原作は絲山秋子氏の文學界新人賞受賞作「イッツ・オンリー・トーク」。この小説は大好きで映画化されたと聞いて喜んだのだか、主演が寺島しのぶ、脚本は荒井晴彦(古くは「探偵物語」、最近は「ヴァイブレーター」。ベテランです)と聞いてちょっと不安になった。で、微妙な予感は見事(?)あたっていた…だめだこりゃ!
なんといっても「男が見た女のやさぐれぶり」になっちゃってる。どこか男の夢を盛り込んじゃったようなキャラクターは絲山氏の世界とまったく違うものだ。面白くもない豊川悦司とのシーンがえんえん続くのは興行的な配慮なのか(役者としての存在感自体はなかなかでしたよ、さすがに)。どういう配慮かわからないけれど、主人公の躁鬱の捉え方もおかしい。原作にはない両親の死の話が盛り込まれているのは、メンタルな病気へのわかりやすい理由が欲しかったのだろうか。そしてエンディングはメロドラマっぽい都合のよさ。ちなみに原題はキング・クリムゾンの曲名だということ、荒井氏はご存じなのだろうか。小説の最後「ロバート・フリップがつべこべとギターを弾き、イッツ・オンリー・トーク、全てはムダ話だとエイドリアン・ブリューが歌う」ってのが最高なのに。
言っておくが原作どおりでないから駄目なのではなく、そのよさがわかっていない、もしくは新しいものを提示できてないのが嫌なのだ。つーことでなんとも中途半端な仕上がりのこの映画、原作が不憫で久しぶりに本棚から出して開いてみた。まあ再読の機会をくれたというのがこの2時間の収穫だろうか。なんだかなぁ。
ちなみにあるサイトでの記述を読んでさらにゲンナリ。「リアルな新しい女性像」「がんばらないでいいよ、という女性へのメッセージ(監督の廣木隆一氏、「ヴァイブレーター」は脚本、主演も同じメンバー)」…絲山氏が書きたかったのはそんなもんじゃないよ、と断言しておこう。
なんといっても「男が見た女のやさぐれぶり」になっちゃってる。どこか男の夢を盛り込んじゃったようなキャラクターは絲山氏の世界とまったく違うものだ。面白くもない豊川悦司とのシーンがえんえん続くのは興行的な配慮なのか(役者としての存在感自体はなかなかでしたよ、さすがに)。どういう配慮かわからないけれど、主人公の躁鬱の捉え方もおかしい。原作にはない両親の死の話が盛り込まれているのは、メンタルな病気へのわかりやすい理由が欲しかったのだろうか。そしてエンディングはメロドラマっぽい都合のよさ。ちなみに原題はキング・クリムゾンの曲名だということ、荒井氏はご存じなのだろうか。小説の最後「ロバート・フリップがつべこべとギターを弾き、イッツ・オンリー・トーク、全てはムダ話だとエイドリアン・ブリューが歌う」ってのが最高なのに。
言っておくが原作どおりでないから駄目なのではなく、そのよさがわかっていない、もしくは新しいものを提示できてないのが嫌なのだ。つーことでなんとも中途半端な仕上がりのこの映画、原作が不憫で久しぶりに本棚から出して開いてみた。まあ再読の機会をくれたというのがこの2時間の収穫だろうか。なんだかなぁ。
ちなみにあるサイトでの記述を読んでさらにゲンナリ。「リアルな新しい女性像」「がんばらないでいいよ、という女性へのメッセージ(監督の廣木隆一氏、「ヴァイブレーター」は脚本、主演も同じメンバー)」…絲山氏が書きたかったのはそんなもんじゃないよ、と断言しておこう。