飛ばし飛ばしで読了。
医療という緊急性を要する場合が多々ある場合、
設計思想(かっこよくいけばアーキテクチャ)を
じっくりことこと煮込んだスープのように、考えることは
なかなか難しかったのだろう。
じっくり、考えていると、せちがらい世の中では
さぼっているように思われる場合もあり、なかなかツライところ。
いま思いついたが、営利企業の場合であれば、製造業の原価企画のように、
設計時点で、制約条件に出来るだけ配慮しながら、
品質とコストのバランスのベターチョイスで製品をつくることになるが、
医療の場合は、そもそも『制約』を認識することに、人間の認識したくない
という『抵抗』があるだろうし、困難な場合も多い。
しかし、ここまで経済的な意味での制約や、医療従事者のマンパワーの
制約など、制度の構造的な問題だとしても、『どうにもならない』制度
の『慣性』が強いのだから、医療の中で『節約』できそうなものについては、
『制約』という考え方を取り入れないといけないのかもしれない。
前ふりが長くなったが、この本では、医療の質の向上と、資源消費量の削減は、
相反しない結果もあるし、両者を『価値企画』では達成できるという結果で、
納得もいく。
しかし、入院部分の質を高めても、外来部分と密接に関連しており、
両者含めての『価値』の検討が難しいだろうというのが頭に残る。
あと、医療福祉複合体となると、上記の難しさと同様に、さらに難しい。
あと、なんといっても、医療従事者と、事務職員の連携が、
『医療サービス価値企画』のキモであると感じる。