま元字で書いています)



 菅原道真の好きな私は、まず「かみなり」から取り上げましたので、道真についての関連記録を載せておきたいと思います。
  菅原道眞 (道真)
 菅原道眞1 東風吹かば にほひおこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ
 
 菅原道眞2 秀才道真、業平と親交が深かったか…

 菅原道眞3 東風吹かば… 春を忘るな・(春な忘れそ) 『大鏡』『拾遺和歌集』

 菅原道眞4 メモ

 菅原道眞 5 大宰権帥に左遷。「日本三代実録葉」完成を報告したのは、時平と大蔵善行(901年)

 菅原道眞6 菅原道真は ろ号券 五圓紙幣にも登場していた。

 菅原道眞7 手向山八幡宮 このたびはぬさもとりあへずたむけ山 紅葉の錦神のまにまに

 菅原道眞8 北野天満宮 梅花祭(御祭神菅公の祥月命日に行われる祭典) 2月28日

 菅原道眞9 北野神社 2014年2月28日 北野梅園 梅!只今五分咲きです。(4景)

 菅原道眞10『北野天神縁起(光信本)』(北野天神 宝物殿)と、 絵馬堂の絵馬 

 菅原道真11 『北野天神縁起(光信本)』(北野天神 宝物殿)「牛が動かなくなった場面」や「雷となった道真さんから歌を教えられる場面」など

 菅原道眞12 北野天満宮 2014年2月 宝物殿 『北野天神縁起(光信本)』「長谷川等伯の大型絵馬」

 菅原道眞13 神戸 北野天満宮神社では展望台では異人館「風見鶏の館」と神戸港を見る事ができます。

 菅原道眞14 八坂神社・石見神楽『天神』 東風吹かば匂いおこせよ梅の花 主なしとて春な忘れそ

 菅原道眞 15 天神祭  花火と船能 『翁』『羽衣』『土蜘蛛』観世流   2014年7月15日

 菅原道眞 16  菅原道真 16 名がわからない天満宮と、「菅原道真公」の絵馬  「稲葉そよびて秋風のふく」  (5景)

 菅原道眞 17 太宰府「梅ヶ枝餅」 元は梅の枝に栗餅を巻き付けて道真公に差し入れたらしい。 (5景)

 菅原道眞 18 仁左衛門が太宰府天満宮で「三月大歌舞伎」(歌舞伎座)成功祈願

 菅原道眞 19 仁左衛門丈が菅丞相 通し狂言『菅原伝授手習鑑』 三月歌舞伎座 チラシあり

 菅原道眞20 『決定版 番付集成』より「日本國中 天満宮鎮座」 青木美智男編 柏書房

 菅原道眞21 京都観世会9月例会〈其のニ〉 (能) 雷電 替装束 橋本忠樹

 菅原道眞22 『観世流謡曲続百番集』『雷電』(らいでん)  445頁から454頁(10枚)

 菅原道眞23(道真)菅原伝授手習鑑- 菅丞相 役も当たり役の十五世片岡仁左衛門丈が2018年、文化功労者賞を受賞

 菅原道眞24 北野天満宮所蔵『北野天神縁起絵巻〈承久本〉』「平成記録本」全9巻 京都文化博物館 京の至宝と文化 を御観覧いただいた方が昨日だけで70名を超えておりましたので、再度記録いたします。

 菅原道眞25 一月一日の初詣は散歩がてら。家から程なく近い天満宮家から程なく近い村の鎮守の天満宮に参り、菅原道眞様に祈願する。(4景)

 菅原道眞26 丹念に予習した漢文は断念っする羽目になったが、夫の配慮で京都文化博物館『北野天満宮 信仰と名宝 ―天神さんの源流―』に行くことができ、満足した。展示内容は後日記録したい。

 菅原道眞27 『北野天満宮 信仰と名宝 ―天神さんの源流―』 京都文化会館 2019年2月〜4月

 菅原道眞28 御霊信仰は私の好きな菅丞相(菅原道真)が関係有り。又、御霊会に関係部会田楽について

 菅原道眞29 天神信仰はなぜ全国に広まったか。その理由理由にはまだ確信が持てない。今後の課題として茶を濁す。



   ☆ ☆ ☆
 北野天満宮所蔵『北野天神縁起絵巻〈承久本〉』「平成記録本」全9巻 京都文化博物館 京の至宝と文化

 乱読記録2012年97:『日本絵巻大成21 北野天神縁起「承久本」』解説/ 岩波古典『菅原文草 菅家後集』

 『天神縁起の系譜』「北野天神絵巻」(承久本)から巻一、巻二 須賀みほ編




北野天神縁起絵巻 平成記録本 巻1


北野天神縁起絵巻 平成記録本 巻2


北野天神縁起絵巻 平成記録本 巻3


北野天神縁起絵巻 平成記録本 巻4


北野天神縁起絵巻 平成記録本 巻5


北野天神縁起絵巻 平成記録本 巻6


北野天神縁起絵巻 平成記録本 巻7


北野天神縁起絵巻 平成記録本 巻8


北野天神縁起絵巻 平成記録本 巻9 白描

  

『日本絵巻大成21 北野天神縁起「承久本」』解説/ 岩波古典『菅原文草 菅家後集』(7枚)




 
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 映画『清須会議』 3,5★/5 役所広司 小日向文世 佐藤浩市 妻夫木聡 中谷美紀 松山ケンイチ 阿南健治 大泉洋 他

2019年09月26日 | 乱鳥徒然 Rancho's room.
 春日大社 和舞

      映画『清須会議』 3,5★/5 役所広司 小日向文世 佐藤浩市 妻夫木聡 中谷美紀 松山ケンイチ 阿南健治 大泉洋 他




 映画『清須会議』 原作・監督:三谷幸喜



 三谷幸喜さん原作、監督の映画『清須会議』を見ました。

 途中で絵巻物(複製、手書き)が巧みに使用されていて、その部分が面白かった。


 大泉さんの秀吉役は序幕では見ただけで特徴をつかんでおられいいぞ!と応援していたが、1/3くらいから中だるみになったのが惜しい。

 中谷美紀さんは終始一貫して、寧役を貫き通されていた。

 役所広司さんと佐藤浩市さんは重厚にこなされ、妻夫木聡さんはほくそ笑むほどなりきり。

 重厚といえば、もうお一方。名を調べれば、阿南健治さんであった。

 松山ケンイチさんは少し出てこられただけでオーラを醸し出された。


 全体に役者が、史上の人物の顔に似ている。

 妻夫木さんに関してはお顔立ちが違うと書かれている方もあったが、鼻がそっくり。

 みなさんがあまりにも似ておられるので、驚いた。

 これは、演技やメークも関係しているとは思うが、元々のお顔立ちもあるような。

 そのように感じさせる本映画や役者さんたちは、素晴らしいのでは無いかと思った。


 役者さんたちが熱演されており、そこそこくつろいで楽しめる映画だと私は思う。




 今更ですが、映画や芸術や文芸、物事全般において
 人によって好みも感じ方も違います事をお含みおき下さい。



 



 三谷幸喜が17年ぶりに書き下ろした小説を自ら脚色し、メガホンをとって映画化。本能寺の変で織田信長が死去した後、家臣の柴田勝家と羽柴(豊臣)秀吉らが後継者を決め、日本史上初めて合議によって歴史が動いたとされる清須会議の全貌をオールスターキャストで描く。三谷監督作品では初の時代劇。天正10年(1582年)、本能寺の変で織田信長がこの世を去り、筆頭家老の柴田勝家は信長の三男でしっかり者の信孝を、羽柴秀吉は次男で大うつけ者と噂される信雄をそれぞれ後継者に推薦する。勝家、秀吉がともに思いを寄せる信長の妹・お市は秀吉への恨みから勝家に肩入れし、秀吉は軍師・黒田官兵衛の策で、信長の弟・三十郎信包を味方に引き入れ、家臣たちの人心を掌握していく。やがて後継者を決める会議が開かれ、それぞれの思惑が交錯する。

2013年製作/138分/G/日本
配給:東宝

 スタッフ・キャスト
監督
三谷幸喜
製作
亀山千広 市川南
企画
石原隆

柴田勝家:役所広司
丹羽長秀:小日向文世
池田恒興:佐藤浩市
織田信雄:妻夫木聡
寧:中谷美紀
滝川一益:阿南健治
堀秀政:松山ケンイチ
羽柴秀吉:大泉洋
前田利家:浅野忠信
黒田官兵衛:寺島進
前田玄以:でんでん
織田三十郎信包:伊勢谷友介
お市様:鈴木京香
松姫:剛力彩芽
三法師:津島美羽
織田信孝:坂東巳之助
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『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 3ウ  近松門左衛門作

2019年09月26日 | 近松門左衛門

 

   『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 3ウ  近松門左衛門作


 


 (能せんさく迎ひ飛脚をつかハして早速尓持参)

 せいとかちわかたうもゐくハう。銀ごしらへも

 うさんなまりちらして成りしが。まだ頼みませふ/\。

 中能嶋丹波屋八右衛門から来ました。江戸尓舟

 町米どひ屋能かハせ銀そへ状ハなぜ

 とゞきませぬ。此中文を進しても返事もござ

 らず。使をやれば酢能こんにやくのといつ届けさつ

 しやるぞ。此者わたして人をつけて下され。手形

 手形もどそと申さるゝ、サア金子請とらふと立はたかつ


 (てわめきける)




              (3ウ)      

               『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」P.281   




 八右衛門って、中の嶋の丹波屋の米問屋 八右衛門だったのですね。
 大阪の米問屋。
 懐があたたかいはずですね。

「さぁ、金子受け取ろう。」
と立ちはだかってって、歌舞伎の一場面を思い浮かべ、声色や仕草や義太夫の節回しや音まで感じられます。

 


 町米どひ屋

    

 (1オ)(1ウ)(2 オ)= (一丁表)(一丁裏)(二丁表)…と言う意味です。
  本文に「。」が付いている場合は「。」 付いて無い場合は「、」突表記しています。
 (「尓」「能」などのように、助詞の部分はそのまま元字で書いています)



 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 1 オ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 1 ウ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 2オ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 2ウ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』「冥途の飛脚」 3オ  近松門左衛門作
 『近松全集第七巻』v 3ウ  近松門左衛門作

 1 オ
   梅川 冥土能飛脚 近松門左衛門作
 身をつくし難波尓さくやこの花能。里ハ
 三すぢ尓町の名も佐渡と越後
 相の手を。かよう千鳥の淡路町、亀屋
 能世つぎ忠兵衛、ことし廾能上はまだ四
 年、いぜんに大和より、敷金をもつて養子
 ぶん後家妙閑のかいほう処、あきなひ功
 者駄荷づもり江戸へも上下三度笠。

 1 ウ
 茶のゆはいかい素双のべに手能かど                
 とれて。酒も三川四川五川所もん羽二重も
 出ずいらず。無地の丸つばぞうがんの國 
 ざいく尓はまれ男。色能わけ志り里志りて
 暮るを待ずとぶ足能。飛脚宿能いそがし
 さ。荷をつくるやら不どくやら。手代ハ帳面
 そろばんをおゝ口とも尓どや/\と。千万両能
 やりくりも、つくしあづま能とりやりもゐながら

 2オ
 かね能自由さハ、一歩小判やしろかね尓つばさ能
 有がごとく也、町通り能状取立帰つてそれ/\と。
 とめ帳つくり所へたそ頼もふ忠兵宿尓ゐやる              
 かと。あん内するハ出入能屋やしき能さむらい。手代共ゐん
 ぎん尓。ヤア是ハ甚内さま。忠兵衛ハるすなればお下
 し物能御用ならば。私尓仰聞られなせ。お茶もて
 おじや、と、あいしらう。いや/\下り能用はなし。ゑど
 若だんなより御状が来た。是おきゝやれとおしひらき。

 2ウ
 来月二日出の三度尓金子三百両毎さしのばせ
 申べく候。九日十日両日能中、その地亀屋忠兵衛方
 より。右三百両毎請取内ゝ申置候こと共、埒明申さ
 るべく候。則飛脚能請取證文此度登せ候間。金子
 請取次第この證文忠兵衛尓渡し申さるべく候。是
 此通仰下された。今日迄とゝかぬ処大事能御用の
 手はづがちがう。なぜか様にふらちなとはなを。しかめ
 言ひければ。ハヽ御尤/\。去りながら此中能雨つゝき。川ゝ

 3オ
 仁 水が出ますれば、道中尓日がこミ。かね能とゝかぬ
 のみならず、手前も大分能そん銀。もし盗賊が
 切取道からふつと出来心。万ゝ貫目取られても。
 十八軒能飛脚宿からわきまへ。けし程も御損
 かけませむ、おきづかひあられるな。いはせもはてず
 是さ/\。いふまでもない御そんかけてハ忠兵衛がくびが
 とぶ。日銀のびてハ御用能間があく仁より、それ処
 能せんさく迎ひ飛脚をつかハして早速尓持参

 3ウ
 せいとかちわかたうもゐくハう。銀ごしらへも
 うさんなまりちらして成りしが。まだ頼みませふ/\。
 中能嶋丹波屋八右衛門から来ました。江戸尓舟
 町米どひ屋能かハせ銀そへ状ハなぜ
 とゞきませぬ。此中文を進しても返事もござ
 らず。使をやれば酢能こんにやくのといつ届けさつ
 しやるぞ。此者わたして人をつけて下され。手形
 手形もどそと申さるゝ、サア金子請とらふと立はたかつ

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 




 
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『スカ屁』  江戸時代後期発行のかわら版「スカ屁」。一部画像に処理を施してあります(大阪府立中之島図書館所蔵)

2019年09月25日 | 変体仮名見むとするハいとをかし



 
 江戸時代後期発行のかわら版「スカ屁」。一部画像に処理を施してあります
                              (大阪府立中之島図書館所蔵)



 スカ屁

 越中かき山 いまき谷(だに)
  
 尻が洞(ほら)われめより

 すかべと云(いふ=いう)者(もの)出(いで)て

 こやし取りに告(つげ)て曰ク(いわく)

 今年ゟ(より)四五年の内に

 名もなきおなら流行(りうこう=りゅうこう)

 して、いもべの薬にても

 ゆかず、手にあせにぎりべ

 さいごべの事有(あり)。我姿(わがすがた)

 青ひ(あおい)顔(かほ=かお)を絵図(えづ=えず)に

 うつしはり(写し貼り)、おう わ(は)

 其難(そのなん)をのがれ

 家内(かない)まめべ、くそ

 くさい、延命うたがひなし、

    
    【絵図】


     どこもかもくさべ、

     あんまりくだべで

     はらもくだべいふ(いう)のも

     くだべ、あとから出し(いでそ)

     なお

     くだべ






 うつしはり(写し貼り)、おう わ(は)

 其難(そのなん)をのがれ

 家内(かない)まめべ、くそ

 くさい、延命うたがひなし、



 上のように記されていることから、この絵を写しはると、おならの難から逃れられることがわかる。





     読み間違いがある場合は、お許し下さい。


 
 江戸時代後期発行のかわら版「スカ屁」。一部画像に処理を施してあります(大阪府立中之島図書館所蔵)


 


 “放屁ネタ”は江戸庶民の笑いのツボ 妖怪「スカ屁」かわら版誕生の理由  (引用)
 THE PEGE

 2017/1/24(火) 18:10配信
 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170123-00000001-wordleaf-soci&p=1

 江戸時代の娯楽や情報源として、庶民に愛されたかわら版は、その時々の社会情勢などに応じて異なる趣がありました。地震や火事など災害時には、迅速にまじめに役立つ情報を提供しようとかわら版屋の“本気”を見せつけてくれました。しかし、平和な時が続くと、つい物足りなくなってしまうのか、奇妙なかわら版が出回り始めます。

 妖怪「スカ屁」のかわら版は、いったいどのような経緯で作られたのでしょうか? 大阪学院大学、准教授の森田健司さんが解説します。

一見謎のかわら版「スカ屁」
 ここに一枚、奇妙なかわら版がある。表題は「スカ屁」。目に飛び込んでくるのは、力強い線で描かれた、老婆らしき人物のイラストである。この老婆、どうやら放屁しているようだ。左手で自身の鼻を摘んでいることからは、その屁が相当な悪臭であることが察せられる。

 かわら版は、基本的に何らかのニュースを伝えるものである。果たして、この「スカ屁」なるかわら版、何を報じようとしているのか。十分にイラストを見た後に、記事に目を移してみよう。それは、こう始められている。

  越中かき山いまき谷 尻が洞われめより すかべと云者出て こやし取に告て曰ク

 簡単に現代語訳すると、越中(現在の富山県)の「かき山」の「いまき谷」にある「尻が洞」の割れ目から、スカ屁という者が出現し、こやし取りの者に次のように告げた、となる。この老婆は、どうも人間ではなく、スカ屁という名の妖怪のようである。もう少し、続きを読んでみたい。

  今年より四五年の内に 名もなきおなら流行して いもべの薬にてもゆかず 手にあせにぎりべ

  THE PAGE
大人気だった妖怪関連かわら版
 幕末に近付くにつれて、かわら版の中には、いわゆるジャーナリスト精神を感じさせるものが確実に出現し始めた。特に、天災地変や火事に関するニュースを報じるものに、そのような傾向が強く、これは以前述べた通りである。

 そうは言っても、やはりかわら版が最も得意としたのは、怪しげで、娯楽性の高い情報の伝達だった。中でも妖怪関連のニュースは、信憑性がほぼゼロでありながら、どれも抜群に面白く、庶民に大人気だった。「これぞかわら版」と表現したくなるような、いかがわしくも愉快なものばかりなのだ。

 この背景には、当時の庶民にとって、妖怪という存在が極めて身近だったことがある。今よりずっと、世界は未解明で、わからないことが多かった。そういった人間の知性の光が届かない領域、例えば麻疹や疱瘡などのおそろしい流行病は、妖怪の仕業として理解されることも多かったのである。

 そもそも、西洋のモンスターと違って、日本における妖怪とは「没落した神々」であって、無条件に人間と敵対する者とは考えられていなかった。それどころか、妖怪の中には、人に利益をもたらす者もいるとされ、大切に扱われることさえあった。

 4~5年以内に、今は名もない「おなら病」が流行する。それには、芋屁(芋を食べた後に出る屁の意、だろうか)を止める薬も効かず、「手に汗握り屁」となるだろう。こういうことらしい。

 頭が老婆、身体が黒い老婆、つまり概ね老婆という見た目を持つ妖怪・スカ屁は、近々流行するであろう、今は知られていない病気を「予言」しているのである。「手に汗握り屁」ということは、当人には屁であると確信できないほどに、危うい屁が出てしまう病なのだろう。ふざけているようだが、確かにそのような病気に感染するのは遠慮したいところである。

 最後に、スカ屁はこう言って去ったという。

  我姿 青ひ顔を絵図にうつしおくわ 其難をのがれ 家内まめべく そくさい延命 うたがひなし

 要するに、この「スカ屁の絵」を持っておけば、「おなら病」の感染は避けられるらしい。それどころか、家内安全、無病息災、おまけに延命長寿まで約束されるという。随分と自信満々な様子だが、その根拠は、ここからは理解できない。

 果たして、この不可思議かつ、下品な一枚刷りは、どういう経緯で作られたものなのだろうか。 (大阪学院大学 経済学部 准教授 森田健司)
 

 

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Sunrise

2019年09月25日 | お出かけ

 

     Sunrise

 

 整理をすると、生き方が変わる

 シンプルに整えれば、生き方が見える

 ほら!こんなに広い

 心にゆとりができる


 朝日を見た。

 久々に、朝日を見た

 対極に、三日月が銀色に輝く

 いわし雲が、二人を繋ぐ


 
 Uriah Heep - Sunrise
 Ron Mannさんから、お借りしました。

 
 2019年9月25日朝6時頃


 



 

 
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