ウルトラ解釈ブログ作戦

ウルトラシリーズについて色々語るブログ。

セブンの命!エースの命!

2011-09-18 14:31:00 | ウルトラマンエース
タイトルが釣り過ぎる(笑)。
セブンの命に該当するようなシーンは皆無だったが(笑)。
しかも「太陽の命・エースの命」と被ってるし、やっつけとしか言いようがないだろう。
ただ、内容はエース前半の緊迫感と中盤のダン編が上手く融合しており、単純なストーリーながら燃える展開になっている。
以前にも書いたが、「復活!ウルトラの父」とともに、迷走するウルトラに一区切りつけた作品として評価できるだろう。

とまあ、娯楽編としては評価してるのだが、ストーリーは相変わらずのご都合主義。
ダン少年が敵に遭遇するパターンは一体何回目だろう。
コオクス編でも偶然ホシノ少年に出会ったが、今回は敵に狙われてたのが違いか。
まあ、レギュラー少年というのはとにかく敵に遭遇しないと出番が作りにくいので、この辺りは仕方ないだろう。
新マンの次郎くんもそういう役回りだったし。

以前にも書いたが、話が急展開過ぎるのも難点。
ダンに近づいて、その裏でTACを襲撃。
その時負った怪我と落とした腕輪で正体がばれてしまうのだが、この辺りの展開は必要だったのだろうか。
この辺りはやはり話を詰め込んだ弊害であろう。
できればじっくりと星人の作戦を北斗が見抜く過程を見てみたかった。

本話はダンと香代子という不幸な境遇にいる2人の成長を描くという、ダン編の集大成のような内容になっている。
これ以後ダン姉妹は目立った活躍もなくただの隣人となり物語から姿を消してしまった。
本話制作の時点で2人の退場が決まっていたのかは定かではないが、一応の自立を描いたという意味では本話の意義は大きいだろう。
確かに細かい脚本の粗は目立つが、色々な要素をバランスよく詰め込んだという点、エース後半でも重要なエピソードの一本である。
田口氏が名実ともにウルトラのメインライターになった一本として評価できるエピソードなのは間違いない。

復活!ウルトラの父

2011-09-11 16:50:26 | ウルトラマンエース
復活!ウルトラの父。
単純明快にして惹きつけられるタイトル。
ヒッポリト星人と戦って戦死したと思われたウルトラの父の復活。
私はリアル世代ではないので、特に何とも思わなかったのだが、リアルタイムで見てた子供たちにとってはこの上ないクリスマスプレゼントであろう。

いきなりでなんだが、BS再放送ではレンタルビデオで消されてた「めくら」という言葉が堂々と放送されていた。
これには驚かされた。
しかしポケモンショック以降、画面の点滅が多くなると不自然な映像処理が入る。
こっちは直接身体に悪影響を及ぼすので仕方ない面もあるが、正直何とも間抜けな映像になる場合が多いので、こういう大人が見るような作品では勘弁してもらいたい。
まあ、ウルトラマンは本来子供向けなのだが(笑)。

エースは一度スノーギランに敗れるが、父が現れるとすぐ立ち上がったように、完全に死んでしまったわけではなかった。
ゴルゴダ編でもそうだったが、ウルトラ一族は寒いと体の機能そのものが停止してしまい、エネルギーの消費は極小に抑えられるのであろう。
カラータイマーも青のままであったし、簡単にスノーギランに負けたのも本来の力が出せなかったのが大きいと思われる。

本話の脚本は石堂淑朗。
石堂氏にとっては初の客演回である。
意外と石堂氏は客演回を任されることが少ない。
基本は外部の作家というのが大きいだろう
これ以後の客演回は、モチロン編、ドロボン編、ブニョ編くらい。
モチロン編は父と夕子、ブニョ編はキングだから、ウルトラ兄弟の客演回はほとんど書いてないことになる。
そのせいか、他の客演回とはちょっと違ったテイストの回が多い。

本話はその代表的なもので、勝手にカテゴリーを作ると助言型の客演回。
エネルギーを与えはしたが、基本的にエースが敵を倒さねばならないという父の意志を感じた。
こういう助言型の客演だと、噛ませにもならず主役の立場がなくなることもなく、見てる側も不快な感じはしない。
夕子降板後の客演はかなり謙抑的であったが、その中でも本話は一番成功した例であろう。
最後のクリスマスプレゼントまで見せ場たっぷりであったし。

本話は以前にも書いたが舞台劇のような話の流れで、TAC隊員たちの演技もやや芝居がかってるように感じられた。
山中の「ウルトラの父は死んだはずだ」と自問するシーンなど、なかなか演出もいい。
ダンと隊長が頭打った人扱いなのは何ともだったが、それも演出としては芝居がかっていてよかった。
そして最後の夕子登場シーン。
「それがTACの諸君へのプレゼントになるかな」。
いえいえ。
我々大きな子どもにとっても最高のプレゼントでした。

友情の星よ永遠に

2011-09-03 14:59:12 | ウルトラマンエース
タイトルの友情は北斗と加島のことを言っているのでしょう。
北斗は孤独な加島にとって数少ない友人でした。
今でも一応親交が続いてるようなので、親友と言っても間違いないでしょう。
北斗の友人というのは実は本編ではほとんど出てきません。
北斗の出身がどこかはわかりませんが、仮に広島だとすると東京には友人がいないのも仕方ないでしょう。

加島はエリートで大企業でバリバリやってるくらいですから、おそらく大学もいい大学。
加島の性格的にはあまり帰郷するタイプに思えないので、北斗とは北斗が東京に出てきてから再会したのでしょう。
グレかけた過去のある北斗の学歴というのは謎ですが、親友である北斗が防衛軍の精鋭部隊たるTACに入ったのは加島にとっても誇らしいこと。
タイトルを信じれば、今後も二人の友情は続くことになります。
と言っても、最終回で北斗は地球から去ることになるのですが。

帰ってきたウルトラマンにも郷の幼馴染が出てくる話がありました。
第34話「許されざるいのち」がそれです。
この話の中で郷の幼馴染水野はレオゴンを作り出し、結局レオゴンに飲み込まれて命を落としてしまいます。
加島は結局助かりますが、この辺りは怪獣を作り出してしまった水野との違いでしょう。
おまけに加島には恋人もいますし、何気にリア充なのが面白いですね。

加島の恋人真弓については正直情報がなくよくわかりません。
ただ女性にそれほどマメとも思えない加島なので、大学時代に知り合って今も続いているというところですかね。
加島は女性に対してはそれほど興味はないようでしたが、自分が地位と名誉を得たらもっとふさわしい奥さんを貰うと言ってます。
これは意外と女好きなのか、単にステイタスとして見栄えのいい奥さんを探してるのか。
加島の性格からは後者だと思いますが、この辺りは孤児として育てられた屈折からくるのでしょうね。

本話の脚本は石森史郎氏。
映画「銀河鉄道999」からNHK朝ドラまで幅広い活躍をしている一流脚本家です。
当時既に活躍していた氏は自分の子どものために仮面ライダーやウルトラシリーズなどの特撮に参加したとか。
ウルトラには本話が初参加であるが、ドラマ部分を重視しておりやはり一般の作品中心に活動してただけはあるなと思います。

今回はダン少年が全くでないなど、かなり異色な話でした。
模索してる時期なのでしょうが、偶にはこういうのもありだと思います。
こういう路線はタロウの青春ドラマ路線に名残は見られますが、基本的にはウルトラっぽくないのであまり作られませんでした。
マッハレスの扱いがぞんざい過ぎるなどやはりウルトラとしては問題が多いので、偶の変化球としてなら許されるというレベルの話ですね。