ウルトラ解釈ブログ作戦

ウルトラシリーズについて色々語るブログ。

この超獣10,000ホーン?

2011-08-28 17:46:55 | ウルトラマンエース
ストレートなタイトル。
実際は超獣自体がうるさいわけではないのだが、まあ細かいことはいいだろう。
サウンドギラーの名前がわかっていながら、その属性がわかってない点はお約束ということでスルー。
レッドキングなんかも赤くないしね。

ストーリーとしては以前書いたとおり。
当時、校内暴力や暴走族が問題になっていたかどうかは知らないが、そういう社会派も意識した作風なのであろう。
そういう意味では案外大人向けの脚本ともいえる。
まあ詰めは甘いが。

この時期の北斗は他人におせっかいを焼くパターンが多い。
おねしょ少年、超獣の鱗を集める少年、暴走族、昔の友人などなど。
まあゲストを出した場合それに絡めるにはおせっかいを焼くのが手っ取り早いのだが、さすがにそのゲストが超獣に襲われるパターンばかりでは飽きもくる。
以前にも書いたが、ウルトラである以上、もう少し超獣(怪獣)に焦点をあわせて欲しいものである。

今回の脚本は長坂秀佳。
超獣の設定などは面白かったのだが、肝心のドラマ部分が駆け足だったので出来としてはもう一つだ。
ただ、北斗と暴走族の交流は短いながらも青春ドラマのテイストもあり、当時の流行を取り入れたのがわかる。
ウルトラの色々な可能性を試すという点では一定の評価が与えられる作品であろう。

ゾフィからの贈り物

2011-08-20 15:43:42 | ウルトラマンエース
またも思わせぶりなタイトル(笑)。
ウルトラブレスレットのような新兵器が渡されるのかと思ったら、結局今回限りの武器でした。
まあ、この辺りはこれから膨らまそうと思ってたのかもしれないが、やはり二番煎じ感は否めない。
そもそもエースは技が豊富だしねえ。

今回のテーマはおねしょ。
およそウルトラシリーズとは思えないテーマだ。
この辺りのコンセプトは正直よくわからない。
夢の中に超獣が出るというアイディアから逆算して作られたのかもしれないが、それにしてもおねしょはちょっと子どもが見ても恥ずかしいテーマ。
内容はかなりシリアスなのだが、やはり違和感を感じずにはいられない。

今回ゾフィはバンク映像ながらも大活躍。
しかし、エースとユキオとのやり取りまで見てるってのはちょっと暇すぎるのでは(笑)。
あと、ダン少年も珍しく大活躍。
北斗よりも身近にいるからユキオのことがよくわかるのか、最後までユキオを信じていた。
ウルトラ6番目の兄弟を前面に押し出さなかったが、今までで一番ヒーローらしかったと思う。

ドリームギラスは超獣らしい神出鬼没な存在。
鳴き声もなんか不快感あるが、まあ、おねしょの超獣なので。
しかし、ユキオもとんだ災難である。
元々おねしょ癖があったのは確かだが、今回のはほとんどドリームギラスのせいだし。
今回北斗がユキオを信じられなかったのは、やはり過ちであろう。
確かに超獣は神出鬼没なので、調査しても見つけるのは難しい。
しかし、ユキオの性格や様子からは何か事情を察してやるべきだった。

さすがにおねしょ超獣の存在に気付くのは無理だろうが、他に何か原因がないか、一応話を聞いてやるのが大人の態度だろう。
この辺り北斗がまだまだ未熟であるという証であろう。
ただ、この時期に来てまだまだウルトラの兄たちを頼る姿は正直情けない。
今までは夕子の支えがあったから、北斗の未熟さは目立たなかったというのであろうか。

今回、TACの仲間はあまり目立たない。
それどころかちょっと冷たい感じの役どころである。
まあ一々子どものいたずらに出動していては切りがないだろうが、それにしてももう少し確認の術はないのか。
そもそも超獣はレオの星人と違って出たらすぐわかると思うので、この程度の嘘で出動するのはさすがにいかがかと思う。

今回の脚本は久保田圭司氏。
子供向けに話を作ったのだろうが、正直視聴者である子どもたちはこの手の話は苦手なので、ウルトラではあまり歓迎される路線ではないであろう。
話の出来としてはそれほど悪くないのだが、やはり好みとしては今一つ。
夢の中の怪獣が具現化するという発想は悪くないのだが、どうせなら北斗の夢に現れた方が良かったのではないか。
結局、子役ありきでこの時期の話を作ってるのだなあという感じは致します。

海の虹に超獣が踊る

2011-08-12 13:23:20 | ウルトラマンエース
解釈大作戦に書いた通り色々難点が多い話であるが、その辺りはそちらを参照していただきたい。

今回の中心は、完全に北斗とゆうじ、ナミコの姉弟の交流が中心だ。
ゆうじのことを考えて、父親が死んだことを告げられないナミコ。
かなり無理があるが、気持ちは理解できる。
そういえば、ダンと香代子も似たような境遇だった。
長坂氏がダン姉弟の設定を考えたとしたら、ちょっと被り過ぎな気もする。

物語はナミコとゆうじの心の動きを丁寧に追っていき、それに北斗とダンが絡む形。
それだけに、TACの存在がかなり希薄だ。
一応、山中が正論、隊長が懐深いフォロー役とパターンは踏襲してるが、物語からすれば完全に脇だろう。
この辺りはウルトラを書き馴れてない脚本家というのも大きいかもしれない。
また、超獣も正直あまり存在感なし。

ヤプール退場後の超獣は、自らの意志があるかのように作戦を展開するタイプと、ただの怪獣のように暴れるだけのタイプ、この2通りに分けられる。
今回は完全に後者であろう。
しかも、レッドジャックのように異次元から現れてる風でもないので、カイテイガガンはほとんど怪獣と言って差し支えない。
解説でも書いたが、ヤプール破片由来と仮定しないと超獣と解釈するのは難しいだろう。

話の作りの甘さは以前指摘したとおりだが、作風自体はウルトラとしては新しい。
レオの円盤生物編に通ずるかもしれないが、長坂氏の描くTACはMAC並に存在感が希薄だ。
まあ、元々TAC自体存在感はないのだが、北斗が市井の子どもたちと交流すればするほど、それは際立って感じられる。
坂田家があったにも関わらずそれなりの存在感があったMATとは対照的と言えよう。

結局長坂氏の路線は受けが悪かったのか、本人がやる気がなかったのか、ウルトラは石堂、田口の路線で再出発を図ることになる。
そういう意味では、手さぐりとも言える時期であるが、また違ったウルトラの可能性を秘めていたという意味では興味深い。
話の甘さも書き馴れていけば、おそらく解消されたはず。
そう考えると、この路線をあっさり放棄したのはちょっと勿体なかったかもとも思わないでもない。

あの気球船を撃て!

2011-08-06 11:20:27 | ウルトラマンエース
何ともシュールな話。
この時期のエースは妙にシュールな感じのする話が多い。
それはおそらく、敵の得体の知れなさがヤプール存命時以上だからであろう。
すなわち、前回のコオクスしかり、今回のバッドバアロンしかり。
ヤプールが裏で糸を引いてると考えないと正直理解できない話が多い。
怪獣が何の脈絡もなく出てくるのはウルトラの特徴なのだが、ことエースの超獣になると、何の脈絡もなく侵略作戦らしきものを展開するのだから奇妙奇天烈この上ない。
この辺りはヤプール退場の賜物だろうが、超獣を怪獣ではない超常的な存在と定義したその影響ともいえよう。
この辺りはエースの個性の一つでもある。

まあ、ヤプールがいないと単に作戦の解説役がいない、若しくは岸田さんに代わるだけという気もしますけどね。
おまけに解説役としては存在感を発揮していた梶隊員まで退場ですから、この辺りは路線変更の結果でしょう。
ある意味、この中盤はヤプール編とダン編の端境期というか、移行期になるはずだったのが、結局はダンの退場によりエース全体からは浮いた存在になってしまった。
終盤はノラ超獣編というか、普通超獣編でエースが超獣と戦うウルトラの王道的話になりますが、結局エースで一貫してたのは超獣というシュールな存在だけでしたね。

本話は石堂淑朗氏が脚本。
タロウでは妖怪譚的な話も多いですが、エースでは基本設定に忠実に超常現象的な話が多いです。
まあやり過ぎな面もあり問題も多い脚本家ではありますが、クオリティが低いという話はほとんどないので、安心して見られる作家ではあります。
本話も面白いかどうかはともかくとして、ちゃんとできてる話ですしね。
まあ、突っ込みどころは多いですが、それは特撮の宿命。
及第点は与えられる話でしょう。