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TRASHBOX

日々の思い、記憶のゴミ箱に行く前に。

ニューヨーク・ヌードルタウン

2007年10月10日 | NYが好きだ
えーっと分類としては「食べたり飲んだり」に入るのかもしれないけど(誰も気にしてないか)、ここはロケーション優先ということでこうなってます。外側の壁に書かれている店名は「Great NY Noodle Town」…そのまま、つーか凄いですよね。

でもここ、下手すると10年近く通っているかもしれない。安さと美味さのバランスではいまのところ敵なし(当社比)だ。写真は俺の定番、フィッシュボール・ヌードル。ほのかな魚の香りとインスタントラーメン風味のスープ、そしてシコシコというよりちょいとゴムっぽい歯ごたえの細麺。それって褒め言葉?て思われるかもしれないけれど、食欲を刺激して終わって元気、という食べ物の基本がきっちりここにはある。みなさん、フィガロの特集なんか読んでないで(俺は読んだけど)是非ここを訪ねてください。

なぜかNYな…

2007年08月07日 | NYが好きだ
歩いていると、ふとNYのことを思いだした。こりゃ一種の逃避願望かな、最近いろいろあるし、なんて思っていたのだけれど、よく見ると歩道が工事用の鉄柵で覆われている。いわゆるscaffoldってやつだ。マンハッタンは年末の東京みたいにどこかしら工事をしていて、夏は日よけになってくれたり、でも工事の埃がまっていて参ったり、一種の街の目印みたいなところがある。そう考えるとこれも悪くないなぁ、と思いながら、日本の工事は素早いのかすぐに無くなってしまうのでした(こんなこと書いてる時点で禁断症状かね)。

朝のリズム

2007年06月11日 | NYが好きだ
なんの脈絡もなく、ふとニューヨークの朝の匂いを思いだした。それは出張したときちょっと早く起きて、ホテル近くのスターバックスで新聞を読んだり打ち合わせの準備をしたりしているときに、その場にただよっているコーヒーの香りだ。

その香りに引っ張られるようにして道ゆく人の歩く姿が浮かびあがる。1日のはじめの心地よい緊張感のなかに、ときおり漂う苦みのような疲労の痕跡。それを振り払おうとするかのようなやや早足の歩み。たとえばグランドセントラル駅周辺、レキシントンAve.辺りの人々の刻む足音は、まさに街のリズムに思える。

しかしなんで急にそんなことを…あー、また行きたくなっちゃったよ。感覚的には「帰りたく」でもあるのだけど、それはまあおいといて。

Fly American!

2007年01月23日 | NYが好きだ
出張で乗ったアメリカン・エアライン。先月同じ路線のJALに乗ったせいか、その微妙な違いが感じられて面白かった。

最初に面白かったのは―これは違いというよりも所変われど、という感じなのだけど―機内のシートポケットに置かれているショッピング誌。いつも微妙にユニークな商品(ポケットのたくさん付いたカバンとか、こういうアイデア系商品好きなのだ)が載っていて楽しみなのだけど、これがお国柄というか興味深い。

例えば外出時の必須アイテムになりつつある携帯電話、i-Pod、そしてPDAを並べて置いて、しかも充電もできる―何て言うんだろう―トレイ。よく「できる男の必須アイテム」みたいなノリででてくる時計や財布、鍵をまとめて置ける小物入れみたいなものと同類だ。

他にもキーポードの映像が光で投影され、それをタイプすることで入力ができるバーチャル・キーボード(ちょっと欲しい、つーか試してみたい)。またラップトップコンピューター用の折り畳み式テーブルや、女性用のものなので詳しくはないけれど、ブラジャーを洗濯機で洗う際に型崩れを防ぐための、球形のプラスチックボールなんかもちょっと笑えるビジュアルだった。

いわゆるアイデア商品という類、どこかB級な匂いがするところが哀しくて面白いと思っているのだけど、その辺は日米同じだな、と思えて楽しかった。

それから機内食。最近海外に行くときはベジタリアンミールを頼むことが多いのだけど(お腹に軽くていいし、人より早く出てくる)、今回はビジネスクラス(わーい!)に乗れたこともあって和洋のチョイスから日本食を選んでみた。アメリカの航空会社が出す日本食というのに興味があったので。

で感想としては、まあまあかな、てところ。料理はちゃんとしているのだけど(日本発の便だからかもしれないが)ご飯の盛り方とか微妙な点が惜しい。お盆の置き方とか、お箸の位置からすると180度逆だったりするし。その点日本のエアラインは、よく気を配っていると思う。まあ人によってはその気配り具合が面倒とか、アメリカのスタッフのラフな感じ(ビジネスでも「お客様感」はあまりなし)の方がいいというのもあるのだろうけれど。

しかし成田のラウンジは、ドアをくぐるとほぼアメリカな雰囲気。それにはちょっと驚いた。トイレの造りなんかもほとんどアメリカ仕様で、きっとどの国でもこうなってるんじゃないだろうか。"We are AMERICAN Airline!"てな感じではある。

そんなこんなで、どこも同じようなもんだろ、と思っていた国際線の違い、勉強になりました。シートサイズがアメリカンなのは楽でよろしい。シートベルトをしたままだと前のポケットに手が届きにくく、チャイルドシートに固定された子どものようにバタバタしてしまうというのがちょっと情けなかったけど。

CBGB、閉店。

2006年10月18日 | NYが好きだ
10月15日の日曜、ニューヨークのライブ・ハウスCBGBが営業を停止した。建物の家主との家賃支払いに関する問題が解決せず、73年以来の33年の歴史をついに閉じた。14日の土曜は元ブロンディのデビー・ハリーとクリス・ステインのアコースティック・ライブ、そして最後の舞台はパティ・スミスだったそうだ(しかし凄いね)。店名は〝Country, Blue Grass, and Blues〝の頭文字を並べたもの。それがいつしかニューヨーク・パンクのメッカになったいい加減さも、それっぽい。

初めてそこに行ったのは確か87年の夏、これも初めてのニューヨークで、当時のガイドブックでははまだ危ないと言われていた夜のバワリー通りを恐る恐る歩いていった。入ってみるとなんてことのない汚いライブハウスで、学生の頃のバンド活動をすごく思い出す。ほとんど素人のパンクっぽい演奏に特に感心することもなく、でも「あのCBGBに来た」ということで満足していた記憶がある。

しかし留学してイースト・ビレッジのアパートに住んでいた頃は、前はしょっちゅう通っても中に入ることはなかった。そのうち隣にお洒落なカフェ風の別館(ミュージアムとか言っていたような)もできて、もう「あがり」な雰囲気すら醸し出していた。それでもラモーンズのジョーイが亡くなったとき、店の前に置かれた花束やカード、ロウソクの山を見てちょっとグッときた。ここから生まれたものが、今度は消えていきつつあるのだと知らされたようだった。

あーっ、無くなっちゃったか、という感傷はある。ある日本のバンドが、CBGBをスポンサーにアーティスト・ビザを得て音楽活動をしていたという話もちょっといい。でも「パンクの伝統を消すな」みたいなことを言う気にはならないのだ。まあ、ひと花咲かせたヤクザなクラブが寿命を終えた、ということ。リバプールのキャバーン・クラブみたいな観光名所(だいたい場所違うし)になるより、家賃でもめて営業終了というのは、らしくていいかもしれない。いまのニューヨークでは新しいライブスペースが次々と生まれているらしく(その分消えてもいるんだけど)、そんな新陳代謝がパンクというかロックなのだと思う。ジャズとはちょっと違うんだよね、その辺。

というわけで、キャラに合わないのを承知の上で、お別れの言葉を。あばよ、CBGB!