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TRASHBOX

日々の思い、記憶のゴミ箱に行く前に。

レスリング・ウィズ・シャドウズ(DVD)

2007年11月16日 | 映画とか
現代はHitman Hart: Wrestling With Shadowsという、98年に製作されたテレビ用ドキュメント。当時WWF(現WWE)のスターレスラーだったブレット・ハートがWCWへ移籍するに至る話を中心に、アメリカのプロレス業界(=ビンス・マクマホンJrのビジネス)を内幕を描きだしている。マーケティング・ギミックに満ちたこの世界を、ギミックなしで描いた(もちろん編集を含めて「演出」は入っているのだが)このドキュメントは、プロレスものというよりも世の中そのものだ。秀作。しかし見ているうちにマクマホンがファンの心理を操り、掴んでいくさまが今のアメリカと重なって見えてきた。たぶんブッシュ大統領とも馬があうんじゃないだろうか。

武士の一分

2007年11月15日 | 映画とか
先日WOWOWで放送されたのを録画で。さらっと見たのだけど、毒味という場合によっては命に関わる仕事の平凡さや報われなさは、なんかサラリーマン模様のようにも見える。「仁義なき戦い」のような任侠ものにすらそんな側面があることを考えると、お勤めものは日本人の基本パターンなのだろうか。この際、恥ずかしがらずに追求してもいいかも。「KARAOKE」や「MANGA」みたいに「SALARY-MAN」が定着したりして。

ところでキムタクが木刀を素振りするシーン、素人目にはきれいに振れていたと思う(玄人の方、いかがでしょう)。あれを見て、というのもなんだけど、やはり武道の動きって体幹を使う動作なんだろうか。日本舞踊を「姿勢の変化」である、と述べた欧米の舞踏家(武道家じゃなくて)がいたが、この辺の二次元的な所作というのはどこかでつながっている気がする。きっと着物であることも関係しているのかも。

ちなみにプロデューサーのひとり、山本さんとは平野さんを介してのNYつながり。予算面などまだまだ厳しい日本映画の現実について聞かせてもらったことがあるけれど、これもいろいろ大変だったのだろうか。ともかくご苦労さまでした。

ヴィーナス

2007年11月08日 | 映画とか
御年75歳(1932年生まれ)のピーター・オトゥール主演のスケベ爺さんの物語--えーっと、これ褒め言葉です。自らの老いっぷりも情けなさも情熱もさらけ出して生きる主人公モーリスの、なんて輝いていることか。地味な作品に思えたけれど、これは当たりでした。

でも後々思い返してみると、ストーリー自体は結構他愛ない。オトゥールや達者な役者たち(悪友イアン役のレスリー・フィリップスなんて24年生まれだ!)と演出(ロジャー・ミッチェル。「ノッティング・ヒルの恋人たち」など)の力かな。劇中でシャンペンを飲むシーンが妙に素敵に見えたのも役者の味なのだろうか。見終わってやたらと一杯やりたくなってしまった。

今宵、フィツジェラルド劇場で

2007年11月05日 | 映画とか
現代はA Prairie Home Companion。昨年亡くなったロバート・アルトマンの最後の作品だ。ミネソタ州のローカル局WLTの看板でもあった公開ラジオ番組「プレーリー・ホーム・コンパニオン」(草原の家の仲間たち、みたいな感じかなぁ)は、局が買収されて最後のショーをむかえる。出演者たちに取ってはまさに我が家のようなその番組の終焉のさまが、保安係であるガイ・ノワール(ケヴィン・クライン)を進行役に語られていく。

設定は物悲しいがその時間は淡々と進む。なんていうことないストーリー、という言い方もできるだろう。でもこれ、後に残るんですわ。見終わってしばらくすると、我が身と全然接点のないお話なのに、なぜか心情に触れてくる。具体的な体験ではなく、人の哀しさとか希望といった生の成分が溶けだしてくるのだろうか。役者も達者だがこれはアルトマン節なのかもしれない。

最近のDVDの特典には映画を頭から流しながらそこに制作者たちのコメントを入れているものも多いが、この作品ではアルトマンとクラインがゆるーい会話を繰り広げる。見るのに本編と同じ時間かかるのがちょっと辛いところだが、このふたりはパスできない。いやー、ほんと大人の映画人って感じでした。最後に入っているアルトマンのセリフ「次の映画でまた会おう」は哀しかったけれど。

ところで日本で公開されたときの公式サイト、重くて使いにくいのも問題だが「主演メリル・ストリープ」っていう書き方どうなんだ?

黒帯 KURO-OBI

2007年10月24日 | 映画とか
45歳で新極真会に入門、さっそくあばら骨を折られてしまったSさんの強力なおすすめで見た一本。「本物の空手家」を起用することにこだわっただけあって、格闘シーンはさすがだ。メイキングを見ても、いわゆるアクション俳優とは動きの質が違う。

で、映画自体はうーん、というかストーリーについては「なかったことにしましょう」と言っておこう。批評つーか、それ以前に突っ込みはじめるときりがない。俺も描かれていた空手の強さと美しさだけを胸に抱き、映画館を出たのでした。