ウルトラ解釈ブログ作戦

ウルトラシリーズについて色々語るブログ。

鳩を返せ

2011-04-24 03:36:28 | ウルトラマンエース
月の石も拾ってこれる無人飛行機。
なんか「はやぶさ」を思い出させますね。
しかも、鳩。
これが成功してたら、はやぶさじゃなく「はと」がイトカワの石を拾ってきたかもしれません(笑)。
ただ、鳩の帰巣本能を利用するったって、その研究自体が一筋縄ではいかないような。
おまけにヤプールが帰巣本能を利用してTACを襲撃させるという作戦も強引。
今回のヤプールの異常なテンションには、力づくでヤプールの作戦に説得力を与えようとする監督の意志が垣間見え面白いです(笑)。

鳩笛で思わず姿を現すブラックピジョン。
ヤプールの命令に従わない超獣というのも今回が初めてでしょう。
この辺りは野生の生物ではなく、ペットを利用したのが失敗と思われます。
しかし、ブラックピジョンの異常な強さは謎。
鳥は空を飛ぶため胸筋が異常に発達してるので、鳥系の超獣は強いのでしょうか。

今回も真船演出は相変わらず。
真船回だと北斗と夕子の仲がいつもよりいいような。
ヤプールのハイテンションもおそらく真船氏の演出だろう。
まあ、以後こういうテンションのヤプールは見られないので、やっぱりおかしいと思ったのかも。
BGMがセブンや新マンの流用が多いのも前回同様。

今回の脚本は少年ものが得意な田口氏。
ただ、相変わらず話の作りの粗さは感じられる。
とはいえ、三郎が笛を吹いてエースを助けるシーンはベタながら感動する。
鳩笛を吹いても小次郎が帰ってこないというラストも上手いし、ウルトラでおなじみの鬱系の話として評価できる一本であろう。

怪談・ほたるヶ原の鬼女

2011-04-11 21:22:01 | ウルトラマンエース
ちょっと遅くなったので、2本一緒に上げます。

怪談シリーズの第三弾。
まあ、本放送時は夏休みなので時期的には妥当だが、安直でもあるだろう。
ただ、3本の中では一番怪談色は強い。
主役2人も活躍しており、大人が見ても楽しめる仕上がりだ。

ホタルンガは人間を襲い白骨化させていることから、アリブンタ同様人間を主食としてるものと考えられる。
ただし、ホタルンガ自身は普段小型化してるだけで、既に成長している。
ホタルンガの場合は単に人間を餌にしているのに過ぎないのだろう。
ヤプールが民子の車を憎む気持ちを利用して、ホタルンガの餌を得るために事故を起こしたものと考えられる。

では、何故ヤプールはそんな面倒なことをしたのか。
それはやはり、TACの計画の妨害。
正直ゴルゴダ星でウルトラ兄弟を捕獲するだけの実力がありながらTACの秘密兵器を恐れる理由がわからないが、これは単に妨害することに意味があるのだと思う。
ヤプールは人間を征服するだけでは物足らず、絶望させて自ら地球を放棄させることに意味を見出してるのであろう。
今回も、V7が完成するのを待つために、民子に見張り役兼ホタルンガの育て役を任せたものと考えられる。

今回は真船監督独特の基地の描写が面白かった。
真船監督は隊員たちを撮る際に、手前に障害物を置きたがる。
この辺りはリアリティを出すために、あえてドキュメント風にしているのだろう。
また、梶が何となく目立ってたのも巨大ヤプール回を思わせて興味深い。
隊長を手前にした長回しと言い、監督は隊長と梶をお気に入りなんだろうなと思う。

今回の話は車を恨んだ少女という点、同じ上原脚本のシュガロン回を思い出させる。
ただし、話の展開はどちらかというと怪奇大作戦風味だ。
しかし、おそらくヤプールに操られているとはいえ民子を銃で撃ったのは如何なものか。
仮に射殺だったら洒落にならないが、まあその辺りは作り手のご都合主義で仕方ないだろう。

鬼女の民子が逃げるシーンはセブンのBGMが使われていたのもあり、スピード感がありよかった。
今回は夜の映像が多かったが、こういう回は映像に拘る真船監督にはもってこいだっただろう。
夜の戦いのシーンもよかった。
怪談シリーズだからだろうが、たまにはこういう夜の戦いも悪くない。

今回はやや強引な脚本ながら、ヤプールとTACの攻防戦が地味に描かれている。
しかも怪奇物の雰囲気もたっぷり。
民子と夕子の交流もいいし、個人的には好きな話。
さすが上原正三。
引き出しの多さは相変わらずである。

怪談・牛神男

2011-04-03 01:35:50 | ウルトラマンエース
なぜか一話飛ばされました。
なんかまずい表現でもあったのでしょうかね?
そんなに問題のある話ではないと思うのですが、震災関係ですかね。

今回のヤプールの作戦はなぜか吉村を中心に回ってます。
わざわざ岡山で作戦を決行することないと思うのですが。
まあ、最初襲ったのは福山でしたし、ヤプールは何か中国地方に執着でもあるみたいです。
前回も中国地方でしたし。
ヤプールの超獣は基本空を割ったり異次元空間を通って出現しますが、実はその入り口は東京と中国地方にしかないのかもしれませんね。

今回、超獣にされてしまう青年を演じたのは若き日の蟹江敬三氏。
この頃は刑事ドラマの犯人役が多かったらしいですが、レオのブニョといい、ウルトラでの怪演が目立ちます。
2度も怪獣(正確には超獣と円盤生物ですが)を演じたのはこの人と成瀬氏(こちらは宇宙人)くらいかもしれません。
そもそも怪獣(宇宙人)の人間体なんてそんなに多く登場しませんしね。

しかし、今回の作戦は牛を馬鹿(変な言い回しだが)にした青年にあたかも罰を与えるかのようなもの。
ヤプール自身も虚無僧姿だし、普段の侵略作戦とは明らかに隔たりを感じます。
これは私の憶測ですが、ヤプールも今回の作戦は事前に練っていたわけではないと思います。
単にTACの隊員がヤプールの秘密基地のある中国地方に来たから後をつけていた。
そこで偶々不遜な若者がいたから、こいつを栗虫太郎のように利用してやろうと思いついたのでしょう。
吉村は単なる里帰りだと分かったので、ほっといたというところでしょうか。

結局思いつきの作戦だったので、あまり気合も入っていなかった。
いつものとんがり帽子姿のヤプールが出てこなかったのもその辺りに原因があるのでしょう。
まあ、ゴルゴダ作戦が失敗したので予算もなかったんでしょうけど(笑)。
高井が元の姿に戻ったのは、高井は虫太郎と違って精神レベルでは超獣と融合してなかったから。
最後改心したのも大きかったのでしょう。

今回の話はドラマ的にはあまり展開はなし。
教訓としても以前の解釈に書いたように微妙であるし、息抜き的なポジションでしょうか。
脚本を書いた石堂氏はエース初参加。
怪奇シリーズにはピッタリな人選ですが、市川氏が離脱したのも大きいでしょう。
まあ、石堂氏らしい話といえば話でした。
基本子ども向けながら、大人にも何か引っかかりを残す。
今回のもそういう話でしたね。