TRASHBOX

日々の思い、記憶のゴミ箱に行く前に。

ノマドランド

2021年04月03日 | 映画とか
結構評判になっているので、ご覧になった方、またはある程度の知識のある方も多いと思う。僕自身は、恥ずかしながら「現代のアメリカのリアルな一面」みたいなお話かと思って観に行ったのだけど、そんな薄っぺらな先入観はふーっと吹き飛ばされた。素晴らしい映画だった。

骨太、という言い方は安易だけど、車上の民となったシニアたちの経済的にも健康面でも厳しい現実から目を背けず、一方で尊厳をもって生きていこうとする彼らの姿をとらえた映像は、僕には美しいものに見えた。

公式サイトの「「アメリカの大自然を背景に、今この時代を希望で照らす」という一節は、いささかおざなりには感じるが、この「希望」とは収入とか健康によって与えられるものではなく、1人の人間として生きること自体に希望があるのだ、ということだと思う。

メインの俳優2人——フランシス・マクドーマンド(ファーン役)とデヴィッド・ストラザーン(デヴィッド役)——以外は実際の「ノマド」の人たちであり、監督は彼ら/彼女たちの息づかいとシンクロするように物語を動かしている。

いや、ホント皆の演技が素晴らしいんですよ。その腕前が気になって、前作「ザ・ライダー」をNetflixで観たら(4月6日で公開終了)、これも素晴らしかった、というか凄かった(この辺は、また別に書きます)。舞台となるアメリカの荒野、そして物語に寄り添う音楽も美しい。もし興味をもったら、是非劇場でご覧くださいませ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。