乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

年越蕎麦

2008年12月31日 | 民俗考・伝承・講演

(写真はイランのエスファハーン。お祭りで出会った男の子達。)

 

 

 今年も年越蕎麦をそろそろ頂く時間。

 大晦日の縁起物としての年越蕎麦。

 我が家では例年、鰊蕎麦として頂く。

 この鰊蕎麦は本来ならば細麺で食べたいところだが、私は好みで常識とはかけ離れた鰊蕎麦の作法。

 山形の100%蕎麦粉のごわごわ太蕎麦を取り寄せて いただく事にしている。

 

 この 年越蕎麦。

 一年の締めくくりに食べるとされる。

 よって、年を越す前に食べるのが一般的。

 

 年越蕎麦を食べる理由は、

「人生は蕎麦のように細く長く生きるという意味で食べる」

といわれるが、我が家の蕎麦は歪で太い。

 

 江戸時代中頃から始められたとも言うこの習慣。

 実は饂飩だったのではないかとも言われています。

 関西では運を呼ぶ『うんどん(饂飩)を食べて「太く長く」を願うところもある』友言われていますが、確信はつかめてはいません。

 

 また蕎麦は細く切れやすいから、年の苦労を切り捨てたいという願望もあるとも伝えられています。

 

 皆様は蕎麦の育っているところを見られたことはあるでしょうか。

 実は私も残念なことに、写真で見たきりです。

 蕎麦は風雨で打たれてしなっても、お日様の力ですぐ元のように立ち直るとも言われています。

 よって生命力の強い、縁起物です。

『ハレ』の正月に向けて、蕎麦を食べておくというのは、先人の願いや希望を垣間見た感じがして、楽しいものです。

 

 皆さんはお正月にはお餅を食べられるご家庭が多いのではないでしょうか。

 これも地方によっては、『餅なし正月』といった習わしがあるそうです。

 宮田登氏の話では、餅の替わりに赤飯であったり、隠れ焼き餅などもあったとのことです。

 正月のお持ち一つを取り上げても、日本は広いなと、あらためて感じます。

 

 さて、今年も余すところ数時間となってしまいました。

 ご訪問を頂いている多くの皆様、コメントやTBを頂戴しております皆様には、心より御礼を申し上げます。

 来年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

 

 皆様のご多幸を心より祈願して・・・

            良いお年をお迎え下さい。

 

 

                         乱鳥

 

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『胡蝶』 大阪能楽養成会 研究発表会

2008年12月31日 | 能楽・狂言

(写真は屏風岩。

 奈良県の北東部 宇陀郡東部に位置する。

 冷涼多雨の気候。

 屏風岩、鎧岳、兜岳等の岸壁がそびえ立つ。

 奇特な地形を形成し、みていると楽しい。

                 2008年11月   )

 

 先日大阪の能楽会館に行く。

『大阪能楽養成会 研究発表会』では、

     能楽『胡蝶』

     小舞『菊の舞』

     舞囃子『湯谷』

を楽しませていただいた。

 

 能楽『胡蝶』は胡蝶の舞、面、能一衣装、蝶の冠と、どれをとっても美しい。

 また舞の最中の、紅梅の間から見え隠れするお顔や姿のこぼれるほどの艶やかさは、言葉では言い表しがたい。

 

 心を落ち着かせて頂く。

 心を和ませていただいた・・・。

 能楽がみたい・・・。

 もっと聴きたい・・・。

 そう思う『胡蝶』だった。

 

  

 最後になりましたが、とても楽しい時間を過ごすことができました。

 関係者の皆様に、心より御礼申しあげます。

 ありがとうございました。

 

 

 能楽事典HPより参考

 胡蝶旅の僧が梅の花を眺めていると、胡蝶の精が現れる。

 旅の僧は春夏秋の花には戯れることができるが、梅の花には縁がないと嘆く。

 しかし、法華経の功力により梅の花にも戯れる事ができる。

 喜びの胡蝶の舞を舞い、消え失せていった。

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『項羽』翁 鹿も祝うや 御宴能  

2008年12月31日 | 能楽・狂言

       

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      春日若宮御祭礼式能楽後宴之式能  『項羽』

 

       

        

 

       

              

 

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 12月18日の春日若宮御祭礼式能楽後宴之式能は楽しかった。

 能楽『東北』、狂言『呼声』を楽しんだあとは、『項羽』(こうう)を聴いた。

 不思議なことに、老人の(前シテ)の最中の神の使いであるといわれる鹿が舞台に立った。

 鹿は厳かに能舞台を摺り足。

 小鼓まで行くと、手に合わせて顔を動かし、静かにまるで山上憶良のように後方に身を引いた。

 

 能楽師や他の方々は鹿の登場には微動だにせず。

 私はこの時、能楽における精神性なるものを感じた。

 私のような初心者に、そういった心を教え伝えて下さった、素晴らしい舞台だったといえる。

 あらためて、感謝の気持ちを伝えたい。

 ありがとうございました。

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 金春 穂高

   後シテ 項羽の零

   前シテ 老人

  項羽 ワキ 福王 知登

         ワキツレ 喜多 雅人

 

            井林清一 前川光長

            荒木建作 光田洋一

   間      茂山千三郎

 

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 最後になりましたが、このような素晴らしい能を楽しませていただきまして、ありがとうございました。

 関係者の方々に、厚く御礼申し上げます。

 私は能楽の初心者です。

 間違いなどがございましたら、ご指導承りますよう、よろしくお願い申しあげます。

 

春日若宮御祭礼式能楽後宴之式能 『東北』記録 ▼

http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/c124aac4463f3f70053b6188b5599f77

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『項羽』 春日若宮御祭礼式能楽後宴之式能 2008

2008年12月31日 | 能楽・狂言

       

       

       

 

  春日若宮御祭礼式能楽後宴之式能  『項羽』

    images  images  images

 

 12月18日。

 春日若宮御祭礼式能楽後宴之式能に行く。

 能楽『東北』、狂言『呼声』を楽しんだあとは、『項羽』(こうう)

 前シテ 後シテは、金春 穂高氏。

 

 『項羽』は素敵だった。

 格好良かった。

 見とれた。

 特に後シテ・・・歌舞伎の荒事を観ているように、惚れた・・・。

 こういういい方は、間違いなのかも知れない。

 能楽初心者なので、許していただきたい。

 

 動きは力強く、インパクトが強かった。

 今思い返しても、姿を思い浮かぶことができる。

 また、観たい。聴きたい。楽しみたい・・・。

 

『項羽』の歴史的をざっと調べてはみたが、かなり深そうだった。

「四面楚歌」にも関連。

 全くわからないので、今後の課題にした上で、もう一度じっくりと楽しみたい。

 

 さてさて、最近、能楽が楽しくてたまらない。

 能楽に触れた後は、すこぶる機嫌がよい。

 私は、能楽が好きかも知れない・・・。

 

 おん祭御宴能や 大阪能楽養成会の能を楽しんだ後、家でも随分能楽の話をしている。

 長時間話し込む渡すの姿をみて、家族や子供は笑いながら相づちを打つ。

 大阪能楽会館で頂いてきたパンフレットを眺めながら、にやけている私をみて、

「おかぁさん、何だか、リズムが違うね。世間とはずれてるよ。」

「そう?」

「でも、いいと思うよ。それだけ好きだったら、行けばいいよ。」

と、基本は好意的だ・・・。

 

 来年は能に行こう・・・。

 歌舞伎を減らしてでも、能楽に足を運ぼう・・・。

 とはいえ、一月は昼夜歌舞伎はとったが、演目は観たしの二月の若手さん歌舞伎で悩む私・・・。(笑み)

『女殺油地獄』は外せないから昼だけにして、二月は能にしようかな・・・。

 ひょんな事で、この忙しい年の暮れに悩む阿呆である。

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 金春 穂高

   後シテ 項羽の零

   前シテ 老人

  項羽 ワキ 福王 知登

         ワキツレ 喜多 雅人

 

            井林清一 前川光長

            荒木建作 光田洋一

   間      茂山千三郎

 

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 能楽事典HP参考

 唐土烏江の草刈男は渡し舟の老人から、船賃の代わりに一本の花を求められる。

 老人は、その花から項羽の妃虞氏との事を語り、姿を消す。

 男が跡を弔うと項羽と虞氏が現れる。

 別れの事、戦いの様を見せ(写真)やがて失せるのだった。

    images  images  images

 最後になりましたが、このような素晴らしい能を楽しませていただきまして、ありがとうございました。

 関係者の方々に、厚く御礼申し上げます。

 私は能楽の初心者です。

 間違いなどがございましたら、ご指導承りますよう、よろしくお願い申しあげます。

 

春日若宮御祭礼式能楽後宴之式能 『東北』記録 ▼

http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/c124aac4463f3f70053b6188b5599f77

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ラスター彩遊記 『砂漠が誘う』  加藤卓男 著  日本経済新聞社

2008年12月29日 | 読書全般(古典など以外の一般書)

 

               

        

 

(写真はイランのテヘランにあるアーブギーネ博物館に展示されている皿や花瓶。

 絵柄が西アジアにも共通・・・。

 とてもイランらしい色彩と絵が楽しい。

 アーブギーネ博物館はイラン考古学博物館から徒歩10分の距離。

 陶器やガラスなどの見事な展示物が多く、何度行っても見飽きることはない。

 ガラス類は時を経て宝石化した、見事に艶やかな色彩をなす。

 ちょっとした宝飾品では太刀打ちができないほど美しい。

 私のお気に入りの博物館のひとつ。  )

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2008年度 150冊目  

  images images images images  

 ラスター彩遊記 『砂漠が誘う』

                 

 加藤 卓男 著

 日本経済新聞社

 2002年10月24日第1版

 241ページ 3000円+税

 

 良質の本に触れた喜びを味わう。

 イランの器などを見る機会も多かったせいか、感覚的に身近なものとして楽しむことができる。

 経験及び研究されたことがわかりやすく丁寧に書かれ、読者を魅了する。

 世界でただ一人、イランのラスター彩を再現された努力は、読み進む内に読者の喜びをも伴うから不思議。

 

 加藤 卓男氏の言葉はとても美しい。

 詩を読んでいるような彼の文体は、彼がイランを愛するが故のものか・・・。

 砂漠の砂のように、細胞を通して流れ込んでくる。

 それは 彼の造られた作品の数々、イランなどでとられていた絵付きノート、絵に書かれた文字(書道)の美しさにも通じている。

 彼の優しさ、しんの強さ、品位、好奇心、実力などのすべてが心地良く響いてくる。

 男性としての知性とロマンを感じた。

 加藤 卓男氏の器や作品をこの目で見て見たい。

 そのように感じ、熱中した一冊だった。

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  追加

    写真(最 上)の説明です。

 

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東と西の語る 『日本の歴史』  網野善彦 著  講談社文庫

2008年12月28日 | 読書全般(古典など以外の一般書)

(この写真は,奈良の春日大社。

 おん祭ご宴能の能舞台のある入り口。

 笹で鳥居のように仕切られていた。

 神聖なる、神の宿る場所か・・・。)

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2008年度 149冊目  

 

 東と西の語る 『日本の歴史』

         images images images           

 網野 善彦著

 講談社文庫

 1998年9月10日第1版

 327ページ 960円+税

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 ノートをとりながら、「東と西の語る『日本の歴史』」を読了。

 ためになる。

 私にとっては、良書の一つ。

 多くは申しますまい。

 (枝)葉は剪定せねば、育ちませんから・・・。

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『うわさの神仏』其ノ二 あやし紀行 加門七海 著 集英社文庫

2008年12月27日 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

(この写真は前にUPした猿沢の池.

 逆さにしてみたよ。

 ところで・・・写真(小)は、全部本物だよ。)

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2008年度 148冊目  

 

 『うわさの神仏』其ノ二 あやし紀行

         images  images          

 加門 七海著

 集英社文庫

 2007年3月25日第7版

 256ページ 495円+税

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『うわさの神仏』日本闇世界 めぐりに続く第二弾、『うわさの神仏』其ノ二 あやし紀行を読む。

 今回も実に愉快。

 楽しませていただきました。

 

 東北、京都、出雲、大阪、奈良、沖縄、吉野、長野、恐山、台北などの紀行ならず 奇行の数々を、自らの経験にもとづき書き進められているところがいやはや 潔くて好きだな。

 これって、変なテレビドラマを見ているよりも、楽しいよ。

 

 あ!そうだ。

 沖縄の項ではグスク(城)についても書かれていたよ。

 

 それにしても彼女の経験は読んでいてにやけてくるな。

 また、読もうっと。

 簡単且つコミカルなタッチの文章。

 中には首を傾げる部分もあったが、全体をとおして、満足^^

 

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『河原にできた中世の町 ~へんれきする人々の集まるところ~』  (絵本)網野善彦 文  司修 絵

2008年12月27日 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

(写真は奈良の墨阪神社にて) 

 

記録だけ  

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 2008年度 147冊目  

 

 『河原にできた中世の町     

    ~へんれきする人々の集まるところ~』 

       images          

 網野 善彦 文   

 司 修 絵 

 岩波書店  (絵本) 

 1990年10月15日第5版

 55ページ 1650円

       images   

 網野善彦氏を検索の上、図書館に行く。

 毎日賞をとったという目当ての本は貸し出し中。

 でも、網野善彦氏の絵本を見つけたよ。

 

 この絵本は、書庫にしまい込まれていた。

 本は美しく、あまり貸し出された形跡はない。

 

 巻末の説明は詳しく見事。

 以前にも宮田登氏 文の絵本(同仕様・岩波)を楽しんだが、それと同じ形式。

 とても詳しく、充実。

 司 修氏の絵も見事に上手く描き出され、堪能。

 絵本なので、イメージも広がりやすい。

 

 歴史と民俗学を融合。

 時代をとおして、人々の暮らしぶりが理解できるといった良書絵本。

 今まで民俗学関係の本で度々出てきた内容が、川を支軸に丁寧に説明。

 子供にも大人にも満足がいくよう 書き上げられていた。

 

 理屈抜きで、楽しめる一冊。

 

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『東北』(とうぼく)

2008年12月26日 | 能楽・狂言

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

 『東北』(とうぼく)

        後シテ

        前シテ  金春 欣三

 

              ワキツレ 是川 正彦

            ワキ  福王 和幸

              ワキツレ 山本 順三

        間                丸石 やすし

 

 

 2008年おん祭後宴能を楽しませていただいた。

 とても美しい。

 気品に満ちた美しい幽玄なお姿と動きは、私の心をとらえ 堪能させていただいた。

 能が、こんなに美しいものと感じるようになったのは、ごく最近のことである。

 

 こんなに優美なお姿を、私のようなものが写真に写すのはおこがましいと感じた。

 写真はほとんど撮らなかった。

 私は、まばゆいばかりのお姿を見つめた。

 そして、謡などを聴いていた。

 

『東北』が終わって、ため息が出た。

 私は、腰が抜けるような錯覚を覚えた。

 

 前シテでは、声がハスキーであった。

 ところが後シテでは まるで式部の亡霊が乗り移ったかのように、なめらかでつやのあるお声だった。

 私は、これは能楽なのかと、初心者なりに感じていた。

 

 名ノリ(?)はカッコウが良い。

 どの曲を聴いても、好き。

 

 写真は一応載せさせていただいた。

 本当は、この何百倍何千倍も美しかった。

 私がなかなかおん祭後宴能2008の記録を書けずにいた理由は、『東北』があまりにも美しすぎたから。

 今も思い出すと、身震いする。

 それほどまでに美しかった。

 

 

    『東北』

 三番目・鬘(かずら)物。

 五流現行曲。

 春の闇(やみ)に漂う梅の香と、恋愛歌人として名高い和泉(いずみ)式部の王朝の艶(えん)を重複。

 抽象化された幽玄能の原点ともされる曲目とのこと。

 東国の僧(ワキ、ワキツレ)が都に着き、所の者(間(あい)狂言)に東北院の門前の梅を和泉式部という名と聞いて眺めている。

 里の女(前シテ)が呼びかけて、和泉式部の愛した軒端の梅であると教える。

 また、梅の主(あるじ)は自分と告げて消える。

 

 僧の読経のうちに、式部の亡霊(後(のち)シテ)が現れる。

 和歌の徳と仏法をたたえ、都の春をめで、美しく舞う。

 シテの性格を和泉式部の霊とする脚本。加えて、梅の精のイメージを強く演出する流儀とのこと。

 

 

 最後になりましたが、このような美しい能を楽しませていただきまして、ありがとうございました。

 心より感謝申し上げます。

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『歴史の中で 語られてこなかったこと』 おんな・子供・老人からの日本史  網野善彦 宮田登 

2008年12月25日 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

(写真は奈良の墨阪神社にて) 

 

記録だけ  

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 2008年度 146冊目  

 

 『歴史の中で 語られてこなかったこと』

 おんな・子供・老人からの日本史

       images          

 網野 善彦

 宮田 登 

 (株) 洋泉社

 1998年11月26日第1版

 270ページ 1900円+税

       images   

 12月25日。

 二冊目は 網野善彦と 宮田登 の対談型『歴史の中で 語られてこなかったこと』おんな・子供・老人からの日本史 を楽しむ。

 これがまた面白い。

 歴史学学者と民俗学学者の立場から話し込んでいる者だから、かみ合ったり、かみ合わなかったり。

 和んだり、力の威嚇に努めたり(爆)

 

 学者の方々の対談型内容を読んでいると、時たま個人の性格に触れられて、楽しい。

 

 故網野善彦氏は利口な人なんだ。

 故宮田登氏がついつい口を滑らすと、上手くかわしていたよ(笑み)

 

 歴史学と民俗学の交わりや相違点は興味深かったな。

 歴史学の方は 実際には歴史的時空も長く、若干、民俗学は軽んじられていたかも(笑み)

 但し、実際に現地の方に聞くといった作業は、網野善彦氏によると、歴史学の方ではなされないということらしい。

 へぇ、知らなかったよ。

 

 二人の学者のことばかりを記録しているけれど、実際にはこの本には、具体的な内容が多く書かれていて楽しかった。

 

 ノートを付けながら読んだので、内容記録は省くね。

 でも、一つだけ、かわいいのを披露しちゃおうかな***

 

『米』って、毎日食べていることが多いよね。

「こめ」は「よね」とも読むけれど、この「よね」は「かわいいひと」って意味なんだって。

 ぎょへぇい!***

 

 *****かわいい「よねちゃん」が 「よね(夜寝)」前に、よなよな 白い「よね」をたべた「よね」*****

・・・なんて言われた日には、頭がこんがらがっちゃうよ。

 

「よね」は『良い稲』という意味のあるかも知れないって、宮田氏がいっていたよ。

 彼の内容って、雑学がふえるよ。

 但し、他では使えない、自分だけのお楽しみだけど・・・ね。

 

 網野善彦氏が

「農民と百姓とは違う!!!」

って、耳に蛸ができるほどいっていたよ(笑み)

 まるで呪文みたいだった。

 これも、

『へぇ、そうなんだ。』

と、のれんに腕押し状態。

 少し込み入って、難しい話だったよ(笑み)

 

 この本も 結構楽しめたな。

 興味のある人には、お勧めだよ★^^★

 

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『干支って なぁ~に?』   見憲明 著

2008年12月25日 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

(写真は奈良の墨阪神社にて) 

 

記録だけ  

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 2008年度 145冊目  

 

 『干支って なぁ~に?』

   干支の歴史

   日本の十二支の歴史

   十二支獣エッセイ

   十二支“縁起言葉集”

   十二支獣の一筆書き戯画のすすめ

   十二支の縁起飾り

       images          

 見(つるみ) 憲明著

 チクマ秀版社

 平成12年4月10日第1版

 189ページ 1600円+税

       images   

 12月15日、このブログで「干支雑感」について、半端な御託を並べていたので、それならば干支を極めようと、この本を読む。

 ははは・・・。

 どこぞから寄せ集められた雑学と落書き風絵柄。

 これはこの本で・・・といったことばかりだったよ。

 表の説明は長いんだけどなぁ(爆)

 

 今回は、感想 無し。

 これにて、失礼(笑み)

 

 

 注意

 これまでに二度だけ、著者からコメントを頂いたことがあります。

 それを思うとこの記録は気が引けるのですが・・・。

 万一、著者がこの記録を見られた場合・・・・・・

 

 お気を悪くなさらないで下さいませ。

 とても内容が濃く、阿呆な私には把握できなかっただけですから・・・。

 ここに、追記させていただきたく存じます。

 

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『うわさの神仏』日本闇世界めぐり   加門 七海著  集英社文庫

2008年12月24日 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

(写真は奈良) 

 

記録だけ  

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 2008年度 144冊目  

 

 『うわさの神仏』日本闇世界めぐり

       images          

 加門 七海著

 集英社文庫

 2006年8月7日第5版

 251ページ 457円+税

       images   

『うわさの神仏』日本闇世界めぐりを読む。

 この本も楽しい。

 簡単且つコミカルなタッチの文章。

 中には首を傾げる部分もあったが、全体をとおして良く調べ上げられている。

 行動的で好奇心旺盛の著者には、魅力を感じる。

 写真を見ると、結構かわいい。

 こんな風なまともな感じの女性が、こういった本を書いているのかと思うと、同じ女性として、余計に興味が湧く。

 彼女は良い意味で、女を捨ててはいない。(爆)

 

 著者は民俗学にも触れる中で、付け足しのように泥縄で調べ、或いは観た歌舞伎を書き上げていた。

 しかし、彼女は歌舞伎には興味はないだろう・・・。

 宮田登氏など、たいていの民俗学学者は神楽や能楽や歌舞伎、伝統芸能や祭が好きなように思う。(笑み)

 文中で『累(かさね)』を累さま、『番長更屋敷』では菊さまなどと律儀に書いていたのには笑った。

 東京では様付け市内と、恐ろしいたたりに見舞われるとの言い伝えがあるらしい・・・。

 

 結構興味深い内容も多い。

 私は夜中に読んでいたが、この本は昼間に読むことをお進みした。

『な~~んだ!こわくないや!』

と高をくくっていた。

 が、撤回する。怖いのである。

 

 文中で、突然

 

   ===二本の指が肩に・・・===

 

 ここで、びびった!

 

 横に息子がいたものだから、たまらない。

 

    == 「ぎゃぁあぁぁ~~!!」 ==

 

 気がつけば、奇声を放っていた。

「おかぁさん、もう二時だよ。」

 にやにやと笑いながらも、彼は至って冷静である。

 私は、またもやこの本で、親の威厳を失ってしまった。

 

 

 教訓 1

    『うわさの神仏』日本闇世界めぐり   

          は、夜中に読むことなかれ!

 

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歌舞伎雑感  師走に思う Ⅳ

2008年12月24日 | 舞台・音楽 雑感メモ

 

  歌舞伎雑感  師走に思う Ⅳ

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 歌舞伎美人では 「読者が選ぶ歌舞伎20選」が発表された。

 ベスト30まであったので、記録しておこう。

 

 

【20選の得票数】
1. 勧進帳 1852 
2. 義経千本桜 931 
3. 京鹿子娘道成寺 881 
4. 仮名手本忠臣蔵 829 
5. 白浪五人男 810 
6. 助六 749 
7. 桜姫東文章 545 
8. 源氏物語 363 
9. 連獅子 331 
10. 恋飛脚大和往来 309 ◎
11. 菅原伝授手習鑑 276 
12. 三人吉三 257 ◎
13. 阿古屋 256 ◎
14. 俊寛 226 ◎
15. 伽羅先代萩 224 
16. 暫 195 ◎
17. 女殺油地獄 183 
18. 里見八犬伝 181 ◎
19. 曽根崎心中 179 ◎
20. 元禄忠臣蔵 173 
◎印は初の20選入り

【21~30位までの作品名】
21. 修禅寺物語
22. 鏡獅子
23. 野田版研辰の討たれ
24. 籠釣瓶
25. 四谷怪談
26. 藤娘
26. 一本刀土俵入
28. 鳴神
29. 鷺娘
30. 天守物語

 

 あげられた演目に目を通すと、納得できるものも多い。

 しかし、これはといった演目が抜けている事もある。

 ではわたしの場合というとこれは見事に難しい。

 というのはこうである。

 

 この演目はこの歌舞伎役者でみたいといった気持ちが非常に強い。

 観るだけであれば 役者の遊ぶ(融通性)を味わうのも楽しいが、好きな演目と聞かれれば、そう答える以外にほかない。

 これは歌舞伎役者においても同様。

 よって一概には言えない。

 わたしは好きな演目と好きな役者が山ほどあり、一演目一人に絞ることは不可能。

 

 これは昭和六十三年の歌舞伎座開場百年の折にも票をとられたという。

 今回は応募総数 一万五千九百七十一通。

 

 ちなみに応募者の年齢層はつぎの通り。


60歳代 25.9%
50歳代 22.0%
70歳代 15.2%
40歳代 13.7%
30歳代 10.1%
20歳代 5.1%

 ほほう・・・。

 この年齢層を見ると、やはりわたしは年齢層の若い少数派ということになる(笑み)

 大学生二十代前半の子供がいるというのに・・・である。(爆)

 二十~四十歳代をひっくるめて、六十歳代観客とほぼ同人数ということを考えると、今後益々、歌舞伎は縮小の方向にあるのでは、または歌舞伎関連会社側が観客を選ぶ、観客ブランド志向が強くなるのではないかと心配が生ずるのである。

 歌舞伎が民衆の芝居でなくなるのはもう間近かも知れない。

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歌舞伎雑感 師走に思う Ⅲ

2008年12月24日 | 舞台・音楽 雑感メモ

 

  歌舞伎雑感 師走に思う Ⅲ

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 松竹座からは更新毎に『歌舞伎美人』が配信される。

『歌舞伎美人』と書いて「かぶきびと」と読ませるあたりが、今後の松竹の目指す方向性を表わしているといってもよいだろう。(笑み)

 その昔、わたしが丁度高校生の頃は観客が少なかった。

 歌舞伎役者は口上で、

「ジーパンで来て下さい。」

と唱えていた。

 幸四郎丈(当時染五郎)も楽屋ではたいそう歓迎をして下さり、テレビでも、

「先日高校生の女の子が・・・云々」

と話して下さっていた。

 今や時代は大きく変化。

 高級着物客を好む傾向。

 しかしながら、着物の日までつくろうとするのはいかがなものか・・・。

 スーツやワンピースでも良いではないか!

 歌舞伎は伝統芸能とはいえ、単なる一般娯楽演劇である。

 

 最近、検定ブーム花盛りである。

 歌舞伎も例に漏れず、今年は歌舞伎検定なるものができた。

 第一回目。

 会場は東京のみ・・・・・・。あれれ!

 唖然とする・・・。

 

 歌舞伎役者のほとんどは東京に移り、時たま旅をして、関西で上方歌舞伎を演じる。

 南座も以前行われていた5月歌舞伎はなくなり、縮小の方向。

 一度人気の出た演目は続けざまに二度、三度・・・。

 観たい演目は東京、東京、東京・・・。

 臍を噛むとは、このことか・・・。

 

 たまに東大寺云々があれば、こちらの体力的問題で、身動きがとれない始末。

 今年も、印象的なものもあったな。

 だが、東大寺勧進帳と12月を昼夜見逃し、距離的に考え 歌舞伎検定を受けず終いにおわらずを得なかった悔しさは、歌舞心の傷となって残る。

 善良なる歌舞伎の少し好きな一市民、一主婦の私にとっては思いの外、大きな痛手なんだ。

 

 あはは!!たいそうかな!? 

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コメント (2)
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歌舞伎雑感 師走に思う Ⅱ

2008年12月23日 | 舞台・音楽 雑感メモ

 

  歌舞伎雑感 師走に思う Ⅱ

 

 数日前、友の会から大阪松竹座二月花形歌舞伎の案内が届く。

 パンフレットニは、若さ溢るる役者たちの姿。

 少し悩んだが、二月の松竹座歌舞伎も珍しいことなので、ココはひとまず踏んでおこう。

 家族に言うと、案の定の返事。

 パンフレットを見ながら渋い顔をして、ひとこと、

「昼の部だけにしようと思う。」

 思った通りだ。

 わたしは二月も昼夜行く了解を得、一件落着。

 

 昼は演目は申し分ない。

 ただ・・・。

 舞踊と油はそつが無い(笑み)

 役者だけで言うと『鷺娘』と『女殺油地獄』を幕見席で観たいところだな(笑み)

 それを考えると、今回は夜の部をお勧めしたい。

 但し演目的に考えてわかりやすく面白いのは昼の部。

 また、一幕見席一演目に絞るならば、愛之助さんと亀治郎さんの『女殺油地獄』がよいのではないだろうか・・・。

 愛之助さんが仁左衛門丈の技をどれ位習得し迫力を出すかが、今回の見所。

 但し好みもあるので各自それぞれのお好みで選ばれたし。

 

 

 付け加えるならば、松竹さんから送付されてきたパンフレットによると、大阪松竹座二月花形歌舞伎は次の通り。

 

 

 大阪松竹座二月花形歌舞伎

 平成21年2月1日(日)~25日(水)

 

 昼の部

一、歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)
            粂寺弾正  獅 童
            小野春道  愛之助
            秦秀太郎  勘太郎
            小野春風  亀 鶴
             秦民部  男女蔵
            腰元巻絹  亀治郎


二、鷺娘(さぎむすめ)
             鷺の精  七之助


三、女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)
          河内屋与兵衛  愛之助
         豊嶋屋七左衛門  獅 童
            小栗八弥  勘太郎
            芸者小菊  七之助
            兄太兵衛  亀 鶴
          叔父森右衛門  男女蔵
            女房お吉  亀治郎


 夜の部

一、吹雪峠(ふぶきとうげ)
              直吉  愛之助
             おえん  七之助
              助蔵  獅 童


二、源平布引滝 実盛物語(さねもりものがたり)
            斎藤実盛  勘太郎
              小万  亀治郎
             葵御前  亀 鶴
            瀬尾十郎  男女蔵


三、蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)
  市川亀治郎六変化相勤め申し候

     傾城薄雲 ・ 童 ・ 薬売り
     番頭新造・座頭・蜘蛛の精  亀治郎
            平井保昌  愛之助
            碓井貞光  獅 童
            卜部季武  七之助
            坂田金時  亀 鶴
             渡辺綱  男女蔵
             源頼光  勘太郎 

 

 以上が、二月の演目と配役である。

 

 友の会1月9日、一般発売1月10日。

 ネットでの予約が便利。

 ナビダイヤルはつながりにくいので有名。

 

 

 余談だが、わたしはごく最近まで 歌舞伎及び文楽関係は、意図的にひらがなやカタカナやローマ字で入力していた。(爆)

 今日、御園座の『本朝二十四考』を検索しようとして、笑ってしまった。(笑み)

 

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