日本共産党都議会議員(町田市選出)池川友一「市民とつくる都政への架け橋」

日本共産党東京都議会議員の池川友一のオフィシャルブログです。地方政治の現場からいろいろと発信していきます。

『ボローニャ紀行』のメモ書き(11)

2018-08-29 | 学んだこと、政策のこと

 地区住民評議会──自治を徹底するための仕組みをつくるとはこういうことかと、つくづく感じます。

 個人的には、イタリア全土が「一クラスの児童は二十名を超えてはならない」ということに日本との圧倒的な差を見せつけられたような思いがしました。

「中央政府というやつはとかく信用がならん。だからこそ、自分の住んでいるところが、自分の街がしっかりと自立しなくてはならんのだよ」

 ボローニャ市には九つの地区住民評議会があります。地区住民の選挙で選ばれる評議員の定数は二十名から二十四名まで、任期は五年です。評議会の仕事は、

地区内での公共事業の計画、そして公共施設と公共緑地の計画、さらには保安と教育の有効な実施方法、加えて社会、教育、文化、スポーツ、レクリエーション施設の使用などについて、市に提案する権限を持つ。またそれらについての予算案を作成する。この予算案は、市の予算の編成の際における優先事項になる。>(市の行政における文献と市民の参加に関するボローニャ市条令第十八条および第二〇条)

 すると区議会のようなものか。そう訊くと、マ氏は首を横に振って、

「ちがう。強いて言えば、ボランティアに近いかもしれないね。もっと正確には、市から年間八五〇万ユーロ(約七億円)の予算を得て地区のために活動する、市の予算編成権を持ったボランティアといったところだ。評議会は週に一回、公開で開かれるから、これでなかなか忙しい仕事だが、報酬はない、一回あたり四〇ユーロ(約五千円)の手当てが出るだけだよ」

「あなたの地区では、いま何が問題になっているんですか」

「市当局は、財源がないという決まり文句を掲げて、この地区の、そして全市の小学校の一クラスの子どもの数を三十名に増やそうとしている。一クラスの児童は二十名を超えてはならないという法律があるのに、そんなことを企んでいるんだ。ひどい話じゃないか。この動きは、どうあっても潰すつもりだよ」(114〜115ページ)

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