メッセージとして発せられた時、相手がどう受け取るのかを想像することが必要です。
都が、パラリンピックの気運醸成のために開かれいた「BEYOND FES 丸の内」。
そこに掲載されていた、パラバトミントンの選手の「障がいは言い訳にすぎない。負けたら、自分が弱いだけ」という言葉に、批判の声が上がり、ポスターを撤去するという事態になりました。(参考:東京都「BEYOND FES 丸の内」における展示の撤去について)
私も、直接声をいただき、現物も確認し、これは問題ありと判断して、所管に経過などの説明を求めました。
■東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例
東京都は「東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例」を制定しています。
条例前文には次のように書かれています。
(前略)今なお、障害及び障害者への誤解や偏見その他理解の不足により、障害者は、日常生活や社会生活の様々な場面において、障害を理由とする不当な差別的取扱いを受け、自立や社会参加が妨げられている。中でも、障害のある女性は、障害を理由とする差別と性に基づく差別という二重の差別を受ける場合がある。これら障害者が日常生活や社会生活で受ける差別や制限は、心身の機能の障害のみならず、社会における様々な障壁によって作り出されているのであって、障壁を取り除くことは社会全体の責任である。
多様性こそが都市としての発展の原動力であるとの認識の下、東京都は、障害及び障害者への都民の理解を深めるとともに、障害を理由とする不当な差別的取扱いを無くし、建設的な対話と合理的配慮の提供を通じ、社会的障壁の除去の取組を進めていかなければならない。
ここに、障害者の権利に関する条約、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律等の理念の下、東京に暮らし、東京を訪れる全ての人が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指し、この条例を制定する。
これを受けた、基本理念では、
(基本理念)
第三条 障害を理由とする差別の解消は、次に掲げる事項を基本理念(以下「基本理念」という。)として推進するものとする。
一 全て都民は、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されること。
二 全て障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が確保されること。
三 全て障害者は、可能な限り、言語(手話等を含む。)その他の意思疎通のための手段についての選択の機会が確保されるとともに、情報の取得又は利用のための手段についての選択の機会の拡大が図られること。
四 全て障害者は、障害のある女性が障害及び性別による複合的な原因により特に困難な状況に置かれる場合等、その性別、年齢等による複合的な原因により特に困難な状況に置かれる場合においては、その状況に応じた適切な配慮がなされること。
五 障害を理由とする差別の解消は、障害及び障害者に対する誤解、偏見その他理解の不足の解消が重要であることに鑑み、多様な人々により地域社会が構成されているという基本認識の下 に、全ての都民が相互理解を進め、障害、障害者及び障害の社会モデルに関する理解を深めることを基本として推進すること。
そして、都の責務として
(都の責務)
第四条 都は、基本理念にのっとり、障害を理由とする差別を解消するため、必要な体制整備を図るものとする。
2 都は、基本理念にのっとり、障害、障害者及び障害の社会モデルについて、都民及び事業者の関心と理解を深め、適切に行動するために必要な啓発活動を行うものとする。
この条例は、本年10月1日に施行されており、16日には企業向けの研修会などが開かれています。
「他意はなかった」としてもメッセージとして発せられた時に、受け取る側がどう感じるのかに想像力を働かせることが求められています。「撤去すればOK」でなく、根本まで掘り下げて、真剣に総括することが必要です。
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