いいね! 筒井ともみ 著 あすなろ書房
「いいね!」と思ったことがそれぞれの子どもたちの目線からピックアップして語られていたお話でした。いろいろな章で同じネコが出てきていて、そのネコに対するそれぞれの子どもたちの感じたことが最後のほうでネコ新聞にまとめられていたのがとても印象に残りました。ネコを通して繋がっている子どもたちのそれぞれのマイナス思考になりがちな考え方を違った方向にもって行くこともできるんだよというメッセージ的なお話にも取れました。図書館で予約して借りて読んだ本です。最後に掲載されていた「会えない」っていいねの章で、ネコがどこかに行っちゃうというお話の中で、「会えないって、さみしくてイヤだけれど、でも・・・・・・たくさん会いたくなるから、会いたい気持ちがいっぱいになるから、会えないのもいいね。いいね!きっと、いいね!!」という文章で終わっていました。この文章は哲学的というか、いろいろな意味が含まれているなあと思いました。会いたくても会えなくなってしまった人に対する思いはさみしいだろうけれど、その分、いつでも会える人と違って、たくさん会いたいと思う気持ちがいつも心の中にあって、その気持ちで心の中が満たされることがいいねという意味なんだろうなあとか、奥深いなあとか大人目線でしか考えられなくなっていたこどもの視点の柔らかさを感じるようなほんわかしたお話でした。ヨシタケシンスケさんの挿絵だったので、ヨシタケシンスケさんの絵本を読んでいるような感覚でこの本を読み終えました。