国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
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そんな仮想の音楽喫茶

初心忘るべからず。ジャズの醍醐味は聴き分けにあり!

2011年11月15日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
僕がまだジャズを聴き始めてすぐに買ったアルバムである。

キャノンボール・アダレイの『クインテット・イン・シカゴ』

ジャズ入門者の僕にとって「キャノンボール」という得体の知れない名前が
妙に「オレってジャズを聴いてんだぞ」という優越感を与えてくれた。
何せあの頃はジャケットを見てはカッコイイと感じ、
ミュージシャンの難解な名前を覚えては、自分がカッコイイと思い込み、
アルバムタイトルを口に出して言ってみれば、
スラスラと言えることに「英語ができてるんじゃない?」的な勘違いを
犯すという具合だったわけだ。

ところが肝心の中身はどうなのか。
ジャズ入門者の陥りやすい「ジャズは大人の音楽」というイメージ先行型で
突っ走っていってしまい、結局その中身を十分に聴き取る耳を持っていないのは不幸だ。
このアルバムではキャノンボール・アダレイのアルト・サックスと
ジョン・コルトレーンのテナー・サックスの激しく交差し合い、
絡み合う音を味わうのが醍醐味になっている。
だが、入門者はここで思う。
「どっちがキャノンボール・アダレイ?」

つまりはアルトとテナーのサックスの聴き分けが難しいのだ。
コルトレーンのテナーは結構高い音が出ている。
ソニー・ロリンズのように「ボヘボヘ」という聴きやすい特徴的な音ではない。
ふっとするとアルト・サックスと間違えてしまうほどだ。
加えてジャズを聴き慣れていない僕は
結局いつ2人が入れ替わったのか分からないという始末だった。

今でこそキャノンボールとコルトレーンの聴き分けはできるのだが、
当所はこれにつまずき、マイルスの『カインド・オブ・ブルー』でも同様だった。
こればっかりは聴き込まないと分からない。
ぜひ、自分の耳で確かめてみてほしい。
どっちがキャノンボールでどっちがコルトレーンかを…

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