アロマテラピー学習ブログ

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参照。

血球の分化過程

2009-01-05 17:45:04 | 解剖生理学(免疫系)
図の上段が顆粒白血球で骨髄芽球(myeloblast)から3種の顆粒球が分化する。
前骨髄球(promyelocy te )は細胞質中に顆粒が出現した状態。骨髄球(myelocyte )は、各細胞質に特異な顆粒が出現し始め、細胞核クロマチンが粗くなり始めた状態。
後骨髄球(metamyelocyte )の細胞質は各顆粒球ごとに特異な顆粒を含む細胞質となり、細胞核に凹みが見られた状態。
桿状核球( stabcell )の細胞核は棒状の核となる。好中球
( neutrophile )や好酸球(eosinophile )、好塩基球( basophile )は多核細胞となり、桿状核球とあわせて末梢血中に出現する。中段はリンパ球でリンパ芽球( lymphoblast )から分化する。末梢血で見られるリンパ球の多くはT リンパ球である。下段が赤血球(erythrocyte)の分化成熟過程である。

血球の分化と成熟
1 白血球は大きく分けて顆粒球とリンパ球がある。その他に少数だが単球と呼ば
れる細胞がある。これらの細胞の元は中胚葉発生で骨髄幹細胞から分化する。
1) 顆粒球の分化成熟
顆粒球は幹細胞から骨髄芽球になり、好中球や好酸球、好塩基球に分化する。
正常抹消血で見られる細胞は成熟した多核の細胞で好中球は桿状核から2-3核、好酸球は通常2核で見ることができる(分節球)。したがって、抹消血で見られる細胞より若い骨髄芽球や骨髄球などを幼弱細胞と呼び、通常は抹消血で見ることはできない。
急性骨髄性白血病では抹消血中に病的な骨髄芽球が異常に増える。慢性骨髄性
白血病では骨髄芽球から分節球までの種々の段階の顆粒球が抹消血中に出現する。
顆粒球は骨髄で発生し骨髄で分化成熟する。好中球は急性の炎症で出現し、好酸
球は寄生虫やアレルギーで多く出現する。これらの働きは次の通り。
(1)好中球 遊走性があり、炎症機転で血管から血管外(組織中)に遊走して、細菌などを貪食する。食細胞としての機能はマクロファージの方が強く、好中球
は細菌を食べて死滅する。これが膿となる。
(2)好酸球 好酸球も弱い食細胞としての機能があるが、それ以上に細胞からケミカルメディエーターと呼ばれる種々の作用の強い物質を分泌放出させる。好酸性の顆粒から放出される物質は寄生虫を攻撃し、さらに炎症状態を強め他の細胞を呼び寄せる因子を放出する。放出成分には組織障害性もあるので周辺の細胞は障害を受けることがある。
(3)好塩基球 この細胞は血液中からでて塩基性の顆粒を放出する。この物質はヒスタミンに代表されるように、炎症反応を強め、血管の内皮の結合を緩め、血液中の細胞を呼び寄せる。組織中にとどまったものが肥満細胞と呼ばれる。肥満細胞は硫酸基成分のヘパリンを分泌し、炎症での好中球や他の細胞が活発に活動できる環境をつくる。
2) リンパ球の分化成熟
リンパ球も幹細胞から分化した細胞である。リンパ球は分化する過程で2種類に分けられる。骨髄で発生し胸腺で成熟するT細胞と、骨髄で発生し骨髄で分化成熟するB細胞で、各リンパ組織に定着する。B細胞はこの二次リンパ組織と呼ばれる扁桃やリンパ節などで抗原刺激を受けて分裂増加する。T細胞は非自己抗原を認識する細胞として教育され、全身の監視役細胞(細胞性免疫のはたらき)となる。B細胞はさらに分化して抗体を専門に産生する形質細胞になる。(液性免疫)
2 赤血球の分化は葉酸やVB12、内因子、エリスロポエチンなど造血因子によって調節される。

レセプター

2009-01-05 17:18:55 | 解剖生理学(免疫系)
細胞膜表面や細胞質、核内に分布し,細胞外からの各種生理活性物質を特異的に認識して結合し,生理活性物質の情報を細胞内やDNAに伝達するタンパク質。

レセプターは分布する場所によって細胞表面レセプターと核内レセプター(細胞内レセプターともいう)の二つに大別される。

細胞膜表面レセプターは,細胞膜を通過できない親水性の生理活性物質(ペプチド,サイトカイン,カテコールアミン,増殖因子など)と結合し,素早い構造変化を通して不活性型から活性型へ転換し,生理活性物質の情報を細胞内に伝達する。

細胞表面レセプターはそのタンパク質の構造と情報伝達機構の違いからイオンチャネル共役型レセプター,チロシンキナーゼ共役型レセプター,3量体GTP結合タンパク質(Gタンパク質)共役型レセプターの3種のグループに大別される。

一方、核内レセプターは,細胞膜を容易に通過する疎水性の生理活性物質(ステロイドホルモン,甲状腺ホルモン,ビタミンA,ビタミンDなど)と結合する。リガンドの結合した核内レセプターは特定の遺伝子のプロモーター上の特定配列を認識して結合し,その遺伝子の転写を活性化または抑制する。代表的な核内レセプターとして,レチノイン酸レセプター,ステロイドホルモンレセプターなどがある。

リンパ球

2008-12-25 15:57:06 | 解剖生理学(免疫系)
【リンパ球】

リンパ球とは、白血球の一種で骨髄で生成される。リンパ節・胸腺などで分化・成熟・増殖し、免疫を担当する。リンパ球にはB細胞(Bリンパ球)・T細胞(Tリンパ球)がある。

健康な人では白血球のうちの約35~41%を占めている。体内にウイルスなどの異物が侵入してくると、これを「抗原」と認識し、抗原の活動を邪魔する「抗体」を作って捕まえる。

リンパ球は一度出会ったウイルスや細菌を抗原として覚えており、二度目にはしかウイルスが侵入すると、抗原(ウイルス)の活動を阻止するために大量の抗体を作る。こうして二度目の発病を防ぐことができるのである。


増加
  感染症 [百日咳]
      [伝染性単核症]
      [結核]
      [梅毒]
  血液疾患 [リンパ性白血病]
  内分泌疾患 [バセドウ病]

減少
   血液疾患 [再生不良性貧血]
       [悪性リンパ腫]
  免疫疾患 [免疫不全症候群]
  その他  [抗ガン剤]
      [放射線照射]


非特異的防御機構・特異的防御機構

2008-12-24 18:34:48 | 解剖生理学(免疫系)
非特異的防御機構
 インターフェロン(IFN)によるウイルス感染(増殖)の阻止のこと。例えば、皮膚粘膜を弱酸性に保って、物理化学的な異物の侵入阻止をはかったり、マクロファージなどの免疫細胞が侵入してきた異物に対して無差別に反応して貪食したりする自然免疫のこと。

特異的防御機構
 免疫系によるウイルスやウイルス感染細胞の排除のこと。例えばリンパ球がマクロファージから抗原提示を受けて、その抗原を持つ侵入者だけを集中攻撃する獲得免疫のことになり、強力な防御力を発揮する。

 侵入者があった場合は、先ず非特異的防御機構の免疫細胞であるマクロファージや顆粒球が無差別攻撃を仕掛けると同時に、特異的な防御機構を担当するヘルパーT細胞に抗原を提示する。すなわち、異物をマクロファージなどの貪食細胞が食べて、ペプチドに消化分化する抗原処理を行なった後に自分の細胞表面のMHC分子の穴にペプチドをはめ込んで表出する。
 こうしたマクロファージ上のMHC、抗原ペプチドと結合できるレセプターを持つT細胞や、マクロファージ上のMHC、抗原ペプチドと結合できるイムノグロブリン分子を持つB細胞のみが活性化されて増殖して特異的防御にあたっている。

抗原抗体反応

2008-03-22 12:55:43 | 解剖生理学(免疫系)
私たちの身体は有害物質や細菌などから、自分自身の身体を守るための複雑なシステムを有している。これは「免疫機構」といわれ、これがなければ、私たちは健康を維持し、生活していく事はできない。

私たちの身体は外部からの異物、細菌やウイルスといった病原体(抗原)が侵入すると、これに反応して「抗体」を作り、再び、病原体の侵入があった時には、この「抗体」が「抗原」を攻撃し、私達の身体は事なきを得る。
これは「抗原抗体反応」と言われる。

免疫機構の過剰とアトピー性皮膚炎

2008-03-22 10:06:57 | 解剖生理学(免疫系)
「免疫機構」が、身体に入ってきた、「有害でないモノ」を「有害な異物」と誤認してしまう、過剰反応であるといえる。

過剰反応によっておきるのはアトピー性皮膚炎。

アトピー性皮膚炎に深く関わるものは、この中でも、「Ⅰ型(即時型)アレルギー反応」と「Ⅳ型(遅延型)アレルギー反応」の2タイプが挙げられる。

Ⅰ型(即時型)アレルギー反応は、抗原が体内に侵入した場合に作られる「IgE抗体」によって起こる。体内に「抗原」を見つけ「免疫機構」によって作られた「IgE抗体」は、まず、真皮内の肥満細胞と結合する。
次に、先ほどと同じ「抗原」が体内に確認されると、これが、既に作られている「IgE抗体」と結合する事で、脂肪細胞が刺激される。これにより、脂肪細胞は細胞内にヒスタミンやロイトコリエンを含んだ顆粒を放出する。

ヒスタミンは血管の拡張作用を持っているため、皮膚に痒みや炎症を起こす原因になると考えられている。抗原が侵入してから、これらの反応が現れるまで、おおよそ、数分から数十分と言われ、この反応までの速さから「即時型」と言われている訳である。

ロイトコリエンは白血球の一種である好酸球・好中球に作用し、炎症を起こす。こちらは反応が現れるまで、数時間のタイムラグがあり、ヒスタミンの「即時型」に対して「遅発型」と言える。

ちなみに、「Ⅰ型アレルギー反応」には、蜂などに刺された時に起こす「ショック症状」であるアナフィラキーショックも、この中に、含まれる。
花粉症やアレルギー性鼻炎、小児喘息の発作なども「Ⅰ型アレルギー反応」によるもの。

免疫力低下

2008-03-22 09:22:56 | 解剖生理学(免疫系)
免疫力が落ちると、細菌やウィルスに対する抵抗力が落ち、風邪を引きやすく体調も崩しやすくなる。

免疫力の低下により起きる病気とは

免疫作用の中の攻撃面が弱まって起きる病気のこと。つまり、1・誘導作用と2・抗原作用が弱まっているという事。主な病気は次の通り。

末期ガン、慢性疲労症候群、腎臓病、慢性リンパ性白血病、心臓病、肝炎、痴呆症、自閉症、糖尿病、ダウン症、腫瘍、口内炎、歯周病、歯茎の病気、感染症(インフルエンザ、結核、エイズ)などは免疫力の低下から起きる。

【免疫力を低下させる様々な要因】
①老化
②ストレス
③偏食や過食による栄養バランスの崩れ(食事の欧米化)
④病気や病気の治療
⑤いきすぎた環境の清浄化(抗菌グッズの流行による過度な清潔志向など)
⑥運動不足、睡眠不足
などが考えられます。

免疫異常

2008-03-22 08:32:43 | 解剖生理学(免疫系)
免疫の異常(自己免疫異常=自分の身体を細菌やウイルスなどから守る免疫のバランスがくずれて、健康人では認められない、自分の身体に対する抗体などを持つ異常)

免疫異常により起きる病気とは

抑制作用が弱まって起きる病気を指す。つまり、抑制作用が効かず、外敵でないものをいつもでも攻撃してしまう現象。(自分自身を攻撃して傷つける)

主な病気には、アトピー症、喘息、花粉症などのアレルギー疾患。また、クローン病、膠原病、潰瘍性大腸炎、リウマチ、バセドウ氏病などの自己免疫疾患がある。

「アレルギー疾患」は、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)が体内に入ると、血管を広げたり、筋肉を収縮、神経を刺激する働きがある「ヒスタミン」を過剰に発生させる。

このヒスタミンが体内のたんぱく質と結合し、結果、それを外敵と誤認して、抗体(IgE)を過剰に生産し、免疫反応を引き起こす。この反応が、気管支で起きると「喘息」となり、皮膚で起きると「アトピー性皮膚炎」、目や鼻で起きると「花粉症」を引き起こす。

つまり、アレルギー体質の人は抑制作用が弱っているので、抗体(IgE)を作りやすいため、アレルギー症対策は、「ヒスタミン」を抑える薬剤の対症療法では、完全治療にはならない。

アナフィラキシー反応(即時型アレルギー)

2008-03-21 14:54:47 | 解剖生理学(免疫系)
アナフィラキシー反応は、生命を脅かすほど重症化することがある、急性で広範囲にわたるアレルギー反応である。

アナフィラキシー反応の最も一般的な原因は、
ペニシリンなどの薬、
虫刺され、
ある種の食品、
アレルゲン免疫療法(減感作療法)でのアレルギー注射などである。
しかし、原因となる可能性はあらゆるアレルゲンにある。他のアレルギー反応と同じくアナフィラキシー反応は初めてアレルゲンと接触したときには発症せず、2度目の接触で発症する。しかし、多くの人は最初の接触を覚えていない。1度アナフィラキシー反応を起こしたアレルゲンは、予防策を講じておかないと、2度目以降の接触で再びアナフィラキシー反応を起こしてしまう。

症状

アナフィラキシー反応は、アレルゲンに接触後1〜15分以内に発症するが、1時間を過ぎてから起こることも、まれにある。心拍数が上昇し、患者は不安と動揺を覚える。血圧が下がって失神することもある。そのほか、ゾクゾクしたり、かゆみ、皮膚の紅潮、耳の中の鼓動、せき、くしゃみ、じんま疹、血管性浮腫がみられたりする。気管(上気道)が収縮したり腫れたりするので、呼吸困難になり、ゼイゼイする。

アナフィラキシー反応の進行は速く、虚脱、呼吸停止、けいれん、意識消失が1〜2分以内に起こる。ただちに救急処置が施されないと死亡する。

ソバアレルギー

2008-03-21 13:49:31 | 解剖生理学(免疫系)
ソバアレルギーは、卵、牛乳アレルギーに比べ数は少ないが、アナフィラキシーショックをおこして、場合によっては命の危機に瀕する可能性がある。

アナフィラキシーショックとは
ソバアレルギーに限ったことではないが、体内にアレルギーを起こすアレルゲンが入り、極めて短時間のうちにアレルギー反応を起こし、ひどい場合には死に至ることもある。この様な症状をアナフィラキシーショックという。アレルギー反応自体は湿疹、かゆみ、じんましん、下痢、胸がゼイゼイするなど軽いものも含むむが、アナフィラキシーショックはそのもっとも重症な状態である。アナフィラキシーショックが疑われる症状としては、冷や汗、顔色が悪い、嘔吐、胸がゼイゼイするというようなものがある。このような症状が見られれば病院に行くことをお勧めする。さらに意識低下や呼吸困難が起こっていいる場合はすぐに救急車を呼んで頂きたい。


ソバアレルギーはアミノ酸の段階にまで分解されていない未消化のソバ蛋白質が腸から吸収されることで引き起こされる。ソバの消化抵抗性が高いことが、コレステロール低下にプラスに作用するのに対し、アレルギーではマイナスに作用する。

症状
ソバアレルギーの症状は、他の食物アレルギーにくらべ重症だといわれており、食べた直後に喘息発作、鼻アレルギー、蕁麻疹、消化管アレルギーが揃って出現し、喉のかゆみ、気管支が塞がることで呼吸困難になることがある。何も対処せずに放っておくと窒息して死亡に至るケースもあるので十分に注意が必要である。そばアレルギーはこの他、全身紫色の水ぶくれ状態になることや全身が真っ赤になり全身がかゆくなる等のアレルギー症状もあるため、自分の症状をよく確認することも必要になる。

花粉症

2008-03-21 13:45:52 | 解剖生理学(免疫系)
花粉症とはI型アレルギーに分類される疾患の一つ。植物の花粉が、鼻や目などの粘膜に接触することによって引き起こされ、発作性反復性のくしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなどの一連の症状が特徴的な症候群のことである。枯草熱(こそうねつ)とも言われる。

くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどはアレルギー性鼻炎(鼻アレルギー)の症状であり、花粉の飛散期に一致して症状がおこるため、季節性アレルギー性鼻炎(対:通年性アレルギー性鼻炎)に分類され、その代表的なものとなっている。

目の痒みや流涙などはアレルギー性結膜炎の症状であり、鼻炎同様に季節性アレルギー性結膜炎に分類される。

広義には花粉によるアレルギー症状全てを指すこともあるが、一般的には上記のように鼻および目症状を主訴とするものを一般的に呼ぶことがある。

また、狭義には鼻症状のみを指し、目症状は結膜花粉症(または花粉性結膜炎)、皮膚症状は花粉症皮膚炎または花粉皮膚炎)、喘息の症状は花粉喘息、喉の不快感などの症状はアレルギー性咽喉頭炎などと別に呼ぶことがある。

現在の日本ではスギ花粉によるものが大多数であり、単に花粉症といった場合、スギ花粉症のことを指していることが多い。

花粉症のメカニズム
(1)私たちの体は、‘花粉’という異物(アレルゲン)が侵入するとまず、それを受け入れるかどうかを考えます。
(2)排除すると判断した場合、
(3)体はこれと反応する物質を作る仕組みをもっている。この物質を「IgE抗体」と呼ぶ。
(4)抗体ができた後、
(5)再び花粉が体内に入ると、鼻の粘膜にある肥満細胞の表面にある抗体と結合する。
(6)その結果、肥満細胞から化学物質(ヒスタミンなど)が分泌され、花粉をできる限り体外に放り出そうとする。

そのため、くしゃみで吹き飛ばす、鼻水で洗い流す、鼻づまりで中に入れないよう防御するなどの症状がでてくる。

アトピー性皮膚炎

2008-03-21 13:18:33 | 解剖生理学(免疫系)
アトピー性皮膚炎とは、湿疹(皮膚の炎症)を伴うもののうち、アレルギー反応と関連があるもの。先天性の過敏症の一種。アトピーという名前は「場所が不特定」という意味のギリシャ語「アトポス」(atopos - a=不特定, topos=場所)から由来。医学用語としては気管支喘息、鼻炎などのほかのアレルギー疾患にも冠されるが、日本においては慣用的に「アトピー」のみで皮膚炎のことを指すことが多い。

アトピー性皮膚炎は、アトピー型気管支喘息、アレルギー性鼻炎、皮膚炎の蕁麻疹を起こしやすいアレルギー体質(アトピー素因)の上に、様々な刺激が加わって生じる痒みを伴う慢性の皮膚疾患と考えられている。患者の約8割は5歳までの幼児期に発症する。従来学童期に自然治癒すると考えられていたが、成人まで持ち越す例や、成人してからの発症・再発の例が近年増加している。これについては、人口密度や住宅環境の変化が要因であるとする意見や、軽症患者の医療機関への受診が増えたことを指摘する意見がある。

アトピー性皮膚炎のガイドラインには、厚生労働省によるものと、日本皮膚科学会によるものがある。厚生労働省診断ガイドラインは皮膚科医に限らず広く一般の臨床医に参照すべきものとして作成されている。「改善が見られない場合は専門医に任せるように」としているように、プライマリーケアの意味合いが強い。一方、日本皮膚科学会診断ガイドラインでは、皮膚科医が参照すべき内容になっている。主に皮膚の病変に着目した内容になっており、より厳密な診断基準になっている。このように2種類のガイドラインがあり、治療内容にねじれが発生する可能性もある、という意見もある。

原因
発症の原因は不明であるが、蕁麻疹のような即時型アレルギーと遅延型アレルギーが複雑に関与すると考えられている。

アトピー性皮膚炎は、家族内発生がみられること、他のアレルギー疾患(気管支喘息など)の病歴を持つ場合が多い(アレルギーマーチ)ことなどから遺伝的要因が示唆される。よって、皮膚が乾燥しやすいなどのアトピー素因を多くの患者が持つが、これは炎症の結果ではなく、独立した要素であると考えることができる。しかしその一方で、いわゆる遺伝病のように特定の遺伝子が発症の有無を決定的に左右するものではない。また、発展途上国に少なく近代化に従って数十年単位で患者数が増加していること、環境の変化によって急激に発疹・痒みの症状が悪化しやすいことなどの理由から、遺伝的要因だけでは説明できない事例も多く、環境要因も非常に大きいと考えることもできる。

遺伝的要因
遺伝的に皮脂が非常に少ないことが原因と言われている。近年、皮膚の一番表面の角層に存在するセラミドという脂質が少ないという報告があり、セラミドの生成に関わる遺伝子が注目されている。角層の異常に起因する皮膚の乾燥とバリアー機能異常という皮膚の生理学的異常の分子レベルの解明が進んでいる。

遺伝子の解析により、マスト細胞、好酸球にIgE抗体を結合させるレセプターや、サイトカインのうちアレルギーの炎症に関与するものの遺伝子が集中している遺伝子座がアレルギーと関連していることが明らかになっている。


環境要因
多彩な非特異的刺激反応および特異的アレルギー反応が関与して生じる要因があり、以下が挙げられる。

摂取する食物がアレルゲンとなっていることがある。乳児期・学齢期に多い。
ダニ・ハウスダスト・鳥の糞といったアレルゲンにより、悪化原因となっていることがある。
皮膚に常在している細菌の影響も考えられる。細菌が病変部位から進入するなどで特異的な感染症を併発することが多いほか、湿潤した病変部位は健常な皮膚よりも常在菌の数が多いことが知られており、これらの菌体成分により免疫応答が賦活化されることが症状の増悪の一因とする説もある。
ストレスの影響も考えられる。進学・就職・職場の配置転換などを機会に悪化するケースが多い。ストレスにより掻破行動が増すことが原因のひとつである。自己を破壊する掻破行為がある種の快感を生み、患者がそれにより症状を悪化させるという説もある。
環境基準(健康項目)に定められる有害化学物質等により発症が報告されている。

皮膚炎の症状
乳児湿疹と混同される場合もある。その炎症は頭部に始まり、次第に顔面に及ぶ。そして体幹、手足に下降状に広がる。
幼児期-学童期には、関節の内側を中心に発症し、耳介の下部が裂けるような症状(耳切れ)を呈する。
思春期以後は、広範囲にわたり乾いた慢性湿疹の症状を呈する。
眉毛の外側が薄くなる(ヘルトゲ兆候)。
発赤した皮膚をなぞると、しばらくしてなぞったあとが白くなる(白色皮膚描記)。
乾燥して表面が白い粉を吹いたようになり、強い痒みを伴う
赤い湿疹、結節などができ、激しい痒みを伴う。痒疹を伴うこともある。
湿潤した局面から組織液が浸出することがある。
慢性化すると、鳥肌だったようにザラザラしたものができ、皮膚が次第に厚くなる。
しこりのあるイボ状の痒疹ができることがあり、この場合難治性である。イボになることもある。

気管支喘息

2008-03-21 13:04:18 | 解剖生理学(免疫系)
気管支喘息は空気の通り道である気管支がアレルギー反応や細菌・ウイルス感染などで炎症を起こし過敏になり、何かの刺激で腫れたり痰がでたりして狭くなり呼吸が苦しくなる慢性の病気である。「ゼンソク」というと「小児喘息」、「アレルギー」と思い浮かべる方も多いであろうが最近は成人にも少なくなく、必ずしもアレルギー体質の人だけがかかるとは限らない。

気管支喘息は常に症状があるわけではなく、時間や体調、ストレスなどで強い発作が出たり症状がなかったりする。ですから、本当の体の調子が主治医にうまく伝わらないことがあり、カゼと間違われ診断が遅れることもある。またダニの除去といった生活環境、習慣を改善する事で症状を軽くすることもでき医師の治療だけでは不十分で自己管理が極めて重要な病気である。

症状
多くの喘息患者さんは普段は何の症状もなく暮らしているが何かのきっかけで急に息苦しくなり「ヒューヒュー」、「ゼーゼー」といった音(喘鳴)がでる発作をおこす。また慢性的な咳、痰だけの人もいる。発作には自分でもわからないような軽いものから死に至るような重症なものもあり大きな発作を起こしたことがある人は注意が必要である。
夜間から朝方の時間帯に悪くなる人が多いのも特徴である。病院に受診する頃にはよくなっていることも多く発作時の症状を担当医によく説明すること。

橋本病

2008-03-21 12:55:04 | 解剖生理学(免疫系)
橋本病の原因

橋本病は自己免疫疾患。
 
免疫のくるいにより甲状腺を異物と勘違いして甲状腺に対する自己抗体
 (抗サイログロブリン抗体、抗マイクロゾーム抗体)をつくってしまう。
 
この自己抗体(B細胞、T細胞)が甲状腺の細胞を破壊していく為、徐々に甲状腺機能低下症になっていく。

この自己抗体は血液検査でわかり、橋本病が完治するには、この自己抗体が正常値になることが必要である。

橋本病は別名を慢性甲状腺炎とも呼ばれ、慢性的(徐々)に炎症(破壊)が起こる。
頻度は女性の25人に1人、中年の女性では10人に1人くらいである。
 
およそ10人中1人~2人の患者さんでは徐々に病気が進行して、甲状腺が十分なホルモンを作れなくなる甲状腺機能低下症に移行する。


橋本病の症状

必要量の甲状腺ホルモンが作りきれない為に、全身の新陳代謝が低下する。
   全身症状-------寒がり、疲れやすい、動作が鈍い、体重増加、声かれ、低音
   体温-----------低体温
   顔つき・首------ むくみ、甲状腺腫大、のどの違和感、ボーとしたような顔
   神経・精神症状-- 物忘れ、無気力、眠たい、ぼっとしている 
   循環器症状----- 徐脈、息切れ、むくみ、心肥大
   消化器症状----- 食欲低下、舌が肥大、便秘
   皮膚-----------汗がでない、皮膚乾燥、脱毛、眉が薄くなる、皮膚の蒼白
   筋骨症状------- 脱力感、筋力低下、肩こり、筋肉の疲れ
   月経-----------月経不順、月経過多
   血液値--------- コレステロール上昇、肝障害、貧血


膠原病

2008-03-21 12:44:26 | 解剖生理学(免疫系)
 クレンペラーによって提唱された膠原病は、病理形態学的に全身の膠原線維(こうげんせんい)にフィブリノイド変性を来し、その原因として自己免疫現象が考えられている疾患群である。体内の血液中の抗体が自己の細胞の核などと反応して免疫複合体を作り組織に沈着したり、全身の関節・血管・内臓などを攻撃することで発病すると考えられている。

古典的膠原病
全身性エリテマトーデス(SLE)、
全身性進行性硬化症(ぜんしんせいしんこうせいこうかしょう)(PSS)、
皮膚筋炎(ひふきんえん)、
関節リウマチ(RA)、
リウマチ熱(RF)、
結節性多発性動脈炎(けっせつせいたはつせいどうみゃくえん)(PN)

現在ではこれに加えて、
リウマチ性多発筋痛症、
側頭動脈炎(そくとうどうみゃくえん)(巨細胞性動脈炎(きょさいぼうせいどうみゃくえん))、
多発性筋炎(たはつせいきんえん)、
シェーグレン症候群、
混合性結合組織病(MCTD)、
重複症候群、
アレルギー性肉芽腫性血管炎(にくげしゅせいけっかんえん)、
ウェゲナー肉芽腫症、
過敏性血管炎
などの類縁疾患を含めて扱うのが一般的である。

症状およびその経過
主症状として発熱・倦怠感・関節痛・レイノー現象などがある。
慢性に経過し、寛解と再燃を繰り返しながら進行することがある。多くの場合に自己免疫疾患としての機序が関与していると考えられているが、完全な病態の解明はなされていない。

治療
有効な治療法は見つかっておらず、現在の日本の最新医療技術をもってしても完全に治す事は不可能だと言われている。ただ、ステロイドや消炎剤などを使用することにより炎症がある程度抑制され、日常生活に支障のない程度にコントロールすることは可能。 最近では漢方薬などの治療法もあり、ステロイドだけでは制御できない症状、および別の手段として取り上げられている。