分類は「映画とか」だけど作品じゃなくて今回は監督です。とある催しで、映画監督の犬童一心さんの話を聴いた。最初のトピックは、興行面から見た日本映画の状況について。邦画は完全に復活したように見えているがそこには危うさもあることなど、なかなか説得力のある分析。映画というものについて、よく考えている人だなと感じた。
映画ビジスネの文法がきちんと見えているという点ではプロデューサー的センスのある人だと思うし、またそれがなければプロの監督(=それで食べていける)は務まらないのだろう。熱く語る姿はふだんの飄々としたイメージとはちょっと違って新鮮だった。面と向かって話しているときとは別の顔を見せてもらったけれど、そういう意味では講演会みたいな機会は確かにおもしろい。
次のトピックは誰に向けて作るか―たとえば「Touch」は、他に娯楽のない田舎のショッピングモールで友だちと暇をつぶしているような中学生。「眉山」は地方に住む60歳を過ぎた夫婦が揃って。ただし夫はほとんど寝ている―そんなイメージから映画の性格が決まってくる。誰か特定の人に向けて作ったものが結果的に普遍になっていくように、実は正しいやり方なのかもしれない。
そしてもうひとつ「大勢が口を出すといいものができない」。これは製作委員会システムの問題点でもあるが、原理はまんま広告の仕事にもあてはまる。隙間もなくピタリと。そうならないためには「中心にいる人が『こういうものが作りたい』という思いを持ち、貫くこと」が大切。そうなんですよね、それなのにおれっちったらついついまとめに入っちゃったりして…結局我が身を振り返ってしまった講演会なのでした。
映画ビジスネの文法がきちんと見えているという点ではプロデューサー的センスのある人だと思うし、またそれがなければプロの監督(=それで食べていける)は務まらないのだろう。熱く語る姿はふだんの飄々としたイメージとはちょっと違って新鮮だった。面と向かって話しているときとは別の顔を見せてもらったけれど、そういう意味では講演会みたいな機会は確かにおもしろい。
次のトピックは誰に向けて作るか―たとえば「Touch」は、他に娯楽のない田舎のショッピングモールで友だちと暇をつぶしているような中学生。「眉山」は地方に住む60歳を過ぎた夫婦が揃って。ただし夫はほとんど寝ている―そんなイメージから映画の性格が決まってくる。誰か特定の人に向けて作ったものが結果的に普遍になっていくように、実は正しいやり方なのかもしれない。
そしてもうひとつ「大勢が口を出すといいものができない」。これは製作委員会システムの問題点でもあるが、原理はまんま広告の仕事にもあてはまる。隙間もなくピタリと。そうならないためには「中心にいる人が『こういうものが作りたい』という思いを持ち、貫くこと」が大切。そうなんですよね、それなのにおれっちったらついついまとめに入っちゃったりして…結局我が身を振り返ってしまった講演会なのでした。