「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

啐啄同時 そつたくどうじ Long Good-bye 2023・07・07

2023-07-07 04:59:00 | Weblog



  今日の「 お気に入り 」 。

  
「 古代ローマ時代に活躍した哲学者・セネカの『 倫理書簡集 Epistulae

   morales 』に次の言葉があります 。

   〈 人は教えている間に 、学ぶ  Homines , dum docent , discunt 〉

      これは四字熟語の「 啐啄同時 ( そったくどうじ ) 」と近い言葉です 。

    ひな鳥が卵から出たいと鳴く声と 、親鳥が出てきなさいと外側から

   殻をつつくのが同時であるという様子を描写した熟語です 。つまり 、

   殻を破ろうとするひな鳥は学びを求める者 、親鳥はそれを教え導く

   者を指しているのですが 、実際はこのとき 、親鳥はひな鳥に対して

   ほんの少し手伝うだけ 。 最終的に卵の殻を破って世界に飛び出すの

   はひな鳥自身です 。

    しかしその過程では 、ひな鳥のみならず 、親鳥もまた何かを学び 、

   気づきを得ているのです 。 」

 

  「 知識を得る行為そのものが学問の目的になってはいけません 。学問

   とは 、知るだけに留まらず 、その知の窓から人間と人生を見つめ 、

   より良い観点と代案を提示するものでもあります 。 」

 

  「 今は勉強したことをほかの人たちに分け与える時代です 。 」

   

  ( 出典:ハン・ドンイル著「 教養としての『 ラテン語の授業 』

              ―― 古代ローマに学ぶリベラルアーツの源流 」

              本村凌二監訳、岡崎暢子訳 ダイヤモンド社刊 所収 )

 

  ( ついでながらの

    筆者註 : 「 ルキウス・アンナエウス・セネカ( ラテン語 : Lucius Annaeus

         Seneca、紀元前1年頃 - 65年4月 )は 、ユリウス=クラウディ

         ウス朝時代のローマ帝国の政治家 、哲学者 、詩人 。

          父親の大セネカ( マルクス・アンナエウス・セネカ )と区別

         するため 小セネカ  ( Seneca minor ) とも呼ばれる 。第5代ロー

         マ皇帝 ネロ の幼少期の家庭教師としても知られ 、またネロの

         治世初期にはブレーンとして彼を支えた 。古代ローマ時代の

         ストア派哲学者でもあり 、またラテン文学の白銀期に多くの

         悲劇・著作を記したことでも知られる 。 」

         以上ウィキ情報 。)

 

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