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TRASHBOX

日々の思い、記憶のゴミ箱に行く前に。

生クリエイターたち

2009年12月11日 | 広告とか

ある集まりで、いまの業界トップクラスの人たちの話を聞いた。
「企画を考えるときは、どうしているか」みたいな質問への答は
だいたいどこかで読んだような感じの話ではあったけれど、
浸透力っていうか、「こういうことなんだ」という感触が違った。
あれを撮影したり記事にしたりしても、その感触は伝わらないだろう。
やっぱり人の話を聞くときも、生の力は大きいのだなぁ。

でも反面、文章になることで隠れた心根が見えることもあったりする。
一期一会というのは単に機会やタイミングだけの話ではなく、
その接点のあり方も含んでいるんじゃないだろうか。
あ、これってクロスコミュニケーションの技法と重なってくるよね。

マス広告の終焉、みたいなことはもう飽きるほど聞いてきたけれど、
テレビや新聞だからマス媒体、と一概に決めず、あれも個人に語りかける
窓口のひとつ、という視点でとらえてみたらどうなのだろう。
あ、ちょっとこの話、お題からずれるけど、ちょっと気になるのでまた。
ところであの後、皆さんどうしたのだろう。金曜の夜でしたし。

ACCカンヌ国際広告会入賞作品研究会

2009年09月30日 | 広告とか
有楽町朝日ホールで開催されているこの催し、吟味された内容と
現役トップクリエイターの解説で、毎年とても参考になる。
今年から午前午後の2回となったのも、希望者が多いからだろう。

でも同時に、いつも気になっていることがある。
皆揃って「お勉強」しているようなあの雰囲気。
カンヌの上映会場とは違う空気を感じるのだ。
「世界の広告トレンドを学んで、次は自分たちも」
……それは実に良いことだし、僕もある時期そうだった。

でもそこから――少なくとのも会場のこの空気から、
新しいものって生まれてくるのだろうか。
「カンヌ合格」はできても、驚かせ、嫉妬させられるのか。
そんな気がしてならなかった。

一方でプロモーションのグランプリ「夕張夫妻」や
メディアのグランプリ「キットカット」は素晴らしい。
フィルムでグランプリ紙一重だった「ラブ・ディスタンス」は、
確かに世界を驚かせた。それは十分わかっているのだけど。
……単に僕がネガティブなだけなのだろうか。

ところで帰りのエレベーターが1階に到着したとき、
ずっとボタンを押してくれた女性に誰ひとりお礼を言わなかった。
世界を狙うのなら、まず人として世界に通用しようよ。

あ、それから解説の河野さん、素晴らしいお話ありがとうございました!
でもアディダスの「別れ屋」って日本じゃなくてイギリスのCMでは?

第14回インタラクティブ塾

2009年09月14日 | 広告とか
…というセミナーに行ってきました。
来場者のほとんどが俺よりはるかに若い人たちで、
アンケートの年齢層区分の最高が「30代後半以上」…。
学校行事みたいな雰囲気もあったけれど、スピーカーは
一流どころの方たちで内容はとても充実していた。

ところで思ったのだけど、4マス媒体主体の従来の広告と
昨今のメディアニュートラル的コミュニケーションを見ていると、
プロレスとMMA(総合格闘技。Mixed Martial Artsから)の
関係に似ているような気がしてならない。

別にマッチョの大男でなくてもポイントを決めれば一本とれる。
お祭り騒ぎをしないでも、観客の方でどんどんのめり込んでくれる。
ねっ、(って言われても、だろーけど)結構似てるでしょ、
その関係性。誰かわかってくれないかなぁ。

ただ、プロレスにはプロレスの良さがあって、けれん味上等、
わかりやすく盛りあがろうってときにはアリなんですよ。
三沢の死後(涙)、初代タイガーマスクや復活した船木、
あらためて面白くなりそうなプロレスを見ていると、
旧マス媒体(あ、旧なんて書いちゃった)もまだまだ
生きる道があるんじゃないでしょうか。

今までのような無駄に美味しい時代は2度と来ないけれど
(それは自覚すべき)すべてが有機的に活用されてこそ
ホントのクロスコミュニケーションだと思うのでした。

で、誰か賛成してくれないかなぁ、
メディアニュートラルは総合格闘技だって説。



ソイジョイ in 海外

2009年04月02日 | 広告とか
ざっくり海外ってどこだよ!?っと仰る向きもいらっしゃるでしょう。
このCМを手がけた松尾さんは、オグルビー&メイザー、シンガポールオフィス。
そちらや近隣アジア諸国が対象なのでしょうか(正確なところは知りません)。

日本のオフィスを舞台としたこちらや、女性のダイエットをネタとしたこっちは、
トヨエツ、田中麗奈、そして新作では薬師丸ひろ子を起用した日本のものとは
また異なるテイスト。微妙な間合いを排除した、直球の面白さです。

今年のアドフェストのフィルム部門でも金賞を受賞した米焼酎「しろ」の
TVCMもそうなのだけど、氏の企画自体はある種のコント。
でもこれ、もちろん批判じゃなくて、敬意をこめてのコメントです。

わかりやすい、ということは、ベタに陥りやすいことなのだけど、
広告してすくっと立つ強さがなければ素人芸に過ぎない。
4コマ漫画的な話を、ダイヤを研磨するように磨きあげるその技が、
松尾ワールドを作っているのではないでしょうか。

ところで昨日どこかで見た「アボリジニを救った大豆」というテーマの
TVCM。ソイジョイのブランド広告、のつもりなのだろうか。
「SOYリューション ソイジョイ」(もちろんSolutionからだろう)
というコピーがなんか空々しい。どこに行こうとしているのだろう。

「ソリューションのための広告作り」の前に

2009年03月13日 | 広告とか
オリエンテーションで示される課題に応えるだけでなく、ブランドが抱えている問題自体を解いていこうという姿勢が、広告クリエイターの方にも強くなってきた。それは正しい。でも気になるのは、その制作側の環境や態勢。

シンプルな企画が、さまざまな「都合」や「事情」でねじ曲げられていく。キーとなるべき人間同士でコミュニケーションがとれていない。クリエイターは往々にして、いいアイデアを出せばすべて解決すると感がえがちだ。もちろん大切ですよ、アイデアは。でもそれを形にする智恵や推進力があってこそ、仕事として成立するのだ。

ソリューションを標榜する代理店やクリエイティブハウスは多いけれど、ちょっと見直して欲しい。まずソリューションが必要なのは、そのチーム自体ではないだろうか(自戒の念をこめて)。