今週はどうも菜種梅雨といったような、ぐずついたお天気となりそうです。
ということで、春の雨にふさわしい、有名な一首を。
くれなゐの二尺伸びたる薔薇の芽の針やはらかに春雨のふる
「写生」を唱えた子規らしい歌ですね。
まず、「くれないの」と、色が提示されるところは、デュフィがいくつかの絵で、色彩がはじめにとらえられ、輪郭がその後についてくるように描いたということを思い浮かべます。
そして、「二尺伸びたる薔薇の芽」は、中距離の視点から観察されたものであり、次に、「針」という細部がクローズアップされるとともに、「やはらか」という触覚(実際は視覚ですが)が織り込まれて、最後の「春雨のふる」で、全景があらわれる、というカメラワークが行われていると見るのは言い過ぎでしょうか?
「の」の繰り返しがリズムを作って、記憶に残る鮮やかな一首です。
岩波文庫『子規歌集』などで。
ということで、春の雨にふさわしい、有名な一首を。
くれなゐの二尺伸びたる薔薇の芽の針やはらかに春雨のふる
「写生」を唱えた子規らしい歌ですね。
まず、「くれないの」と、色が提示されるところは、デュフィがいくつかの絵で、色彩がはじめにとらえられ、輪郭がその後についてくるように描いたということを思い浮かべます。
そして、「二尺伸びたる薔薇の芽」は、中距離の視点から観察されたものであり、次に、「針」という細部がクローズアップされるとともに、「やはらか」という触覚(実際は視覚ですが)が織り込まれて、最後の「春雨のふる」で、全景があらわれる、というカメラワークが行われていると見るのは言い過ぎでしょうか?
「の」の繰り返しがリズムを作って、記憶に残る鮮やかな一首です。
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