アロマテラピー学習ブログ

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参照。

アミラーゼ

2009-01-28 14:08:21 | 排泄・解剖生理学(消化器系・泌尿器系)
ジアスターゼともいう。
アミラーゼはデンプン分解酵素、つまりジアスターゼで、唾液ではプチアリン、膵液ではアミロプシンという。

唾液は1日に1~1.5リットル分泌される。唾液中には、消化酵素であるプチアリン(唾液アミラーゼ)が含まれている。プチアリンは、デンプンをより分子の小さいデキストリンや、二糖類の麦芽糖に分解する酵素。口腔内では食物中のデンプンの5%程が分解さる。唾液はほぼ中性。

膵液は1日に約500~800ミリリットル分泌され、タンパク質分解酵素のトリプシン、キモトリプシン、カルボキシペプチダーゼ、脂質分解酵素の膵リパーゼ、糖質分解酵素のアミロプシン(膵アミラーゼ)、マルターゼ、ラクターゼを含む。膵液のpHは8.5で、弱アルカリ性。

糖尿病と壊疽

2009-01-05 16:49:31 | 排泄・解剖生理学(消化器系・泌尿器系)
糖尿病があると,糖尿病でない人に比べて,壊疽が多い。

壊疽の成り立ちには,
①神経障害,
②血管障害,
③感染
の3つの要素が複雑にからまりあっている。

・神経に障害がおきると,痛みを感じなくなり,傷や感染がおこっていても気づかないことがある。

・さらに,自律神経(栄養神経)が障害されると皮膚が弱くなり,細菌などが侵入しやすくなる。

・血管が血栓などでつまると,栄養や酸素の供給が十分でなくなり,その部分の細胞が死んで黒変する。

・栄養神経の障害が壊疽の原因であるときは,足の動脈の拍動はよくわかるが,

・動脈がつまったときは足の動脈の拍動はなくなる。これは動脈硬化が原因で
閉塞性動脈硬化症と呼ぶ。

・血糖が高いと皮膚が化膿しやすくなり,とくに壊疽の部分では細菌が増えやすく, 放置すると敗血症のために命が危うくなることもある。

尿毒症

2009-01-05 16:33:46 | 排泄・解剖生理学(消化器系・泌尿器系)
1:尿毒症とはどんな病気か?
尿毒症は、慢性腎不全の最終段階で腎機能が極端に低下し、排出されるべき老廃物や毒素が血液中に蓄積される。その結果、血液が汚れそのまま放置すると生命が危険にさらされる。

2:尿毒症の症状はどのようなものがあるか?
乏尿、貧血、むくみ、かゆみ、疲れ、倦怠感、口臭、頭痛などの症状が現れ、体の表面のむくみ、胸水などの症状が出現する。その他、神経や筋肉、消化器、循環器、皮膚にもさまざまな症状が現れる。

3:尿毒症の検査はどのようなものがあるか?
血液検査で尿素、クレアチニン、クレアチニン・クリアランス、尿酸の値が著明に増加している。

4:尿毒症の治療はどのように行うか?
入院し安静にする。タンパク質や食塩を控える食事療法が必要。通常、人工透析療法を行うことになり。生体腎移植も考えられる。

尿閉

2009-01-05 16:19:45 | 排泄・解剖生理学(消化器系・泌尿器系)
腎臓での尿生成・尿管・膀胱に何ら異常を認めず、尿の蓄積・尿意の発生があるのに、排尿できない状態。
尿道の閉塞などで尿が膀胱から排泄できない場合を尿閉といい、膀胱が尿で充満していること、及びそれによる患者の訴え、自覚症状、現病歴などから「無尿」「乏尿」と区別できる。

尿道狭窄、尿道結石、神経因性膀胱、前立腺疾患(前立腺癌、前立腺肥大症、前立腺炎など)などの病気で発生する。

急性と慢性がある。急性の場合は、冷や汗が出るほど苦しく、すぐに導尿などの処置が必要である。慢性尿閉は前立腺疾患で多く見られ、徐々に症状が進行し、放っておくと腎機能を損なうおそれがある。

腹圧性尿失禁

2009-01-05 16:05:08 | 排泄・解剖生理学(消化器系・泌尿器系)
どんな病気か
 腹圧性尿失禁とは、急に腹圧が高くなった時に尿が漏れてしまう状態をいう。女性に多く、とくに中高年の女性に頻度の高い病気。


原因は何か
 膀胱や尿道の「しまり」が悪くなっている状態であり、尿道を閉じる機構(尿道括約筋(にょうどうかつやくきん)など)がうまくはたらかないことや、膀胱を支える骨盤の筋肉(骨盤底筋(こつばんていきん))が弱くなっていることが原因となる。
 前者の原因としては尿道の外傷、神経の損傷などが、後者の原因としては前立腺や子宮などの骨盤内手術、妊娠や出産、子宮脱、膀胱脱、加齢などがあげられる。


症状の現れ方
 腹圧が高くなる時、たとえば急に立ち上がった時や階段を上る時、重い荷物を持ち上げた時、咳やくしゃみ、笑った時などに尿がもれます。通常、睡眠中にはみられない。
 腹圧性尿失禁のうち、約30%の人には切迫性(せっぱくせい)尿失禁(急に強い尿意が出現し、トイレに間に合わず失禁してしまうこと)が合併する。

消化腺

2008-12-29 20:28:42 | 排泄・解剖生理学(消化器系・泌尿器系)
 消化腺(しょうかせん)とは、食べ物の消化を行う分泌物(=消化液)を分泌する腺をまとめて呼ぶときの言い方。消化液は、食べ物が通る消化管のどこかに分泌される。

 消化器付属腺ともいう。英語では、digestive glands、ダイジェスティブ グランズ。

 消化腺には、

消化管の近くにある場合。腺から消化管までは導管がつながっていて分泌された消化液が消化管に流れ込むようになっている。
消化管の壁の中に微細な消化腺がたくさん埋め込まれていて、消化液が消化管に直接放出される場合
などがある。どちらの場合でも、消化腺の分泌物は消化管の壁の内側(内腔)、つまりからだの外側とつながっている場所に直接出されるので、消化腺は外分泌腺に分類される。

 消化管の外側にあって、導管が消化管につながっている消化腺の代表例は、

耳下腺、舌下腺、顎下腺?などの唾液腺や、
膵液を分泌する膵臓、
胆汁を分泌する肝臓など。

 消化管の壁の中に目に見えないほどの小さな腺が無数に埋め込まれている例としては、

口の中(=口腔)のいろいろな場所にある唾液腺(くちびる(=口唇)の内側の口唇腺、舌にある舌腺など)、
胃の壁にある胃腺、
十二指腸の壁にある十二指腸腺など。

 消化器系を、大きく消化管と消化腺とに分類するときに考える消化腺とは、前者の方。

消化管

2008-12-29 19:55:10 | 排泄・解剖生理学(消化器系・泌尿器系)
 消化管とは、口から始まり、肛門でおわる、体内を通る一続きの管のこと。全長9mにもなる。食べ物を体内に取り込んで排泄するまでに通る場所で、その間に食べ物の消化と栄養分の吸収を行うことからこう呼ばれる。


言語 表記 発音、読み方
日本語 医学 消化管 しょうかかん
英語 digestive tract ダイジェスティヴ・トゥラクト
英語 alimentary canal アリメンタリー・キャナル

 消化管は、口と肛門の間で、のど(咽頭)、食道、胃、小腸、大腸などの器官を通る。このうち、小腸は、十二指腸、空腸、回腸に分けられる。また、大腸は、盲腸、虫垂、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸などに分けられる。

 消化管には、消化管の壁の中や外部の器官から、消化液が管の内側の空間(内腔)に分泌される。消化管と消化液を分泌する器官(消化腺)をあわせて、消化器系としてまとめることが多い。

消化管の断面
表面積を増やすために、3つのレベルの構造がある。
 ひだが肉眼レベルにあり、粘膜が波状になっている。
 絨毛が顕微鏡レベルにあり、上皮が絨毯の毛のようになっている。
  小腸には多いが、大腸にはあまりない。
 微絨毛が電子顕微鏡レベルにあり、上皮細胞膜が絨毯の毛のようになっている。

粘膜、筋層、漿膜の3層が基本構造。
 粘膜の最内側に上皮がある。
 筋層には縦走筋と輪走筋とがある。
 また、神経叢があり、粘液の分泌や、筋収縮をコントロールしている。

2008-12-29 19:41:11 | 排泄・解剖生理学(消化器系・泌尿器系)
 胃は、消化管の一部にあたる内臓で、食べ物の通る順でいうと、食道の次、小腸(十二指腸)の前。口で噛み砕かれ、飲み込んだ食べ物が胃に届くと、食べ物は胃でいったんためられ、胃から分泌される胃液がまぜられる。胃液は食べ物中の蛋白質を分解させ、pHを酸性にし、殺菌する効果がある。胃では食事のあと数時間程度たべものが蓄積され、この間、少量ずつ小腸へと送られ、さらに消化を受ける。

 英語では、stomach、ストマック、スタマック。形容詞形「胃の~」では、gastric ガストリック。これは胃や腹部を意味する gaster ガスター の形容詞形。この言葉から、胃に関するものに gastro- ガストロ~の名前がつく(例:胃から出るホルモン、ガストリンなど)。


胃の構造
 胃は、管の形をした消化管の途中が、大きくふくらんだ場所。胃の口側にある食道も、胃の肛門側にある十二指腸も直径数cmの細い管だが、胃の部分は最大の幅が10 cm以上にふくらんでいる。この形に合わせて内腔も広がっており、食べ物が入っているときには胃はふくらむ。食べ物が入っていないときには、胃の壁はある程度しわがよって小さくなる。

 胃の中で、食道側の入口を噴門、噴門につながる細くなったところを噴門部、十二指腸側の出口を幽門、幽門につながる細くなったところを幽門部という。その間の太いところが胃体、胃体部である。

 胃の中の構造:大弯、小弯、胃底


胃の場所
 胃は、おなかにある内臓(=腹腔内臓)としては、肝臓とともに、もっとも上に位置する内臓。胃と肝臓の上端は横隔膜に接しており、横隔膜の下、右側に肝臓が、左側に胃がある。食べ物は食道から胃に入るが、食道は口の奥にある咽頭から始まり、胸を上から下まで貫通する。最後に、横隔膜を通過したところで胃につながる。一方、胃から食べ物が流れていく先である十二指腸は、体の右側、肝臓の下側にあるので、胃の出口近くの部分は肝臓の下にもぐりこんでいる。

2008-12-26 21:22:03 | 排泄・解剖生理学(消化器系・泌尿器系)
舌は、動物の口の中にある器官。脊椎動物の舌は、筋肉でできた突起物である。筋肉を様々に動かすことで、形や位置を自在に変えることができ、食物を飲み込む際、言葉をしゃべる(構音)際などに使われるので、消化器、運動器の働きをもつといえる。その運動は非常に細かく、正確にコントロールすることが可能。また、哺乳類の舌には、味覚を感じる受容器である味蕾(みらい)があり、感覚器でもある。

脊椎動物以外にあって舌と名づけられた構造は、脊椎動物の舌の形などとの類似性から名づけられたものが多く、その構造、役割などは様々である。中でも有名なものに、軟体動物の歯舌(しぜつ)がある。


構造
哺乳類の舌は、口の中の下側(口腔底)にある突起物。ヒトの場合、おおむね受精4~7週目にかけて発生する。表面は口腔内と同様の粘膜で覆われる。内部には、舌筋群と呼ばれる横紋筋が詰まっている。内部には、骨はない。

・最表層は、重層扁平上皮に覆われるが、舌の下面以外は、舌乳頭と呼ばれる細かい突起が密集しており、細かい凸凹構造になっている。舌乳頭については後述。
・舌の内部は、粘膜の直下まで、筋肉がびっしりとつまっており、表面とのせまい隙間(粘膜固有層)は、その筋層をつつむ強靭な結合組織、舌腱膜(ぜつけんまく)になっている。舌内の筋肉の収縮時には、この舌腱膜を足場にして力を出す。
・舌の内部全体を満たす舌筋群には、舌の内部だけを走る内舌筋と、舌の外と内部とをつなぐ外舌筋とがある。内舌筋は、上下、左右、前後それぞれの方向に走る筋線維が入り混じり、これらが協調して収縮することにより、舌の形を変えたりすることができる。外舌筋は、舌を外側から支えたり、舌を突き出したり、引っ込めたりする位置の変化に関与している。下顎骨、舌骨などから出ている。
・また、舌の表面下には、舌腺などの小唾液腺が散在し、唾液を分泌している。

舌乳頭
糸状乳頭
舌背の全面を覆い、先の尖った指のような形をしている。機能としては、食物をなめとりやすくしており、また舌の感覚を鋭敏のする感覚装置であるとも考えられている。糸状乳頭のわずかな働きや傾きが、結合組織乳頭の中に豊富に来ている神経によって感受されるものと考えられている。
茸状乳頭
茸の様な形状をなし、舌背に広く分布するが、その数は糸状乳頭よりははるかに少なく、白い糸状乳頭の間に所々に赤い丸い頭を見せている。表面の上皮(重層扁平上皮)が角化していない為、下の血液が透けて見える為、赤く見える。茸状乳頭でも、結合組織乳頭が上皮に向かって、いくつかの指状の二次乳頭を出している。胎生後半と乳児期には茸状乳頭の上皮に味蕾が点在するが、成人では茸状乳頭は味蕾がほとんどないのが一般的である。
葉状乳頭
舌の後部の側面に上下に長いヒダをなし、これがラジエーターのように前後に並んでいる。ヒトでは発達が悪く不明瞭である。
有郭突起
舌背の後部、分界溝の直前に並ぶ大きな乳頭で、その数は12~16個が一般的である。直径2mm前後の上面の平坦な円丘が深い溝に囲まれており、溝の周囲もまたドーナツ状の丘を成している。有郭乳頭の上皮(重層扁平上皮)は茸状乳頭同様に角化していない。結合組織乳頭の上面から上皮に向かって指状の二次乳頭が多数出ている。結合組織乳頭の中には血管と多数の神経があり、後者の大部分は味蕾に行く。
また、有郭乳頭の濠の底には、漿液腺(一種の小唾液腺)が導管を持って開口している。これはエブネル腺と呼ばれ、この腺の分泌物が濠や味蕾周辺を洗い流す為、味蕾が常に新しい刺激に感受できるようになっている。

舌の神経支配
舌には、舌神経、舌下神経などの神経がつながり、その機能の制御を行っている。舌神経は、複数の脳神経からの神経線維がまざって入っている。舌の触覚、痛覚などの感覚と、味覚の情報が舌から舌神経に伝えられる。そのうち、触覚、痛覚などの感覚は、その後、三叉神経と舌咽神経を経由して脳に伝えられ、味覚は、顔面神経と舌咽神経を通って脳に伝えられる。舌下神経は、舌の筋を動かす運動性の脳神経である。


ネフロン

2008-12-26 09:56:39 | 排泄・解剖生理学(消化器系・泌尿器系)
ネフロン(腎単位)とは、腎臓の腎実質にある基本的な機能単位であり、腎小体(ボーマンのうに包まれた糸球体)とそれに続く1本の尿細管(約10~15cm)のこと。 1個の腎臓に約100万個あり、左右の腎臓合わせて200万個ほど存在し、各ネフロンで濾過、再吸収、分泌、濃縮が行われ、原尿が作られていく。

構造
腎小体には一本の輸入細動脈が入り、一本の輸出細動脈が出てゆく。腎小体に入った輸入細動脈は分枝して網細血管となり塊を作る。この塊を糸球体と言う。糸球体を形成する網細血管は再び一本に集まり、輸出細動脈となって腎小体から出てゆく。糸球体はボーマン嚢で包まれており、ボーマン嚢からは一本の尿細管が出ている。尿細管は腎皮質から腎髄質の方へ下行し、この部分を近位尿細管と呼ぶ。腎髄質へ辿り着くと尿細管は狭くなり、Uターンして再び皮質の方へ上行する。このUターンする部分をヘンレのループと呼ぶ。そのまま上行して皮質へ辿り着くと尿細管は輸出細動脈と接する(交わったり吻合する訳ではない)。この接する部分を糸球体近接装置と言う。糸球体近接装置を経た尿細管は遠位尿細管と呼ばれる。遠位尿細管は再び髄質の方向へ下行しながら互いに集合し、集合管となって腎髄質を貫通して腎盂に開口する。



ネフロン各部の働き(尿の生成)
1 糸球体…水分量の割合が最も多い
毛細血管の血管壁がフィルターとなって血液を濾過し、原尿を作る。老廃物やほとんどの血液成分が原尿となって尿細管へ送られる。(血球とタンパク質を除く)
※老廃物
●人間の体中にある細胞は、栄養分を燃焼させてエネルギーとする。細胞では燃えかすや燃えさしが出る。
●細胞は新陳代謝を繰り返しているので、細胞の老廃物が出る。
※原尿
  血液は糸球体に入り、ほとんどが濾過(ろか)される。赤血球や白血球は通らない。タンパク質も通らない。
※原尿に含まれるもの
原尿は1日に約150リットル作られる。原尿には、水分、ブドウ糖、アミノ酸など、大事な物質がたくさん含まれている。
●電解質…血清中のナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、クロール、
●ブドウ糖
●窒素化合物…尿素、尿酸、クレアチン、アミノ酸
●有機酸…リン酸、硫酸
●アルカリ(重炭酸)

2 近位尿細管
原尿の約80パーセントが近位尿細管で再吸収される
ブドウ糖、アミノ酸、ビタミンは、約100パーセントが再吸収される。
水やナトリウム等の電解質が吸収される。
クレアチン等の不要物質が尿に排出される。

3 ヘンレ係蹄(けいてい)
水の再吸収  塩素の再吸収  ナトリウムの再吸収

4 遠位尿細管
ナトリウム、水の再吸収 カリウム等が尿へ分泌される。 水や電解質の量の調整

5 集合管
原尿は、集合管にくるまでに最初の約1パーセントに濃縮される。
抗利尿ホルモンのコントロールによって、水と尿素の吸収が行われる。

○細尿管で再吸収された物質は
毛細血管を通り腎静脈から下大静脈へ入って、心臓へ送り返され、再び全身を回る。

○吸収されなかった物質は
腎盂(じんう)に集まり、尿管を通って膀胱(ぼうこう)にたまる。そして尿として排出される。 1日に150リットル作られた原尿は再吸収されて1.5リットルくらいになる。

消化酵素

2008-12-26 05:39:06 | 排泄・解剖生理学(消化器系・泌尿器系)
消化酵素は、消化に使われる酵素のことである。分解される栄養素によって炭水化物分解酵素、タンパク質分解酵素、脂肪分解酵素などに分けられる。生物が食物を分解するために産生するほかは、食品加工、胃腸薬、洗剤として使用される。海外ではサプリメントとしての利用も一般化している。

炭水化物分解酵素
●唾液、膵液
 ・アミラーゼ – デンプンを分解して主にマルトース(麦芽糖)に変える。
●腸液
 ・マルターゼ –マルトースをグルコース(ブドウ糖)に変える。
 ・ラクターゼ –ラクトース(乳糖)をグルコースとガラクトースに変える。

タンパク質分解酵素
一般にプロテアーゼと呼ばれる。

●胃液
 ・ペプシン – タンパク質を分解してより小さなペプトンにする。
 ・レンニン
●膵液
 ・トリプシン – タンパク質やペプトンを更に小さなポリペプチドやアミノ酸にする。塩基性アミノ酸残基にはたらく。
 ・キモトリプシン – タンパク質やペプトンを更に小さなポリペプチドやアミノ酸にする。芳香族アミノ酸残基にはたらく。
 ・エラスターゼ – タンパク質やペプトンを更に小さなポリペプチドやアミノ酸にする。脂肪族アミノ酸残基にはたらく。
 ・カルボキシペプチダーゼ – ポリペプチドを分解してアミノ酸にする。カルボキシル末端のペプチド結合を切断。
●腸液
 ・アミノペプチダーゼ – ポリペプチドを分解してアミノ酸にする。アミノ末端のペプチド結合を切断。

脂肪分解酵素
●胃液、膵液、(腸液、唾液)
 ・リパーゼ – 脂肪(トリグリセリド)を最終的にグリセリンと脂肪酸に分解する。
※唾液には少量含まれる。リパーゼが腸液に含まれるとするかは解釈が分かれている。

 1.唾液
 唾液は1日に1~1.5リットル分泌されます。唾液中には、消化酵素であるプチアリン(唾液アミラーゼ)が含まれています。プチアリンは、デンプンをより分子の小さいデキストリンや、二糖類の麦芽糖に分解する酵素です。口腔内では食物中のデンプンの5%程が分解されます。唾液はほぼ中性です。

 2.胃液
 胃液は1日に1~1.5リットル分泌され、塩酸と、タンパク質分解酵素のペプシン、ガストリクシン、脂質分解酵素リパーゼを含みます。胃液のpHは、0.92~1.58と強い酸性です。

 3.膵液
 膵液は1日に約500~800ミリリットル分泌され、タンパク質分解酵素のトリプシン、キモトリプシン、カルボキシペプチダーゼ、脂質分解酵素の膵リパーゼ、糖質分解酵素のアミロプシン(膵アミラーゼ)、マルターゼ、ラクターゼを含みます。膵液のpHは8.5で、弱アルカリ性です。

 4.腸液
 腸液は殆どが粘液で、その中に、タンパク質分解酵素のアミノペプチダーゼ、ジペプチダーゼ、脂質分解酵素のリパーゼ、糖質分解酵素のマルターゼ、ラクターゼ、スクラーゼ、核酸分解酵素のヌクレオチダーゼ、ヌクレオシダーゼをごくわずかに含んでいます。腸液のpHは8で、弱アルカリ性です。

 5.胆汁
 胆汁は、肝臓から1日約500~1000ミリリットル分泌され、一時胆嚢に蓄えられ濃縮されたあと、総胆管を経て小腸に分泌されます。胆汁の主な成分は胆汁酸と胆汁色素です。
 胆汁酸はコレステロールよりつくられ、脂肪の乳化をおこさせて、リパーゼの作用を受けやすくしたり、小腸の蠕動運動を高めます。また、脂肪の分解で生じた脂肪酸とグリセリンが胆汁酸に結合することにより、ミセルという微粒子状になり、吸収が促進されます。
 胆汁色素はビリルビンといい、ヘモグロビンの分解産物です。ウンチの色はコイツのせい!


主な消化酵素

名    称 含まれる消化液       特               徴

ペプシン 胃 液 蛋白質分解酵素。ペプシノーゲンの形で分泌され、塩酸によってペプシンになる。蛋白質を加水分解して、プロテオーゼ、ペプトンにする。
ガストリクシン 胃 液 ペプシンに似た蛋白質分解酵素。活性はペプシンの1/4程度。
トリプシン 膵 液 蛋白質分解酵素。蛋白質を小分子のポリペプチドに分解する。腸液中のエンテロキナーゼにより活性化される。
キモトリプシン 膵 液 蛋白質分解酵素。蛋白質を小分子のポリペプチドに分解する。腸液中のエンテロキナーゼにより活性化される。
カルボキシペプチダーゼ 膵 液 ポリペプチドをアミノ酸まで分解する。腸液中のエンテロキナーゼで活性化される。
アミノペプチダーゼ 腸 液 ポリペプチドをアミノ酸まで分解する。
ジペプチダーゼ 腸 液 ポリペプチドをアミノ酸まで分解する。
リパーゼ 胃液・膵液・腸液 脂質分解酵素。脂質を脂肪酸とグリセリンに分解する。
プチアリン
(唾液腺アミラーゼ) 唾 液 糖質分解酵素。デンプンをデキストリンや麦芽糖に分解する。
アミロプシン
(膵アミラーゼ) 膵 液 糖質分解酵素。デンプンを二糖類に分解する。
マルターゼ 膵液・腸液 糖質分解酵素。麦芽糖をブドウ糖に分解する。
ラクターゼ 膵液・腸液 糖質分解酵素。乳糖をブドウ糖とガラクトースに分解する。
スクラーゼ 腸 液 糖質分解酵素。ショ糖をブドウ糖と果糖に分解する。
ヌクレオチダーゼ 腸 液 核酸分解酵素。
ヌクレオシダーゼ 腸 液 核酸分解酵素。

胆汁

2008-12-26 05:09:06 | 排泄・解剖生理学(消化器系・泌尿器系)
胆汁(たんじゅう)とは、肝細胞で作られ、胆のうに蓄えられた後、1/6~1/12に濃縮され胆道により十二指腸へと流れる体液。おもな成分は,胆汁酸(たんじゅうさん)と胆汁色素(たんじゅうしきそ)であるビリルビン、水分(90%を占める)、コレステロールで、消化酵素は含まれていない。黄褐色でアルカリ性濃縮されると黒っぽくなる。

大きく「胆管胆汁」ファーター乳頭から分泌
   「胆のう胆汁」胆嚢で濃縮
   「肝胆汁」肝細胞で産生
の三種類に分類することができる。

胆汁は,すい液とともに胃からきた食物を中和し,脂肪を乳化してリパーゼの働きを助ける。脂肪分・たんぱく質などに対して作用し、吸収させやすくする働きを持つ。

胆汁酸
界面活性剤として食物中の脂肪を乳化して細かい粒とし、リパーゼと反応しやすくすることで脂肪の消化吸収に重要な役割を果たす。更に脂肪の分解産物に作用して小腸から吸収されやすく変化させる。また腸内に分泌された胆汁酸の殆どは小腸で再吸収され、肝臓に戻される(腸肝循環)。

胆汁色素
破壊された赤血球から遊離したヘモグロビンのタンパク質部分から切り離されたヘムが、肝臓の細胞で黄色のビリルビンに変化したもの。大部分は大便中に排泄される。

大腸

2008-04-03 13:07:49 | 排泄・解剖生理学(消化器系・泌尿器系)
大腸は、脊椎動物の消化管の一部で、小腸より肛門に近い部位に位置し、盲腸に始まり直腸に終わる部分である。腸絨毛を欠く点で、小腸と区別される。

消化機能としては、細菌による食物繊維の発酵、及び一部の栄養素の吸収と水分の吸収が行われる部位である。また、吸収されずに残ったものが便を形成し、排泄されるまでの間、貯留される部位でもある。何らかの原因で水分の再吸収がうまく機能しないと、水分の多い便が排泄される状態になるが、これを下痢と呼ぶ。

【大腸の構造】
大腸に属するのは、盲腸、虫垂、結腸、直腸である。肛門管は直腸下端から肛門までの括約筋に囲われた部分で、大腸に含めて考える場合もある。結腸はさらに、上行結腸(盲腸から右結腸曲まで)、横行結腸(右結腸曲から左結腸曲まで)、下行結腸(左結腸曲から左腸骨窩まで)、S状結腸(左腸骨窩から直腸上端まで)に区別される。

大腸は結腸ひもと脂肪垂を有し、腸管壁がハウストラ(haustra, 結腸膨隆)と呼ばれる膨らみを呈するのが特徴である。横行結腸およびS状結腸は可動性に富むが、その他の部分は後腹膜に固定されている。

【大腸の機能】
大腸の主要な機能は食物の難消化性成分、いわゆる食物繊維の発酵と水分の吸収である。主として多糖類からなる食物繊維は大腸内の腸内細菌によって嫌気状態で発酵し、そのかなりの部分が酪酸などの短鎖脂肪酸に変換される。

小腸では栄養素を吸収しても、小腸組織の代謝には流用されずに即座に門脈によって運び去られ、小腸自体の組織は動脈血によって供給される栄養素によって養われる。しかし、大腸の組織の代謝にはこの発酵で生成されて吸収された短鎖脂肪酸が主要なエネルギー源として直接利用され、さらに余剰部分が全身の組織のエネルギー源として利用される。

ウマなどの草食動物ではこの大腸で生成された短鎖脂肪酸が主要なエネルギー源になっているが、ヒトでも低カロリーで食物繊維の豊富な食生活を送っている場合にはこの大腸での発酵で生成された短鎖脂肪酸が重要なエネルギー源となっている。

また、腸内細菌の活動によって生成されるビタミンがあることも知られている。吸収された発酵産物や水分は門脈を経由して肝臓で処理されるが、直腸下部の静脈は門脈を経由しないので肝臓での処理を免れ、直接下大静脈に注いで全身を巡る。坐薬が早くよく効くのはこのためである。

なお、この大腸内での発酵によって生じたガスが、食物の摂取時に飲み込まれた空気に由来するガスと混じって屁として排出される。

肝臓

2008-04-03 12:58:33 | 排泄・解剖生理学(消化器系・泌尿器系)
肝臓は、腹部の右上に位置して、ほぼ肋骨の下に収まっており、頭側(上方)には横隔膜が存在する。ある種の動物では体内で最大の臓器である。非常に機能が多いことで知られ、代謝、排出、解毒、体液の恒常性の維持などにおいて重要な役割を担っている。特にアルコール分解能があることで一般には知られている。また、十二指腸に胆汁を分泌して消化にも一定の役割を持っている。

あまりにも多機能であるため(一説によると500種もの機能があると言われている)、人工臓器として実用化することが困難であり、完全な人工的材料で代行すると、5階建てのビルに相当する大きさになるといわれている。

他方、臓器の中での部位による機能の分化が少なく、一部に損傷があっても再生能力が強いため、その損傷などがあっても症状に現れにくい。自覚症状が出る頃には非常に悪化していることもあり、「沈黙の臓器」などと呼ばれることがある。

正常成人の肝重量は体重の約1/50であり、1.0 ~ 2.5kgである。 肝は肝動脈と門脈の2つの血管により栄養を受け、血流は肝静脈から肝外へと流れる。 肝動脈は、大動脈から分岐した腹腔動脈の枝である総肝動脈が固有肝動脈となり右肝動脈と左肝動脈へと分かれて肝内へ入る。

他方、肝臓は消化管へも繋がりを持ち、胆管が十二指腸に開く。途中には胆嚢があり、胆管下部にはすい臓も接続している。


肝臓の機能
食物の消化を助ける胆汁を産生し、胆管・胆嚢から十二指腸に排泄する。
炭水化物の代謝。
脂質の代謝。
蛋白質の代謝。
アンモニアを尿素へ変換する。
解毒作用。
アルブミンの合成。
グリコーゲンの貯蔵とブドウ糖の合成。
グリコーゲンを合成して肝臓に蓄え、あるいはこれを分解して血液中にブドウ糖として供給する。この量を調整することで血糖値の調節に関与している。
造血機能
骨髄での造血が開始されるまでの間、肝臓と脾臓で造血されている。出生後は肝臓で造血されることはないが、何らかの理由で骨髄での造血が障害されると、肝臓での造血が見られることがある(髄外造血)。

嚥下

2008-04-02 10:03:37 | 排泄・解剖生理学(消化器系・泌尿器系)
嚥下に関わる諸器官
◆鼻腔(びくう)
◆軟口蓋(なんこうがい)…口の天井の骨が無く軟らかい部分。
◆上顎骨(じょうがくこつ)上あごの骨
◆口蓋垂(こうがいすい)…いわゆるのどちんこ
◆舌(ぜつ)
◆舌尖(ぜっせん)…舌の先端部分
◆口唇(こうしん)…くちびる
◆下顎骨(かがくこつ)…下あごの骨
◆喉頭蓋谷(こうとうがいこく)…奥舌と喉頭蓋の間にあるくぼみ。嚥下の際、食塊を一旦溜める重要な場所。
◆喉頭蓋(こうとうがい)…嚥下の瞬間、喉頭の蓋になる非常に重要な場所。
◆舌骨(ぜっこつ)…舌と喉頭を繋ぐ役割の骨。喉頭の挙上に重要な役割を担う。
◆食道入口部(しょくどうにゅうこうぶ)…食道の入り口。通常は閉じている。
◆声帯(せいたい)…発声を行う器管。同時に誤嚥防止にも役立っている。
◆食道(しょくどう)…食物の通り道。通常は閉じている。
◆気管(きかん)…空気の通り道。嚥下の瞬間以外、常に空気が通っている。

嚥下運動
①食物が口腔内に入ると、まず咀嚼をして食物を飲み込める状態にする。
この飲み込める状態になったものを食塊という。
上手く咀嚼を行い食塊をつくるためには、咀嚼するための「歯」があることはもちろん、それと同時に舌や頬の運動も必要である。舌や頬に運動障害や感覚麻痺があると、食塊をつくることが難しくなる。また、口唇がきちんと閉鎖出来ないと、口腔内から食物がこぼれてしまう。

②咀嚼がある程度完了したら、舌を使って食物を咽頭へ送る。
この時に重要なのが舌尖の挙上である。舌尖を挙上して上顎に付けることが出来ないと、咽頭への送り込みがうまくいかず、いつまでも口腔内に食物が残ってしまう。この時にも口唇の閉鎖は重要である。口唇閉鎖ががきちんと出来ていないと、食塊を後方へ送ることが困難である。
また、この時軟口蓋は上へ上がるのと同時に後方へ膨らみ、口腔と鼻腔を遮断する準備をする。

③舌は口蓋にしっかり付き、舌骨が引き上げられ、喉頭が上前方へ移動し、そのため喉頭蓋が後方へ倒れる。軟口蓋は口腔と鼻腔を遮断していう。この時口腔と鼻腔の遮断がきちんと出来ないと、食物や水分が鼻腔に逆流してしまう。嚥下の際、呼吸は停止する。

④舌全体が口蓋にしっかり付く。そのため舌骨は更に上方へ引き上げられ、喉頭は更に上前方へ移動し、結果的に喉頭蓋は気管へ蓋をするような形で倒れる。また喉頭が上前方へ移動することで、喉頭の後方にある食道入口部が開き、そこへ食塊が押し込まれる。この時に喉頭が上前方へ十分移動出来ないと、食道入口部の開大が不十分となり、そのため食道へ入りきれなかった食塊が気管へ侵入する結果となりる。これを誤嚥と言う。誤嚥は食道の開大不全の他、嚥下のタイミングのズレなどでも生じる。

⑤食道の蠕動運動で、食塊は食道を胃へと向かっていく。
口蓋へしっかり押し付けられていた舌は緊張を弱め、舌骨、喉頭は下方に下がり、それと共に喉頭蓋は再び上方に上がり始める。また、軟口蓋も元の位置に戻り始めるので、鼻腔と咽頭の交通が再開され、呼吸が再開される。