乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

古今和歌集 春歌 紀貫之  2  春歌 39、42、45、49

2011年02月28日 | 紀貫之


 昨日は日本古典文学大系8の「古今和歌集」春歌から紀貫之春歌から紀貫之のものだけを五首写した。
 
 この写し方でいいんだろうか?

 ネットで見てみると、色々な形で記録されているようだ。

 今日は少し形式を変えてみたい。

 今日は四首のみです。





  日本古典文学大系8  岩波





 古今 春歌39

  くらぶ山にてよめる   つらゆき


      梅花にほふ春べは くらぶ山やみにこゆれど しるくぞありける





 古今 春歌42

  はつせにまうづるごとに、やどりける人の家に、ひさしくやどらで、程へて後にいたれりければ、かの家のあるじ、かくさだかになむやどりはあると、いひいだして侍りければ、そこにたてりける梅の花ををりてよめる  つらゆき



      ひとはいさ心もしらず ふるさとは 花ぞむかしのかににほひける





 古今 春歌45

  家にありける梅の花のちりけるをよめる  つらゆき




      くるとあくとめかれぬ物を 梅花 いつの人まにうつろひぬらん





 古今 春歌49

  人の家にうえたるさくらの、花さきはじめたりけるをみてよめる  つらゆき




      ことしより春しりそむる櫻花 ちるといふ事はならはざらなん




  





 やまとうたは、ひとのこゝろをたねとして、よろづのことの葉とぞなれりける。世中にある人、ことわざしげきものなれば、心におもふことを、見るもの、きくものにつけて、いひいだせるなり。花になくうぐひす、みづにすむかはづのこゑをきけば、いきとしいけるもの、いづれかうたをよまざりける。ちからをもいれずして、あめつちをうごかし、めに見えぬ鬼神をも、あはれとおもはせ、お(を)とこ女のなかをもやはらげ、たけきものゝふのこゝろをもなぐさむるは、歌なり。



  ふるとしに春たちける日よめる

  袖ひぢてむすびし水のこほれるを春立つけふの風やとくらむ  紀貫之   古今和歌集 春歌 二番



  雪のふりけるをよめる

  霞たちこのめもはるの雪ふれば花なき里も花ぞ散りける    古今和歌集 春歌 九番

    

  歌奉れとおほせられし時、よみて奉れる

  春日野の若菜つみにや白妙の袖ふりはへて人のゆくらむ  つらゆき  古今和歌集 春歌 二十二番



  歌たてまつれとおほせられし時によみてたてまつれる

  わがせこが衣はるさめふるごとに野辺のみどりぞ色まさりける  つらゆき  古今和歌集 春歌 二十五番



  歌たてまつれとおほせられし時によみてたてまつれる

  青柳の糸よりかくる春しもぞみだれて花のほころびにける  つらゆき  古今和歌集 春歌 二十六番







  今回は49までです

  写真は2月27日  平群町 たつた川

                水くくる^^のイメージで






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樽地蔵(たるじぞう)と呼ばれる油壷台座に立たれている 舟形十一面観音立像( 明和五年 1768年)3景

2011年02月28日 | お出かけ




         樽地蔵(たるじぞう)と呼ばれる 舟形十一面観音立像( 明和五年 1768年)


         油壷台座の上に立っている








 樽地蔵(たるじぞう)と呼ばれる舟形十一面観音立像( 明和五年.1768)

 奈良県の平群町信貴畑にある舟形十三仏板碑 天文二十一年(一五五二)と舟形如来座像 紀年なし (室町前半期頃)近く

 樽は油壷といわれる。





 奈良のあじさい寺と呼ばれる矢田寺には味噌地蔵があり地蔵に味噌が塗りたくられる。

 味噌づくりが上手になるように祈願してのことだとお聞きした。

 樽地蔵(たるじぞう)様にはどういった願いが込められているのだろうか……。

 





 この地蔵尊のすぐ側には急な斜面の村に通じる道がある。

 写真上がそれ。

 かなりの急な坂だが、下ると家や森があるようだ。

 今回は夕刻という時間も押してきていたので、おりて確かめることはしなかった。

 



 おつきあい下さいまして、ありがとうございます。

 お礼申し上げます。







       2011年2月27日

       奈良県 平群町 信貴畑

       樽地蔵(たるじぞう)と呼ばれる 舟形十一面観音立像( 明和五年.1768)





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信貴畑勧請(かんじょう)の地で 舟形十三仏板碑と舟形如来座像(10景)

2011年02月28日 | 民俗考・伝承・講演






              信貴畑勧請(かんじょう)の地
















 平群町の信貴畑には、地蔵堂が有る。

 信貴山朝護孫子寺の「奥の院」から割合に近い。



 舟形十三仏板碑 天文二十一年(一五五二)と舟形如来座像 紀年なし (室町前半期頃)が並んで立っている。

 地元に密着したこの地蔵堂は信貴畑の入り口と書かれている。

 今でもこの地の方々の信仰はあついようで、わたしが訪れた夕刻の五時半頃、ひとりの女性はしゃがみ込んで手を合わせ、お念仏を唱えられていた。




 左

 舟形如来座像




 右

 数えると舟形の中には十三体の仏像。








 勧請縄(かんじょうなわ)


  かんじょう‐なわ[クヮンジャウなは]【勧請縄】-日本国語大辞典

   〔名〕奈良県の村々で、正月一四日に太い注連縄(しめなわ)のようなものを作り、翌日村の入り口の道に張るもの。

      邪悪なものを村内に入れないための呪術。道切り縄。*諸国風俗問状答〔19C前〕大和国高取領風俗問状答







 奈良に住んでいると、勧請縄を見る機会に恵まれることが多い。

 勧請縄は京都市内に生まれ育ったわたくしには、たいへん珍しく、初めて見た時には感動を覚えた。

 以前から故のブログでも道切りとして何度も記録している。

 勧請縄の「境界」といった意味合いは、わたくしにとってはたいへんに興味深い。


 


 ここは信貴畑でかなり山の上だが、そこから一層小高くなった場所に建てられた地蔵堂。

 村はかなり下の方。

 上の写真(小二枚)から見て、公道と小高くなった境目に貼られた道切り的な勧請縄の意味合いを考えると、ここが神域であることは一目瞭然だろう。




 
 地蔵堂階段あがってすぐの入り口と勧請縄の間には井戸。

 この造りは厄よけとしても興味深い。神聖な地だと痛感した。





 上写真は 平群町の信貴畑勧請(かんじょう)の地や奥の院、又 別方向の信貴山朝護孫子寺から随分と下ると、この景色。

 平群町の信貴畑勧請(かんじょう)の地は随分寂しい、山の上にあることがわかる。

 夕刻、車通りの少ない信貴畑辺を 独りミニバイクで走るのは、心細いものだ。

 人里に辿り着いた時には、胸をなで下ろした。

 


 最後までおつきあい下さいまして、ありがとうございました。

 みなさまには心より感謝しています。






       2011年2月27日

       奈良県 平群町 信貴畑勧請(かんじょう)の地にて







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古今和歌集 春歌 紀貫之  1  春歌 2、9、22、25、26

2011年02月28日 | 紀貫之







 知りもしないのに『土佐日記』を少しかじっただけで嫌いだといっていた紀貫之。

 だが、本当はどうなのだろう…。

 気になって仕方がないので、古今和歌集を開き楽しむことにした。

 とりあえず古今和歌集の初めから、紀貫之のものだけを拾って写し始める。

 数が多いので、今回は五首のみ。

 数は少ないが 歌を読むと、紀貫之のすごさと偉大さが伝わってくる。







 やまとうたは、ひとのこゝろをたねとして、よろづのことの葉とぞなれりける。世中にある人、ことわざしげきものなれば、心におもふことを、見るもの、きくものにつけて、いひいだせるなり。花になくうぐひす、みづにすむかはづのこゑをきけば、いきとしいけるもの、いづれかうたをよまざりける。ちからをもいれずして、あめつちをうごかし、めに見えぬ鬼神をも、あはれとおもはせ、お(を)とこ女のなかをもやはらげ、たけきものゝふのこゝろをもなぐさむるは、歌なり。

       日本古典文学大系8  岩波






 愛知教育大学研究報告,58 2009





  ふるとしに春たちける日よめる

  袖ひぢてむすびし水のこほれるを春立つけふの風やとくらむ  紀貫之   古今和歌集 春歌 二番



         (ふるとしに春たちける=12月のうちに立春が来たのをいう)




  雪のふりけるをよめる

  霞たちこのめもはるの雪ふれば花なき里も花ぞ散りける    古今和歌集 春歌 九番



      

  歌奉れとおほせられし時、よみて奉れる

  春日野の若菜つみにや白妙の袖ふりはへて人のゆくらむ  つらゆき  古今和歌集 春歌 二十二番





  歌たてまつれとおほせられし時によみてたてまつれる

  わがせこが衣はるさめふるごとに野辺のみどりぞ色まさりける  つらゆき  古今和歌集 春歌 二十五番





  歌たてまつれとおほせられし時によみてたてまつれる

  青柳の糸よりかくる春しもぞみだれて花のほころびにける  つらゆき  古今和歌集 春歌 二十六番


  





  とりあえず今回はここまで

  写真は2月27日  竜田川(たぶん平群町 道の駅近く…?)      






       
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27; 隔週刊 『日本の 古寺・仏像』DVDコレクション 2011年  創刊号 法隆寺

2011年02月27日 | 読書全般(古典など以外の一般書)






 2011年度 27



        『日本の 古寺・仏像』


   




隔週刊 『日本の 古寺・仏像』DVDコレクション 2011年  

創刊号 法隆寺

出版社/メーカー: デアゴスティーニ・ジャパン 

¥ 790 




『日本の 古寺・仏像』を読むというか、見る。

 知らない固有名詞は多かったものの、この程度なら、独立した法隆寺の書物を読む方がためになるかもしれない。

 創刊号は790円だったように思うが、この値段でさえ、高いのか安いのかもうひとつよくわからなかった。

 今回は法隆寺特集とあって、少し足を伸ばせば行きやすい。

 法隆寺を知りたいと思い購入したが、内容的にはおおむね知っていることばかりだった。



 この雑誌を読んだあとは、楽しい文庫本を読み始める。

 今日は晴れていて暖かだが、明日からしばらくは天気は下り坂という。

 外に出かけなければとも思うが、読書スランプ期も終盤を迎え せっかく本に興味が戻りつつあるのだからと、このまま家にいたい気もする。

 

 今回も『日本の 古寺・仏像』の記録というよりも雑談にて失礼いたします。

 前回の 『仮名草子集』(岩波書店)「都風俗鑑」が面白くて興味深くて 雑談が長ったらしかった(反省)ので、今回これでおしまいでございまする。

 ありがとうございました~~~






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ありがとうございます(^^)アクセス・ランキング 1000位入りいたしました(*^.^*)

2011年02月27日 | 乱鳥徒然 Rancho's room.




 みなさま 

 ご来場、ありがとうございます。


 昨日、アクセス・ランキング 1000位入り(gooブログ)いたしました。

 長年続けておりますが、二度目のことですので、うれしくて舞い上がっております。


 乱鳥、心より感謝しております。

 拙い記録ブログですが、これからもどうぞよろしくお願い致します。





                          乱鳥合掌



        


  








【乱鳥の書きなぐり】のアクセス・ランキング

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過去3週間の閲覧数・訪問者数とランキング(週別)

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26; 『仮名草子集』(岩波書店)から「都風俗鑑」 渡辺憲司 校注 新日本古典文学大系

2011年02月27日 | 草双紙:洒落本、仮名草子、黄表紙、黒本、赤本、合巻 等








 2011年度 26



        『仮名草子集』(岩波書店)から   「都風俗鑑」



   




『仮名草子集』(岩波書店)から   「都風俗鑑」

   第一 ~ 第四

 渡辺憲司 校注

 新日本古典文学大系74

 岩波書店

 1991年 

 P.427~480 






『仮名草子集』(岩波書店)「都風俗鑑」第一から第四をただいま読了。

 風俗鑑とあるからは好色本の類いではないかと思われるかもしれない。

 が、興味本位な描写ではなく あくまでも冷静且つ客観的に捉えた都風俗といっていいのではないかと思う。

 第一から第四を通して、わたくしにとっては京都の懐かしい地名が続々と出てくる。

 ああ そうか、こんなだったか、あんなだったかと懐かしいその土地を思い浮かべながら、昔にタイムスリップする喜びは大きい。

 とは言え、わたくしの愛する京都が ああ、こんなだったのかといった落胆もあり。

 当時の民俗、風俗が思い浮かべられる。

 短いながらも読み切るのに時間はかかったものの、有意義な一作品に巡り会えたと喜んでいる。





 細切れに当時の歌舞伎の流れや傾城買いや民俗や風習などの本を読んだことはあった。

 だが、「都風俗鑑」にはそれらが凝縮され、且つ おもしろおかしくて、お得感は大きい。





 第三(455-466)は歌舞伎の話で、当時の役者に対する恋狂いは相当であったのだと改めて感じた。

 あらゆる財産をつぶしての入れあげは、小芝居役者が同様の手を使い 客は一時の満足の影で同様の悲劇を生んでいる。

 そんな方の多さにわたくしなどの小心者は驚くのだが、昔は歌舞伎役者も同様であったのだとほくそ笑む。

 わたくしの場合は芝居そのものが好きなので、役者を好きになることは まず ない。

 好きな役者は多いので、嫌いな役者をあげた方が早い。

 話を戻そう。

 吉弥帯は参考になった。末には図も載っており、ありがたい。





 全体を考えて、参考になる部分が多い。

「島原」に対しての「伏見鐘木丁(しもくちょう)」は、「吉原」に対しての「深川」に近いようだ。

 以前「吉原」「深川」を読んだが、「島原」「伏見鐘木丁(しもくちょう)」でもおおむね同内容。

 わたしは先日初めて酒造地区の伏見に行ったが、伏見稲荷や東福寺辺に傾城買いの籠が行き交っていたのかと思うと、なんだかおかしい。





 民俗学の本には紺屋の話が取り上げられることがあるが、本書には生地屋(呉服屋)の風俗話が取り上げられていた。

 京都の生地屋(呉服屋)の実態は元はこんなだったかと驚いたが、本当かな。

 この作品はわたしにとっては面白く、書き出したらきりがないので、この辺で……〆





 おつきあいいただき、ありがとうございました。

 今回も雑談にて失礼申し上げます。



 
  



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片岡仁左衛門 昼夜の仇討 二月大歌舞伎 通し狂言 『彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)』

2011年02月26日 | 歌舞伎




    片岡仁左衛門 昼夜の仇討 二月大歌舞伎  大阪松竹座


           昼の部


           通し狂言  『彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)』





 先日 二月大歌舞伎の夜の部の感想を簡単に記録した。

   片岡仁左衛門 昼夜の仇討 二月大歌舞伎 夜の部『盟三五大切』   鶴屋南北作

 実はその数日前に。昼の部を楽しんでいた。

   2月12日昼の部観劇の日の徒然

 雑記だけを先に書き、感想を今だ未記入。

 昨日、松竹座では 片岡仁左衛門 昼夜の仇討 二月大歌舞伎の千秋楽を迎え、心穏やかではない。

 正直あせっている。

 又、昨日テレビで見た映画『大奥』(2006年)の歌舞伎役者役にジレンマを感じ、急に思いだしたというのも大きな要因である。

 現在に置き換えてのことだが、本当の千両役者はあんな所作、見得ではない。


 という訳で簡単に記録する決意を持って、パソコンに向かっている。(って、そんなにたいそうなことではない…笑)

 以前にもupした2月12日昼の仁左衛門丈の写真だが、今一度のせておきたい(ニコリ)




























 通し狂言  『彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)』




  序 幕 第一場 長門国住吉鳥居前の場
      第二場 同 社前の場
      第三場 同 郡城下馬場先の場
  二幕目     長門国吉岡一味斎屋敷の場
  三幕目 第一場 山城国眞葛ヶ原浪宅の場
      第二場 同 釜ヶ淵の場
  四幕目 第一場 豊前国彦山杉坂墓所の場
      第二場 同 毛谷村六助住家の場
  大 詰     豊前国小倉立浪主膳正本陣の場

                 毛谷村六助  仁左衛門
               一味斎姉娘お園  孝太郎
                  京極内匠  愛之助
                一味斎妻お幸  竹三郎
               一味斎妹娘お菊  松 也
                 衣川弥三郎  薪 車
                 若党佐五平  猿 弥
           吉岡一味斎/杣斧右衛門  彌十郎
               衣川弥三左衛門  段四郎



通し狂言
  彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)
 『彦山権現誓助剱』(ひこさんごんげんちかいのすけだち)は、もともと人形浄瑠璃の仇討ちものの傑作で、天明7(1787)年に歌舞伎に移されました。九段目にあたる「毛谷村」(けやむら)の場は、よく知られていますが、関西での通し上演は、実に67年ぶりとなります 。

 長門国郡家(こおりけ)の武道指南役吉岡一味斎(いちみさい)は、妻お幸、娘お園、妹娘お菊を残して、京極内匠(きょうごくたくみ)に殺されます。一家は仇討ち御免の御墨附を貰いますが、仇討ちの道中でお菊は返り討ちに遭ってしまい、一子の弥三松を佐五平に託します。

 一方、一味斎の弟子毛谷村の六助は豊前国彦山の麓で百姓暮らしをしていました。六助が杉坂の墓所で母の墓参りをしているところ、微塵弾正(みじんだんじょう)という男に御前試合に負けて欲しいと頼まれます。そこへ京極に襲われた佐五平が現れ、弥三松を六助に託して息絶えるのでした。

 約束通り、六助は御前試合で微塵弾正に負けてやります。そこへやって来たお園は、甥の弥三松が六助の家にいることから、佐五平を襲ったのが六助だと思い込み、斬りかかります。しかし実は、六助とお園は一味斎が決めた許嫁同士で、先の微塵弾正こそ京極内匠だったのです。正義感の強い六助は怒りに震え、京極内匠の仕官する小倉領内へと仇討ちに出立し、お幸、お園、弥三松の後見として、見事本懐を遂げるのでした。

 毛谷村の六助を、満を持して仁左衛門が初役で勤め、剣の達人にして、朴訥で正義感に溢れる六助を、颯爽と余すところなく魅せます。個性豊かな登場人物たちが彩る、波瀾万丈で起伏に富んだ物語を、丁寧な通し上演の形でお楽しみ頂きます。

 

  


 今回の演目『彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)』を通しで舞台に書けられることはきわめてまれである。

 かぶきちゃんねるでは見たことはあったが、全てではなかった。

 仁左衛門丈の魅力あふれる舞台だった。



 わたしが見た12日の京極内匠役の愛之助さんは素晴らしく、いつもになく前に出て演じておられた。

 見得や仕草は大きく、仁左衛門丈にで切る限り近づけよと努力なさっていた感じがこちらに伝わり、心地が良かった。

 歌舞伎界はお家芸色が強く、色々むずかしいだろうが、これからもこの演じ方で舞台に立っていただきたいと感じる。

 

 全体に興味深く、舞台のおもしろさを充分に味会わせてくれる『彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)』だった。
 
 昼夜ともにもう一度見たいという気持ちが強まる今回の二月歌舞伎だった。

 実際には主婦のわたしは節約のため、涙ながらに一度きりでがまんした。偉いぞ!乱鳥。

 

『彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)』も話はかなりおもしろい。

 歌舞伎の醍醐味のような場面もあれこれ工夫されており、楽しめること間違い無し。

 言葉の流れも美しい。

 孝太郎さんが演じられた一味斎姉娘お園が酔ったふりをして うたうように話す『しのじづくし』(死の字づくし)は魅力的で、メモがあれば書きとめたいと思った程だ。

 こういった心遣いのある話で、大指示も枝葉も素晴らしいと感じた。


 
 昼夜とももう一度見とけばよかったなと未だに後ろ髪をひかれる思いのわたしがここにいる。




 今回も簡単な記録のみにて失礼いたします。


  





夜の部


通し狂言

  盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)

  序 幕 第一場 佃沖新地鼻の場
      第二場 深川大和町の場
  二幕目 第一場 二軒茶屋の場
      第二場 五人切の場
  大 詰 第一場 四谷鬼横町の場
      第二場 愛染院門前の場

                薩摩源五兵衛  仁左衛門
                  芸者小万  芝 雀
                笹野屋三五郎  愛之助
                  芸者菊野  松 也
              若党六七八右衛門  薪 車
              船頭お先の伊之助  猿 弥
             家主くり廻しの弥助  彌十郎
                富森助右衛門  段四郎





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徒然

2011年02月26日 | 乱鳥徒然 Rancho's room.





 土曜なのにひとり

 ひまなので

 アップルマロンパイを焼く

 冷めた方が美味しいので、ねかす

 うーん

 すぐにたべたいのになぁ


 お腹がすいたので、

 昨日焼いたロックケーキをいただく

 ロックケーキといっても

 ケーキではなくクッキー

 ピーナツのかわりにクルミを使った

 バターの香りの

 山のような形をしたお菓子

 紅茶と一緒に食べちゃった

 自然素材のノンシュガーで作ってるけど

 ふとるのいやだなそのへんで

 あはは はははは



 



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25; 『観世流百番集』から「山姥」「江口」「石橋」/『続観世流百番集』から「白楽天」  観世左近 著

2011年02月26日 | 観世流(続)百番集、日本古典文学大系(謡曲)、能楽関係本



 2011年 25



  『観世流百番集』から  「山姥」「江口」「石橋」

  『続観世流百番集』から 「白楽天」

   



 観世左近 著

 檜書店

 『観世流百番集』『続観世流百番集』
  昭和50年4月 5日 第1版発行
  昭和50年4月21日 第21版発行




 
 早朝から『観世流百番集』『続観世流百番集』を取り出して、気になる「山姥」「江口」「石橋」「白楽天」を楽しむ。


 芝居もいいけど、能楽もいいね。

 



 今回も記録のみにて失礼いたします。


 

 





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2011映画2;  『大奥』 林徹監督 2006年

2011年02月26日 | 映画



 題名記録だけ


         映画  『大奥』





映画「大奥」(2006)

監督:林徹

脚本:浅野妙子


出演

 仲間由紀恵、西島秀俊、井川遥
 及川光博、杉田かおる、松下由樹
 麻生祐未、中山忍、木村多江
 浅野ゆう子、高島礼子





 今年は映画をみる回数が極端に低い。

 ぼんやりと、テレビで映画「大奥」を楽しむ。



 江島生島事件(えじまいくしまじけん)をベースにつくられた映画らしいが、歌舞伎役者役の男性が絶世の千両役者のオーラがなく、あれれと感じる。

 ウィキペディによると、江島生島事件(絵島事件)とは

     江戸時代中期、大奥女中の絵島(江島)と歌舞伎役者の生島新五郎ら多数が処罰された風紀粛正事件

とのこと。

 ならば 見得&所作位は歌舞伎役者の白根菜くらいは演じていただきたいが、全く足下にも及ばない。

 やたら俳優の顔のクローズアップが画面いっぱいにうつるが、それほどの男前とも言い切れない。

 劇場劇での六法にまずさ、救いは『娘道成寺』

 火事あとの逃げる際の御祭は良かった。



 細切れにはよかったものの、どこを見ていいものかと迷いの生じるのをがまんしつつ、テレビドラマのような本映画を最後まで見ていた。

 浅野ゆう子さんの表情と高島礼子さんの美しさと 井川遥さんの役柄にあった口元で救われた。

 及川光博さんは今回の演じ方は透明で、役柄にあっておられた。

 また、芝居小屋で少しだけ出てこられた竹中直人さんが出て来た時には、映画を感じた。




 今回辛口にて失礼申し上げます。




 








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24; ブルーガイドてくてく歩き18『倉敷 広島 西瀬戸内海』ブルーガイド編

2011年02月26日 | 読書全般(古典など以外の一般書)








 2011年度 24



        ブルーガイドてくてく歩き18『倉敷 広島 西瀬戸内海』

                   気ままに電車とバスの旅
                






 ブルーガイド編

 2008年07月15日

 1,155円




 ブルーガイドてくてく歩き18『倉敷 広島 西瀬戸内海』を楽しむ。

 以前 13『奈良 大和路』を複数回読んだが、このてくてく歩きシリーズは結構良かった。

『倉敷 広島 西瀬戸内海』も同様。



 ところで見る景色のきれいなこと、読む内容の興味深いこと、美味しそうなこと……。

 付箋付けてチェックして、もう一回読もうかな。

 



 今回も記録だけで失礼いたします。





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23; 『仮名草子集』(岩波書店)から「一休ばなし 巻一」新日本古典文学大系  渡辺守邦 校注

2011年02月25日 | 草双紙:洒落本、仮名草子、黄表紙、黒本、赤本、合巻 等







 2011年度 23



        『仮名草子集』(岩波書店)から   「一休ばなし 巻一」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 

『仮名草子集』(岩波書店)から   「一休ばなし 巻一」

 渡辺守邦 校注

 新日本古典文学大系74

 岩波書店

 1991年 

 P.321~345 




 昨日から『仮名草子集』(岩波書店)から「一休ばなし 巻一」を読み始め、本日読了。

 このはしわたるな

 これは有名だが、上の話は「一休ばなし 巻一」に載っている。

 かなり読みやすい文体で、これなら巻の五まで一気読みだと侮っていたが、すぐに後悔。

 二度三度読む話がほとんどだ。



 中でも巻一の五は戸惑った。

 薪はどこかで相当悩み、前に進まない。


「一休和尚、奈良の薪といふ所に、時々はおはしましける。」という一文で始まる巻一の五だが、これが曲者。

 校注では京都の田辺町。

 山城綴喜郡とある。

【奈良の薪といふ所】がどうして【田辺町】なのか、とんと理解できない。




 また、山城綴喜郡の「綴」という文字が気にかかる。

「糸(井戸)」で明らかに水に関係がある。

 薪すなわち水…と極端に考えると、あとに続く歌がおもしろくてたまらない。

「薪」は中世には岩清水八幡宮領だったと校注にある。

 岩清水八幡宮も色々な前説があり興味深い。

 京都とはいえ京都の田辺町や岩清水八幡宮には行った事が無い。

 親しみを感じながらも知らない土地で、気になって仕方がない。




 話を地名に戻そう。

 あれやこれやと【奈良の薪といふ所】と【田辺町】で長時間悩んだ末に回答が得られず、持ち越しの朝。

 今朝になってもう一度考えたが、わたしのおつむではわからなかった。あはははは、だめねぇ。

 という訳で、今朝は六話から二度ずつゆっくりと読んで楽しんだ。




 八話だけ軽く書き出したい。




        此のたびは急ぐといふに長袖の蛸の入道みちのおそさよ

           千手観音蛸手多 刺懸柚酢拝如何

           佐州一味天然別 他禁戒任老釈迦

 


 おかしいね、一休とんちは……。












 
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22; タビハナ『倉敷・尾道 瀬戸内の島々』 JTBパブリッシング  2010年

2011年02月25日 | 読書全般(古典など以外の一般書)



 記録だけ   2011年度 22        



    タビハナ『倉敷・尾道 瀬戸内の島々』

    
      
  
 

 2010年7月

 JTBパブリッシング

 143ページ 840円






 今朝になって一通りの朝の家事をこなしたあと、タビハナ『倉敷・尾道 瀬戸内の島々』を読む。

 景色が素晴らしく美しく、また興味深い。食事もおいしそうだ。

 ただ、この本に関しては申し訳ないが読むところがほとんどない。

 説明の少なさを、写真に基づき空想して楽しんでいた。

 それにしても、このような無料配布冊子と同レベルな本を よくもまぁ出版したものだなぁと感じる。




 今年に入り図書館には一度も行ってない。

 これだけ図書館に行かないのも、初めてかもしれない。

 ただいま読書欲は薄れ続けて二ヶ月というロング読書スランプ期にあたること。

 また、家にある本の中で興味の対象になるものが多いせいだと思う。








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21; 『説経節』から 「付 信太妻」 東洋文庫 平凡社

2011年02月24日 | 説経節、幸若舞、舞の本等


 記録だけ   2011年度 21         



    『説経節』から 「付 信太妻」

    
      
  
 

 昭和44年3月10日 初版

 平凡社

 東洋文庫 248

「付 信太妻」  253-306

 361ページ




「われはもとより、仇し野の、草葉に影を、隠す身の、人の情けの、深きゆえ、幾年月を、送りしが、以下なれば、浅間氏や、色香妙なる、花ゆえに、心を寄せて、水鏡、うつる姿を、嬰児(みどりご)に、見とがめられしは、何事ぞや。これぞ縁の尽きばなり。………」  (286)(『説経節』より引用)
      (アクセントの関係で句読点が付いています。)



 歌舞伎で好きな演目のひとつ『芦屋道満芦屋道満大内鑑』(あしやどうまんおおうちかがみ)


    恋しくば、尋ねて来てみよ、和泉なる、信太の森の、うらみ葛の葉
      (アクセントの関係で句読点が付いています。)


 子を抱きかかえながら障子に書く姿のしなやかさと切なさは心に染み入る場面です。

 子を抱えあやしながら、右手左手、後ろ向き、口で筆を持ち書く葛の葉。

 その見事な運筆には感動致します。

 一番最近では扇雀さんの演じられた『芦屋道満芦屋道満大内鑑』を見ましたが、驚くばかりの表現力で、年月のたった今も心に残っています。




「付 信太妻」では清明の祈祷による安名の死の再生も描かれ、色々な意味で興味深く感じました。

「付 信太妻」は「付」とあって、『説経節』における信太妻の全てでないのが少し残念かも知れません。

 好きな演目の話を読み、有意義な時間を過ごさせていただきました。



 
 今回も題名記録のみにて失礼致します。




 



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