今年発売された誘引の使用感とカタログ落ちしてしまった76UL-Sとの比較を、ボクの感じ方として書かせてもらいます。
正式名称は、“月下美人 EX AGS 75UL-S 誘引” 以後 誘引、“月下美人 EX AGS 76UL-S” 以後 76UL-Sと表記させて頂きます。
この2本 カタログスペックだけを見ると共通点が、先径0.8mmのメガトップ(ソリッドティップ)、元径7.9mm、AGSガイド数9、ブランクスはSVF COMPILE-X、定価7万。差としては大きいものが自重で、76UL-Sが80gに対して誘引が64gと軽量化されています。これにはグリップの変更が大きな要因かと思いますが。その他の差はレングスが1インチ違い、若干の適合ルアーウェイトの違い、適合ラインの違い、カーボン含有率の差1%。と、なっています。この程度の違いはシロート目にみれば大した差はなく、2本をカタログで見比べてどちらかを購入しようとした場合、新しくて軽いし デザインも今風な誘引を選ばれる人の方が多いのではないでしょうか。
しかしこの2本の性格は全然違います。カタログに書かれていることを簡単にまとめると、
76UL-S… 軽量ジグヘッドをオートマチックにフッキングに持ち込む誘い調子。
誘引… 軽量ジグヘッドのバーチカルアクション対応。
誘引はメーカー説明の通りジグヘッドを縦に誘って食わせるモデルで、実際使用してみた感じもその通りリフト&フォールが凄くやりやすい。アジングを映像で見たりすると、ロッドを上に素早くピッピッと小さくしゃくっって、フォールでバイトをとるというやり方がありますが、それがすごくハマる。昔ながらのメバルロッドというよりはアジングロッドに近い感じ。しかしアジングロッドほどパッツン系な感じはなく、フォールのバイトも弾く率が少なく、使っていて非常に面白いロッドでした。これでアジングをやるのも悪くないかもしれません。しかしメバル狙いのスローリトリーブのタダ巻きではノリが悪く、そのパターンでショートバイトが多いときは苦労しそうです。
76UL-Sは誘引と比較すると昔ながらのメバルロッド(その中では究極の部類だと思う)っていう感じで、スローリトリーブのタダ巻きがハマります。これもメーカーの説明通り ショートバイトのノリが良くフッキング率がかなり高い。その代わり ジグヘッドにキレのあるアクションを入れるのはやりづらく、おなじリフト&フォールだったら、誘引よりもゆっくり大きくティップを持ち上げるやり方の方がやりやすいです。またPEラインとの相性も良く、このロッドでライトエギングをして、ボチボチサイズのスミイカを釣りました。
使用するラインでロッドの感じもいろいろと変わると思いますが、76UL-SにPE0.2のセッティングは気持ちが良かったです。誘引はまだ使い込んでないのでラインについてはまたの機会に。
誘引を手にしたら76UL-Sは手放そうと思っていましたが、同じようなスペック で同じソリッドティップ(性質が違う)搭載でこうも違いがあると、パターンの違いでの使い分けという部分で手放せないかなと。76UL-Sがカタログ落ちしてしまったのは残念ですが、中古では結構出回っているので、この2本を購入しようか迷っている人がいるのなら、参考になればいいかなと思っています。
ちなみに誘引を手にしたときメバル・アジ狙いはもちろんですが、シーバス狙いで考えている釣り方があり、それに使おうと思っていました。まだ実戦出来ていないので、やれる機会を作ってまた報告したいと思います。