乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

難民キャンプの子どのたち (カラー版)岩波新書 新赤版  田沼 武能著

2007年10月30日 | 読書全般(古典など以外の一般書)

( 写真は10月30日。モミジで有名な 奈良の竜田川公園に流れる 龍田川。こちらは 紅葉はまだまだ先のようです。)

 

 

 

記録だけ  2007年度 89冊目          

 

  

   カラー版 『難民キャンプの子どのたち』      

                                                        

 

 田沼 武能著

 岩波書店 

 岩波新書 カラー版 新赤版 946

 2005年4月20日  196ページ 1000円 +税 

 

 今日の二冊目は、 『難民キャンプの子どのたち』 。

 こちら真に迫った迫力ある写真が載せられていた。

 読んでいくうちに、じんわりとと涙がでてくる。

 色々と 見つめなおしたり、考えさせられる一冊。

 

   

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認知症とは何か   小澤 勲著  岩波新書 新赤版

2007年10月30日 | 読書全般(古典など以外の一般書)

( 写真は奈良県の竜田川に流れる 龍田川沿い。お地蔵さんが奉られていた。

 

 

 

記録だけ  2007年度 88冊目          

 

  

   『認知症とは何か』      

                                                        

 

 小澤 勲著

 岩波書店 

 岩波新書 新赤版 942

 2005年3月18日  196ページ 700円 +税 

 

 わかりやすく、参考になる箇所が多い、良書。

 認知症に興味のある方にとっては、お勧めの一冊です。

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こんなに近く、こんなに遠く   イラン映画  ★★★★★

2007年10月30日 | 映画

(写真は2007年9月23日。

エスファハーンにある 『アーリー・ガーブ宮殿』の音楽室。

水差しのような 楽器のような穴が開いているのは、音が反響するようにと考えて造られた構造。漆喰造りの色合いがなんともいえず、落ち着いた雰囲気。ここで音楽が奏でられていたのかと思うと、ロマンを感じる。  )

 

 

   こんなに近く、こんなに遠く   So Close, So Far

 

 満足度 ★★★★★+おまけ★★★

 感動度 ★★★★★+おまけ★

 影像美 ★★★★★

 丁寧さ ★★★★★

 イラン人の描き方(イラン人らしさ) ★★★★★+おまけ★★★

 話の展開 ★★★★★+おまけ★

 個人的映画の好きさ★★★★★+おまけ★★★

 お勧め度 ★★★★★

 

 2004年 イラン

 監督 レザ・ミルキャリミ

 キャスト マスウード・イーガン  他 

 

 

 イラン映画を見た。

 さすがに映画に力を入れているイラン。というか、娯楽が少ない中で、映画館には多い。

 感動し琴線に触れる場面もいくつかあった。

 

 イラン人の頭の良さ、礼儀正しさ、親切さ、宗教観。反面 天邪鬼ぶり、調子のよさ(いいかげんさ)が 見事に映し出される。

 イランの景色が美しい。砂漠あり、塩湖あり。土で作った家あり。放牧生活ののどかさや、結婚、葬儀といった内容も上手く織り込まれている。

 

 テヘランの名高い 脳外科医アーラム。

 仕事中心で、妻や子供との関係も、崩壊直前。

 

 大晦日の夜、息子の脳が腫瘍に侵されている事を知る。

 約束の誕生日に遅れた天体観測を持って、息子のもとに駆けつけようとする父。

 波乱に満ちた道のり。

 

 車にはコーランもなく、(車の前においているタクシー運転手は結構多い)時間が来ても祈りもしない外科医。

 その彼が、

「今息子には、神が必要なんだ。」

と、嘆き悲しむ。

 旅の中で、彼は失っていたものの大切さを知ることとなる。

 

 息子のもとへ、一刻も早く駆けつけようとする父。

 そして砂漠のなかでの迷子、砂嵐。

 砂は、彼の乗った車を見る見る間に覆い埋める。

 

 死の恐怖。

 意識が消え筒ある中・・・

 

 息子の手が差し伸べられた。

「父さん、この手につかまって。神のおかげ・・・」

 

 車の前(バックミラーの部分)につり下げられた魔よけのお守りが、アップでうつる。このお守りやキーホルダーは、私もイランでは、タクシーなどで 度々見かけた。但し 映画のようなデザインではなく、紺色の中にに、目玉のような丸のデザインが描かれたものが多かった。)

 

 バックからとられた息も絶え絶えの父の顔の一部と差し伸べた手は、なんとキリストのようにも思えた。

 イランはイスラム教徒が多い中、キリスト教の映画や信者も多い。げんに 私がテヘランで見た映画は 『キリスト教がやってきた』という コメディタッチのものだった。

 

 一緒に見ていた家族が、

「バムあたりだろう・・・。」

「イラン北部の砂漠地帯だ。」 

「監督は名前から考えて・・・出身だ。」

と、興奮して、見ていた。

 

 この映画も、個人的には、とても好きだった。

 

 

               

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孔雀  我が家の風景 中国 クー・チャンウェイ監督 

2007年10月28日 | 映画

(写真は、セイダカアワダチ草。私は花粉症ですが、この美しい黄色には、負けてしまいます。思わず、パチり!)

 

  孔雀  ー我が家の風景ー 

 

 満足度 ★★★★★+おまけ★(5段階評価)

 映画の好きさ ★★★★★おまけ★★

 感動度 ★★★★☆

 お勧め度 ★★★★☆

 

 2006年 中国監督 136分

 

 監督 クー・チャンウェイ  

 キャスト チャン・チンチュー

       ファン・リー

       ルゥ・ユウライ   他

 

 中国映画の好きな私としては好きな作品の一つ。

 知的障害の兄を中心に、家族の心情の揺れ動きや行動を、きれいごとではなく、真正面からとらえた秀作。

 10年間の文化大革命の後の中国(1977年)。

 小さな田舎町を舞台に、自由と解放を求めた時代の庶民の哀歓がのなかでの 家族5人の物語。

 家族、そして自分との葛藤。

 なぜだかジンワリとした涙が出て、目尻をぬらす。しんみりとよさの伝わる映画。

 

 中国映画で知的障害者を扱った映画としては 『こころの湯』を思い出すが、いずれも興味深い。

 ではどちらが好きかといわれれば・・・どちらもと、いわざるを得ない。

 ただ焦点をはっきりさせた点(分かりやすさ)から考えると、万人に分かりやすい 『こころの湯』の方がお勧め作品かもしれない。

 私はどちらも好きだ。

 

 10年間の文化大革命の後の中国(1977年)。

 小さな田舎町を舞台に、自由と解放を求めた時代の庶民の哀歓がのなかでの 家族5人の物語。

 家族、そして自分との葛藤。 

 

 ラスト。

 動物園の孔雀の前で順番に足を止める 三兄弟の各三家族。

 そこには 切なさや 一口では言い表せない人生の重さを感じさせる。

 

 孔雀は真後ろからのカメラアングル。

 美しい・・・

 私たちは 孔雀の羽を広げる瞬間の 後姿に気を止めたことがあるだろうか・・・

 この感性が、この監督の素晴らしさかもしれない。

 なかなか真正面に向かない孔雀のフィルムを意図的にしよう。

 やっと正面になったと思えば、向かって右の羽を切った、変形の構図。

 この右の羽を切ったシーンが、この映画には重要な省くことのできない場面だと感じた。

 

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ことばの道草  岩波書店辞典編集部編 岩波新書 新赤版 別冊6

2007年10月27日 | 読書全般(古典など以外の一般書)

(写真は散歩中に。

     降霜や たわわに実る 黄花梨(おうかりん)   )

 

 

 

記録だけ  2007年度 87冊目          

 

  

   『ことばの道草』      

                                                        

 

 岩波書店辞典編集部 編

 1999年1月20日  175ページ 560円 +税 

 岩波新書 新赤版 別冊6

 

 

 十年ぶりに『広辞苑』が出版されるということも手伝って、岩波書店辞典編集部編の、『ことばの道草』 を読む。

「江戸の遊びの風景」など、歌舞伎の話などがあげられ、興味をもてる部分も。

 先日読んだ『ことばの由来』と共通した部分もある。

 全体を通して、気軽に楽しい時間を過ごすことができた。

 

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十月の 紫陽花 

2007年10月27日 | 乱鳥徒然 Rancho's room.

 

 散歩中に紫陽花をよく見かける。

 十月の紫陽花。

 色あせ、高張り、それでも花の原型を留める。

 鮮やかな大きな緑の葉に負けず劣らず、自分は紫陽花であったことを主張する。

 しかし今となっては、振り向くものもない。

 

紫陽花姫様

 「鏡よ鏡、一番美しいのはだぁれ?」

鏡1 

 「はい、それは紫陽花姫様でございます。梅雨の季節はね・・・」

鏡2 

 「紫陽花姫様には紫陽花姫様の美しさが感じられます。私は、そんな紫陽花姫様のお姿が、とても美しいと思います。」

紫陽花姫様

 「そうですか。なれば、私は、鏡2を娘婿として向かいいれることにいたしましょう・・・」

 ・・・・・・な~んて話に展開するやも知れない。

 私のベタな妄想は、まだまだ続くが、乱鳥は頭がおかしくなったのではないかと心配をかけてはいけないので、これくらいで止めにしておこう。

 

 紫陽花は焦りを感じつつも、現状を実情として受け止めねばならない。

 人生の切なさ・・・

 だが、一方で、紫陽花は、梅雨を終え、切り取られなかった自分の一生に満足しているのであろう。

 意図的或いは成り行きで残された紫陽花の花。

 

 私はこの季節から冬にかけての 色あせた紫陽花の色彩に、毎年 美しさを感じる。

 色の重厚さと、生命のたくましさを感じるのだ。

 

   七つ八つ 衣かえたる 秋景色 朽ちゆく花や 誰そ知るらむ

 

 

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ことばの由来  堀井令似知 著  岩波新書 新赤版 941

2007年10月25日 | 読書全般(古典など以外の一般書)

(写真は10月24日、降霜の日に。夕刻 大和川を撮る。)

 

記録だけ  2007年度 86冊目          

 

  

   『ことばの由来』      

                                                 

 堀井 令似知 著 

   1949年 京大文学部卒

   専攻 言語学

   2005年現在 関西外大教授 

   『京都のことば』(和泉書院)  

   『にほんご歳時記』(大修館書店)他多数

 

 2005年3月18日  193ページ 700円 +税 

 岩波新書 新赤版 941

 

 

 堀井 令似知著の、『ことばの由来』 を読む。

 ことばに こだわりが感じられ、面白い。

 歌舞伎や能、神楽なども例にあげての解説も多く、興味を持って読んだ。

 よく読むと 非常にユーモアのとんだ方で、話の切り方などは、歌舞伎の最後に 舞台に「パッツ!」と電気がつく。そんな気前のよい、鮮やかな切る口が感じられ、好きな部分も多い。

 結構こだわりを持った人のように感じ、こういった人と一緒に酒を飲むのは楽しいだろうと感じたが、これまた、一方通行なり。

 

 

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広辞苑

2007年10月25日 | 乱鳥徒然 Rancho's room.

 (写真は鴨。 藻の広がった緑の池に、鴨が何十羽と泳いでいた。この季節、こどものいて、可愛らしい。そういうと24日は 『霜降』だったな。『広辞苑』で調べてみよう・・)

 

 

  広辞苑

 

 岩波が十年ぶりに『広辞苑』を改正。第六版を出版したという。

 

 一般語については,新しい意味や用法の広がりを的確に捉えることに重点をおいたそうで、新たに百万項目追加。

 新しい動きを反映させるべく、若者言葉なども収録。

 言葉は流動すべきもので、これもよかろうと感じる。

 

 そういうと、今私は 岩波新書の『ことばの由来』(堀井令似知著)を読んでいる。

 江戸時代或いはそれ以前に使われていたことばが、今に至る経緯を考えると、ことばの変化においても 興味深い。

 

 話を『広辞苑』に戻そう。

 

 しかしながら、今更にして、植木仁やローリング・ストーンズは必要なのか。

 植木仁似ついてはあまりにも幼かったので、日本の演劇或いはコメディにおいてどういった意味合いを持つかは分からない。

 ローリング・ストーンズはロックにおいて、そこまで・・・と感じてしまうが、いかがなものか。

 他にも多いぞ、ロック界・・・

 テレビからは 今もフレディちゃんの声が流れる・・・

 

 今回の広辞苑は、

 

 言葉の本質を知るために,その語の本義をまず解説。

 派生した意味,比喩的用法もとりこみ,言葉の多義性を認識できる。

 日常生活に関連の深い言葉を積極的に収録.増え続けるカタカナ語・外来語についても,現代生活に必要な語を増補した。

 漱石・鴎外など明治期以降の作品から,用例1500余を新たに掲載。ことわざ・四字熟語を大幅増補. 現代に生きる方言・民俗語彙も充実させた。

最新の学術的知見,科学技術の進歩に伴って生じた新しい動きを的確に反映させる。

 金融関係をはじめとする経済の構造変化による新しい概念や制度,インターネットの急速な普及に伴う新たな用語なども積極的に選定。

 昭和40年代までの,時代相を表す文物・事項を収録. 「平成の大合併」に対応。

 新たに誕生したすべての市を収録。

 

と、解説。(以上、小文字は 岩波書店のページ参考)

 

 これ買いなおさねばならない。

 ああ・・・また散財か。

 

 ちなみに 私の場合は 高校生までは、三省堂『広辞林』の方が、使い心地が良かった。

『広辞林』の方は何故か小学誠や中学生でも使いやすい。

 理由は簡単。

 ①『苑』よりも『林』の方が 親しみを感じる。

 ②手ごろな大きさ (広辞苑より少し小さくて持ちやすい。)

 以上の点で、私は高校生までは『広辞林』派。

 小学生の頃、私はかなり年上の兄弟の本棚から、ほこりの被った『広辞林』を自分の部屋にもち入り、その後、大切に使用し続けた。

 

 結婚してから、夫の必要に応じて 辞書類は何十冊と買っているが、いまだに大きな辞書は、言葉の収納数が高くても嫌い。

 今は『大辞泉』の入った電子辞書と 『広辞苑』を併用する場合が多い。

 

『そないやったら、ブログの誤字も直したらどうやねん!』

と、内心自分をしかる。馬鹿な私。

 

 度々の誤字にお付き合いくださっております、皆様。心より感謝いたしております・・・

 

              どんと はらい・・・

 

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危険 『女 ひとり旅読本』  ガールズ・バックパッカー・マニュアル

2007年10月23日 | 読書全般(古典など以外の一般書)

(写真はイランのフィールズ・アーバードの、どこにあるかなかなか見つからない 遺跡<浮き彫り>の近く。

23歳のタクシーの運転手さんのお父さんが、バイクに乗ってかけつけてきて下さいました。

お父さんが、

「このバイクは ホンダだよ。」

と得意げにおっしゃっていました。その誇らしげなこと・・・

イランでも ホンダやKAWASAKIのバイクは 人気がありました。)

 

記録だけ  2007年度 85冊目          

 

  ガールズ・バックパッカー・マニュアル 

  危険 『女 ひとり旅読本』      

                                                 

 ひとり旅活性化委員会著 編 

 2001年6月5日  223ページ 1500円 +税 

 

 

 先日の『ひとり旅読本』二続いて、大変楽しく読むことができました。

 今回の旅のトラブルは 前回にも勝るトラブルや旅情報。

 一気に最後まで、時間を忘れて読んでしまいました・・・

 

 あ~、面白かった♪!!

 

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あら、かわいや、風船唐綿 (ふうせんとうわた)

2007年10月23日 | 乱鳥徒然 Rancho's room.

 

    風船唐綿  (ふうせんとうわた)

 

 散歩中、『風船唐綿(ふうせんとうわた)』という花と風船を見つけました。

 風船が弾けて破れている物からは、綿のようなものが、風を受けて 優しく 飛び出ていました。

 名前は知らなかったのですが、 ブログでお付き合いさせていただいております ○○さんという親切な方に 教えていただきました。この場を借りて、御礼申し上げます。ありがとうございました。

 

    綿なれど いつかなりたし 絹衣 夢見膨らむ 風船唐花  

                                       乱鳥 

 

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インカを歩く  高橋 潤著 岩波新書 新赤本 738 

2007年10月22日 | 読書全般(古典など以外の一般書)

(散歩中。こんな秋を見つけました。) 

 

記録だけ  2007年度 84冊目          

 

  カラー版 『インカを歩く』      

                                                 

 高橋 潤著   

 

 岩波新書

 新赤本 738   

 2001年6月20日  176ページ 1000円 +税 

 

 

 カラー版 『インカを歩く』 を楽しむ。

 以前に行った『ナスカ展』を思い浮かべるインカの写真や説明は、面白かった。

 興味のある話も多く、充実した時間を持てた。

 

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日本異界絵巻  宮田登 小松和彦 鎌田東二 三人による共筆

2007年10月22日 | 絵巻物、縁起絵巻、巻物、絵解き掛け軸

 

(2007年10月21日。散歩中に見つけた花。ブログで親しくさせていただいている、ある方の影響を受け、名前を講談社の『園芸大百科事典』で調べてみたが、わからない。どうにも、中途半端な私・・・)  

(追記。ブログで親しくしていただいておりますYさんに、『芙蓉』の八重咲きであることを、教えていただきました。胸のつかえが、落ちたように、心は秋晴れです。Yさん、ありがとうございました。この場を借りて、御礼申し上げます。 10/23 20時)

 

 記録だけ  2007年度 83冊目          

 

   『日本異界絵巻』      

                                                 

 宮田 登  

 小松和彦  

 鎌田東二  以上三人の共著  

 南 伸坊   絵  

 

 河出書房新社   

 1990年8月14日  278ページ 2800円  

 

 

 宮田 登、小松和彦、鎌田東二など三人の共筆による『日本異界絵巻』 を読む。

『弁慶』や『累』、『土蜘蛛』や20日にみた能楽にもでてきた『鉄輪』の『橋姫』の話など、面白い。  

 特に 『弁慶』や『累』、『土蜘蛛』などの話は、この先も芝居(歌舞伎)で見ることも多いだろう・・・  

 この本を読むことによって、今後芝居を観る際、今までとは違った見方も楽しめる・・・  

 そんな素敵な一冊。  

 

 それはともかく・・・『日本異界絵巻』 で紹介されている異界の人物は、

  スサノヲ

  八岐大蛇(やまたのおろち)

  ヤマトタケル

  吉備真備(きびのまきび)

  安倍晴明

  酒呑童子

  宇治の橋姫

  鬼女紅葉

  源義経

  崇徳上皇

  甲賀三郎

  河童

  山女おかね

  アラハバキ神

  ポイヤウンペ

  出口王仁三郎

  ねずみ男 など 計40件。

 

 紹介している宮田氏など三人による共筆。

 それぞれ 民俗学,文化人類学,宗教哲学などを専攻されている学者。

 話は噛み砕いてあり、興味が持てるような書き方をされている。

 特に芝居等で演じられる箇所に、興味を覚えた。

 

                      どんと はらい・・・

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鉄輪  土舞台顕彰能 第28回 篝能

2007年10月21日 | 能楽・狂言

(写真は、土舞台顕彰能/第28回 篝能の 葉書の写真部分です。)

 

 

  『鉄輪』 (かなわ)

 

 土舞台顕彰能/第28回 篝能   

 

   『江口』       

   『酢薑』(すはじかみ)・・・狂言

   『鉄輪』(かなわ)   ・・・能楽

   

 

 桜井市民会館大ホール 入場無料  

 

 

 奈良の桜井で行われた 土舞台顕彰能に行く。

 桜井は、芸能の発祥地ともいわれている。

 駅を降りると、それを記した大きなモニュメントがそびえたっている。

 

 

『鉄輪』のシテは、洛北の貴船神社に丑刻詣をする女。

 女は 下京の 自分を捨てて 後妻を迎えた夫を呪詛しようと思い、貴船に通う。

 頭には、鉄輪の三つの足に 松明(たいまつ)を灯す。

 

 女は立ち上がると、女の様子は一変して、鬼となる。

 顔色は変わり、髪は逆立ち、黒雲、雨、風、雷鳴の中を走り帰る。

 

 

 夫は、このところ悪夢に悩まされる。

 安倍晴明をたずね、占ってもらう。

 晴明は男をみるなり、女の深い恨であり、今夜限りの命だという。

 

 男は驚いて、女との顛末を話し、安倍晴明に転じかえの祈祷を頼む。

 安倍清明は夫婦の形代を置き、神仏などをおいて 祈る。

 

 

 やがてあたりに妖気が漂い、稲妻、雷鳴の中に女の生霊が現れる。

 金と白の鬼(蛇)の衣。

 女は笠を投げ捨てる。

 面から見える表情は、凄まじい形相。

 女の生霊は、夫に愛の末の恨みを放ち、後妻の髪をつかみ打ちすえ、夫の命を取ろうとする。

 この髪を打ちすえる場面は、とても迫力を感じた。

 

 そして・・・

「魍魎鬼神は 穢らはし(けがらわし)や。出でよ出でよ」

と追い立てられ、消え失せる。

 

 

  この能の後場の面は『生成』 或いは『橋姫』。

 いまだ鬼になりきらない、鬼への過程の顔とのこと。

 今回の面も素敵なもので、見ていて、わくわくした。

 

 

 この能の出典は、平家物語の『剣巻』だという。

 

 たまたま、桜井行きの電車の中で読んでいて 出てきた 『日本異界絵巻』(宮田登 等 三人の共筆)のP.72から75の 『宇治の橋姫』 (小松和彦氏・書く)

 奇遇とはこういったことをいうのか・・・

 能楽の『鉄輪』のモデルにもなった橋姫は、丑の刻参りのもとだという・・・

 身の毛もよだつ恐ろしさを感じる曲だったのも、納得がいく。

 

 詳しく言うならば 鉄輪とは、昔 火鉢の中に置いた五徳鉄(輪に三本の足を付けたもの)。

 この鉄輪を逆さまにしてその足にロウソクを結びつけ、火をつけたそれを頭に乗せ、髪を振り乱し、白化粧、濃い朱の裂けた口。

 口には櫛をくわえ、胸には鏡を提げ、丑の刻に貴船神社に参り杉の大木に添えた藁人形に五寸釘を打ち込み呪う…

  これが今に伝わる丑の刻参りの姿という。

 

 この原型の『宇治の橋姫』伝説。

 少し浦島太郎を思わせるが、橋姫は悪阻(つわり)に苦しみ、夫に

「七尋のワカメを海で獲ってきて。」と頼む。

 海に出かけた夫は、美しい龍神に囚われてしまう。

 橋姫は憎い龍神を呪う。

 貴船に参詣し

「私を鬼に変身させてほしい、そして憎い龍神を呪いたい」

と祈願すると、貴船の神は

「髪を松やにで固め角を作り、火を灯し、鉄輪を被って、三本の松明を持ち、宇治川に二十二日間浸りなさい」

と告げる。

 そのお告げの通り 一心不乱に宇治川に浸った橋姫は鬼似なれたといわれている。

 

 能楽の『鉄輪』は、この橋姫伝説から舞われるようになった。

 能楽では、藁人形を五寸釘で打ち場面はない。

 

 

 下京区の鍛冶屋町というと、去年 土舞台顕彰能で舞われた 『小鍛冶』も鍛治屋町と縁の深い話だった・・・

 京生まれの京育ちの私にとっては、京都の話は、身近に感じる。

 

 

『日本異界絵巻』の 『宇治の橋姫』によると、呪い殺すことに失敗した橋姫は、後に 本当の鬼と化し、多くの人々を殺し続けたという。

 女の嫉妬心、恨みは根深く怖い。

 しかし、この橋姫ばかりを悪者呼ばわりするのも、釈然としない。

 赤子をはらんだ女が、信じる夫に裏切られ、つらく切ない悲しみを感じる。

 複雑な気持ちで舞台を見つめていた・・・

 

 

(最後になりましたが、私は 能楽鑑賞初心者です。間違った内容があるかと思います。もしお気づきの点がございますようでしたら、お手数ではございますが、お教えくださいましたら嬉しいです。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。)

 

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秋祭り

2007年10月21日 | お出かけ

(写真は 秋祭りの準備中。神社にて。)

 

 

   秋祭り

 

 最近 気候がよいためか、散歩が長くなった。

 今日も朝から、長時間ぶらぶらと歩く。

 秋晴れ あっぱれ あほうどり。

 

 表はニュータウンで、整備された美しさ。

 反対側は、田畑や川が美しく、旅行気分を味わえる。

 そう、わが家は散歩するには 恵まれた立地条件である。

 

 何気に意味もなくぶらぶらと歩いていると、色々なものに出会う。

 花や鳥や虫・・・

 畑や小山や、池や川の様子も面白い。

 刈り取られた田んぼのあとには、異常に集まった烏や鳥。

 乱鳥もビックリ!といった具合である。

 

 籾殻のようまものは、田んぼの真ん中で、煙をたてている。

 焼かれている中央からは、短い煙突のようなものが突き刺してある。

 こんな景色は、初めてみた。

 

 今日は秋祭りらしい。

 それも二つの町で、二つの神社に 神輿が置かれているのを 見た。

 九時ごろ、村人は祭りの準備に追われて、とても忙しそうだった。

 稲刈りを終えた ちょうどこの時期に、農家中心の秋祭りが行われるらしい。

 秋風と共に、私は美しい日本を感じていた。

 秋桜が 素直に揺れる・・・・・・。

 

 

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中性脂肪と コレステロール

2007年10月21日 | 読書全般(古典など以外の一般書)

(2007年9月3日。

写真はイランのターケ・ボスターン(遺跡)の近くの、キャバブ屋。

ターケ・ボスターンの周辺には、キャバブ屋が多い。

写真の店の 羊のキャバブや クビデ(串刺し、羊のハンバーグのようなもの)、モツのキャバブは最高にとても美味しかった。

イランでキャバブはかなり多く食べたが、ホテルよりも、高級レストランよりも、一番印象に残る味。

高級レストランでは、羊のキャバブを扱ってないところが多い。

「羊。」

というと、

「うちは牛肉しか扱ってないよ。」

と馬鹿にされる始末。

イランでは安い店と 家庭料理が美味しいというのは、本当だと思った。)

 

 

記録だけ  2007年度 82冊目      

 

 よくわかる最新医学 『中性脂肪と コレステロール』 高脂血症を治す        

                                            

 石川俊次 著

 主婦の友社  

 平成12年8月20日

 平成14年9月20日 第7版

 191ページ 1300円+税

 

 気軽に 石川俊次著の 『中性脂肪と コレステロール』 を読む。

 知らなかった ためになる部分が 数ヶ所ある。

 こういった本は大体において、一ヶ所有効な部分があればよしとしているが、この本は 上の意味でも良書といえる。

 

 ただ、傾向としては実際に数値に現れているのかもしれないが、血液型云々の話は、首をかしげる。

 血液型を言い出したのは、近年のことである。

 確かにアメリカや諸外国でも、血液型による性格判断を研究し、傾向として数字に表してはいる。

 しかし全ての人に、当てはまるのではない。

 人間の平均寿命のように、この場合も数字のトリックが働いていることは確かだ。

 著者、石川俊次さんはソニー(株)健康開発センター長 及び、慶応大学医学部の客員教授もされているとのこと。影響力は大きい。

 まして こういった売れ筋の本で、まことしやかに血液型を判断基準におくのではなく、傾向であることを付け加えねば、血液型の差別は 今以上に過熱するのではないかと、心配する。

 

 上の一点を省くと、分かりやすく、また短時間で読める 馴染みやすい本だったことを、付け加えておきたい。

 

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