乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

七月大歌舞伎 昼の部 『春調娘七種』『木村長門守 血判取』『伽羅先代萩』

2008年07月31日 | 歌舞伎

 

記録だけ

 七月大歌舞伎 昼の部

 

 一、春調娘七種(はるのしらべむすめななくさ)          

 曽我五郎時致  松 緑          

 曽我十郎祐成  菊之助             

 静御前  孝太郎

二、片岡十二集の内 

    木村長門守(きむらながとのかみ)  血判取            

 木村長門守  我 當           

 郡主馬之助  進之介            

 井伊兵部  亀三郎           

 成瀬隼人正  亀 寿           

 榊原越中守  松 也            

 本多忠友  家 橘          

 酒井左衛門尉  團 蔵            

 徳川家康  左團次

三、伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)   

花水橋            

 足利頼兼  菊之助            

 絹川谷蔵  愛之助   

御殿            

 乳人政岡  藤十郎             

 栄御前  秀太郎              

 松島  孝太郎             

 沖の井  魁 春           

 弾正妹八汐  仁左衛門   

床下            

 仁木弾正  仁左衛門          

 荒獅子男之助  松 緑   

対決・刃傷           

 細川勝元  菊五郎         

 渡辺外記左衛門  左團次            

 渡辺民部  愛之助            

 笹野才蔵  松 也           

 山中鹿之助  亀 寿            

 山名宗全  團 蔵            

 仁木弾正  仁左衛門

 

 今年も家族と、関西歌舞伎を愛する会主催の七月大歌舞伎 昼の部と夜の部を楽しむことができた。

  

 さて、今回の歌舞伎は、家族の要望で、まず夜の部から観た事は、先日記録したところである。

 家族はどういう訳か『パロディ版助六』に心を奪われていた。

 私はといえば、昼夜総てを考えて、観たい演目は『伽羅先代萩』と『熊谷陣屋』。

 特に『伽羅先代萩』は、配役に遊びは無いとはいえ、相当魅力的に感じており、開演を楽しみにしていた。

 

 待ってましたの『伽羅先代萩』。これは素晴らしかった。

 

「花水橋」は歌舞伎らしく、格好が良かった。

 

 好きな場面である「まま(?)」の場は、残念なことに今回省かれていた。

『伽羅先代萩』ではこの場面は度々演じられたり、度々抜かされると言ったように、よく動かされる場面でもあるから致し方がない。

 

「御殿」での 仁左衛門丈演じる弾正妹八汐は、『あの場面のあの顔 ! がみたいんだ・・・。』と 始まる前から 期待に期待をかけていた。

「御殿」の見所はなんと言っても 藤十郎丈の乳人政岡。

 これは何度観ても素晴らしい。

 付け加えるならば、特に見事であったと言っておこう。

 今回、私が観た7月23日水曜日の「御殿」における 藤十郎丈の演じ方は、良い意味で 尋常ではなかった。

 

 感情移入処ではない。

 役者が、化粧落ちにも目もくれず、くしゃくしゃになって大泣きに泣き続けていた。

 涙を出したから旨いと言っているのではない。

 涙を出さずに、涙を出したように演じる方法もあるのだから・・・。

 私は身震いした。

 周りの観客の緊迫した鼓動も伝わってくる。

 それは観たことがないような、まるで籐十郎丈に何かが乗り移ったとさえ感じる 素晴らしい舞台であった。

 ここまでの演じ方は、他の役者だが、過去二度ばかりしかない。

 

「対決・刃傷」は素敵で、わくわくした。前場面まで心を痛めて泣いていた自分は、話の展開に満足していた。

 こういった部分は舞台の醍醐味の一つかも知れない。

 

 今回の七月大歌舞伎は、世話物が無かった。

 演目のせいか、会場は昼夜ともに、悲しいくらいに空席が目立つ。

 昨年七月に三度ばかり観た『油殺し女地獄』や『鳴神』などから比べると、華やかさに欠けるのかも知れない。

 

 それでも今年の七月大歌舞伎は、『伽羅先代萩』で決まり!といった具合に感じた。

 ただ残念なことに、私を三度も松竹座に通わすほどではなかったことも確かである。

 

 今年の七月大歌舞伎を 昼夜観終えて、無性に他ジャンルの舞台が観たいという要求にかられた。

 何だか釈然としないのは、なぜだろうか・・・。

 

 私は、家族に相談し、劇団四季の『オペラ座の怪人』と十一月のオペラ『フィガロの結婚』のチケットを手に入れた。

 家族もオペラなどは好きで、いっしょに行くという。

 かなり先の話だが、今から楽しみにしている。

 オペラは私の場合、今のところはロシアオペラがどういう訳か好きである。

 おそらく映画の影響といった、単純な理由である。

 十月にはキエフ・オペラもあったが、こちら某雑用のすぐ後とあって、あきらめることにした。

 いずれにせよ、最近では歌舞伎+能楽オンリーの傾向にあったため、これで少しは流れが変わるやも知れないと喜んでいる。

 何か焦りを感じる今日この頃である。

 

 

 

 松竹・歌舞伎美人より ↓ 

一、春調娘七種(はるのしらべむすめななくさ) 

 明和四年(一七六七)正月に江戸中村座で上演された『初商大見世曽我』という曽我狂言の舞踊として初演されました。 正月の七草粥の準備の為、春の七種を擂粉木(ぎこすり)や包丁で叩く行事を取り入れためでたい舞踊劇で、今回は曽我五郎を松緑、曽我十郎を菊之助、静御前を孝太郎が勤めます。

二、片岡十二集の内 木村長門守(きむらながとのかみ)  

 血判取  大坂冬の陣、勅命により豊臣家と徳川家の和睦が結ばれました。秀頼の名代として家康の本陣へ和睦の神文を受け取りに行くことになった木村長門守は、いささかも臆することなく家康の血判を取り、見事大役を果たしたのでした。 “片岡十二集”の内の一つで、華やかな若武者の木村長門守の我當と、老獪な徳川家康の左團次とのやりとりが楽しみな一幕です。

三、伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)  

 伊達騒動に材をとった代表的な作品で、関西では「花水橋」「対決」「刃傷」の場は久々の上演となります。「花水橋」 足利家の当主足利頼兼は花水橋を通りかかるところ、暗殺者に襲われますが、お抱えの相撲取り絹川谷蔵が駆けつけ難を逃れます。「御殿」 乳人政岡が、頼兼の嫡子・鶴千代を毒殺から守る為、自ら食事の用意をしているところへ、お家横領の黒幕、山名宗全の奥方・栄御前が来訪し、鶴千代に見舞いの菓子を勧めます。政岡の子千松が菓子を口にし苦しみ出すと、八汐は千松を刺し殺してしまいます。我が子を殺されても動じない政岡を見た栄御前は、政岡が千松と鶴千代を入れ替えたと思い込み、謀反の連判状を渡します。政岡がひとりになり悲しみに嘆いているところに斬りかかってきた八汐を仕留めますが、連判状は鼠に持ち去られます。「床下」 床下に逃げ込む鼠を、荒獅子男之助が一旦は取り押さえますが、逃げられてしまいます。この鼠は、仁木弾正が妖術で化けたもので、やがて正体を現し不敵に去っていきます。「対決・刃傷」 渡辺外記左衛門らと仁木弾正らの足利家のお家騒動は、幕府の問註所で裁かれることとなります。立ち会いの山名宗全が弾正方の勝訴の裁決を下そうとした時、細川勝元が現れ裁決を覆し外記左衛門方の勝訴となったのでした。観念した弾正は、最後の抵抗と外記左衛門に刃傷に及びますが、ついには討ち取られ、足利家は安泰となります。 政岡を藤十郎、細川勝元を菊五郎、八汐・仁木弾正を仁左衛門と豪華な配役の舞台をご堪能下さい。

コメント (12)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

抹消

2008年07月30日 | 乱鳥徒然 Rancho's room.

 

 二時間以上 パソコンに向かっていた。

 真相を考え、ひたすら 打っていた。

 腹立ち紛れに、やり場の無い自分の思いを 打ち連ねていた。

 

 打ち終わって、読み返し、タイトルを書き込む。

 続けて

     PON !.

と人差指でアクセント。

 

 あっけなく、書き上げた長文は、消えた。

 一瞬の出来事だった。

 

 消えてよかった。

 消えてくれてよかった。

 これで、私の中から、お前は抹消した。

 ネット上の 愚劣な奴。

 ネットに潜む、卑劣な男。

 

 私は、一途に 夫だけを愛しておりますのよ。

 

 

 

コメント (12)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『脱 オバサン 講座』 青木雨彦著 毎日新聞社

2008年07月30日 | 読書全般(古典など以外の一般書)

記録だけ  

2008年度 85冊目  

 

 『脱 オバサン 講座』 

 

 

 青木雨彦著 

 毎日新聞

 1990年4月20日 第1版発行

 258ページ 1200円+税

 

 本日、二冊の本を楽しむ。

 二冊目も軽い。

『脱 オバサン 講座』 を選び、読んだ。こちらも緩りとしたエッセー。

 

『脱 オバサン 講座』とあるからには、世の女どもの醜態を暴き描くといった内容かと思いきや、男の弱さを全面的に前に出した、何とも言いようのない情けない男のエッセーなのである。

 オバサンと書く割には若人や男性との共通点もあり、そこの矛盾が男のあがきと感じられて面白い。

 男の浮気や失態については、全体的にどんぶり勘定で、そこがまた何とも言えず、愛らしい始末。

 全体を通して、東海林さだお風の、気楽に楽しむことのできる一冊。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『あなたの声はもっとよくなる』  上野直樹著 PLAY BOOKS

2008年07月30日 | 読書全般(古典など以外の一般書)

記録だけ  

2008年度 84冊目  

 

 7秒のイメージ・マジックで

 『あなたの声はもっとよくなる』 

 

 

 上野直樹著 

 PLAY BOOKS

 青春出版社

 2002年4月10日 第1版発行

 172ページ 830円+税

 

 二冊の本を楽しむ。

 一冊目は 『あなたの声はもっとよくなる』を選ぶ。

 役者声一番とも言われることもあるくらい声は大切かも知れない。

 魅力的なタイトル。

 今の楽しい生活の上に、声までよくなれば、私の人生は・・・などと馬鹿げたとらぬ狸の皮算用をはじめ、ほくそ笑む私。

 天下太平である。

 

 さてこの本、風呂の湯を入れつつ参れる頃には読み終わると言った超短時間で読める本。

 何のことはない。

 最後1/10程度だが芸能人の話が全くわからない。

 稲葉浩志ってB'sのどっちなの?TUBEの前田って、一体誰やねん・・・。他にも桜井和寿やMISAやAICOなどといった、顔がわかるかわからぬ程度の芸能人の名を読み上げていくにつれ、肩が懲り、貧血状態。

 ダメだな・というわけで、そうそうに切り上げた一冊だった。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ひとり暮らしの骨董三昧  『ときめき老後術』 上坂冬子 著

2008年07月27日 | 読書全般(古典など以外の一般書)

 

記録だけ  

2008年度 83冊目  

 

 ひとり暮らしの骨董三昧

 『ときめき老後術』 

 

 

 上坂冬子 著 

 海竜社

 2007年12月28日 第1版発行

 210ページ 1524円+税

 

 昨日図書館から本が入ったと、電話連絡があった。

 私は宮田登全集をはじめ、今7冊ばかりの書物をお願いしているので、どの本が届いたのかはわからずじまいで図書館に行く。

 頂いた電話で確認しても良いのだが、そこは開けてびっくり玉手箱・・・という お調子者。

 こういった小さいな 心のときめきは、日々大切にしたいものである。

 

 この本の著者である 上坂冬子さんは 古稀というお歳ながらも、バイタリティにあふれていることこの上なし。

 私が二十年たった頃、このようにいっぱしのご託を並べていられるか否かは、少々不安である。

 

 著者の骨董のご趣味においては、人それぞれの好みもありますので、何も申しますまい。

 少しだけ載せられた写真の中には、好きなものも無かったとはいえない。

 ただ、人によって、こんなにも好みが違うのかといった 発見のできる楽しい本だったといえる。

 

 気になった点が一点。

 気に入ればそれでよしとしたがいいのでしょうが・・・著者はあまりにも金額にこだわりすぎの嫌いがある。

 作家や内容、時代性などの記述は欲しいところがだ、骨董にしては半端な金額を 大々的に表に出してくるところなどは、少々品位にかけるのでは無いかと、感じてしまった。

 

 この方、結構ちゃっかりとしていて、関西人顔負けであった。

 関東から関西の展覧会に寄った際、招待券を忘れたとのこと。

 係員にその旨を伝えたが、

「それは残念でしたね・・・。」

の一言にショックを受けたらしい。

 ちなみに入場料六百円也。

 こういった状況では、大阪をはじめ関西人でも、何も言わずに入場券を購入することが多いのではないだろうか・・・。

 係員の思いやりで、東京の美術招待券(六百円)を手に入れ、悦に浸っているチャッカリさは、結構可愛いともいえるか・・・?。

 

 わかる客がきたときだけ京都の老舗の饅頭をさりげなく 高価な骨董の皿にのせると、客はさりげなく食べて、わかってもらえない・・・(要約)などの記述が多く、読み終わる頃には、私、何だかへきへきとした気分で後味が悪い。

 

 では彼女は嫌いかといえばそうでもない。

 柏餅味噌餡などといった記述もあり、けっこいスパイシーな人生を送る、味のある人間であるともいえる。

 自らの人の良さとデリケートな部分を、上のような悪態を隠れ蓑に、独り強く生きているといった演技をしているようにうつる。

 私は言葉とは裏腹の突っ張った生き方に興味を覚えるし、そういった彼女の弱さや女らしさに魅力を感じる。

 彼女は成功は手にした者の、想像以上に孤独な老人なのかも知れない。

 

 今回も、記録だけにて失礼申し上げます。

 上の記述は、あくまでも私一個人の感じた内容であることを、ここに付け加えておきます。

 不適切な表現があれば、お許し下さい。

 

 

コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

奈良教育大学平成15年度  『奈良市民間説話 報告書』  竹原威滋 代表編著

2008年07月25日 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

( 写真は奈良の矢田丘陵の山中で見た、しめ縄。こんな山中の谷間に渡された長いものは初めて。

『境界線』かと思いきや、一抹の不安を感じたので地元の人に問う事にした。

 地元の年長者男性曰く、

「あれは、雨乞いでっしゃろなぁ。」

 なるほど・・・。これで龍神伝説でもあれば、『鳴神』そのままではないか。

 ただし、『鳴神』に至っては京都の北山の話である。これに類似した話は、全国各地で残されているのかも知れない。  写真2008年5月下旬 )

 

 

記録だけ  

2008年度 82冊目  

 

 <総合開発学習教材「わが町の伝承と世界の文化」基礎資料>

 奈良教育大学平成15年度

 教育研究支援経費

 『奈良市民間説話 報告書』 

 

 

 竹原 威滋 代表編著

 編者 進藤 秀樹

     竹原 威滋 

     丸山 顕徳 

 奈良教育大学 教育学部 英語教育講座 言語文化教室

 発行者 奈良教育学部 

 平成16(2004)年3月9日 第1版発行

 243ページ

 

 先日から読み始めていた『奈良市民間説話 報告書』 を、7月24日 読了。

 この本はわが町の図書館で偶然見つける。

 民俗学や民話や口承文芸に多少なりとも興味を持つ私にとっては、宝の一冊。

 表紙を見ると 奈良教育大学 教育学部 英語教育講座 言語文化教室用に書き下ろされたとのことだが、いわゆる研究者の研究の成果をまとめ上げられたもの。内容はいたって濃い。

 

 龍や吉祥文様にも感心を持つ私は、今年になって『世界の龍の話』http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/28b796bd8a6b2cc4b737412e56a876f4という良書も読んだことがある。

 今回の『奈良市民間説話 報告書』も、代表編著である 竹原 威滋氏と、編者のお一人の 丸山顕徳氏などがお書きになっていた。

『こんな面白い講座を受けられる奈良教育大学はいいな!』

と内心、うらやましく思う。

 

 さて、興味深いことは相当数 書いてあった。

 ここでは一つだけに絞って記録しておこう・・・。

 

『天之盤立神社の戸違和由来』を柳生町で二つ、柳生下町で一つ、聞いて翻字されていた。

 この話は楽しい。 

 手力雄命が天の岩戸を開けた時に、天之盤立神社に石がとんできたというのだ。

 その石は、お伊勢さんからとんできたという具合に、語り継がれている物も二つあった。

 

 話は上の石のように飛ぶが、そういうと奈良にはかぐや姫や桃太郎発祥の地とされている・・・。楽しいな。

 

 地元に語る継がれた話を話されるがままに起こされており、二度三度と繰り返しながら読むと一層楽しむことができる。

 内容は深い。楽しい時間を過ごすことのできる一冊。

 

 

 今回も記録だけにて、失礼申し上げます。

 

 

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

七月大歌舞伎 『一谷嫩軍記  熊谷陣屋』『黒手組曲輪達引 浄瑠璃「忍岡恋曲者」』『羽衣』『団子売り』

2008年07月19日 | 歌舞伎

 

 七月大歌舞伎  関西歌舞伎を愛する会

 

 

一、一谷嫩軍記  熊谷陣屋(くまがいじんや) 

           

 熊谷直実  仁左衛門   

 白毫弥陀六実は弥平兵衛宗清  我 當             

 藤の方  孝太郎             

 堤軍次  愛之助              

 相模  秀太郎             

 源義経  藤十郎

 

二、黒手組曲輪達引(くろてぐみくるわのたてひき)  

   浄瑠璃「忍岡恋曲者」     

 

花川戸助六/番頭権九郎  菊五郎           

三浦屋揚巻  魁 春            

牛若伝次  松 緑            

新造白玉  菊之助            

朝顔仙平  亀三郎         

三浦屋女房お仲  家 橘           

俳諧師東栄  團 蔵          

鳥居新左衛門  左團次        

紀伊国屋文左衛門  田之助

 

 三、上 羽衣(はごろも)              

天女  菊之助              

伯竜  松 緑   

 

 三、下 団子売(だんごうり)              

お臼  孝太郎              

杵造  愛之助 

 

 

 七月某日。

 今年も七月大歌舞伎を楽しむ。

 まずは家族の希望で、夜の部から観た。

 

『一谷嫩軍記  熊谷陣屋(くまがいじんや)』は良かった。

 演目も役者も両方そろって楽しめる。

 悲しくて、若干ローテンション気味で観ていた・・・が、となりの人はイビキをかいて眠っておられるから たまったものじゃない。

 眠っておられるか 番付をがちゃがちゃとページを繰って つまらなさそうにしておられたので、こちらが申し訳ない感じさえしてしまった。

 いい芝居なんだけど・・・少し難しかったのかな?

 愛之助丈が出てこられたときだけは、すごい勢いで拍手をされていたのが かえって可愛らしい印象を受けた。

 

 今回(私が観た日に関しては)、この芝居の中で 感心した点が一つある。

 最後の熊谷直実に扮する 仁左衛門丈と 源義経演じる 藤十郎丈の、「親子の別れ」「夫婦の別れ」・・・を受けての最後の二人の台詞の響きが美しかった。

 役者二人の声が共鳴し合い、それはまるで 声明を聴いているような錯覚に陥る。心が妙に落ち着いた。プロのなせるワザといった感じがした。

 長年 歌舞伎を観ているが、こういった感じを受けたのは初めてだっただけに、今回も七月歌舞伎夜の部に行った甲斐があったと感じる。

 こういった異次元空間を楽しむことのできる舞台は素晴らしいのではないだろうか・・・。

 

 

 二つ目の『黒手組曲輪達引 浄瑠璃「忍岡恋曲者」』は歌舞伎らしく華やかで、楽しかった。

 菊五郎丈の助六も 鳥居新左衛門役の左團次丈も、格好良くて、素敵だ。

 こちらの演目については イビキの主も楽しんで下さったようで、ほっとした。(どうして私が気をつわなきゃ いけないんだろう・・・?。)

 

『黒手組曲輪達引 浄瑠璃「忍岡恋曲者」』は一幕目の道行きの場で、私的にはショックを覚えた。

 あらかじめ新聞で タイガースやくいだおれ太郎、ケンタッキー人形などがでているのは知ってはいたが、くいだおれ太郎引退の日(七月八日)までと思いこんでいた。

 しかしながら、タイガース的家鴨姿の菊五郎丈の後に続くケンタッキー人形やタイガース選手姿の役者たちの花道入りは、残念なことに、九日以降も行われていた。

 おそらく、今月中か・・・。

 私個人の問題ではあるが、このタイガースなどのせいか、私は最後まで芝居に集中できず幕を閉じた。

 そういった理由で、今回 歌舞伎鑑賞の記録を書く気にもならなかったのである。

 

 元々 歌舞伎はそういった要素を持つものだとは、重々承知の上である。しかし、舞台そのものに品を失ってはならないと思う。

 今回 何だかがちゃがちゃと雑多な感じがして、何を求め 時間を費やして芝居を観ているのかと思うと、惨めな感じを受けた。

 一層 こんなことなら、田之助丈演じる くいだおれ太郎も見てみたかったものだと、妙な悔しさも起こってもくるから、不思議だ。

 ただし、人それぞれのとらえ方があり、こういった思いは あくまでも私個人の主観的嗜好の問題であることを ここに付け加えておく。

 また、菊五郎丈や田之助丈の本来の演じ方は かなり好きであることも、あわせて付け加えておきたい。

『児雷也』のジョークとは、根本的且つ本質的に異なる笑いと感じる歯切れの悪さは、一週間たった今でも、ぬぐいきれないでいる。

 

 演目の二つ目のタイガースが後を引き、最後の二つの舞踊まで、何とも言えず惨めな気持ちで表面を滑らせて見てしまった。

 

『羽衣』の天女  菊之助は見事に美しかった。

 美保の松原から天に舞う姿を、目うぃこらして楽しんだ。

『団子売』はコミカルさをおさえて、そつ無く舞われた感じがする。あまりいやらしさ(?)もなかったのは、少し口惜しい。

 

 私は今回の七月歌舞伎では 昼の部の『伽羅先代萩』に重きを置いている。

 好きな演目のひとつでもあり、配役もみたい役者の組み合わせなのである。

 ここはひとまず気を取り直して、昼の部を楽しむ予定である。

 

 

 

筋書き・松竹『歌舞伎美人』より

一、一谷嫩軍記  熊谷陣屋(くまがいじんや) 

 熊谷次郎直実の陣屋に、初陣の我が子小次郎を案じた直実の妻・相模が、続いて平敦盛の母・藤の方が現れます。戻ってきた熊谷は敦盛を討った様子を語って聞かせますが、首実検の場に供されたのは熊谷の息子小次郎の首。実は陣屋の桜の木の制札には「一枝を折れば一指を切るべし」と記されており、そこに託された義経の意を汲んだ熊谷は我が子を犠牲にして後白河院の落胤である敦盛を助けたのでした。救われた敦盛が無事落ち延びたことを見届けた熊谷はあらかじめ用意の僧形となり小次郎の菩提を弔うため旅に出るのでした。 平家物語に名高い敦盛の最期を題材に意外な真相が描かれます。武将にふさわしい大きさ、剛毅さと共に戦乱の世の無常を感じさせる熊谷に仁左衛門、義経に藤十郎、弥陀六に我當、相模に秀太郎という顔合わせでご覧頂きます。

 

二、黒手組曲輪達引(くろてぐみくるわのたてひき)  

 浄瑠璃「忍岡恋曲者」  「黒手組曲輪達引」は河竹黙阿弥が世話の助六として四世小團次の為に書き下ろした作品と伝えられています。従って至る所に助六のパロディが散りばめられた世話狂言となっています。 三浦屋の新造白玉は、間夫の牛若伝次と図って自分に入れあげている番頭の権九郎をだまして廓を抜け出し、あげくに権九郎は池に突き落とされてしまいます。一方新吉原仲之町では鳥居新左衛門の門弟たちが白酒売りの親父新兵衛をなぶり、商売ものを駄目にしてしまいます。それを救ったのは花川戸の助六。新兵衛はこの助六の馴染の花魁揚巻の父と知れます。実は助六は父の敵を探して吉原で武士と見ると喧嘩を吹っかけ刀を抜かせていたのでした。新兵衛から敵の手がかりも得た助六に影から助六を援助する紀伊国屋文左衛門は短気を起こさぬよう戒めるのでした。 権九郎と助六の二役に菊五郎、文左衛門に田之助、鳥居新左衛門に左團次、揚巻に魁春の配役で趣向に富んだ三幕をお楽しみ下さい。

 

 三、上 羽衣(はごろも) 

 浜辺にやってきた漁師伯竜は、松の枝に美しい羽衣が掛かっているのを見つけ持ち帰ろうとします。そこへ天女が現れ、その羽衣を返して欲しいと頼むのでした。 「羽衣伝説」をもとにした舞踊で、天女を菊之助、漁師伯竜を松緑が幻想的に踊ります。   

   下 団子売(だんごうり) 

 屋台を担いでやってきた団子売のお臼と杵造という夫婦が、評判の団子を作っていく様子を面白く賑やかに踊る人気舞踊です。 女房お臼の孝太郎と、杵造の愛之助が息の合った踊りをみせます。

 

 

 最後に・・・これらはあくまでも私個人の感想です。

 間違いやお気づきの点がございましたら、お教え下さいますよう、よろしくお願い申しあげます。

 また、不愉快な点などがございましたら、お詫び申しあげます。

 

コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『熟年革命』  渡辺淳一 著 講談社

2008年07月18日 | 読書全般(古典など以外の一般書)

写真は京都の東福寺にある 雪舟寺)

 

記録だけ  

 

2008年度 81冊目  

 

 『熟年革命』 

 

 

 渡辺 淳一 著

 講談社 

 2008年4月23日 第1版発行

 148ページ1100円+税

 

 7月15日、渡辺 淳一の『熟年革命』を読む。

 この本、とても短く 一般的な内容で 四、五十分もあれば充分に読める。

 渡辺 淳一は学生の頃までに出版されていた小説はほぼ総て楽しんでいたが、最近はとんとご無沙汰していた。

 その頃のものとはかなり内容が違う(笑)

 帯と内容が心地ずれているところが、楽しいではないか。彼は、一九三三年生まれなんだ・・・。渡辺淳一氏も、可愛らしくまとまったものだなぁ。

       

         すこーんすこーん 米団子

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

我が家の 蝉 鳴き始め

2008年07月16日 | 乱鳥徒然 Rancho's room.

 

 少し遅いのでしょうか?

 今朝、庭の蝉が一斉に鳴き始めました。

 7月16日水曜日・・・。

 そういうと、今日は祇園祭。

 夏本番です。

 

              奈良県 自宅にて

 

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ジャワの面』 大阪民族博物館にて

2008年07月16日 | 舞台・音楽 雑感メモ

   

 

   

 

 かなり多くの『ジャワの面』が展示されていた。

 実際のジャワ伝統芸能を観てみたい・・・。

 なにがしら 心高鳴る 大阪民族博物館である。

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大阪民族博物館に『鳴神』の衣装が展示

2008年07月16日 | 舞台・音楽 雑感メモ

 


  


 


 大阪民族博物館に『鳴神』の衣装が展示されていた。


 手前左には、 先代 尾上松録丈の写真がおかれていた。


 松録丈の『鳴神』はテレビで見たことがある。品が良く、迫力があり好ましい。


 鳴神の衣装を前にして、心ときめかぬはずが無い。


 


 こりゃ、愉快じゃわぇなぁ!


 


 

コメント (13)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大阪民族博物館にて 

2008年07月16日 | 美術・文様・展示物

 

   

 

   

 

   

 

  

 

 大阪民族博物館を楽しむ。

 写真は『精霊像』と『偶像』の、ほんの一部。

 

 海外の芸能や面、織物、民族など、興味深く見る。

 中国の少数民族である ペイ族(白族)の藍の絞り染めの元の文様は三種類。「蝶」「梅?」「毛虫」とのこと・・・知らなかった。今のように模様が増えた理由など、納得がいく。

 

 山の神や縄やおしらさま、まつりや飾り、風習など、日本に関する展示物は心が躍る。

 宮田登氏などの民俗学関係で読んだ言葉が あちらこちらに散りばめられ、系統立てて展示されている。

 研究者の方々のひとかたならぬ努力と研究の成果が わかりやすく集結。 とても素晴らしい展示法に感服した。

 

 全体として 質の良い民俗学の書物を一冊なめ尽くした感じかする。

 見た後は、非常に心地が良い。

 数時間をかけて見て回ったが、あまりにも楽しすぎて 見足りない感じがする。

 ここは近日中に、もう一度じっくりと 逆回りで見て廻りたい。

 

 ただし、広く、展示物も多い。

 かなり疲れるので、茶の用意は必須。

 途中 自販機あり。

 トイレが多いのには、驚きと同時に満足した。

 採算を度外視した、研究者の研究の成果を楽しく体験できる博物館。

 

 

 民博hp ↓

 

 http://www.minpaku.ac.jp/

 

 

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『トルコの旅はバスがいい!』 写真・文 小田陽一 著 京都書院アーツコレクション

2008年07月16日 | 読書全般(古典など以外の一般書)

写真はイランの美術館にて、一人イランケーキとチャイを楽しみながら、仲の良いカップルを撮る。何だか、素敵な空間・・・。

 この二人公の場で 堂々と語らいあっているが・・・夫婦だろうか?まぁ、恋人同士でも、私服ポリスに見つからなければ、okかな。)

 

記録だけ  

 

2008年度 80冊目  

 

 京都書院アーツコレクション 206 

 『トルコの旅はバスがいい!』 

 

 

 写真・文 小田 陽一 著

 編集 アートダイジェスト 

 平成10年10月15日 第1版発行

 1000円+税

 

 7月15日、『トルコの旅はバスがいい!』 を楽しむ。

 ワォ!京都書院。懐かしい!

 中学性の頃のこと。先生に連れられて、学校から本を注文に行ったな。

 高校、大学の頃は 度々 海外の書物や美術書や絵本を楽しみに(?!?)訪れたものだ。

 この本は京都書院アーツコレクションとあって、写真が良い。重厚で、内容も濃い。写真は影の使い方も好きだな。

 内容も興味深く、楽しい時間を過ごすことができた。

 

 ネムルートから カッパドギアに行く場合は飛行機よりもバスが安い。

 加えて一番良い点は 一日有効に使えて カッパドギアを一日多く楽しむことができる。

 又、現地の人々や生活にも触れることができ、私の趣味としては、バスの方が好ましい。

 しかしながら、私のみならず家族と一緒の場合は、疲労度から考えて 飛行機の方がベストといえよう。

 著者のいろいろなバス旅行でのエピソードを読み進めるにつれ、そう深く感じた。

 さてさて、いつになれば、トルコに行く事ができるだろう・・・。

 

 

 記録のみにて 失礼いたします。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

望まれる国際協力の形『アフガニスタンに住む 彼女からあなたへ』 山本敏晴 著

2008年07月11日 | 読書全般(古典など以外の一般書)

記録だけ  

 

2008年度 79冊目  

 

 望まれる国際協力の形

 『アフガニスタンに住む 彼女からあなたへ』 

 

 

 山本 敏晴 著

 白水社  

 2005年4月30日 第2版発行

 1400円+税

 

 7月11日。

 今日は私と猫の二人だけ。

 ガーランドの『オズの魔法使い』を観た以外は、何となく 二冊の本を読んだ。

 二冊目は 望まれる国際協力の形『アフガニスタンに住む 彼女からあなたへ』を楽しむ。

 

 この本は面白かった。

 医者の立場から 医療現場だけでなく、中東やイスラム文化の、生活や風習などもひもといている。

 国際協力本来の姿を正直に記しているところも、潔くて良い。 

 協力のあり方の一方法として、納得できる。

 

 堅いだけではなく、男性らしい感覚や飾らぬ文章も心地良い。

 読みやすいが内容は濃い良書。

 

 

 記録のみにて、失礼いたします。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『議員の責任』 竹中淑 著  牧歌舎

2008年07月11日 | 読書全般(古典など以外の一般書)

記録だけ  

 

2008年度 78冊目  

 

 『議員の責任』 

 

 

 竹中淑 著

 牧歌舎   

 2008年4月8日 第1版発行

 780円+税

 

 7月11日。

 暑いので、本を二冊読む。

 一冊目は 『議員の責任』、読むだけは読んだ。

「画期的『魚釣り理論』!!」という帯を見て、開口の『釣魚大全』を再読したくなった。

 ふふふふふ・・・。

 

 記録のみにて、失礼いたします。

 

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする