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TRASHBOX

日々の思い、記憶のゴミ箱に行く前に。

ゼロの焦点

2009年11月15日 | 映画とか
広末涼子、中谷美紀、木村多江の競演が話題のこの映画、
キャッチフレーズは「愛する人のすべてを知っていますか?」。
でも正直、僕にはこの意味がストンとこなかった。

それならば物語の核にいるはず男性の存在が、なんだか
女優の力量を見せるための小道具に感じられてしまった。
(役者としてはいい仕事をしていると思うのだけど)

確かに力作で、撮影や美術、ロケーションも素晴らしい。
でもこれだけの素材が揃っているのなら、
さらに太く深くなれたのでは、という気もしてしまう。
……もっと狂気を。そんなことを感じました。




おくりびと(@テレビ放映&ネタばれあり)

2009年09月23日 | 映画とか
熊:おう、八っつぁん、目なんか赤くしてどうした?
  また女房に逃げられたってか?
八:俺ゃ、まだ独身だっつーの。映画見たんだよ、ほら「おくりびと」。
熊:あー、あのアカデミー賞獲った。それで泣いてたのか。
  ま、いいもん見て泣けれゃ、幸せじゃねえか。
八:いや、それが……。
熊:なんだよ?はっきりしねーな。いい歳してそんな泣いといて。
八:いい歳は余分だろ……中学生くらいの娘を持つ母親の納棺の場面、
  最後の化粧を見て「お母さん!」と泣いちゃうとことか、
  それまで我慢してたんだろう、ぐっときちゃうんだよなぁ。
熊:ふんふん、広末涼子は可愛いしね、いまだに。
八:それゃ関係ない、つーか演技はいっぱい×2だなぁ。
  あれゃ、受けるモッくんが上手いんじゃねえかなぁ。
熊:さすがモッくん、いい役者だねぇ。
八:だからさ、あんなモノローグ満載にするこたねぇんだよ。
  芝居で見せろと。
熊:だけど八っつぁんの好きなウディ・アレンも多いよ、モノローグ。
八:あれは違うの、語りの角度が。
  ストーリーに別の視点を持ちこむのはいいんだけど、
  こいつは物語の補足説明にしか聞こえねぇんだよ。
熊:最後はいいらしいじゃねえか、家を出たきりのオヤジの話。
八:まあ、締めるならこのネタだろうと思ってたんだけどさ、
  なんかバタバタとまとめられちゃったみてぇでなぁ。
  「走れメロス」かと思っちったぜ。
熊:結局、良かった悪かった、どっちなんでぃ。
  なんたってこれ、オスカー受賞作だろ。
八:ま、挫折したチェロ奏者っていう西洋的な設定のキャラが
  東洋の神秘、納棺師の世界に目覚めていくことで、
  生と死っていう普遍的なテーマにスムーズ&エキゾチックに
  導いてあげられた、そんなとこもあるんじゃねえの。
熊:とすると何かい?
  あのモノローグも英語で接する前提で
  わかりやすく作ってるってのかい?
  だとすると天才だなぁ、この脚本家。
八:ま、ある意味そうさな。確かによくできてるよ。
熊:……しかし八は、制作者の巧みな技に感銘を抱きながらも、
  醒めた気持ちをどこか振り切れなかったのだった。
八:お前さんまでモノローグで締めんなよ!

チャーリー・ウィルソンズ・ウォー(DVD)

2009年02月28日 | 映画とか
Charlie Wilson's War(2007)

テキサス州選出の上院議員チャールズ・ウィルソン(民主党、73~96年)の実話に基づく作品。旧ソ連のアフガニスタン侵攻と、その結果住民たちが強いられる暮らしにショックを受けたウイルソンは資金獲得に奮闘。武器と戦闘技術を手にしたムジャヒディンたちの抵抗にソ連軍は撤退し、ウィルソンは密かに表彰される。

トム・ハンクス演じるウィルソンは正義感あふれる立派な人間ではなく、酒飲みで女好きのおよそ議員らしからぬキャラクター。くわえて大富豪の娘ジョアンナ(ジュリア・ロバーツ)と、無頼派なCIAスタッフのガスト(フィリップ・シーモア・ホフマン)など達者な俳優が脇を固めるストーリーの展開は、芯が太くて安心感がある。特にホフマンの出る場面の緊張感は素晴らしく、これだけでも見る価値がある。

ただその一方、映画的な斬新さや繊細さという点では物足りなかった。なんだか舞台を撮影したものを見せられているような。もしかしたらその辺は、監督マイク・ニコルズのカラーなのかもしれない。そういえば昨年ニューヨークで見た「The Country Girl」(モーガン・フリーマン、フランシス・マクドゥーマン出演)の演出もマイク・ニコルズだったなぁ。

ウィルソンの目的は達せられたが、その後の暮らしを支えられることなく忘れられた国には、新たなテロリストたちが流入し始める。物語はここで終わっても、911を知る人間にとって、この映画は終わってはいない。スクリーン上のエンターテイメントと現実の世界の両方に関心があるのなら、見ておくべき1本だろう。

チャーリー・ウィルソンズ・ウォー [DVD]

UPJ/ジェネオン エンタテインメント

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つみきのいえ(La maison en petits cubes)

2009年02月23日 | 映画とか
つい先日、制作会社の方にDVDを見せていただいたのだが、
なんとアカデミーの短編アニメーション部門賞を獲得!
各国での受賞を重ねてきたとはいえ、オスカーは格別だろうなぁ。
別に関係のない俺も、ちゃっかり「もらい感動」しました。

水位が上がってしまい人の去っていく街で、かつて妻や子どもと
暮らした家の上に、また家を作り足して住み続ける老人の物語。
環境問題を暗示しているようだが、声高なメッセージは皆無。
しかし映画が無口な分、見ている側の思いが巡る。
常に物語を育て続けることでしか、到達できない境地だと思う。

おめでとうございます。

なぐさめの報酬(Quantum of Solace)

2009年02月19日 | 映画とか
熱狂的なファンでないけれど、僕にとっての007シリーズは
昔の「寅さん」や今の「釣りバカ」に近いかもしれない。

笑っちゃうくらいスケールのでかい、お約束型エンターテイメント。
そういう点では今回も面白かったけど、なんだかなぁ、
全体を通じて、アクションシーンが無意味に激しい。
脚本に繊細さが欲しいと感じたのはミーだけでしょうか。

ダニエル・クレイグのボンドにも結構なじめてきた。これはこれで。
でも考えてみると、ショーン・コネリーの時代からキャラの違いはあれど、
男としての在り方みたいなものは一貫している。
それぞれ年代を感じさせるのは、むしろボンド・ガールたち。
やっぱり時代を反映していくのは女性なのだろうか。
(CMの世界でもそんなことを感じる)