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TRASHBOX

日々の思い、記憶のゴミ箱に行く前に。

ウディ・アレンの夢と犯罪

2010年03月25日 | 映画とか

そうそう、恵比寿に来たのはカレーを食べるためではなかった。昨日書いたけど、そっちが先にきてちゃウディ・アレンに申し訳ない。………のだけれど、今回の一作、見終えてちょっと複雑だった。

どことなく「太陽がいっぱい」と「土曜の夜と日曜の朝」を混ぜて割ったような雰囲気。なんつーか、ヨーロッパ的なアイロニーを狙っていたのかもしれないけれど、どうも不完全燃焼な印象が残った。

ストーリーや人物設定は興味を惹かれるものだし、ユアン・マクレガーやコリン・ファレルをはじめ、役者たちも見応えある仕事をしている。でもそれが、映画としての化学反応を起こしていない。なんでだろう。

一緒に見た連れ合いは「編集がよくない気がする」と言っていた。なんかスムーズさに欠けて見えたのだろうか(場面展開への具体的な指摘もあった)。もしかしたら、ジャズとクラシック音楽の違いみたいなテンポ感の差が、持ち味を損ねているのだろうか。リズムはあっているが、グルーブしてはいない、みたいな感じなのかもしれない。

ところでこれ、製作は2007年。約3年前の作品をようやく見ていることになる。この後にも既に2本が公開されていて、もう一作もポスト・プロダクション中らしい。そろそろ厳しいのかなぁ、とも思いつつ、やはり好きな監督だから、きちんと成り行きを見ておきたいのだけど。この時間差、なんとかならないかなぁ。

ニューヨーク、アイラブユー

2010年03月08日 | 映画とか

いや、うすうす感づいてはいたんですよ、NY物はヤバいって。
なんせ場所が場所、どうやっても洒落た仕上がりになりますぜ、
少なくとも最初の2、3分くらいは………。

しかし映画屋さん好きなんでしょうね、ここで撮るということが。
その楽しさ、確かに伝わってきます。でもそれがいいかというと、
また別問題。お客さんおいといて、自分たちがノッてるようにも
見えなくもないんですわ。ま、もちろん腕は確かなんですがね。

なんていうか、プロが撮った学生映画、みたいな趣きでやんすかね。
あっしも昔、この辺でロケしたなぁみたいな思い出引っ張りだされて
遠い目になったり、一方で金払わせといて何じゃい、みたいな
気分になったりと、ある意味自らの青臭さを揺さぶられましたわ。

まあギリギリセーフ、人によってはアウトかも、ってとこでしょうか。
しかしこの甘さは、そのまま自分への甘さにつながるのかもしれませんな。
おっと、感想のつもりが何故か反省文に………ともかく物づくりの微妙な
匙加減について考えさせられた一本でした。

ところでこんな風に書いちゃうと「じゃDVDでいいか」と思われる方も
いらっしゃるかもしれませんが、いやいや劇場に足をお運びください。
自宅やどこかのモニターで見たら、資料とか環境映像になりかねません。
ちゃんと座席でご鑑賞くださいませ(一応褒めてるつもりです)。
そして自らのニューヨーク幻想とじっくり向き合うのも一興かと。

しかしながら、日本の公式サイト、重い割には内容が薄い。
映画のページって何故かこういうの多いんですわ。
広告臭も強いし、ちょっと工夫されてはいかがですかのぅ。

ところでエピソードのひとつにスカーレット・ヨハンソンが監督した
ものもあったそうですが、それは全編カットされたとのこと。
理由はいろいろ、でしょうが、そう聞くと見たくなっちゃいますぜ。

インビクタス ~負けざる物たち~

2010年03月02日 | 映画とか

クリント・イーストウッド監督でモーガン・フリーマンとマット・デイモン。
役者の揃った一作は、確かに見応えがあった。実話に基づいた話でもあり、
ストーリー自体はシンプルなのだけが、考えさせられる深さがあった。
(この後、ちょっとネタバレ的なことも書いてます)

ネルソン・マンデラ(フリーマン)が大統領になった直後のラグビー、
ワールドカップ。南アフリカ代表「スプリングボカス」は、ある意味
白人社会の象徴だった。黒人たちの反発はあったが、祖国の一体感を
築きあげるために、マンデラはチーム名やカラーを変えさせることなく
主将のフランソワ(マット・デイモン)を呼んで、その想いを託す。

新大統領に「あんな人間に会ったことがない」と感銘を受けたフランソワは、
その意識を少しずつ変えていく。ある日少年ラグビーのコーチを依頼された
代表選手たちは「自分たちの練習が忙しいのに、そんなことできない」と
拒否する姿勢を見せるが、フランソワは「もはや我々はただの選手ではなく、
国を代表する存在だ」とチームメイトを説得する。

一方、テレビのインタビューで「以前はボカスが嫌いだったのでは?」と
聞かれたマンデラは、「国が変わろうとしているとき、まず私から変わら
なくてはならない」ときっちり自分の意志を表現する。優等生的な答では
あるが、一歩間違えば支持してくれる黒人たちの反発を買う危険もある。
しかしその態度はぶれない。

白人主体のチームに祖国を託し、自分もその信念に基づいて行動する。
映画とはいえ、この強さと深い思いやりは、じわじわと染みてくる。
なんていうか自分が勝ち組になるための変化ではなく、世の中のために
貢献するためのチェンジ。目線を上げることで、結果も違ってくるのか。
ちょいと迷いの多い最近のオイラは、深く心を動かされたのでした。

しかしこの映画、総理や都知事にもぜひ見て欲しい。大きな目標への
明解な視座を持つことや、まず選手たちを人として尊重すること。
意志的に、前向きに、そして謙虚に進むことでしか、世界は変わらない。
このオイラにも、そんな殊勝なことを感じさせてくれる一作でした。



アバター

2010年02月04日 | 映画とか

いろいろ話は聞いていたのだければ、やっぱり凄かった。
世界観を築きあげることが映画の肝だとすると、特大の肝ですわ。
確かにお話自体は文学的でも哲学的でもないけれど、
なんというか「量を突き詰めて質に至る」みたいな感じの到達感。
ま、見といて良かったという一本でした。

ちょっと思ったのだけど、この感覚ってこの前食べたマクドナルドの
テキサスバーガーに近いのかもしれない。どちらも「一回行っとくか」
というハレの商品。でもそこに至る道は、どちらかというと地道な
仕事の積み重ねのような気がする――ハレは地道から、ってこと?

と、あまりの印象強さに脱線してますが、3Dも予想以上。
手元にものがあるようだったり、ずいぶん奥行きを感じたり。
でも俺だったら、この映像で普通の設定を撮ってみたい気も。
(いつから監督になったんだよ?)ウディ・アレンな物語を
3Dで、つーのも面白そうじゃありませんか。
(製作費出してくれる人はなかなか居なさそうだけど)
まずはお腹いっぱい。テキサスバーガーはちょっともたれたけど、
この映画ではそんなこともなく、いろいろ考えさせられました。
ま、その辺はまたいつか。

脳内ニューヨーク

2009年11月24日 | 映画とか
なんか今の気分とシンクロするようなところがあって、
すんごく共感するところ多し、の一本だったです、はい。
……なので、よく聞く難しいとか訳わかんないとか、
あんまり関係なく楽しんでしまった。

考えてみればチャーリー・カウフマンものは「ビーイング・マルコビッチ」
(「マルコビッチの穴」という邦題はナイスだと思う)やら「エターナル・
サンシャイン」、「アダプテーション」に「ヒューマン・ネイチャー」等々、
よくよくは分からないけど好きなものが多い。微妙なずれ具合が痒いような
気持ちいいような。

で、そんな感じなのに、クライマックスはちょっと暖かい。
あぶねーっ、もうちょっとでホロリとするところだったぜ。
世間じゃマニアックに思われてるかもしれないけれど、
実はヒューマンで希望の湧いてくる一作なのでした。
(少なくとも俺にはね)