今日の「 お気に入り 」 。
「 古代ローマ時代に活躍した哲学者・セネカの『 倫理書簡集 Epistulae
morales 』に次の言葉があります 。
〈 人は教えている間に 、学ぶ Homines , dum docent , discunt 〉
これは四字熟語の「 啐啄同時 ( そったくどうじ ) 」と近い言葉です 。
ひな鳥が卵から出たいと鳴く声と 、親鳥が出てきなさいと外側から
殻をつつくのが同時であるという様子を描写した熟語です 。つまり 、
殻を破ろうとするひな鳥は学びを求める者 、親鳥はそれを教え導く
者を指しているのですが 、実際はこのとき 、親鳥はひな鳥に対して
ほんの少し手伝うだけ 。 最終的に卵の殻を破って世界に飛び出すの
はひな鳥自身です 。
しかしその過程では 、ひな鳥のみならず 、親鳥もまた何かを学び 、
気づきを得ているのです 。 」
「 知識を得る行為そのものが学問の目的になってはいけません 。学問
とは 、知るだけに留まらず 、その知の窓から人間と人生を見つめ 、
より良い観点と代案を提示するものでもあります 。 」
「 今は勉強したことをほかの人たちに分け与える時代です 。 」
( 出典:ハン・ドンイル著「 教養としての『 ラテン語の授業 』
―― 古代ローマに学ぶリベラルアーツの源流 」
本村凌二監訳、岡崎暢子訳 ダイヤモンド社刊 所収 )
( ついでながらの
筆者註 : 「 ルキウス・アンナエウス・セネカ( ラテン語 : Lucius Annaeus
Seneca、紀元前1年頃 - 65年4月 )は 、ユリウス=クラウディ
ウス朝時代のローマ帝国の政治家 、哲学者 、詩人 。
父親の大セネカ( マルクス・アンナエウス・セネカ )と区別
するため 小セネカ ( Seneca minor ) とも呼ばれる 。第5代ロー
マ皇帝 ネロ の幼少期の家庭教師としても知られ 、またネロの
治世初期にはブレーンとして彼を支えた 。古代ローマ時代の
ストア派哲学者でもあり 、またラテン文学の白銀期に多くの
悲劇・著作を記したことでも知られる 。 」
以上ウィキ情報 。)