小品日録

ふと目にした光景(写真)や短篇などの「小品」を気の向くままに。

志賀直哉 「剃刀」

2005-12-30 23:57:11 | 小説
書き入れ時に、床屋の主が風邪で寝込んでいたところ、剃刀を研いでくれとの依頼が来る。
無理をして研ぎにかかるが、うまくいかず、店まで出てきて作業をしていると、客がやってきて、髭を剃ることになってしまう。
疲れ切って剃り続けていると・・・。
どうしようもない程、心と体が磨り減ってしまうと、こんな風に追いつめられてしまうこともありそうだと、恐ろしく想像されます。
新潮文庫「清兵衛と瓢箪・網走まで」で、11ページ。
これとは全く異なりますが、尾辻克彦「肌ざわり」(河出文庫)は、床屋に髭を剃られる恐怖を客の側からユーモアたっぷりに描いています。
清兵衛と瓢箪・網走まで

新潮社

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肌ざわり

河出書房新社

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