アロマテラピー学習ブログ

http://www.aromakankyo.or.jp/license/text.html
参照。

ベンゼン環

2008-12-30 08:39:05 | 精油学総論
「ベンゼン」(C6H6)は、「ベンゾール」とも呼ばれ、6個の炭素原子(C)と6個の水素原子(H)とからなる有機塩素化合物で、揮発性及び引火性が非常に高く、特徴的な芳香をもつ無色透明の液体である。
 ベンゼンの6個の炭素原子は環状に結合し、亀の甲羅のように平らな6角形の「ベンゼン環」(「ベンゼン核」ともいう)を形成している。

官能基

2008-12-30 08:33:42 | 精油学総論
有機化合物の化学的性質を決定する原子団をさす。有機化合物の化学反応は、官能基単位であることが多いため、同じ官能基をもつ化合物は、その性質がたがいによく似ている。

光毒性と光感作

2008-12-30 07:59:40 | 精油学総論
「光毒性」
たとえばフロクマリン類の入った精油を皮膚塗布した後に日光にあたることで皮膚と成分が反応し色素沈着や炎症反応などを起こすこと。
基本的にオイルをぬって日光に当てた部分に反応が現れる。

「光感作」
感作というのは、免疫システムに基づくアレルギー反応。
光感作は、簡単に言うと日光にあたることによってアレルギー症状を起こすこと。
塗布した部分だけでなく全身に反応が出ることも考えられる。


芳香族化合物

2008-12-30 06:22:44 | 精油学総論
芳香族化合物は、ベンゼンを代表とする環状不飽和有機化合物の一群。炭化水素のみで構成されたものを芳香族炭化水素 (aromatic hydrocarbons)、環構造に炭素以外の元素を含むものを複素芳香族化合物 (hetero aromatic compounds) と呼ぶ。狭義には芳香族化合物は芳香族炭化水素と同義である。

19世紀ごろ知られていた芳香をもつ化合物の共通構造であったことから「芳香族」とよばれるようになった。したがって匂い(芳香)は芳香族の特性ではない。

消化腺

2008-12-29 20:28:42 | 排泄・解剖生理学(消化器系・泌尿器系)
 消化腺(しょうかせん)とは、食べ物の消化を行う分泌物(=消化液)を分泌する腺をまとめて呼ぶときの言い方。消化液は、食べ物が通る消化管のどこかに分泌される。

 消化器付属腺ともいう。英語では、digestive glands、ダイジェスティブ グランズ。

 消化腺には、

消化管の近くにある場合。腺から消化管までは導管がつながっていて分泌された消化液が消化管に流れ込むようになっている。
消化管の壁の中に微細な消化腺がたくさん埋め込まれていて、消化液が消化管に直接放出される場合
などがある。どちらの場合でも、消化腺の分泌物は消化管の壁の内側(内腔)、つまりからだの外側とつながっている場所に直接出されるので、消化腺は外分泌腺に分類される。

 消化管の外側にあって、導管が消化管につながっている消化腺の代表例は、

耳下腺、舌下腺、顎下腺?などの唾液腺や、
膵液を分泌する膵臓、
胆汁を分泌する肝臓など。

 消化管の壁の中に目に見えないほどの小さな腺が無数に埋め込まれている例としては、

口の中(=口腔)のいろいろな場所にある唾液腺(くちびる(=口唇)の内側の口唇腺、舌にある舌腺など)、
胃の壁にある胃腺、
十二指腸の壁にある十二指腸腺など。

 消化器系を、大きく消化管と消化腺とに分類するときに考える消化腺とは、前者の方。

消化管

2008-12-29 19:55:10 | 排泄・解剖生理学(消化器系・泌尿器系)
 消化管とは、口から始まり、肛門でおわる、体内を通る一続きの管のこと。全長9mにもなる。食べ物を体内に取り込んで排泄するまでに通る場所で、その間に食べ物の消化と栄養分の吸収を行うことからこう呼ばれる。


言語 表記 発音、読み方
日本語 医学 消化管 しょうかかん
英語 digestive tract ダイジェスティヴ・トゥラクト
英語 alimentary canal アリメンタリー・キャナル

 消化管は、口と肛門の間で、のど(咽頭)、食道、胃、小腸、大腸などの器官を通る。このうち、小腸は、十二指腸、空腸、回腸に分けられる。また、大腸は、盲腸、虫垂、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸などに分けられる。

 消化管には、消化管の壁の中や外部の器官から、消化液が管の内側の空間(内腔)に分泌される。消化管と消化液を分泌する器官(消化腺)をあわせて、消化器系としてまとめることが多い。

消化管の断面
表面積を増やすために、3つのレベルの構造がある。
 ひだが肉眼レベルにあり、粘膜が波状になっている。
 絨毛が顕微鏡レベルにあり、上皮が絨毯の毛のようになっている。
  小腸には多いが、大腸にはあまりない。
 微絨毛が電子顕微鏡レベルにあり、上皮細胞膜が絨毯の毛のようになっている。

粘膜、筋層、漿膜の3層が基本構造。
 粘膜の最内側に上皮がある。
 筋層には縦走筋と輪走筋とがある。
 また、神経叢があり、粘液の分泌や、筋収縮をコントロールしている。

2008-12-29 19:41:11 | 排泄・解剖生理学(消化器系・泌尿器系)
 胃は、消化管の一部にあたる内臓で、食べ物の通る順でいうと、食道の次、小腸(十二指腸)の前。口で噛み砕かれ、飲み込んだ食べ物が胃に届くと、食べ物は胃でいったんためられ、胃から分泌される胃液がまぜられる。胃液は食べ物中の蛋白質を分解させ、pHを酸性にし、殺菌する効果がある。胃では食事のあと数時間程度たべものが蓄積され、この間、少量ずつ小腸へと送られ、さらに消化を受ける。

 英語では、stomach、ストマック、スタマック。形容詞形「胃の~」では、gastric ガストリック。これは胃や腹部を意味する gaster ガスター の形容詞形。この言葉から、胃に関するものに gastro- ガストロ~の名前がつく(例:胃から出るホルモン、ガストリンなど)。


胃の構造
 胃は、管の形をした消化管の途中が、大きくふくらんだ場所。胃の口側にある食道も、胃の肛門側にある十二指腸も直径数cmの細い管だが、胃の部分は最大の幅が10 cm以上にふくらんでいる。この形に合わせて内腔も広がっており、食べ物が入っているときには胃はふくらむ。食べ物が入っていないときには、胃の壁はある程度しわがよって小さくなる。

 胃の中で、食道側の入口を噴門、噴門につながる細くなったところを噴門部、十二指腸側の出口を幽門、幽門につながる細くなったところを幽門部という。その間の太いところが胃体、胃体部である。

 胃の中の構造:大弯、小弯、胃底


胃の場所
 胃は、おなかにある内臓(=腹腔内臓)としては、肝臓とともに、もっとも上に位置する内臓。胃と肝臓の上端は横隔膜に接しており、横隔膜の下、右側に肝臓が、左側に胃がある。食べ物は食道から胃に入るが、食道は口の奥にある咽頭から始まり、胸を上から下まで貫通する。最後に、横隔膜を通過したところで胃につながる。一方、胃から食べ物が流れていく先である十二指腸は、体の右側、肝臓の下側にあるので、胃の出口近くの部分は肝臓の下にもぐりこんでいる。

呼吸運動の調整

2008-12-29 18:23:43 | 解剖生理学(嗅覚・呼吸器系)
1) 呼吸中枢 呼息中枢と吸息中枢
・ 呼吸中枢は「脳幹」にある「延髄」の「網様体部分」にある
 ※【脳幹】 延髄、橋、中脳、間脳

2) 脳幹の化学受容器
・延髄の呼吸中枢にある腹側表面には「中枢性化学受容領野」がある。
・中枢性化学受容領野では脳脊髄液の「H+」濃度の上昇を感知して呼吸が促進される

3) 反射性調整
肺迷走神経反射(「ヘーリング・ブロイエル」反射)
・ 肺の伸展受容器による吸息の情報は「迷走神経」を介して呼吸中枢に伝えられ、吸息の情報により吸息は抑えられ、吸息から呼息に移行する


4) 抹消化学受容器反射
・頚動脈洞の近くには、「頚動脈小体」大動脈弓には「大動脈体」がある。
・抹消化学受容器は、血中のO2分圧減少や、CO2分圧増大、ph低下に反応して興奮する。
・受容器が興奮すると、頚動脈洞神経、大動脈神経を介して呼吸中枢に伝えられ、呼吸運動が促進する。

呼吸

2008-12-29 17:52:19 | 解剖生理学(嗅覚・呼吸器系)
1. 呼吸運動
 外界の空気を肺に取り込んだり、排出したりするためには肺を拡張させたり収縮させる必要がある。肺は胸壁内側を覆う壁側胸膜と肺を包む肺胸膜という2つの膜で覆われており、両膜の間は陰圧なので、胸郭や横隔膜を動かすことによって肺の拡張・収縮を行うことができる。このための運動を呼吸運動という。呼吸運動は空気を肺に取り込む吸息運動と空気を排出する呼息運動に分かれる。
 吸息運動: 横隔膜が下がり、外肋間筋が収縮によって胸郭が広がると胸腔内の容積が大きくなる。このことによって肺が拡張し、空気が肺内に流入する。
 呼息運動: 内肋間筋が収縮することによって胸郭が小さくなり、また腹壁筋の収縮によって横隔膜が挙上すると胸腔内の容積が小さくなる。拡張した肺自身も縮小しようとするので肺が収縮して空気が排出される。
 胸郭を動かして呼吸運動をすることを胸式呼吸といい、腹部の運動によって横隔膜を動かして呼吸運動をすることを腹式呼吸という。

2.呼吸運動の調節
 ヒトは意識しなくても安静時において1分間に15回程度の呼吸運動をしている。これは脳幹にある呼吸中枢と呼ばれる部分が呼吸のリズムをコントロールしているからである。
 延髄(Medulla)には吸気運動を促す吸気ニューロンと呼気を促す呼気ニューロンがある。吸気中枢、または背側呼吸群(Dorsal respiratory group:DRG)は吸気ニューロンからなり、呼気中枢、または腹側呼吸群(Ventral respiratory group:VRG)は吸気と呼気ニューロンからなっている。しかし、これらのニューロン群だけでは呼吸リズムは生じず、Pre-Böttzinger コンプレックスと呼ばれる部分が自発的なリズムを生成し、呼吸リズムに関与していると考えられている。また、橋(Pons)には呼吸調節中枢(Pneumotaxic center)と無呼吸中枢(Apneustic center)と呼ばれる部分もあり、延髄の呼吸中枢に刺激を送り、呼吸リズムを修飾する。

さらに呼吸運動は以下の機構によって修飾を受ける。
(1)神経性調節(肺の受容器): 肺には受容器があり、迷走神経を介してDRGにシグナルを送る。
  (a)刺激受容器(Irritant receptor): 気道の上皮細胞中に存在する。ガスや粉塵等の刺激によって興奮し、咳や気管収縮を起こする。
  (b)J受容器(Juxtapulmonary capillary receptor): 肺胞の毛細血管付近にあり、毛細血管圧や浮腫等によって興奮し、浅くて速い呼吸を引き起こす。
  (c)伸展受容器(Stretch receptor): 気道の平滑筋中に存在し、肺の拡張によって刺激される。これによって、吸気が抑制される (へーリング・ブロイヤー反射:Hering-Breuer reflex)。

(2)化学的調節: 動脈血中の酸素(PO2)、二酸化炭素分圧(PCO2)やpHをモニターして、呼吸運動を修飾する。
  (a)末梢性化学受容器(Peripheral chemoreceptors): 大動脈弓(Aorta)にあり、迷走神経を介して中枢にシグナルを伝える大動脈体(Aortic body)と頚動脈分岐部にあり、舌咽神経を介してシグナルを伝える頚動脈体(Carotid body)の2種類がある。これらの化学受容器は特に酸素分圧低下に敏感で、呼吸運動を促進する。
  (b)中枢性化学受容器(Central chemoreceptors): 延髄の呼吸中枢近くにあり、脳脊髄液(CSF: Cerebrospinal fluid) の pH(水素イオン濃度)をモニターする。pHが低下すると呼吸運動が促進される。

呼吸筋

2008-12-29 17:41:55 | 解剖生理学(嗅覚・呼吸器系)
呼吸筋とは、呼吸を行う筋肉の総称。すなわち、呼吸をするときに胸郭の拡大、収縮を行う筋肉のこと。種類としては、横隔膜、内肋間筋、外肋間筋、胸鎖乳突筋、前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋、腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋などがある。呼吸筋は随意筋である。

正常安静呼吸では、吸気は主に横隔膜の収縮によって行われ、また外肋間筋も使用される。呼気は筋肉を用いず、伸展された肺の受動的反跳(ふくらんだ肺が自然にもとに戻ろうとする力)によって行われる。努力呼吸時には、吸気には胸鎖乳突筋、前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋が、呼気には内肋間筋、腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋といった呼吸補助筋が補助的に用いられる。


頭部の筋肉(表情筋)

2008-12-29 15:03:26 | 解剖生理学(骨・筋肉)
▽頭部の筋肉:顔の表情を作る表情筋
後頭筋 前頭筋 帽状腱膜 雛眉筋 眼輪筋 眉毛下制筋
鼻根筋 鼻筋 鼻中隔下制筋 上唇鼻翼挙筋 上唇挙筋
小頬骨筋 大頬骨筋 笑筋 頬筋 口角挙筋
口輪筋 口角筋軸 口角下制筋 オトガイ横筋 下唇下制筋

中殿筋

2008-12-29 14:36:24 | 解剖生理学(骨・筋肉)
【中殿筋】(ちゅうでんきん) 背中側の尻の上(骨盤(腸骨翼の外面)から大腿骨(の大転子))にある小さな筋肉。大腿筋膜張筋とともに、股を開く動作(足を外転(外に広げる))で働く。中殿筋は、大殿筋や尻の脂肪を吊り上げている。

2008-12-29 13:53:27 | 解剖生理学(骨・筋肉)
骨(こつ)とは、「ほね」のこと。体の中にある、さまざまな形をした硬い構造で、軟骨と共に、支持組織と呼ばれる。体の形を維持し、重力や外部の力に抗して体をささえ、運動の際には筋肉の力を伝えたり、骨の囲いを作って囲いの内側にあるもの(内臓など)を守ったり、というようなさまざまな働きをしている。

 骨は、骨組織からできている。リン酸カルシウムなどの無機質が沈着しており、体の中ではもっとも硬い構造のひとつである(歯のエナメル質や象牙質?の次に硬い)。すべての細胞にとって、その細胞が正常にはたらくには、カルシウムイオンが必要だが,その体内での貯蔵庫としても重要。

 骨はある程度の弾力性はあるものの、それ自体大きく形を変えることはできないほど硬い。手足など体の動きに対応するため、隣り合う骨どうしがつながっている箇所ではある程度自由につながりの角度を変えられるようにできている。この骨どうしのつながっている場所を関節と呼ぶ。骨が関節でつながった全体を骨格という。

 軟骨は骨の一種ではなく、別の構造。

 「肩甲骨」(けんこうこつ)「肋骨」(ろっこつ)など、「~骨」の形の時には、「こつ」と読むが、そうではなくて、単独で「骨」というときも、「ほね」ではなく「こつ」と読む。

 英語では bone ボウン、ラテン語は os オス。ただし、(顔にある)口や、管状のものの入口の「口(こう)」のこともosというので注意。

骨のいろいろ
 体の中では、骨のある場所はみな決まっていて、それぞれ名前がついている。また、ひとつひとつの骨の形も細かく決まっていて、骨の表面の突起やくぼみなどにもみな名前がついている。もちろん、そういったでこぼこは、別の骨と関節を作る場所だったり、筋肉が付着する場所だったりと、みな意味がある。

 骨は、ヒトには全部で200本ぐらいある。さまざまな形をした骨のうち、腕やあしなどにある長い骨を長骨、頭蓋骨の一部や肩甲骨などのような平べったい骨を扁平骨、手首や足首などにある小型で塊状の骨を種子骨という。


骨の構造
 骨の硬い部分は骨実質と呼ばれる。骨は、その内部全体が骨実質であるわけではなく、内部にはさまざまな空洞がある。その空洞は、骨髄腔と呼ばれ、その中にある組織は、骨髄という。

骨実質は、結合組織の一種である骨組織という組織からできている。骨組織をつくリ出すのは骨芽細胞などの細胞。この細胞は、細胞のまわりにコラーゲンでつくられているコラーゲン細線維や、アパタイト類(リン酸カルシウムなどを含む)などを分泌する。細胞のまわりに蓄積したこれらの物質の塊が骨基質であり、これが骨の硬さの元になっている。骨芽細胞は、骨の中を走る血管から酸素や栄養分を供給されている。骨芽細胞がこの血管の周りに同心円状に並び、骨実質もこの血管を囲む円柱状に発達することから、血管とその回りの骨芽細胞、骨基質が骨の基本単位となっている。これを骨単位(オステオン、oesteon、またはハバース系)という。

 骨の構造の詳細は、骨組織を参照。


代表的な骨の例
(説明を書いたもののみ)

頭部の骨格(頭蓋)
頭蓋骨 - 頭頂骨

指骨 - 趾骨 - 指節骨 - 趾節骨 - 基節骨 - 中節骨 - 末節骨
脊柱(背骨)
椎骨
骨盤
仙骨- 寛骨 - 坐骨 - 腸骨 - 恥骨
そのほか
腰骨

シナプスにおける興奮の伝達

2008-12-28 21:59:01 | 解剖生理学(脳神経系)
【シナプスにおける興奮の伝達】
《シナプスの重要性》
( 1 ) 刺激( 信号) は、シナプス前側( 軸索) からシナプス後側へ向かってのみ、
伝達される。すなわち、シナプスは、ニュ- ロンからニュ- ロンへ、ある
いは、ニュ- ロンから効果器へ原則的に一方向にのみ、興奮を伝える中継
所として働く。
( 2 ) シナプスの効率は、変わりうる。頻繁に使用される場合には、全く使用さ
れない場合とか、あるいはまれにしか使用されない場合に比べて、より確
実に興奮伝達ができるようになる。言い換えると、頻繁に使用されるほど、
伝達の確実性が増す。学習や記憶に重要な機能を果たすと考えられている。
( 3 ) 多くの薬物が、作用する部位として重要である。
【反射】
末梢からの刺激が求心性神経を伝わり中枢に達し、大脳皮質と関係なく、その
反応が遠心性神経を介して効果器に及ぶことをいう。
受容器・求心性神経・神経の中継( シナプス) をする中枢・遠心性神経・効果
器が区別される。これらを反射弓という。
【反射の特性】
( 1 ) 一方向性伝導
( 2 ) 潜時および不応期が長い
( 3 ) 反射の拡延
( 4 ) 刺激の加重
( 5 ) 反射の抑制
( 6 ) 後発後反応
( 7 ) 疲労性
【筋紡錘】
骨格筋線維の間に紡錘形の小細胞錘内筋線維群があり、筋紡錘といわれる。こ
れは、張力受容器である。
筋紡錘の中には、2 ~ 4 本の比較的太くて中央の膨大した核袋線維と4 ~ 5 本
の比較的細くて核が鎖状をなす核鎖線維とがある。
これらの錘内筋線維には大小2 種の求心性線維( I a 群とⅡ 群線維) と細い遠
心性線維( γ 線維) とが入っている。遠心性線維( γ 線維) は錘内筋線維の両端
( 極部) にある横紋構造の収縮部を支配する。
太い求心性線維( I a 線維) は、中央( 赤道部) の核袋にあるらせん終末に発
し、細い求心性線維( Ⅱ 線維) は、赤道部の筋管にある散形終末に発している。
筋を伸張するとこれらの終末からインパルスが発射される。筋紡錘からのイン
パルスは、脊髄で自筋の運動ニュ- ロンに伝えられ伸張反射により筋の緊張を増
す。
γ 線維からの遠心性刺激は両極部の収縮の程度を加減して、筋紡錘の感度を調
節している。
【腱紡錘】
腱の中にあり、1 ~ 2 本の求心性線維( I b 群線維) につながっている。筋が
収縮するときは、筋紡錘は緩むが、腱紡錘は伸張されてインパルスを発射する。
腱紡錘からのインパルスは、脊髄で自筋の運動ニュ- ロンに対しては、抑制的
で過度に伸張されたとき伸張反射によって筋が断裂するのを防いでいる。( I b
抑制または自己抑制)
【ブラウン= セカ- ル症候群】
あるレベルで脊髄の半側を切断すると、脊髄側の切断レベル以下の分節では、
同側に、① 随意運動麻痺
② 血管運動神経麻痺
③ 深部感覚麻痺
④ 皮膚感覚の過敏( 一定時の後消失)
他側に、① 温度感覚麻痺
② 痛覚麻痺
が起こる。これをブラウン= セカ- ル症候群という。
【錐体路系】( 随意運動)
大脳皮質中心前回にあるB e t z の細胞に発する随意運動の経路を錐体路とい
う。延髄の錐体を通るのでこの名がつけられた。
錐体路には、
( 1 ) 皮質延髄路
( 2 ) 皮質脊髄路
の2 つが区別される。
( 1 ) 皮質延髄路
大脳皮質運動野から起こり、内包に向かって集まり、その膝を通って大脳脚
( 中脳) に入り、その内側部を下行する。神経線維は、脳神経の運動核( 動眼神
経核・滑車神経核・外転神経核・三叉神経運動核・顔面神経核・舌咽神経核・迷
走神経核・副神経核・舌下神経核) に終わる。
( 2 ) 皮質脊髄路
大脳皮質運動野から起こり、内包に向かって集まり、内包後脚を通って下行す
る。続いて大脳脚に入り、橋・延髄に至る。延髄では、錐体を形成する。
延髄の下端で、神経線維は反対側に交叉して錐体交叉をつくる。
錐体をつくる下行性線維の大部分( 7 5 ~ 9 0 % ) は、錐体交叉で反対側に交
叉し、脊髄側索を外側皮質脊髄路( 錐体側索路) をつくって下行する。
外側皮質脊髄路( 錐体側索路) の神経線維は、脊髄を下行しつつ脊髄灰白質へ
入り、前角の運動ニュ- ロンに接続する。
錐体線維のうち、1 0 ~ 2 0 % の線維は、交叉しないで同側の脊髄前索を前皮
質脊髄路( 錐体前索路) として下行する。
前皮質脊髄路( 錐体前索路) の神経線維は、脊髄を下行し白交連を通って交叉
し、反対側に終わるが、一部は非交叉性で同側に終わる。
このように皮質脊髄路は、大脳皮質から起こり脊髄前角に達し、その運動ニュ
- ロンへ運動指令を伝え、骨格筋の運動を起こさせる。
錐体路で、脳神経運動核や脊髄前角の運動ニュ- ロンを下位運動ニュ- ロンと
いい、大脳皮質から下位運動ニュ- ロンに至るまでのニュ- ロンを上位運動ニュ
- ロンという。
【錐体外路系】( 不随意運動)
錐体外路系として次の各部がある。
( 1 ) 大脳皮質
大脳皮質は、線条体・淡蒼球・視床・中脳被蓋・小脳・網様体などと直接ある
いは、間接に神経線維連絡を持ち、錐体路を介さないで運動機能と関連し、錐体
外路系としての役割も担っている。
( 2 ) 線条体系
線条体・淡蒼球・黒質・視床下核などをまとめて線条体系といい、錐体外路系
として重要な中枢的役割をする。
( 3 ) 小脳
小脳は、骨格筋の運動を自律的に調整する働きを持つ運動中枢で錐体外路系と
しても重要な中枢である。
( 4 ) 脳幹
中脳を含め脳幹の赤核・網様体・視蓋・前庭神経核・オリ- ブ核などは、脊髄
・延髄に下行性運動路を送り、錐体外路系に加えられる。
① 赤核脊髄路
赤核から起こり、反対側に交叉し、橋・延髄を通り脊髄側索を下行する。
赤核は、小脳・大脳・脊髄などと連絡し、その間に介在する重要な錐体外路系
の核である。赤核脊髄路によって脊髄の運動ニュ- ロンに働き、特に屈筋には促
進的に、伸筋ないし抗重力筋には抑制的に作用するといわれる。
人では、発達が悪い。筋緊張の調節に与るといわれる。
② 網様体脊髄路
網様体脊髄路は、網様体に散在する核から起こる。橋の網様体核から起こる神
経線維は、非交叉性で脊髄の前索を下行する。延髄から起こる神経線維は、交叉
性と非交叉性で脊髄側索を下行する。
脊髄前角の運動ニュ- ロン特に、γ 運動ニュ- ロンに接続する。不随意的な呼
吸運動の調節などにも与るといわれる。
③ 視蓋延髄路・視蓋脊髄路
中脳上丘から起こり大部分交叉して、内側縦束を下行し網様体に達し、( 視蓋
網様体路) 、さらに頚随の上部の前角に、一部は胸随上部の側角に達する。
主として視覚刺激に対応して行う反射的な姿勢・体位の維持や運動と関係があ
る。
④ 前庭脊髄路
橋・延髄にある前庭神経核から起こり、非交叉性に同側の脊髄前索を下行し、
前角の運動ニュ- ロンに接続する。
前庭神経核は、前庭神経の終止核であるとともに、小脳とも線維結合をもち、
小脳からの入力をも受ける。
前庭脊髄路は、主として伸筋に対して促進的に、屈筋に対して抑制的に働き、
身体の平衡を保つのに与る。
⑤ オリ- ブ脊髄路
延髄にある下オリ- ブ核から起こり、交叉性に脊髄側索を下行し、前角の運動
ニュ- ロンに接続する。
下オリ- ブ核は、大脳皮質・線条体・赤核や脊髄( 脊髄オリ- ブ路) からの入
力を受け、骨格筋の運動を調節すると考えられている。
【条件反射】
P a v l o v ( 1 9 0 2 ) は、光とか音のような犬の唾液線には何の効果もな
い無関刺激を与えながら食物を与えることを繰り返すうちに、犬は無関刺激のみ
で唾液を分泌することを発見した。
食物→ 唾液分泌という生得の反射( 無条件反射) が予めあるとき、無関刺激
( 条件刺激) を与えて唾液分泌をひきおこすように訓練することを条件づけると
いい、そのようにして成立した無関刺激→ 唾液分泌という反射を条件反射と
いう。
条件反射は生後獲得されたものであり、学習、習慣、個性などの可能性に対し
て生理学的な基礎を与えるものとして重要視されている。
【汎化】
ある条件刺激( 1,000Hz の音) によって条件反射が形成されると、同時
にこれと似た刺激( 800Hz の音) によっても程度は弱いが同様の条件反射が
起こるようになる。
【分化】
1,000Hz の音の時には、食物を与え800Hz の音の場合には、食物を与
えないように訓練すれば、1,000Hz の音では、唾液を分泌するが、
800Hz の音では、分泌が起こらないようになる。
【外抑制】

興奮の伝達・興奮の伝導

2008-12-28 21:50:29 | 解剖生理学(脳神経系)
興奮の伝達
神経細胞から神経細胞へ情報を伝える過程。
活動電位により脱分極した神経終末から放出される化学伝達物質を介して液性に情報が伝達される。
興奮の伝達
①一方向伝達・・・第1のニューロンであるシナプス前線維から、第2のニューロンのシナプス後線維へは興奮は伝わるが、その逆には伝わらない。(シナプス前繊維→シナプス後繊維)
②シナプス遅延・・・シナプスを通って興奮が第1ニューロンから第2ニューロンへ渡る際2~5ミリ秒位要する。何回も刺激すると短くなる(反復刺激後増強)
③発散と収束・・・発散は一つの神経細胞の軸索から枝分れし、収束は一つの神経細胞に多数の神経細胞の神経終末が集まる。
④疲労しやすい
⑤シナプス電位の加重
⑥シナプス前抑制

→活動電位、 強縮

興奮の伝導
活動電位が軸索に沿って伝播。
【伝導の原則】
1、絶縁伝導・・・ある神経線維の興奮は隣接神経には伝導されない。
2、不減衰伝導・・・活動電位の大きさは一定であり、減衰しない。
3、両方向伝導・・・神経線維の一点で興奮がおきると、その興奮は中枢側(細胞体側)と抹消側の両方向に伝わる