アロマテラピー学習ブログ

http://www.aromakankyo.or.jp/license/text.html
参照。

妊娠までのプロセス

2009-01-26 15:43:13 | 解剖生理学(身体の発生)
排卵、受精、着床がスムーズに進行しなくては妊娠できない。
妊娠は簡単のように見えて実はそこには複雑なメカニズムが存在する。

    ①排卵が起こる
生命の誕生は、精子と卵子の運命的な出合から始まる。無事、精子と卵子が出合い受精に成功して、受精卵が子宮内膜にしっかり着床したとき、始めて妊娠が成立する。
妊娠の成立には、受精と着床が不可欠である。月経のころになると、視床下部からGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)が分泌される。
分泌されたGnRHは下垂体に作用して、下垂体からFSH(卵胞刺激ホルモン)が分泌され、卵巣内にある5~6個の発育卵胞が成熟し始める。
これらの卵胞は、血液中にエストロゲン(卵胞ホルモン)を分泌し、これによってFSHの分泌はストップする。このとき、発育卵胞の中から、たった1個の卵胞が選ばれ(主席卵胞の選別)、他の卵胞は発育が止まってしまう。選ばれた卵胞はその後も発育を続け、この卵胞から分泌されるエストロゲンがピークに達したとき、下垂体から排卵を促すLH(黄体ホルモン)が多量に放出される(LHサージ)。
その刺激によって卵胞をおおっていた膜が破れ、卵子が飛び出し、排卵となる。

    ②子宮内膜の準備が始まる
排卵が起こると、卵巣に残された卵胞の組織黄体になり、プロゲステロンが分泌されるようになる。このプロゲステロンはエストロゲンと強力をして、子宮内膜を厚くやわらかくし、受精卵が着床できるように準備を始める。
妊娠成立後、黄体は妊娠黄体となり、妊娠8~10週ごろまで機能するが、妊娠しなかった場合は月経黄体となり退縮し、プロゲステロンも低下して子宮内膜がはがれ、月経になる。

    ③卵子は卵管で精子を待ち、精子は自力でたどりつく
卵巣から排出された卵子は、卵管采から卵管膨大部へとゆっくり運ばる。ここで精子の到着を待つ。
一方の精子は、1回の射精で1~3億個排出されるが、膣内が強い酸性になってるため、半分ぐらいはすぐ死んでしまう。
それをなんとかクリアした精子は、しっぽのよな尾部を動かして自力で子宮内へと泳いでいく。その間にも弱まった精子はどんどん脱落し、数が減っていく。
ようやく子宮にのぼりつめた元気な精子も、半分は卵子のいない卵管に行ってしまい、卵子に無事たどりつくのわずか60~100個程度である。精子がここまで来るのに、だいたい数時間~十数時間かかる。

    ④精子と卵子の結合で受精
卵管で卵子と出合った精子は一斉に卵子に取り囲み、頭部から酸素を出して卵子の外膜(透明帯)を溶かし始める。このとき、卵子の大きさは0.1mm程度である。
1個の精子がなんとかこの膜を突破して侵入すると、瞬時に卵子の周りにたんぱく質からなる透明帯でバリアがつくられ、他の精子は侵入できなくなる。
結局、卵子と結合できるのは、何億個の精子のうちたった1個。つまり、精子が受精できる確率は数億分に1である。
卵子の受精能力は排卵後約24時間、精子は射精後48~72時間。

    ⑤受精卵は細胞分裂を繰り返しながら子宮へ
受精したからもう安心といわけにもいかない。まだ、着床するという大仕事が残っている。
受精卵は細胞分裂を繰り返しながら、卵管から子宮へと向かう。
受精後24時間で2個、40時間で4個とどんどん細胞分裂を繰り返し、細胞数が増えていく。
これが卵分割である。3日で16個の細胞になり、桑の実のような形をした桑実胚になる。
受精卵の周りにはられた透明帯は、胚がバラバラになるのを防いでくれる。
受精後4~5日たっと、桑実胚はやっと子宮内に到達する。受精卵は自分で動けないので、卵管の繊毛運動と蠕動運動によって運ばれる。
子宮にたどりついた桑実胚は胞胚腔を形成し、大きな胞胚をつくる。

    ⑥子宮内膜に着床し、妊娠が成立
受精卵は大きな胞胚になり、排卵がおこったときから、子宮内膜は胞胚を確実に受け止めるために、着々と準備を整えている。もうベットはやわらかくてふかふかでである。
受精後は、6日目ぐらいになると透明帯が破れ、胞胚は子宮内膜に接触し、いよいよ着床開始。栄養膜細胞が酸素を出して子宮内膜をとかしながら、胞胚は中にもぐりこんでいく。
受精後12日目ぐらいには、すっかり埋もれてしまい、着床が完了する。
卵管、子宮とただよっていた不安定な状態から抜け出し、やっと母体に根をおろしたわけである。
受精してから着床するまでには、このようなプロセスがあり、2週間近くかかる。無事着床すれば妊娠が成立である。

上皮

2009-01-02 17:16:58 | 解剖生理学(身体の発生)
 上皮は、上皮を作っている細胞の形、並び方によって、何通りにも分類されている。体のあちこちにある上皮は、どのような上皮によって作られているのか決まっている。


上皮細胞の層による分類
 上皮をつくる細胞が、一列に並んでいる場合、2層以上に積み重なっている場合などにわけられる。一列に並んでいるのは単層上皮、細胞が2列以上にならんでいれば、重層上皮という。


上皮細胞の形による分類
 上皮の膜をつくっている1個1個の細胞の形について、その高さと幅とを比べたとき、細胞が縦に長く背が高い場合、高さと幅がほぼ同程度の場合、平べったい場合などにわけられる。縦に長い細胞の形を円柱、高さと幅が同程度の細胞の形を立方、細胞が平べったいことを扁平と呼んで、上皮の分類に使う。もし、細胞の層が何層もあるときには、一番表面に近い層(最表層)の細胞の形で分類する。


細胞の形と層の数の組み合わせの基本
単層扁平上皮
平べったい細胞が1層にならんでできている上皮。血管の一番内側の層(内皮)、胸膜や腹膜などの漿膜、肺の肺胞の上皮など。
単層立方上皮
サイコロ型あるいは比較的丸っこい細胞が1層にならんでできている上皮。腎臓の尿細管の上皮、唾液腺や膵臓などの導管の細い部分など。
単層円柱上皮
縦に長い細胞が1層に並んでいる上皮。胃や小腸、大腸の粘膜(内側の壁)の上皮、子宮の粘膜(内側の壁)=子宮内膜の上皮など。
重層扁平上皮
細胞が数層から数十層にわたって積み重なっている上皮で、上の方の細胞の形が平べったい。皮膚の表皮、口の中(口腔)、食道、膣、尿道の出口近くの上皮など。
重層立方上皮
細胞が数層以上積み重なっている上皮で、一番上の層の細胞が丸っこい、あるいは立方体に近い形。卵胞上皮細胞
重層円柱上皮
細胞が数層以上積み重なっている上皮で、一番上の層の細胞が背が高いもの。眼の結膜、男性の尿道など。


細胞の形と層の組み合わせ、その他の例
多列円柱上皮(多列上皮)
一見細胞が何層にもなっているように見えるが、実は積み重なっているわけではなく、一列に並んでいるだけなのだが、背の高い細胞に、背の非常に低い細胞がまざっているもの。鼻の穴の中(鼻腔)、気管、気管支、精管など。
移行上皮
特徴は、上皮が非常に伸縮性があり、伸びたり縮んだりでき、それにあわせて上皮の見かけも大きく変化するため、この名がある。細胞は数層に積み重なって見えるが、ほんとに積み重なっているのか、上の多列上皮のようにいろいろな大きさの細胞が混ざったいるだけなのかよくわからない。上の層ほど細胞が大きい。細胞どうしのつながり方に特徴があり、引っ張られて伸びるときには細胞どうしがちょっとずつずれて一見細胞の層の数が減るように見える。尿管、膀胱、膀胱のそばの尿道などの内側の上皮。

幹細胞

2008-04-05 17:16:37 | 解剖生理学(身体の発生)
幹細胞(かんさいぼう)は細胞分裂を経ても、同じ分化能を維持する細胞のこと。発生における細胞系譜の幹 (stem) になることから名付けられた。通常は幹細胞から生じた二つの娘細胞のうち、一方は別の種類の細胞に分化するが、他方は再び同じ分化能を維持する。この点で他の細胞と異なっており、発生の過程や、組織・器官の維持において細胞を供給する役割を担っている。

幹細胞では分化を誘導する遺伝子の発現を抑制する機構が働いており、これは外部からのシグナルやクロマチンの構造変換などによって行われる。普通の体細胞はテロメラーゼを欠いているため、細胞分裂の度にテロメアが短くなるが、幹細胞ではテロメラーゼが発現しているため、テロメアの長さが維持される。これは分裂を繰り返す幹細胞に必要な機能である。幹細胞の性質が維持できなくなると、新たな細胞が供給されなくなり、早老症や不妊などの原因となる。

幹細胞の例
受精卵からつくられる胚性幹細胞(ES細胞)は全ての種類の細胞に分化する事ができる(全能性)。また、生体内の各組織にも成体幹細胞(組織幹細胞、体性幹細胞)と呼ばれる種々の幹細胞があり、通常は分化することができる細胞の種類が限定されている。例えば、骨髄中の造血幹細胞は血球のもととなり、神経幹細胞は神経細胞へと分化する。このほかにも、肝臓をつくる肝幹細胞、皮膚組織になる皮膚幹細胞、また生殖細胞をつくり出す生殖幹細胞などさまざまな種類があり、医療分野への応用を目指して再生医学で盛んに研究が行われている。

幹細胞の種類
幹細胞は、ある細胞に変化するようにという指示を受けると特定の細胞に変身、すなわち分化する能力を持っている。また、変化を遂げる前の未分化の状態で長期間にわたって自らを複製、再生する能力も備えている。胚からは胚性幹細胞(ES細胞)、成人からは成体幹細胞、胎児からは胚生殖細胞を採り出すことができる。


胚幹細胞
 ES細胞は、受精卵が分化して胎児に発展するまでの状態である胚の初期段階から採り出されるもので、身体のどのような細胞にも成長できる性質を持っているため多能性幹細胞とも呼ばれている。ES細胞は、受精後5、6日目の胚盤胞の内層細胞(内部塊細胞)から取り出して培養される(図:「胚幹細胞の生体外での培養法」)。人体から採り出される成体幹細胞と違い培養によって実験室において無限に増殖させることができ、かつ、どのような細胞にも変化できる万能性を持つことから、事故や病気によって機能を損なわれた細胞や組織、臓器などに取って代わるための各種細胞を作り出すことのできる"素材"として大いに研究に活用されることが期待されている。理論上では、ES細胞から分化させた細胞に遺伝子治療の技術を用いて免疫関係の遺伝子を入れ替えたり、患者の遺伝情報を持つ胚を作り、そこからES細胞を採り出して目的の細胞に誘導したりすることによって、拒絶反応を起こさずに臓器を移植する道も考えられる。

 
成体幹細胞
 成体幹細胞とは体の中にすでにかたちづくられた組織の中から採り出される分化する前の状態の細胞をいう。組織内には、その組織における特定の働きを担う、すでに分化を終えた細胞が多数存在しているのだが、中にはそうした特定の働きを持つ細胞へと分化する前の未分化細胞、すなわち幹細胞が混じって存在している。成体幹細胞は、自らと同じ細胞を複製し、製造する能力を持つとともに、分化によって、それが存在していた組織内のあらゆる個別細胞を作り出すことができる。
 特定の組織に分化することがわかっているためにすでに多くの治療に生かされ、白血病などの治療に必要な骨髄移植に用いられる骨髄幹細胞などが代表的な例といえる。
 成体幹細胞は、骨髄や血液、目の角膜や網膜、肝臓、皮膚などで見つかっており、最近では、脳や心臓など、従来は幹細胞が存在しないのではと思われていた場所でも確認されている。また、骨髄の中にある間葉幹細胞と呼ばれる幹細胞は、自らがいた組織の細胞である骨髄細胞だけでなく、筋肉細胞や骨細胞など他の種類の細胞へも分化することが可能であることも明らかになっている。
 それだけ目指す細胞を作るチャンスが増えてきたことになる。自らの体から採り出した成体幹細胞の治療への活用は免疫的な拒絶反応の問題を心配する必要がなく、ES細胞を活用するときのように拒絶反応を起こさせないための操作が不要なため、現実的な治療の方法として活躍の場が広がることになるであろう。

アポトーシス

2008-04-01 11:57:28 | 解剖生理学(身体の発生)
「細胞の自然死」
あらかじめプログラムされた細胞死のこと。植物の落ち葉、胎児の指の形成、ガン細胞の死滅・・・・。無関係に見えるこれらの現象に共通しているのが、細胞が自滅するように死んでしまうアポトーシスだ。生命が生きるためには、死んでもらわなければいけない細胞がある。たとえば、ウイルスに感染した細胞、ガン細胞、自己の対する抗体を持ってしまった細胞などを、そのまま放置すると、逆に我々の生命が危うくなる。このような細胞は、自らプログラムを起動し、自殺し、他に被害を及ぼさないようにする自己犠牲が必要になる。
・アポトーシスの対象には、たとえば、オタマジャクシの尾がある。カエルになるときにはオタマジャクシの尾は不要になる。
・プログラム細胞死(アポトーシス)をコントロールする中枢をミトコンドリアが担っている。
・バクテリアに寿命はない。
バクテリアは無限に分裂を繰り返す能力があり、外部からの影響がない限り、死ぬことがない。

細胞小器官

2008-03-15 08:55:53 | 解剖生理学(身体の発生)
細胞小器官とは、細胞の内部で特に分化した形態や機能を持つ構造の総称である。細胞内小器官や細胞内器官、あるいは細胞器官、英名であるオルガネラとも呼ばれる。細胞小器官が高度に発達していることが、真核細胞を原核細胞から区別している特徴の一つである。

どれを細胞小器官と呼ぶべきかという議論は諸説あり以下の通りである。
 核、小胞体、ゴルジ体、エンドソーム、リソソーム、ミトコンドリア、葉緑体、ペルオキシソーム等の生体膜で囲まれた構造体だけを細胞小器官と呼ぶ説。

 ①に加え、細胞骨格や、中心小体、鞭毛、繊毛といった非膜系のタンパク質の超複合体からなる構造体までを細胞小器官に含める説。

 ①、②に加え、核小体、リボソームまで細胞小器官と呼んでいる説。

ミトコンドリア…ATP(アデノシン・三リン酸)を合成。ATPが分解して1個のリン酸が取れるときにエネルギーが発生する。
ライソゾーム…不用物・異物の消化分解。
中心体…細胞分裂などのとき紡錘糸を形成して染色体の移動に関与する。
リボゾーム…タンパク質の合成。

遺伝子と受精

2008-03-14 14:37:16 | 解剖生理学(身体の発生)
DNA(デオキシボ核酸)…染色質にある遺伝子の本体。遺伝情報の伝達や保有を行う。生命活動を行う上で大切な酵素やたんぱく質の合成のためのアミノ酸配列を指令する暗号を保有している。リン酸、五炭糖が組み合わさって出来た2本の柱の間に塩基のA(アデシン)T(チミン)C(シトシン)G(グアシン)がA-T C-Gのペアになって横にしたはしごのような形をしDNA特有の二重らせん構造を作っている。DNAをつなぐと1.8m、5~10万個に近い遺伝子がある。細胞分裂が始まると、糸球状となり46本の染色体が形成される。

RNA(リボ核酸)…核小体の主成分でmRNAはDNAのたん白生産指令の暗号をリボゾームに送る。塩基配列をコピーし運ぶ(塩基TがUに変わっている。)tRNAは特定のアミノ酸と結合しリボゾームに運ぶ。1本の鎖状である。
塩基=A(アデニン)・U(ウラシル)・G(グアニン)・C(シトシン)
リン酸・五炭糖・塩基が合わさったものをヌクレオチドと言う。



染色体…46本の染色体のうち44本は同形、同大のものが2本づつペアとなっている常染色体と残りの2本は男女で異なる性染色体。xx=女性 xy=男性。染色体の半分は父親から残りの半分は母親から受け継ぐ。

遺伝子…生物の個々の遺伝形質を発現させるもとになる、デオキシリボ核酸(DNA)、一部のウイルスではリボ核酸(RNA)の分子の領域。ひとつの遺伝子の塩基配列がひとつの蛋白質やリボ核酸の一次構造を指令する。遺伝子産物や遺伝子間の相互作用が形質発現を調整する。遺伝子は生殖細胞を通じて親から子へ伝えられる。

受精…雌雄の生殖細胞が合一すること。すなわち、雄性配偶子が雌性配偶子と合体して接合子となること。動物では精子と卵子の合体。その後、接合子は発生を開始する。精巣から排出された精子が卵巣から排出された卵子が卵管膨大部で受精し、その受精卵を卵管粘膜の旋毛運動と卵管壁の蠕動運動の2つの働きにより子宮腔内へ移動する。

着床…受精卵受精後約1週間でが子宮粘膜に定着すること。妊娠のはじまり。

胎生期…受精後から分娩までの期間。受精から8週間を胚子期、8週以降から分娩までを胎児期という。

胚子期…受精後第2週から第8週末まで胚子といい、器官の基本的輪郭や胚子の外形が整う時期で、分化が最も進む時期。分裂を繰り返した胚子は、3週に入ると、内肺葉、外肺葉、ついで中胚葉が出来上がる。8週の終わり頃には人間の胎児らしくなる。身長13mm~15mmに成長している。


胎児期…第9週からを胎児という。各臓器は成熟して人体の原形を整えた胎児となり、かなり大きくなって、必要に応じて機能を開始するようになる。3ヶ月終わり外陰部の形成、身長5~5.5cm。4ヶ月終わり鼻と口が開き,身長10cm。5ヶ月全身に産毛、胎動 7ヶ月 眼が開く。8ヶ月 皮下脂肪 体外でも発育可能。9ヶ月頭髪 10ヶ月身長50cm、体重3kgに達する。


身体の土台ができる過程
3つの胚葉の分化
外胚葉…後生動物の発生初期の胚に生ずる三胚葉のうち最外層をなす細胞層。将来、中枢神経・末梢神経・感覚器(表皮を含む)などを形成する。(神経系・表皮と皮膚の付属器、内耳の膜迷路、外耳・鼻腔上皮・下垂体、口腔全部の上皮、歯のエナメル質、耳下腺、副腎髄質、網膜・水晶体など。)

中胚葉…大部分の後生動物の発生初期の胚に生ずる三胚葉のうちの中間の層。ここから循環器・腎臓・副腎皮質・脾臓・生殖器などの臓器。筋肉・骨・血管・リンパ管などが形成される。(骨・筋・結合組織・循環器系・血液・副腎皮質・膵臓・腎臓、泌尿器や生殖器の大部分の上皮、漿膜の中皮など。)

内胚葉…後生動物の発生初期の胚に生ずる三胚葉のうち最内層または最下層をなす細胞層。のち主に消化管や肝臓・膵臓などの消化器や呼吸器、甲状腺などを形成する。(口腔の後部以下の消化器の上皮と付属腺、中耳と耳管の上皮、喉頭以下の呼吸器の上皮、扁桃腺・甲状腺・上皮小体・胸腺・膀胱上皮など。)

細胞膜

2008-03-14 13:13:00 | 解剖生理学(身体の発生)
細胞質の最外層にあって細胞の形態を決めるきわめて薄い膜。主に脂質とタンパク質から成り、選択的透過や代謝物質の輸送、電気的興奮性、免疫特性の発現などの機能をもつ。原形質膜。

個体

2008-03-14 13:09:31 | 解剖生理学(身体の発生)
一つの独立した生物体。通常、細分することのできない一つの体をもち、生殖・運動などの生命現象を営むことのできる構造と機能をもつ。

生物個体は、それぞれに固有の形態と構造を持つ。すなわち、その体はそれぞれの部分で分化した細胞から構成され、それぞれの細胞は組織を形成し、それらは器官を構成し、それがまとまって個体を形作っている。

器官

2008-03-14 12:42:47 | 解剖生理学(身体の発生)
生物のうち、動物や植物などの多細胞生物の体を構成する単位で、形態的に周囲と区別され、それ全体としてひとまとまりの機能を担うもののこと。生体内の構造の単位としては、多数の細胞が集まって組織を構成し、複数の組織が集まって器官を構成している。

植物の器官




種子

動物の器官
動物の器官は、臓器(ぞうき)とも呼ばれる。内臓はより狭い概念で、体の内部に位置するものだけを指した呼び方。

同じような機能をもった器官や、全体として一連の機能を担う器官を、器官系としてまとめて考えることがある。一つの器官が複数の働きを持っているときには、複数の器官系に属することもある。器官系には、

消化器系 - 消化管, 栄養の吸収、消化、代謝、残渣物の排出 消化器、口腔、咽頭、なども 内胚葉由来

循環器系 - 栄養、老廃物を運搬する通路。血管系、リンパ系、心臓、脾臓などがある。  中胚葉由来

呼吸器系 - 発声器官, 酸素を血液中に取り込み、二酸化炭素を外に排出  鼻くう、肺、気管支、内胚葉由来

泌尿器系

生殖器系 - 精子、卵子を作る。 精巣、陰茎、卵巣、子宮、膣 中胚葉由来

内分泌器系 - 刺激を受ける器官、受容細胞で受容、知覚神経で中枢神経に伝達 外胚葉由来

感覚器系

神経系 - 身体の内外の情報を集め司令、統御、調整をする。 中枢、末梢神経 外胚葉由来

運動器系 - 骨、関節、靭帯、筋肉

骨格系 - 身体を支える。筋肉と協力し運動する 頭蓋、脊柱、胸郭など 中胚葉由来

筋系 - 骨をつなぎ収縮により骨を動かす。骨格系、筋系を総称し運動系という 各筋肉 中胚葉由来

泌尿器系 - 血液中の老廃物を尿として排泄  腎臓、尿管、膀胱など 中胚葉由来

組織

2008-03-14 12:09:23 | 解剖生理学(身体の発生)
<組織とは>
人体には約200~300の異なった細胞があり同じ働きをする細胞が集まって組織を構成する。

組織は細胞と細胞間質からなる。
*細胞間質とは、細胞間を埋める物質で膠原線維(コラーゲン)や弾性線維(エラスチン)、細網線維などの線維と無定形の気質からなる

組織には4種類ある

上皮組織
表皮・口腔・気管・消化管などの細胞層
体の表面や器官の内外を覆い保護的役目をする
吸収・分泌・刺激受容の働きをする
細胞が密接して並び細胞間質は極めて少なく、血管は通っていない

*上皮組織が分化し産生・放出を専門にするのが分泌腺といい、外分泌腺・内分泌腺がある。
外分泌腺=胃液・粘液・汗・乳汁など
内分泌腺=ホルモン腺(直接血管に放出される)
*上皮組織以外の組織にできた悪性腫瘍を肉腫、上皮組織にできた悪性腫瘍を癌という

支持組織
各組織・器官間を埋め、つなぎ合わせる組織
大量の細胞間質を持つ
骨組織や軟骨組織などの固形のもの
血液やリンパ液などの液状のものなど様々
組織や細胞を結合する役割
細胞間質には膠原線維・弾性線維・細網線維がある。
細胞間質の間を埋める気質からなる。

支持組織は4つに分類される

●結合組織
膠原線維がぎっしり詰まり細胞が散在する
●液状組織
血液、リンパ液
●軟骨組織
●骨組織

筋組織…体や内臓の自動運営を営む 筋細胞と少量の細胞間質からなる
筋細胞は細長い線維状=筋線維ともいう

骨格筋(体性神経支配)足や手にある筋肉組織。しま模様で強い力が出る。横紋筋、短時間の比較的強い収縮運動。熱を産生する。赤筋( 赤く見えるミオグロビンという色素タンパクの量が多く、白筋より酸素を使って脂肪を燃焼させる力が高い)や白筋がある。運動時に働く筋肉である。…随意筋(自分の意思で動かすことが可能)
平滑筋(自律神経支配)血管・胃腸管・子宮・膀胱など・比較的弱い力で継続的に収縮。しま模様がない…不随意筋(意思とは無関係に動く)
心筋(自律神経支配)心臓を収縮させる筋肉組織、しま模様で強い力が出る。不随意筋であるが骨格筋と平滑筋両者の長所を持つ…不随意筋(意思とは無関係に動く)
神経組織
中枢神経=脳・脊髄
末梢神経=体性神経・自律神経からなる
神経機能を営む神経成分と支持成分からなる
神経成分をニューロン(神経元)・支持成分を神経膠(細胞間質の役割)


細胞

2008-03-14 11:45:04 | 解剖生理学(身体の発生)
身体を構成する基本単位。エネルギー、タンパク質、ホルモン、化学物質、化学伝達物質などを作り出す。新生児は約3兆個、成人の細胞数はおよそ60~75兆個。人の細胞は主に直径10~30μm(マイクロメートル)だが、約5μmの小リンパ球、約200μmの成熟卵子などもある。

細胞の構造
細胞膜…細胞の外層にあって細胞質を包む膜。生体膜の一。物質を選択的に透過するほか、免疫現象や組織構築上で重要な働きをする。

細胞質…細胞内の原形質のうち核以外の部分。酵素その他の蛋白質を含む基質中に、膜構造・繊維構造・顆粒構造をなし、諸機能を営む。

核(細胞核)…真核生物の細胞の中にある球形の小体。核膜に包まれ、核質に遺伝情報を担うDNAを含む。一般には各細胞に1個。1ないし数個の核小体(仁)を有する。
 核内には、糸状に連なったDNA分子が結合蛋白質と複合体を構成しながら散らばっており、クロマチン(chromatin)あるいは染色質と呼ばれる。
 染色質の名前は、ヘマトキシリン染色などの染色をした細胞を光学顕微鏡で観察すると、核内が濃く染色されることから、クロマチンは大きく2種類に分けられる。
 ユークロマチン(euchromatin)、あるいは真生染色質 - RNA転写活性が高く、DNAがよく広がり、多種の蛋白質と共存する部位
 ヘテロクロマチン(heterochromatin)、あるいは異質染色質 - 遺伝子発現が不活性化され、DNAと結合蛋白質の複合体は凝集されたままの状態になっている部位
 
ゴルジ体…リボゾームが作ったタンパク質の貯蔵庫
 
リソゾーム…多くの分解酵素を含んでいて、異物や不用物を分解処理し、細胞外へ捨てる働きをする。
 
粗面小胞体…タンパク質の合成、貯蔵、細胞外への移送に関わる。
 
リボゾーム…核の指令を受けてタンパク質を合成する。
 
中心体…細胞分裂のときに紡錐体(細胞の有糸分裂の中期から終期にかけて現れ、染色体の極への移動に関与する繊維性の構造。両極と赤道面に並ぶ染色体とを結ぶものと、両極間を結ぶものとからなり、紡錘形をなす)を作る。
 
ミトコンドリア…細胞が生きていくためのエネルギー供給源となる。