アロマテラピー学習ブログ

http://www.aromakankyo.or.jp/license/text.html
参照。

皮膚感覚

2008-03-24 15:54:13 | 解剖生理学(皮膚)
皮膚感覚とは、触覚、痛覚、温度覚など、主に皮膚に存在する受容細胞によって受容され、体表面に生起すると知覚される感覚のことを指す。深部感覚などとあわせて体性感覚と呼ばれることが多い。

皮膚感覚: 皮膚及び粘膜の感覚を皮膚感覚と言う。皮膚感覚はさらにいくつかの感覚に分類されている。皮膚にはこれらの感覚を感じる非常に小さい器官(受容器:感覚の入り口)がモザイク状に分布している。たとえば、指先には1平方センチあたり約1500のマイスナー小体、約750のメルケル触板、約75のパチーニ、ルフィニ小体がある。たとえば手の甲を鉛筆のような先の尖った物で押してみると痛いと感じる場所と感じない場所がある。痛いと感じる場所には痛覚の受容器がある。古典的には下記の様な分類がある。

触覚や圧覚の生理的基盤としては、圧力の変化に対して応答する細胞が主たるものとして考えられている。圧力に反応する細胞には数種類あり、主に圧力がかかって反応し始めてから、順応して反応しなくなるまでの時間特性が異なる。順応が早い細胞は圧力がかかり続けている状態では反応しないため、圧力の変化や振動があるときにのみ反応する。順応が遅い細胞は持続的な圧力の存在に反応する。
クラウゼ小体
圧覚や触覚、冷覚を司る求心性神経終末の1つ。Krause小体とも表記される。哺乳類では真皮、結膜、口腔、鼻腔粘膜下に存在し、楕円形あるいは球形の構造を持つ。
マイスナー小体
圧力に対し速やかに順応し、振動などによく反応する。主に表皮下層に分布する。
パチニ小体
圧力に対し非常に速やかに順応し、振動などによく反応する。真皮下層や皮下組織に分布する。
メルケル触盤
圧力に対し遅く順応し、持続的な皮膚への圧力によく反応する。主に表皮に分布する。
ルフィニ終末
圧力に対し遅く順応し、持続的な皮膚の変形などによく反応する。主に真皮に分布する。
自由神経終末

・触覚(何かが触れている感覚):メルケル触板、 マイスナー小体、ルフィニ小体、自由神経終末
・痛覚(痛いという感覚):自由神経終末
 痛み・かゆみの刺激を感受する。痛覚の感覚点は身体に最も多く分布している。指先、角膜、鼓膜、歯髄などが特に敏感である。疲労している時は痛みに対して敏感になる。
・圧覚(押されている感覚):ルフィニ小体、 パチーニ小体、自由神経終末
 重さを感じる。
・温覚(暖かいという感覚):自由神経終末、ルフィニ小体
・冷覚(冷たいという感覚):自由神経終末

実際には、これらの感覚は単一種の受容器で受容されるのではなく、複数種の受容器で認識されると考えられている(複特異性)。

多くの神経線維が複数の刺激に対応して脳に興奮が伝わると考えられている。。

感覚受容器に入った感覚シグナルは感覚繊維を通って中枢へ伝達される。

立毛筋

2008-03-24 15:30:10 | 解剖生理学(皮膚)
外毛根鞘と真皮上層との間に存在する平滑筋束であり、収縮によって毛は垂直方向に立って周囲の毛孔部はやや隆起する。これがいわゆる鵞皮もしくは鳥肌である。アドレナリン作動性の交感神経に支配される。別名、起毛筋(きもうきん)

寒冷ストレス、恐怖、驚きなどの情緒性ストレスでも収縮したり、体温上昇時においても悪寒戦慄と同時に鳥肌が生じることもある。自分の意思では動かせない。

毛の発生に重要な役割を果たしているという説もある。

毛の構造

2008-03-24 15:27:43 | 解剖生理学(皮膚)
毛は図のような皮膚の組織の一部として存在している。掌と足の裏を除く殆どの部分に毛が生えている。
毛には、皮膚の保護機能、体温を保つ機能、知覚機能などさまざまな役割があるが、人間の生活環境の変化に伴って、あまり重要な役割を持たなくなってきた。

◆毛の構造
【毛球】
毛の発育で最も重要な部分が根っこの部分である毛球部。ここで毛母細胞は活発に細胞分裂を繰り返し、分裂するとともに上方に移動して毛を伸ばしていく役割を果たしている。脱毛は毛球の細胞分裂が停止して角質化し、毛根が毛乳頭から離れて毛包と共に上方に移動することによって起こる。

【毛乳頭】
毛球の最下端にあり、血管に富んでいる。

【毛管】
皮膚表面から外に出ている部分。

【立毛筋】
鳥肌が立つというのは、立毛筋があるためである。自分の意思では動かせないが、気温や環境によって毛を立たせたり寝かせたりする役割を持っている。毛の発生に重要な役割を果たしているという説もある。

【エクリン腺とアポクリン腺】
全身に分布するのがエクリン腺で、腋の下や陰部などの特定部位に分布する汗腺がアポクリン腺である。腋臭や体臭の主な原因はアポクリン腺から出る汗が最近に分解されたときに発生すると言われている。

皮脂膜・汗腺・皮脂腺

2008-03-24 14:54:44 | 解剖生理学(皮膚)
 皮脂腺から分泌される皮脂(油分)と汗腺から分泌される汗(水分)が混ざり合って出来たpH5.2~5.8の弱酸性の皮脂膜で皮膚表面は覆われている。

◆皮脂膜
 皮膚表面をなめらかにし、水分の蒸散を防ぐと同時に、うるおいを保ち、外部刺激から肌を守る。
 また、弱酸性を保っているので、有害な細菌の繁殖を抑える働きもある。季節や環境などの影響により皮脂膜が作られにくくなると、皮膚表面はアルカリ性になり抵抗力が鈍くなり、湿疹やかぶれを起こしやすくなる。
 皮脂が多く出過ぎるとバランスが崩れアルカリ性に傾き殺菌力が弱まる。


◆汗腺
 汗を分泌する汗腺は、真皮の深層から皮下組織にあり、エクリン腺(小汗腺)とアポクリン腺(大汗腺)の2種類がある。
 エクリン腺は毛と関係なく存在する汗腺で、全身に分布している。全身に200~500万個あり、手のひら、足の裏に多く、大量の水分を分泌し体温調節に関与する。
 アポクリン腺は、腋の下や乳首のまわり、外陰部などの特定の部分にだけあり、毛包上部に開口している。体臭に関与する汗腺で、体温調節には関与しない。

◆皮脂腺
 皮脂を分泌する皮脂腺には、毛包上部に開口し、手のひらと足の裏以外の全身にある皮脂腺と、乳房・口唇・肛門付近に直接開口する毛包に付属しない独立皮脂腺がある。男性ホルモンは皮脂の分泌を促し、女性ホルモンは制御する。男性は50歳を過ぎると、女性は35歳を過ぎると皮脂の分泌は衰えていく。

角質器

2008-03-24 14:46:33 | 解剖生理学(皮膚)
角質器とは表皮が 角質化した器官。人体においては、毛・爪。

毛は、皮膚から出ている部分を毛幹、皮膚に入っている部分を毛根という。毛根の下端の毛球には、毛母細胞、色素細胞、毛乳細胞があり、毛乳頭に血管がつながっている。その血管から栄養を受け取った毛母細胞が分裂し、色素細胞が色素を供給して毛を作り、成長する。細胞分裂が止まって角化し、脱毛するまでの寿命(ヘアーサイクル)は、頭髪では3~6年、眉毛では約100日である。毛は皮膚の保護や感覚に役立つ。

爪は、皮膚に隠れている部分が爪根(そうこん)、外に出ている部分を爪甲(そうこう)といい、爪根にある爪母基で増殖して成長する。皮膚から出たところの半月は、新生して角化がまだ不十分な爪である。爪は手足の指先を保護し、物をつかんだり、小さい物体を操作するうえで重要な役割を果たす。

コラーゲン(膠原繊維)とエラスチン(弾性線維)

2008-03-24 14:33:53 | 解剖生理学(皮膚)
真皮の線維成分にはコラーゲン(膠原繊維)とエラスチン(弾性線維)の2種類がある。

量的に多いのはコラーゲン(膠原繊維)で主成分はコラーゲンというタンパク質で、じつに真皮の75%がこのコラーゲンである。コラーゲンは線維芽細胞という細胞から新しく作り出される。そして古くなったものは酵素などで分解されていく。

コラーゲンの新陳代謝は非常にゆっくりとしたもので、真皮のコラーゲンが代謝するのに、約2~6年かかるといわれている。

そして、このコラーゲンの代謝が行われるのは40代ぐらいまでで、それ以降はほとんど新しく作られない。

コラーゲンは、人体の中では、肌だけではなく、筋肉や骨、内臓などいたるところにあり、体の総タンパク質の3分の1以上を占めている。

長く紫外線を浴びると角質層は厚くなり、弾力性を保つ真皮のコラーゲンが破壊・黄色変性し、しみやしわとなる。

また、コラーゲン(膠原繊維)の間にはエラスチン(弾性線維)があり、その主成分はエラスチンというタンパク質である。コラーゲン(膠原繊維)と弾性線維(エラスチン)がうまく組み合わさって、バネのような構造で真皮にハリを与えている。年齢とともに、このバネの構造がゆるんでくると皮膚は弾力を失いシワやたるみが発生する。

ビタミンCは、コラーゲンの生成・維持に有効である。

エラスチンは、皮膚の真皮・靱帯・腱・血管壁など伸縮性の必要な器官に広く分布する。エラスチンとコラーゲンとはほぼおなじ部位に存在し、共に皮下の柔軟組織を構成している。紫外線や活性酸素、ストレスなどがこの柔軟組織を壊していくといわれている。エラスチンを多く含む食べ物は、牛すじ肉、手羽先、軟骨、煮魚などがあり、柔軟組織は睡眠中に再生されるので、これらの食べ物はなるべく夜間に摂るのが適している。

セラミド

2008-03-24 14:04:30 | 解剖生理学(皮膚)
セラミドは皮膚の角質層で細胞と細胞の間を埋めている主要成分。

セラミドは皮膚の保湿機能の改善や水分の蒸発、外部からの刺激や細菌・ダニ・ほこりなどの抗原(アレルギーの原因になるもの)の進入を防ぐ働きがある。そのため、セラミドはドライスキンや肌トラブルを防ぎ、うるおいのある健康な肌を保つ。また、セラミドはメラニンの合成を抑え、シミ・シワを防ぐといわれており、肌の健康に重要な役割を果たすことが報告されている。

セラミドはクリームや乳液、ローションなどの化粧品に多く利用されている。また小麦、大豆、キビ、ほうれん草、米などに含まれており、食品としてもヨーグルト、ゼリー、ケーキなどの焼き菓子にも利用されている。

最近の研究では、肌の老化やアトピー性皮膚炎によって起こる、カサつきや肌荒れの時、セラミドが不足していることが確認されており、免疫賦活作用、抗腫瘍作用、神経細胞活性化作用などの美肌以外の効果も研究が進められている。

メラニン

2008-03-24 13:55:27 | 解剖生理学(皮膚)
メラニン (melanin) は、皮膚が日光に当たることで生成される色素で、紫外線から細胞や皮膚を守る働きがある。また、メラニンの量で肌の色も決定される。

メラニン色素ともいい、黒褐色のユーメラニン(真性メラニン)と、橙赤色のフェオメラニン(亜メラニン)の二種類がある。皮膚の表皮最下層の基底層や毛髪の毛母などにあるメラノサイト(色素細胞)で生成される。

メラノサイトはメラニンを生成する工場的な機能があるのみで、メラニンを貯蔵する細胞ではない。メラニンは蛋白質と固く結合しており、微細な顆粒状をしているが、その生成過程は複雑である。

メラニンのルーツは、アミノ酸の一つであるチロシンである。このチロシンにチロシナーゼという酸化酵素が働き、ドーパという化合物に変わる。更にチロシナーゼはドーパにも働きかけ、ドーパキノンという化合物に変化させる。ドーパキノンは化学的反応性が高いので、酵素の力を借りる事なく次々と反応していく。ドーパクロム、インドールキノンへと変化し、最終的には酸化、重合し、黒褐色のメラニンとなるが、構造は大変複雑であり、表記は難しい。メラニンは水や全ての有機溶媒に不溶で、きわめて安定である。

なお、遺伝的にメラニンが合成されない個体をアルビノといい、こうした個体は皮膚がんになりやすい。メラニン色素がないと紫外線を吸収できないので、太陽光線による細胞のダメージを防ぐ事ができないためである。

ビタミンCはメラニンを合成する早期の段階で働くチロシナーゼという酵素の働きを阻害する。
さらに、いったん合成されたメラニンはビタミンCによって脱色される(メラニン色素を淡色化する「還元作用」がある)。
このようにビタミンCはメラニンを抑制する2つの作用点がある。ビタミンPはビタミンCによるこの明確なメラニン抑制メカニズムを顕著に増殖する。

ケラチノサイト

2008-03-24 13:26:51 | 解剖生理学(皮膚)
 表皮は、主として角化細胞(ケラチノサイト)と呼ばれる細胞から構成されていて、一番内側から「基底層」「有棘層」「顆粒層」「角層」に分かれている。

 ケラチノサイトは、未熟な基底層の細胞からどんどん外側に移動してゆき、その過程で「角化」と呼ばれる細胞分化を起こしながら最終的に核のない死んだ細胞である角層細胞まで分化し、外界に垢となって脱落していく。

 垢と言えば何の役にも立たないものかと思いがちだが、そんなことはなく、角層細胞とその集合体である角層は、生体にとって必要不可欠なものである。

 もし、角層がなければ人間は体の水分を失い、生命活動に必要な恒常性を保てなくなってまもなく死んでしまう。

 強い紫外線を浴びると、ケラチノサイト(皮膚の主たる細胞)が刺激されてメラノサイト刺激ホルモンを産出し、これが基底層のメラノサイトに作用すると色素が作られていく。

 ビタミンEは表皮のケラチノサイトでメラニンの産生を促す活性酸素ができるのを抑え、メラニンの増加を間接的に抑える。 

ケラチン

2008-03-24 13:15:55 | 解剖生理学(皮膚)
ケラチンは18種類のアミノ酸から構成されている、細長い繊維状のタンパク質。毛髪や皮膚の角質層、爪などを構成しているが、それぞれのケラチンによりアミノ酸の組成には違いがある。毛髪や爪は硬ケラチン、皮膚の角質層は軟ケラチンと呼ばれている。


NMF(Natural Moisturizing Factor)

2008-03-24 12:27:00 | 解剖生理学(皮膚)
 人間自身がもともと持っている皮膚の保湿成分で自然(天然)保湿因子ともいう。角質層、角質細胞の中にあり、水を吸収し、保持する物質のこと。

 NMFはいくつかの成分からなっており、主な成分は、アミノ酸類(39%)、乳酸、尿素、クエン酸塩などで、いずれも水分をかかえこむ力がある。このためNMFは角質層の水分を保持する働きをもち、肌をみずみずしく保つという重要な役割を果たしている。

 このNMFがあるため、角質層は外部の水分を吸収し、貯えることが出来る。
NMFは角質細胞がターンオーバー(新陳代謝)の途中で壊されてできるのだが、(NMFは角質細胞内に存在している)何らかの理由で(アトピーや化粧品に含まれるアブラ成分など)ターンオーバーの速度が早くなると、角質細胞が壊される暇がなくなり、角層中のNMFが減少してしまう。その結果、皮膚が乾燥してカサカサになってしまう。
 
 モイスチャーバランスの要(かなめ)の役割を果たしているのがこのNMFである。新陳代謝に影響を与える睡眠不足、過労、化粧品など、さまざまなマイナス要因でNMFは新陳代謝が悪くなることによりに減少する。加齢、アトピーなどでもNMFが減少することが知られている。NMFが減少すると角質層は水分保持能力を失い、乾燥した環境におかれると水分を簡単に失ってしまう。

 ドライスキンだからと単純に水分を補っても、NMFの減少でモイスチャーバランスがくずれていると、かえってマイナス効果。乾燥した環境で顔がかさつくからといって、ただの水を吹き付けても、その時はしっとりしても、しばらくするとかえって顔がつっぱってしまうのはそのためである。

角化とターンオーバー

2008-03-24 12:18:33 | 解剖生理学(皮膚)
表皮をつくっている細胞の中で最も多く占める細胞ををケラチノサイトという。一番奥にある基底層でケラチノサイトは、細胞分裂をくり返し、新しい細胞をつくりだしている。

ここでひとつのケラチノサイト(基底細胞)を見てみると、まず、基底層にあるケラチノサイトはおよそ13日に一度2つに分裂し、その1つが1つ外の層(有棘層)に行き、残った細胞は、基底層でまた2つに分裂する。

古くなった細胞は上へ押し上げられ、
その間に[角化]する。

[角化]とは、基底細胞が上に行くに従い有棘細胞、顆粒細胞と名前と形を変え、14日かけて角質層に到達し、細胞核を失いケラチンというタンパク質をつくり、
細胞自身が、丸ごとケラチンに置き換わってしまう状態をいい、
皮膚の表面を守ろうと、丈夫なかたちに変化していくことである。

こうして、
皮膚の表面を保護するために変化した細胞が
集まって、「角質」となる。
角質は、
皮膚表面で外部の刺激から肌を守るバリアの役割を
果たしているが、平均14日留まり、やがて垢となってはがれ落ちていく。

こうした一連の胚芽細胞の活動、
新しい細胞が生まれてから垢となって剥がれ落ちていくまでの期間を「ターンオーバー」という。

ターンオーバーして表皮細胞が入れかわるのに、
普通約28日間かかり、
だいたい、細胞が1個分裂すると
角質のうち細胞の1個分がはがれ落ちる計算になる。

このようにして、
皮膚は
28日周期で生まれ変わっている。

基底細胞の分裂サイクルが狂ったり古い角質がいつまでも剥れ落ちなかったりしてターンオーバーのリズムが崩れると皮膚のコンディションが悪くなる。

ターンオーバーのリズムには食事や睡眠なども大きく影響する。十分な栄養と休息がないと細胞もうまく育たない。肌を美しく保つには正しい生活習慣が重要である。


皮下組織

2008-03-24 11:18:13 | 解剖生理学(皮膚)
中胚葉由来。
皮膚の最下層が皮下組織で、皮膚とその下にある筋肉や骨との間にあたる部分。
外力が加わった際その衝撃を和らげるためのクッションの役目をしており膠原線維と弾力線維が交錯して粗い網を作り、間を脂肪細胞が満たしており、皮下脂肪組織とも呼ばれ、保温、保護、カロリー(栄養)保存などに役立つ。繊維性結合組織
疎性結合組織から成り、真皮に徐々に移行し深材する筋膜や骨膜とゆるく結合している。
体の部位・栄養状態・年齢により厚さが変わる。
思春期以降の女性は特に発達する。

エクリン汗腺
皮膚表面から汗(大量の水分)を分泌。体温調節、その仕組みは水が水蒸気となる時に必要とする気化熱を利用する。汗という水蒸気をだして気化熱を使い、余った体温を外へ捨てる。表皮に適度な湿度を与える、pH調節(pH3.5~5.5)、老廃物の排泄。
アポクリン汗腺
哺乳類の芳香腺の退化したもの。思春期とともに急激に発達し、その匂いは性的刺激となる(細胞がちぎれて混じるため匂いを生じる)。 液窩・乳房・外陰・会陰・肛門に存在する。排泄管は毛包漏斗部に開口。
脂腺
排泄管は毛包(毛穴)内に開口し、アポクリン汗腺からの汗と混ざって、1秒間に0.1~2μg/cm3の 脂質が排泄され、皮表膜を作り、皮膚の乾燥を防ぎ、殺菌、排泄などを行う。手のひら、足の裏にはない。乳房、口唇、肛門周辺などには独立脂腺がある。

・毛包
毛根を鞘状に取り込み。毛根を保護し、毛の伸長の通路となる。

・毛
毛包中に位置するし皮下4mm位下毛球部があり毛母細胞が細胞分裂をして角化(細胞が死んで角質細胞となる事)して繊維状につながり皮膚表面上に出る。体表面を保護する。毛の成長:0.2~0.4mm/day

・その他
知覚器官(冷たい・触られた・温かい・痛い・圧迫感などの刺激を皮膚で捕らえて脳へ知らせる。)毛細血管など

真皮(結合組織層)

2008-03-24 10:52:45 | 解剖生理学(皮膚)
中胚葉由来。真皮は表皮の数倍の厚さがある。
表皮を下から支える真皮は水分を多く含み、コラーゲン(膠原繊維)エラスチン(弾性繊維)、これらの間を埋める基質からなる密生結合組織の層。また真皮は乳頭層(毛細血管が入っている血管乳頭知覚神経の週末が入っている神経乳頭 /マイスネル触覚小体が入っている)と網状層に分かれている。細胞成分は、線維芽細胞、組織球・マクロファージ、肥満細胞、形質細胞

乳頭層
表皮の基底層と接しており(表皮突起間に食い込む部分)、細かな結合線維と毛細血管から成り立っている。この部分には水分が多く含まれ、皮膚の表面のハリを与えている。
乳頭下層
表皮突起下端より下方で真皮上層の一帯。脈管、神経系の多い部分。
網状層
皮の大部分を占め結合線維が密に網目状に並んでおり、皮膚の運動を司る重要な役割を果たしている。網状層の主な成分であるコラーゲン(90%)は、一定の規則で配列され、エラスチンはコラーゲンの継ぎ目にあたる部分に存在し皮膚の弾力に関わっている。その他水分保持力の強いヒアルロン酸で満たされている。網状層下方は皮下脂肪組織に接する。

表皮(上皮細胞層)

2008-03-24 10:23:11 | 解剖生理学(皮膚)
表皮には血管はない。年とともに薄くなる。外胚葉由来。
基底層(きていそう)
  表皮の細胞を作るところ。その細胞は細胞分裂しながら上に移動していく。 表皮の最下層にあり、真皮とは波形になって接している。ケラチノサイト(基底細胞)は、立方体~円柱状細胞1層(一列に並ぶ単層構造)からなり、数個おきにメラノサイト(melanocyte;メラニン生成細胞)が点在する。紫外線があたる等のことでメラノサイトからメラニン色素が生成される。真皮の毛乳頭の毛細血管から栄養を補給され常に細胞分裂を行い細胞の新生、増殖を繰り返している。
有棘層
  分裂した細胞が棘をもつ。多角形の有極細胞が石垣のように約5-10層積み重なるデスモゾーム構造という非常に強固な結合構造。知覚神経のメルケル触覚小体や自由神経終末(痛覚)などがある。表皮の中で一番厚い層。組織(リンパ)液が流れていて栄養をはこぶ。知覚神経が達しているのはここまで。
顆粒層(かりゅうそう)
  細胞にいちごのようなつぶつぶがつく。1~3層の扁平な細胞からなり、ケラチンパターンの引き金や保湿作用や紫外線に防御作用を示すタンパク質を作り出す誘導体に変化する。ガラス質で紫外線屈折。細胞質に塩基好性のケラトヒアリン顆粒をもつ。
淡明層
  細胞核を失って活動を終えた透明な層になる。手掌と足の裏のみに見られる何層にもなった透明の層。
角質層(かくしつそう)

  透明な層が板のようになって重なり合う。核のない細胞の層(細胞は角質層で無核になって角質=ケラチンに変化する)である。水をはじき、傷などのない正常な状態ではほとんどの細菌やウイルス、その他の異物が体内に侵入するのを防いでいる。 無核、扁平。板状の角質細胞が層状に密に重積。ケラチン(keratin;硬タンパク質の一種)を含む。硫黄を含むたんぱく質でできている。 表皮のターンオーバー機能によって徐々に押し上げられ有棘細胞・顆粒細胞へと形を変え最後には蛋白質からできた硬い角質細胞となる。平均4週間で上の層から剥がれていく(→垢、フケなど)。手掌足底は厚い。
 角質層の中にあるNMF(天然保湿因子)は水分を保つ働きがあり、角質層の内部の潤いを保っている。角質細胞内においてはNMFが水分をつなぎとめ、角質細胞と角質細胞の間では細胞間脂質が水分を挟み込んでいる。これらの水分を皮膚表面から逃さないように皮脂膜が薄いシールとなって覆っているというのが、角質層の水分保持のメカニズムである。この、NMFと細胞間脂質そして皮脂膜の三つの働きのいずれかが支障をきたすと、肌はみずみずしさを失い、かさついてしまう。NMFの大部分は角質細胞内にある。吸湿性が極めて高く、しかも一度とらえた水分をなかなか離さないという性質を持っている。NMFは単一の物質ではなく、アミノ酸を中心とした複合体である。吸湿性に優れた水溶性の成分だが、角質細胞の周囲に存在している脂質に囲まれ守られているため、水に溶けて流出してしまうことはない。ただ、強力な洗浄などによる過度の脱脂によって、この脂質が破壊されてしまうとNMFは急速に減少してしまう。皮膚の保湿能力が衰え、みずみずしさは失われることになる。