飄(つむじ風)

純粋な理知をブログに注ぐ。

重大な設計ミスと深刻なテロ(?)の疑い?! -笹子トンネル-

2012-12-05 16:35:49 | ニュース

まあ、テロ(?)というのは話半分にして・・・
設計ミスというのは当たっている!!
常時、重力を受ける箇所に接着性のアンカーボルトとは?!
しかも、重厚コンクリートが、
トンネルでは、頭の上に吊されている?!

 

 これははっきり言って、驚きであった。


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 トンネル事故では、日本坂トンネル事故を抜いて9名もの死者を出す大災害となった。北海道でも嘗て20名もの死者を出すトンネル崩壊事故があったが、これはトンネルそのものが、地崩れで崩壊するという異質のものであった。

 

 誰しも驚くことは、全く予見できない不可抗力の災害に巻き込まれたと言うことだろう。

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 それだけに、

 

 被災した人々の不運を忍び、言葉にならないのである。想像を絶する突然の悲運に、慰める言葉を持たない。心からの哀悼を祈るしかない。

 

 それはそれとして、

 

 嘗て、拙ブログをよく阿修羅に投稿してくださった888(スリーエイト)さんから、コメントをいただいた。最近はコメ返(コメントに対する返事)を最小限にしている関係上、本稿において、謝辞を記しておきたい。

 

 序でに書いておきたいが、コメ返を最小限にしているのは、管理者が出来るだけ介在をしないコメント欄にとの考えからである。勿論、すべてに返事する時間を割愛した理由もある。しかし、どんなコメントにも心を込めて目を通しているし、スパム以外はほとんど公開を原則にしている。すべてのコメント氏に謝辞する気持ちは変わりがない。

 

 さて、その中で笹子トンネル事故に対する秀逸な見解を紹介いただいた。まずは、そのコメントも一部を転載しよう。

【コメント転載】飄平 様

 

永らく御無沙汰しております。
しかしながら当ブログは欠かさず拝見させて頂き
飄平様の取り上げるネタのタイムリーさ、その文章力、
なおかつ相当の漢字力等に感心させて頂く事しきりであります。

 

さて、今しがたこの記事を拝見させて頂き

 

「まあ、問題は好みと信頼の問題だ。私は転載もと作者に、一定の信頼を感じている。これは情に基づく判断で、論理性よりも深い。」

 

という飄平様の言葉に、「そうだべー!(北海道弁)そうだよなー」と独り
納得した直後に以下ブログを訪問したところ、更にえらく得心した記事が
掲載されておりました。(以下アドレス参照)

http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/31000233.html

というのも不肖この私も自営業を始める前は永らく(30年弱)
土木技術者でしたので、ニュースで事故の詳細を聞くにつけ、
独立構造のパネルが何故連鎖的に崩落したのか、何故天板に
あんな重量物を使用していたのか不思議に思い、なおかつ
全国に49か所(高速道路39か所&国道10か所)も同構造の
トンネルがあると聞き不安を感じておりましたので、上記転載記事
を読んで「あ~~、あるかも!」と妙に納得してしまいました。

興味が湧きますようであれば上記記事を是非ご一読頂きたいと存じます。

<後略>

投稿 888(スリーエイト) | 2012-12-04 19:24【転載終了】


 拝読した。

 

 秀逸な見解である。誰しもトンネルの直上に重厚なコンクリートがぶら下がっているとは、思ってもみなかったに違いない。私も同様であった。

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 それがアンカーボルトで、しかも、接着構造のアンカーであったとは、不気味さを感じたものだ。ズバリ、それが設計ミスであると指摘している。納得できる。

 

 又、

 

 百数十メートルにわたって、一気に崩落したことへの疑問も呈している。これは十二分に検証されるべきだろう。あのWTC(9.11自作自演テロ)崩壊を例示して、指摘している。

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 確かに、疑われるに足りる見解である。

 

 それを持って、直ちにテロと断定することは早計であろうが、状況からして、想起される仮題であろう。

 

 これまでの公共工事の多くにみられる手抜き工事と、莫大な借入金返済によって利益を享受するものは誰か? そのためにメンテナンス予算が削られている現状を抉り出している。

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 そして、又、

 

 コンクリートから人へ、多くの公共工事が逓減されたが、又、ゾロ復活しそうな形勢にある。それを望む勢力は誰か? 

 

 少なくとも、さらに公共工事復活の形勢は、この事故によって盛り返すであろう。

 

 必要な公共工事を否定するものではないが、その受発注に際し、そして、工事の適正な施行を担保しない構造は糾弾されなければならない。何よりもそれによる莫大な借入金の発生である。その償還に斯かる金利負担である。それが道路公団の交通料金徴収金額の過半以上占める体質には驚かされる。

 

 そして、

 

 それ故、メンテナンス計画は疎かになっている現状は、誰しも憂いを感じざるを得ないであろう。

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http://minkara.carview.co.jp/userid/146807/blog/さまより、拝借

 

 高度成長は、昔物語である。そのツケが現代を、そして、未来を襲う。

 

 昔物語の夢を、再度、現代に復活しようとするのが、公共工事復活であるとすれば、ますます、財政破綻を促進する。そして、メンテナンスをさらに疎かにして、後代にツケを回すことになる。構造転換が必要であるとの認識が大事だ。

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 これまでのような公共工事の拡大は、同じことの繰り返しだろう。今立ち止まって、考えてみる必要がある。

 大体、これを促進する勢力は、官僚機構と利権大企業、そして、その資金面をサポートする大銀行団だ。その裏には国際金融マフィアが居る。財政破綻はすべての国民国家(Nation State)の共通の問題だ。

 それは、

 NWOに導く道程(アジェンダ)だと言うことだ。

 そのためにはテロでも何でも一つの問題提起にすぎない。戦争だって、実はそうであるから、今何をしでかすか分からないと言う認識は、是非とも必要だ。折りしも自民党安部総裁は公共事業復活を目論んでいる。


 少なくとも、今回の事故は、そのために喧伝されるであろう。いやはや、総選挙となると何が起こるか分かったものではない。これからも警戒が必要だ!

 

 


新ベンチャー革命2012124日 No.686
 
タイトル:中央自動車道・笹子トンネルの換気ダクト崩落事故:接着剤系アンカーボルトの誤用という重大な設計ミス
 
1.2012122日、中央自動車道の笹子トンネルで大事故発生
 
 2012122日の朝、中央自動車道の笹子トンネルで天井パネル崩落事故が発生し、9人もの犠牲者がでました。
 
 その後のマスコミ報道にて、この事故原因が見えてきました。トンネル上部の換気ダクト吊り下げ金具の固定アンカーボルトがトンネル上部のコンクリート壁から抜け落ちたようです。
 
 このアンカーボルトはマスコミ報道の説明から、接着剤系アンカー(ケミカルアンカー)(注1)と思われます。
 
 筆者はIHIの設計エンジニア時代、プラント構造物の基礎アンカーにこの接着剤系アンカーボルトを使用した経験があります。
 
2.この事故原因は接着剤系アンカーボルトの引き抜き強度に依存した設計だったという人災
 
 上記、接着剤系アンカーボルトの抜け落ちが事故原因と報道され、筆者は仰天しました。
 
  接着剤系アンカーボルトを使用した経験のある筆者はこの報道を観て、背筋が寒くなりました。この換気ダクト構造が全国の高速道路や国道のトンネルに使用さ れているなら、これは重大な設計ミスです。その意味でこの事件は日本全国の高速道路や国道のトンネルに潜む重大な危険を露呈させました。
 
 このアンカーボルトは構造物や建造物の基礎施工用ですから、下向き(重力方向)に使用するのが常識です。
 
 その場合、アンカーボルトに引き抜き力がかかるのは、上部構造物が地震を受けたり、風圧を受けたときのみで、これは、短期荷重設計対象です。
 
 このアンカーボルトを上向きに使ったり、長期荷重支持に使うのは非常に危険です。
 
 今回のトンネル事故現場での接着剤系アンカーボルトの使われ方は“誤用”といってよいでしょう。
 
 従来のアンカーボルトは基礎コンクリートの打設前、鉄筋組と同時に、アンカーボルトをセットし、鉄筋に溶接します。形状もJ型となっており、構造的に非常に安心できるものでしたが、施工面では面倒でした。一方、接着剤系アンカーボルトは、基礎コンクリートを打設した後、施工しますから、非常に施工しやすいアンカーボルトです。
 
 この接着剤系アンカーボルトは確かに施工が容易ですが、通常のアンカーボルトに比べて、引き抜き強度に不安があります、なぜなら、接着剤とコンクリートの接着力に強度依存しているからです。接着剤による接着力は、施工条件に大きく左右され、信頼性が今一です。
 
3.笹子トンネルの換気ダクト設計は大変お粗末
 
 今回、笹子トンネルで崩落した換気ダクトにはコンクリート・パネル(5m x 1.2m x 8cm厚、1.2t)(注2)が使用されていますが、換気ダクトは天井に吊り下げるので通常は軽量構造とします。そこに、わざわざ重いコンクリートを使用したことはダクト材料選定の誤用とみなせます。
 
 トンネルの設計者は土木工学出身者でしょうから、材料はコンクリートしか浮かばなかったのでしょうが、大変、お粗末です。
 
 以上より、笹子トンネルの換気ダクト設計には大きく二つの設計ミスがあります。
 
(1) 施工信頼性の低い接着剤系アンカーボルトを上向きに使用(誤用)し、ダクト重量支持(長期荷重設計)に使用したこと。
(2) 本来、軽量化すべき天井換気ダクトの材料に、重いコンクリート・パネルを使用したこと。
 
4.笹子トンネルのあるべき換気ダクト設計とは
 
 筆者なら、笹子トンネルの換気ダクト用パネルにはアルミパネルを使用、そのスパンも10m長の一本ものにします(このパネルは5mスパンで中央分割してはならない)。このパネルをトンネル側部の両端に設置される受け金具で固定します。そして、パネルの中央部のたわみ防止のため、トンネル上部の中央部に吊り下げ金具を取り付け、パネルを支持します。
 
 この構造なら、仮に中央部吊り下げ金具の固定部が抜けても、パネルはたわむだけで落下しません。さらにトンネル上部の吊り金具固定に接着剤アンカーボルトを使用しても、それは誤用ながら、かかる荷重が小さく安全設計となります。
 
5.テロの可能性も否定できない
 
 今回の事故の特徴は、崩落パネル100枚、110m長に渡っている点です(注2)。これは大きな謎です。
 
高 圧送電線鉄塔のような鉄骨構造は、軽量となる代わりにトラス構造のバランスで強度維持されています。そのため、強度部材の一部が破損するとバランスが崩れ て全崩壊する危険があります。しかしながら、笹子トンネルのパネルは相互に独立しており、支持金具もパネル毎に設置されていますから、そのどこかで支持金 具が脱落しても、それを起点に大規模崩壊が起こる可能性は少ないと思われます。なぜ、100m長の連鎖崩落に至ったのか、また、なぜ、全長崩落に至らず、途中で崩落が止まったのか、これは重大な謎です。
 
 筆者は、笹子トンネルのパネル崩落の画像を観て、コントロールド・デモリッション(注3)を連想しました。これは9.11事件におけるWTCビル崩壊に使用されたといわれています。
 
 本ブログ前号No.685にて、公共事業費の急減を取り上げました(注4)。12.16総選挙にて自民政権を復活させて、ハコモノ公共事業を復活させたい勢力が日本に存在するのは間違いありません。この事故の発生にて、近未来、膨大な土木工事が必要となるのは確かです。
 
6.高速道路で高額の通行料をとっておきながら、安全対策が不備なのはなぜか
 
  最後に、われら国民は高速道路で高額の通行料を取られていますが、米国などは税金で高速道路を建設しており、ほとんどがタダです。その意味で、日本の高速 道路はほんとうに“ぶったくり”の極致です。ところが、その通行料の7~8割は、建設費借入金の償還と借金の利払いに充てられています(注5)。だから、 笹子トンネルを含む全国の高速道路の安全対策にカネが充分に回らない収支構造となっています。
 
 筆者の長年の疑問、それは、米国の高速道路はほとんどただ(フリーウェイ)なのに、なぜ、日本の高速道路は通行料が高いのか、というものです。
 
 日本の高速道路には、巧妙な国民だましが隠されているような気がします。そのため、国民から高額な通行料をとっていながら、安全対策にはカネが回らないのです。ほんとうに、国民はなめられています。この事故をきっかけに、覚醒しましょう。
 
注1:アンカーボルト
 
注2:笹子トンネル
 
注3:コントロールド・デモリッション
 
注4:本ブログNo.685この10年、公共事業が急減しているのに、なぜ、国の借金が急増するのか:国民の素朴な疑問にまったく答えない朝日新聞』2012122
 
注5:(独)日本高速道路機構“営業中高速道路の収支状況”