最初の1音が強烈だ。
ビル・エヴァンスの『ワルツ・フォー・デビィ』の
1曲目「マイ・フーリッシュ・ハート」。
一瞬の空白を溜め、静かに「ポン」(言葉にするとあまりにも軽すぎる!)と
ピアノの音が鳴る。
この絶妙な空間の味が分かるようになったのはつい近頃だが、
その1音が一瞬にして車中をニューヨークのヴィレッジ・バンガードへと変える。
車を動かす事さえも忘れてしまい、ジャケットを何度裏表に見返しただろうか?
2曲目のタイトル曲では最初は1曲目とつながるようにスロースタートでありながら、
途中からテンポが上がっていく。
「おお、これがジャズか!」などと分かったようになってはいけないが、
『ジャズ・スタンダード集』に比べてみれば、その差は歴然であり、
それこそが僕に「ジャズ」という言葉を完璧に意識させるものとなった。
誤解のあるといけないのだが、
これはあくまでも振り返ってのことだから、
初めての時はただただ「おお、聞けるじゃん」という安直な感動だったに過ぎない。
同時に不思議も生まれた。
ドラムの音が「シャラシャラ」しているし、
ベース、スコット・ラファロと書いてあってもどこで演奏しているのか分からない。
しかも「+4」とかいう訳の分からない足し算まである。
CD時代を生きる僕にとって60分という長時間の演奏は当たり前のように思えたが、
それでも60分通して聴くのは結構ツライ。
これらのことは徐々に解決されていくことになるが、
僕の思った不思議はジャズ入門者にとっては当然の疑問となってくるものだとも知った。
その帰り道である。
今は無くなってしまったが隣町の本屋でたまたまジャズの本を見つけた。
後藤雅洋氏の『ジャズ完全入門』(宝島新書)。
これを書くために読み直してみたが内容は結構ハードルの高いものだと思う。
飛ばし読みになってしまったが、
これを買った当所はその言葉一字一字を読み飛ばすものかと
必死になって繰り返し読んだ。
すぐに分かったわけではない。
でもこの本が僕にジャズという音楽の枠組みを教えてくれ、
そして僕の中に完全にジャズという音楽を根付かせてくれた。
安直に「ジャズ」というイメージの音楽だけではなく、
フュージョンであろうが、ジャズ・ロックであろうが、スイングであろうが、
ビ・バップであろうが、ハード・バップであろうが、
ありとあらゆる音楽を自分の耳で楽しむという
いわゆる「趣味として音楽」を楽しむ方法を教えてくれた本でもある。
もちろんジャズについて何もかもすぐに分かったわけではない。
今もよく分からないことはたくさんあるし、
僕以上に詳しい人はいっぱいいるだろう。
だから毎日ジャズを聴く喜びに溢れている。
僕のジャズ歴史物語は続いていく…
ビル・エヴァンスの『ワルツ・フォー・デビィ』の
1曲目「マイ・フーリッシュ・ハート」。
一瞬の空白を溜め、静かに「ポン」(言葉にするとあまりにも軽すぎる!)と
ピアノの音が鳴る。
この絶妙な空間の味が分かるようになったのはつい近頃だが、
その1音が一瞬にして車中をニューヨークのヴィレッジ・バンガードへと変える。
車を動かす事さえも忘れてしまい、ジャケットを何度裏表に見返しただろうか?
2曲目のタイトル曲では最初は1曲目とつながるようにスロースタートでありながら、
途中からテンポが上がっていく。
「おお、これがジャズか!」などと分かったようになってはいけないが、
『ジャズ・スタンダード集』に比べてみれば、その差は歴然であり、
それこそが僕に「ジャズ」という言葉を完璧に意識させるものとなった。
誤解のあるといけないのだが、
これはあくまでも振り返ってのことだから、
初めての時はただただ「おお、聞けるじゃん」という安直な感動だったに過ぎない。
同時に不思議も生まれた。
ドラムの音が「シャラシャラ」しているし、
ベース、スコット・ラファロと書いてあってもどこで演奏しているのか分からない。
しかも「+4」とかいう訳の分からない足し算まである。
CD時代を生きる僕にとって60分という長時間の演奏は当たり前のように思えたが、
それでも60分通して聴くのは結構ツライ。
これらのことは徐々に解決されていくことになるが、
僕の思った不思議はジャズ入門者にとっては当然の疑問となってくるものだとも知った。
その帰り道である。
今は無くなってしまったが隣町の本屋でたまたまジャズの本を見つけた。
後藤雅洋氏の『ジャズ完全入門』(宝島新書)。
これを書くために読み直してみたが内容は結構ハードルの高いものだと思う。
飛ばし読みになってしまったが、
これを買った当所はその言葉一字一字を読み飛ばすものかと
必死になって繰り返し読んだ。
すぐに分かったわけではない。
でもこの本が僕にジャズという音楽の枠組みを教えてくれ、
そして僕の中に完全にジャズという音楽を根付かせてくれた。
安直に「ジャズ」というイメージの音楽だけではなく、
フュージョンであろうが、ジャズ・ロックであろうが、スイングであろうが、
ビ・バップであろうが、ハード・バップであろうが、
ありとあらゆる音楽を自分の耳で楽しむという
いわゆる「趣味として音楽」を楽しむ方法を教えてくれた本でもある。
もちろんジャズについて何もかもすぐに分かったわけではない。
今もよく分からないことはたくさんあるし、
僕以上に詳しい人はいっぱいいるだろう。
だから毎日ジャズを聴く喜びに溢れている。
僕のジャズ歴史物語は続いていく…
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