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参照。

自律神経系

2008-03-17 07:05:05 | 解剖生理学(脳神経系)
自律神経系は交感神経系と副交感神経系よりなる。

 交感神経系:   胸髄および腰髄の側柱から発する。
 副交感神経系: 中脳、橋、延髄の脳神経核および
            仙髄側柱から発する。

自律神経系は意志とは関係なく働き、それぞれの臓器に対して交感と副交感の神経繊維が支配している(二重支配)。これら2系統の神経系は多くの臓器に対して相反する作用(拮抗支配)を持っている。
 自律神経は末梢の効果器に達するまでに1度ニューロンを換える。中枢から神経節までの繊維を節前線維、神経節から効果器までのニューロンを節後線維という。交感神経はニューロンを換えるシナプスは交感神経節にあるので、節後繊維の長さが節前線維より長くなる。副交感神経は効果器近くでニューロンを換えるので節後線維の方が短くなる。

 交感・副交感神経の伝達物質

 交感および副交感神経繊維の神経伝達物質は節前、節後繊維によって異なる。副交感神経では、節前、節後神経共にアセチルコリンが神経伝達物質である。交感神経系では、節前線維はアセチルコリンだが、節後繊維はアセチルコリンまたはノルアドレナリンが神経伝達物質である。

 交感神経系と副交感神経系の作用

臓 器   交感神経系優位   副交感神経系優位
筋肉       緊張          弛緩
呼吸       胸式呼吸       複式呼吸
脈拍       速い          遅い
瞳 孔      散 大          縮 小
心 臓     拍動促進         拍動抑制
胃、小腸     弛 緩          収 縮
膵分泌     抑 制          促 進
唾液分泌  低下(少量の濃い液)   増加
発汗       増加          低下
手指の血流   低下          上昇
膀胱       弛緩          緊張
腸管運動     不整          円滑
血圧・血糖    上昇          低下
感情       緊張・興奮       落ち着き・平安
幽門括約筋   収縮          弛緩
内肛門括約筋  収縮          弛緩
気道        拡張          収縮
心筋の収縮力    増強         
刺激伝道系     促進          抑制

交感神経系と副交感神経系では各臓器に対して異なる作用をもつ。たとえば、瞳孔に対しては交感神経系は瞳孔散大、副交感は縮瞳を起こす。一般に運動時には交感神経系が亢進状態となり心血管系の亢進、胃腸系の抑制状態となる。反対に睡眠や休息状態では副交感神経系が亢進状態となり、心血管系の抑制、胃腸系の活動が亢進する。

脊髄神経

2008-03-17 06:54:01 | 解剖生理学(脳神経系)
 脊髄神経は末梢神経のうち、脊髄から分かれて出るものを指す。末梢神経は脊髄神経と脳神経に分かれるが、脳神経は迷走神経を除いて頭頸部にしか分布しないため、四肢・体幹を支配する神経はほぼすべて脊髄神経である。狭義には脊柱管から前根と後根が出て合わさるところから、前枝と後枝に分かれるまでの部分を指す。左右で31対あり、8対の頸神経(頚椎の間から出るもの)、12対の胸神経(胸椎の間から出るものを胸神経)、5対の腰神経(腰椎の間から出るものを腰神経)、5対の仙骨神経(仙骨の仙骨孔から出るものを)と1対の尾骨神経(第1尾椎と第2尾椎の間から出るものを)からなる。頸神経は同番号の頸椎骨の上、胸神経以下は同番号の脊椎骨の下を通る。
 脊髄神経は後根(Dorsal root)と前根(Ventral root)に分岐している。後根には感覚細胞の神経細胞を含む神経節がある。これら前根と後根が再び1つとなって脊髄神経を構成している。後根と前根の長さは頚髄でもっとも短く、下にいくにつれて長くなっていく。
 一般的に感覚神経の情報は後根を通って脊髄に入り、運動繊維は前根を通って脊髄から出る。この感覚性は後根、運動性は前根という法則をベル・マジャンディ(Bell-Magendie)の法則という。
 椎間孔(intervertebral foramen)から出た脊髄神経は脊髄神経前枝(Ventral ramus), 後枝(Dorsal ramu), 硬膜枝(Meningeal branch)に分かれる。
皮膚分節(Dermatome): C1を除く脊髄神経はそれぞれ皮膚の特定の部位からの感覚情報を受容する。これを皮膚分節と言う。