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TRASHBOX

日々の思い、記憶のゴミ箱に行く前に。

マイアミ・バイス

2006年10月03日 | 映画とか
80年代に大好きだったテレビドラマ「特捜刑事マイアミヴァイス」の映画版リメイク作品。テレビ版の詳細はこちらを見ていただくとして、カッコよかったなー、あれ(ちょっと遠い目)。そんな思いが災いしたのか、映画版はいまひとつ楽しめなかった。まずヤン・ハマーのあの音楽が聞こえてこないと気分が出ないし、コリン・ファレルはなんかキレに欠ける。ジェイミー・フォックスはなかなかシャープだったがキャラ自体の設定は弱い。唯一コン・リーのエイジアン・ビューティぶりは存在感がありました。

ちなみに監督はどちらもマイケル・マン。ドン・ジョンソン、フィリップ・マイケル・トーマスコンビのテレビ版のどこを受け継ぎ、どこを変えようとしたのだろうか。ところで昔、セサミストリートのキャラで「Miami Mice」(MiceはMouseの複数形ですが、まさに2匹のネズミが登場するのだ)っていたんですよ。これも結構楽しかったのだけど、今度は映画版の…ありえねーか。

映画の中のコンピューターたち

2006年08月03日 | 映画とか
えーっと、今日は映画そのものの話ではなくて、映画の中で登場するコンピュータに関するジョークです。Hiro Software Factoryというサイトの中にあるものだけど、これがなかなか面白い。ちょっと専門的でわかりにくいものもあるが、なぜコンピューターごときがあんな大爆発を起こすのか、といった突っ込みは笑えます。まあコンピューター以外にも、専門家から見たらちょっと変な映画の世界は結構あるんだろうな。でもフィルムとして面白ければ良いのだけどね。

映画の中のコンピュータ(THINGS COMPUTERS CAN DO IN MOVIES)

・ワードプロセッサは、決してカーソルを表示しない。
・長い文章を入力するときでも、スペースバーを打つ必要がない。
・登場人物は、決してタイプミスを犯さない。
・全てのモニタは、5cm大の文字を表示する。
・NASAやCIAやその他の政府機関で使われる全てのハイテクコンピュータは、分かりやすいグラフィカル インタフェースを使っている。
・グラフィカル インタフェースを持たないものは、通常の英語で入力されたコマンドを正しく理解して実行する、信じられないほど強力なコマンドシェルを使っている。(注記:これらのコマンドラインインタフェースで欲しい情報を取得するには、ただ単に "ACCESS THE SECRET FILES"(秘密のファイルにアクセスせよ) とタイプすれば良い)
・これらのコンピュータに破壊的なウィルスを感染させるには、単に "UPLOAD VIRUS" とタイプするだけで良い。("Fortless"を見よ)
・全てのコンピュータは、相互に接続されている。悪党のデスクトップコンピュータの全ての情報にもアクセスできる。たとえその電源が入っていなくても。
・パワフルなコンピュータは、キーを打つか画面が変わるときにビープ音を発する。中には、人の読むスピードを越えないように、スクリーン上へのアウトプットをスローダウンするコンピュータもある。なお、真に進んだコンピュータは、ドットマトリクスプリンタの音をエミュレートできる。
・全てのコンピュータのパネルは数千ボルトの電源で稼動しており、その下には爆発物が仕込まれている。故障は、ライトの激しい明滅、巻き上がる煙、著しいスパークで示され、登場人物はあわてて飛び去らねばならない。
・データをセーブすることなく安全にコンピュータの電源を切ることが出来る
・ハッカーは、世界中で最も強固なセキュリティを誇るコンピュータへ常に押し入ることができる。秘密のパスワードを推測して2回試してみるだけで。
・アクセスが許可されない場合でも、"オーバーライド" 機能で回避できる。(デモリションマンを見よ)
・普通のデスクトップPCならそれなりに、24時間365日稼動のコンピュータなら30分は起動にかかるところを、映画の中のコンピュータなら2秒で済ませられる。
・複雑な計算や、巨大なデータのロードは、通常3秒以下で達せられる。映画の中のモデムは、通常2ギガバイト/秒の転送速度を持つ。
・発電所・ミサイル基地・メインコンピュータなどがやられるとき、全ての制御盤は、ビル全体の崩壊に先立って爆発を起こす。
・ファイルをスクリーン上で見ているとき、誰かがよそでファイルを削除すると、スクリーン上からも消えてしまう("Clear and Present Danger"を見よ)
・ディスクの中に暗号化されたファイルがあるとき、ディスクをコンピュータに挿入すると、自動的にパスワードを聞かれる。
・コンピュータは、製造元に関わらず他のコンピュータと通信できる。たとえそれが他の銀河系のものであっても。(「インディペンデンス デイ」を見よ)
・コンピュータのディスクは、いかなる種類のコンピュータからでも読み書きできる。全てのソフトウェアは、どんなプラットフォームでも動作する。
・装置が高度であればあるほど、ボタンの数は多い("Aliens"を見よ) (注記:これらの高度なコンピュータを操作するには、高度な訓練を受けたエキスパートでなければならない。これらのボタンには、「自爆」ボタンを除き何のラベルも振られていないから)
・殆どのコンピュータは、たとえどんなに小さかろうと、現実以上にリアルな三次元のリアルタイムアニメーションと、写真なみに精細なグラフィクス能力を持つ。
・ラップトップコンピュータは、実に素晴らしいリアルタイムなビデオ電話機能と、クレイコンピュータ並みの演算能力を持っている。
・映画の中のキャラクタがモニタを見るときにはいつも、イメージが非常に明るく表示され、表示内容が彼らの顔に反射されて見えるほどである("Alien"や"2001"を見よ)
・インターネットで検索をかけると、キーワードがいかにあいまいであろうと、常に目的の情報が得られる(「ミッション インポッシブル」を見よ。トム クルーズは"file"とか"computer"とかのキーワードで検索をかけ、たった3つの検索結果を得ている)。

グッドナイト&グッドラック

2006年05月03日 | 映画とか
Good Night & Good Luck
Dir: George Cloony / DP: Robert Elswit

期待に胸ふくらませて(気持悪いか…)見た一本だが、なにか物足りなかったというのが正直な感想だ。たぶん原因は、その数日前に見たCBSドキュメント(TBSで水曜深夜に放送)で、実際のマッカーシーやマローの映像を見たからだ思う。この番組は、映像がいろいろと盛り込まれた基本に忠実なドキュメント。マッカーシーの過激な共産主義者攻撃ーたぶん本人さえコントロールできなかったのではないだろうかーと、迷いながらも彼との対決に踏み出すマローの姿勢などがストレートに伝わってきた。

そんな経緯があって見たこの一作、とてもよくできた映画であることは間違いない。しかし当時の臨場感を追及した映像は、ドキュメント・フィルムの清書のようにも思えてしまった。そこで起こる出来事を知っているだけに、興味は映画としてどうふくらませたり切り取ったりしてくれるか、ということだったのだが、そういう驚きや裏切りみたいなものは感じられなかった。

ジョージ・クルーニーの父親はシンシナティのテレビ局KWRCでニュースキャスターとして活躍していたニック・クルーニ-。子どもの頃は父の働くスタジオで放課後を過ごすこともあったそうだ。「エド・マローは我が家のヒーローだった」とクルーニーは語っているけど、その姿は父親とも重なるところがあったのではないだろうか。

マッカーシーの映像は実際のフッテージからのものだけで俳優が演じている場面はない。(この辺は権利関係とかあったのかもしれないけど)しかしマッカーシーという人間にもう少し踏み込んでいけば物語は別のふくらみを見せたのではないだろうか。彼はある種病的なところのある人物だ。(えーっと、ちょっと微妙な物言いですが、これはあくまで彼個人を形容する表現です)その奥には、人間の持つ負の可能性が見えてくるはず。ヒーローを描くためには魅力的な悪役が必要、というのはこの場合も当てはまるような気がする。

もしかしたら、CBSドキュメントの印象が薄れてからもう一度見た方がいいのかもしれない、とも思う。映画としてのレベルの高さ、作品としてのオーラは確かに感じたし、緊張感は途切れることがなかった。ところで最近クルーニーは、アフリカのダルフールで起こっている民族虐殺に対する活動にも参加しているようだ。その姿勢は素晴らしいと思うし、ある意味で彼の本質的な部分の表れなのだろう。でも映画屋としては、ちょいとふざけて軽口を叩いているジョージの方が魅力的だったりして、その辺の匙加減が難しいんだろうな。

ブロークバック・マウンテン

2006年05月02日 | 映画とか
Brokeback Mountain
Dir: Ang Lee / DP: Rodrigo Prietro

前半の展開はもうひとつピリッとしなかったのだけど、中盤以降は徐々に物語りに引き込まれた。遠くから聴こえてくる歌声のように、静かに心を動かされた。エンドロール終了後、俺の後ろの観客が小さく拍手をしてような気がしたのだが、あれは気のせいだったのか。決して大作ではないけれど、忘れられないタイプの一本だった。

見ている最中には「ボーイズ・ドント・クライ」(1999、ヒラリー・スワンクがアカデミー助演女優賞受賞)を、見終わってしばらくするとなぜか「寅さんシリーズ」を思い出した。全然関連性のない映画ではあるけれど、社会のものさしにはまらない生き方と愛情、ということが接点なのだろうか。

この作品は切々と誠実に描かれているが、「真実の愛とは」とか構えて見ちゃうとダメだという気がする。どちらかと言えば悲劇的な空気の中で物語はすすむのだが、救いとか喜びとか、ヒューマンな(ちょっと恥ずかしい物言いだけど)要素も盛り込まれた人間のお話、なのだと思う。

撮影のロドリゴ・プリエト(で、いいのかな?)は、この他「8マイル」や「25時間」みたいな作品を撮っていて、俺としては気になる撮影監督。この映画ではアメリカン・フォトグラフ的な乾いた画づくりがさりげなく良かった。

うーん、でも台湾出身のアン・リーがどうしてこんなのアメリカの盲点みたいなものを撮れたのだろう、と後輩(…一応自分の卒業式のスピーカーとして来てました…あー、恥ずかし)として不思議に思ったりして。ちょっと原作とか背景とかいろいろ知りたくなる、映画の仕事としても興味深い一本だ。

ボーン・スプレマシー(2004)

2006年04月30日 | 映画とか
The Bourne Supremacy (2004)
Dir: Paul Greengrass DP: Oliver Wood

一作目の「ボーン・アイデンティティ」は、ストーリーは面白くはあったけれどもうひとつ仕上げがピリッとしてない印象があった。(監督はダグ・ライマン/Doug Liman)でもこの第2弾は面白い。全編通じて飽きさせない緊張感にくわえ、無表情なボーンの感情が垣間見えてくる描写(まあこれには前作で彼の生業や背景がわかっているから、というのもあるだろうが)は素晴らしい。

特筆すべきはカー・アクション。俺はただ派手なだけのカーチェイスにはあまり魅かれない。それは「本物そっくりのCG」と同じことで、技術的には大概のことはできるからだ。しかし「スプレマシー」におけるそれは、車の動きを捉える視点や展開に切れ味がある。これって編集や画のつなぎが大変だろうな(だって車の壊れ方の前後でのつながりとか、結構面倒だよ)、という内的な印象はともかく、なかなかチャレンジングな映像だった。撮影のオリバー・ウッド(第一作も同じ)はこの手の映像が得意な感じだが、ちょっと注目のDPです。

それからラストのクレジットロールのグラフィックと音楽(モビーだ!)も素晴らしい。ここだけでもまた見たくなる。気になる第3弾は、「The Bourne Ultimatum」というタイトルで来年公開の予定らしい。監督は今回と同じグリーングラスで初回の監督ライマンはエグゼクティブ・プロデューサーとのこと。早く見たいぞ。