ととじブログ

書きたい時に書きたい事を書いている、あまり統一感の無いブログです。

マリー・アントワネット/Marie-Antoinette

2020-01-07 22:31:28 | 映画/ドラマ
マリー・アントワネットの贅沢三昧と乱痴気騒ぎがフランスの国家財政を傾け、フランス革命の引き金になったという見方があるが、そうではないと思う。仮に財政難の原因になったとするならば、マリー・アントワネットが贅沢したからではなく、それを巧妙に利用できるような利権がすでに宮廷の奥深くまで侵食し財政を蝕んでいたから、と考える方が妥当ではないだろうか。

映画では、そこまでの主張はしていないものの、国王の愛人やくだらないしきたりを描写している。
フランス国家機構の腐敗、疲弊を象徴しているものと考えていいだろう。

修復不可能なまでに肥大化した利権と腐敗と疲弊。
そして、アメリカ独立戦争への支援や派兵による財政難。
おまけに夫はまともな夫婦生活を営めないおとこ。

異国から嫁いできた若いマリー・アントワネットにいったい何ができるというのか?
と、監督のソフィア・コッポラは言いたかったのか。
あるいは、そんなこを言うつもりは全くなかったのか。
どうなんだろうか?

話す言葉は英語だし、音楽はポピュラーだし、様々な装飾はポップアートのように見える。
仮面舞踏会はまるでカウンターカルチャーの集会のようなノリ。
フランス革命前の緊迫感は感じられないし、ましてや舞台がフランスだとも思えない。

それでも、軽やかさと、美しい色彩が心地良く、観ていて飽きない。
そして、マリー・アントワネットってこんな感じだったのかも知れないなと思わせる、妙な説得力があった。