アロマテラピー学習ブログ

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参照。

アナフィラキシー反応(即時型アレルギー)

2008-03-21 14:54:47 | 解剖生理学(免疫系)
アナフィラキシー反応は、生命を脅かすほど重症化することがある、急性で広範囲にわたるアレルギー反応である。

アナフィラキシー反応の最も一般的な原因は、
ペニシリンなどの薬、
虫刺され、
ある種の食品、
アレルゲン免疫療法(減感作療法)でのアレルギー注射などである。
しかし、原因となる可能性はあらゆるアレルゲンにある。他のアレルギー反応と同じくアナフィラキシー反応は初めてアレルゲンと接触したときには発症せず、2度目の接触で発症する。しかし、多くの人は最初の接触を覚えていない。1度アナフィラキシー反応を起こしたアレルゲンは、予防策を講じておかないと、2度目以降の接触で再びアナフィラキシー反応を起こしてしまう。

症状

アナフィラキシー反応は、アレルゲンに接触後1〜15分以内に発症するが、1時間を過ぎてから起こることも、まれにある。心拍数が上昇し、患者は不安と動揺を覚える。血圧が下がって失神することもある。そのほか、ゾクゾクしたり、かゆみ、皮膚の紅潮、耳の中の鼓動、せき、くしゃみ、じんま疹、血管性浮腫がみられたりする。気管(上気道)が収縮したり腫れたりするので、呼吸困難になり、ゼイゼイする。

アナフィラキシー反応の進行は速く、虚脱、呼吸停止、けいれん、意識消失が1〜2分以内に起こる。ただちに救急処置が施されないと死亡する。

ソバアレルギー

2008-03-21 13:49:31 | 解剖生理学(免疫系)
ソバアレルギーは、卵、牛乳アレルギーに比べ数は少ないが、アナフィラキシーショックをおこして、場合によっては命の危機に瀕する可能性がある。

アナフィラキシーショックとは
ソバアレルギーに限ったことではないが、体内にアレルギーを起こすアレルゲンが入り、極めて短時間のうちにアレルギー反応を起こし、ひどい場合には死に至ることもある。この様な症状をアナフィラキシーショックという。アレルギー反応自体は湿疹、かゆみ、じんましん、下痢、胸がゼイゼイするなど軽いものも含むむが、アナフィラキシーショックはそのもっとも重症な状態である。アナフィラキシーショックが疑われる症状としては、冷や汗、顔色が悪い、嘔吐、胸がゼイゼイするというようなものがある。このような症状が見られれば病院に行くことをお勧めする。さらに意識低下や呼吸困難が起こっていいる場合はすぐに救急車を呼んで頂きたい。


ソバアレルギーはアミノ酸の段階にまで分解されていない未消化のソバ蛋白質が腸から吸収されることで引き起こされる。ソバの消化抵抗性が高いことが、コレステロール低下にプラスに作用するのに対し、アレルギーではマイナスに作用する。

症状
ソバアレルギーの症状は、他の食物アレルギーにくらべ重症だといわれており、食べた直後に喘息発作、鼻アレルギー、蕁麻疹、消化管アレルギーが揃って出現し、喉のかゆみ、気管支が塞がることで呼吸困難になることがある。何も対処せずに放っておくと窒息して死亡に至るケースもあるので十分に注意が必要である。そばアレルギーはこの他、全身紫色の水ぶくれ状態になることや全身が真っ赤になり全身がかゆくなる等のアレルギー症状もあるため、自分の症状をよく確認することも必要になる。

花粉症

2008-03-21 13:45:52 | 解剖生理学(免疫系)
花粉症とはI型アレルギーに分類される疾患の一つ。植物の花粉が、鼻や目などの粘膜に接触することによって引き起こされ、発作性反復性のくしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなどの一連の症状が特徴的な症候群のことである。枯草熱(こそうねつ)とも言われる。

くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどはアレルギー性鼻炎(鼻アレルギー)の症状であり、花粉の飛散期に一致して症状がおこるため、季節性アレルギー性鼻炎(対:通年性アレルギー性鼻炎)に分類され、その代表的なものとなっている。

目の痒みや流涙などはアレルギー性結膜炎の症状であり、鼻炎同様に季節性アレルギー性結膜炎に分類される。

広義には花粉によるアレルギー症状全てを指すこともあるが、一般的には上記のように鼻および目症状を主訴とするものを一般的に呼ぶことがある。

また、狭義には鼻症状のみを指し、目症状は結膜花粉症(または花粉性結膜炎)、皮膚症状は花粉症皮膚炎または花粉皮膚炎)、喘息の症状は花粉喘息、喉の不快感などの症状はアレルギー性咽喉頭炎などと別に呼ぶことがある。

現在の日本ではスギ花粉によるものが大多数であり、単に花粉症といった場合、スギ花粉症のことを指していることが多い。

花粉症のメカニズム
(1)私たちの体は、‘花粉’という異物(アレルゲン)が侵入するとまず、それを受け入れるかどうかを考えます。
(2)排除すると判断した場合、
(3)体はこれと反応する物質を作る仕組みをもっている。この物質を「IgE抗体」と呼ぶ。
(4)抗体ができた後、
(5)再び花粉が体内に入ると、鼻の粘膜にある肥満細胞の表面にある抗体と結合する。
(6)その結果、肥満細胞から化学物質(ヒスタミンなど)が分泌され、花粉をできる限り体外に放り出そうとする。

そのため、くしゃみで吹き飛ばす、鼻水で洗い流す、鼻づまりで中に入れないよう防御するなどの症状がでてくる。

アトピー性皮膚炎

2008-03-21 13:18:33 | 解剖生理学(免疫系)
アトピー性皮膚炎とは、湿疹(皮膚の炎症)を伴うもののうち、アレルギー反応と関連があるもの。先天性の過敏症の一種。アトピーという名前は「場所が不特定」という意味のギリシャ語「アトポス」(atopos - a=不特定, topos=場所)から由来。医学用語としては気管支喘息、鼻炎などのほかのアレルギー疾患にも冠されるが、日本においては慣用的に「アトピー」のみで皮膚炎のことを指すことが多い。

アトピー性皮膚炎は、アトピー型気管支喘息、アレルギー性鼻炎、皮膚炎の蕁麻疹を起こしやすいアレルギー体質(アトピー素因)の上に、様々な刺激が加わって生じる痒みを伴う慢性の皮膚疾患と考えられている。患者の約8割は5歳までの幼児期に発症する。従来学童期に自然治癒すると考えられていたが、成人まで持ち越す例や、成人してからの発症・再発の例が近年増加している。これについては、人口密度や住宅環境の変化が要因であるとする意見や、軽症患者の医療機関への受診が増えたことを指摘する意見がある。

アトピー性皮膚炎のガイドラインには、厚生労働省によるものと、日本皮膚科学会によるものがある。厚生労働省診断ガイドラインは皮膚科医に限らず広く一般の臨床医に参照すべきものとして作成されている。「改善が見られない場合は専門医に任せるように」としているように、プライマリーケアの意味合いが強い。一方、日本皮膚科学会診断ガイドラインでは、皮膚科医が参照すべき内容になっている。主に皮膚の病変に着目した内容になっており、より厳密な診断基準になっている。このように2種類のガイドラインがあり、治療内容にねじれが発生する可能性もある、という意見もある。

原因
発症の原因は不明であるが、蕁麻疹のような即時型アレルギーと遅延型アレルギーが複雑に関与すると考えられている。

アトピー性皮膚炎は、家族内発生がみられること、他のアレルギー疾患(気管支喘息など)の病歴を持つ場合が多い(アレルギーマーチ)ことなどから遺伝的要因が示唆される。よって、皮膚が乾燥しやすいなどのアトピー素因を多くの患者が持つが、これは炎症の結果ではなく、独立した要素であると考えることができる。しかしその一方で、いわゆる遺伝病のように特定の遺伝子が発症の有無を決定的に左右するものではない。また、発展途上国に少なく近代化に従って数十年単位で患者数が増加していること、環境の変化によって急激に発疹・痒みの症状が悪化しやすいことなどの理由から、遺伝的要因だけでは説明できない事例も多く、環境要因も非常に大きいと考えることもできる。

遺伝的要因
遺伝的に皮脂が非常に少ないことが原因と言われている。近年、皮膚の一番表面の角層に存在するセラミドという脂質が少ないという報告があり、セラミドの生成に関わる遺伝子が注目されている。角層の異常に起因する皮膚の乾燥とバリアー機能異常という皮膚の生理学的異常の分子レベルの解明が進んでいる。

遺伝子の解析により、マスト細胞、好酸球にIgE抗体を結合させるレセプターや、サイトカインのうちアレルギーの炎症に関与するものの遺伝子が集中している遺伝子座がアレルギーと関連していることが明らかになっている。


環境要因
多彩な非特異的刺激反応および特異的アレルギー反応が関与して生じる要因があり、以下が挙げられる。

摂取する食物がアレルゲンとなっていることがある。乳児期・学齢期に多い。
ダニ・ハウスダスト・鳥の糞といったアレルゲンにより、悪化原因となっていることがある。
皮膚に常在している細菌の影響も考えられる。細菌が病変部位から進入するなどで特異的な感染症を併発することが多いほか、湿潤した病変部位は健常な皮膚よりも常在菌の数が多いことが知られており、これらの菌体成分により免疫応答が賦活化されることが症状の増悪の一因とする説もある。
ストレスの影響も考えられる。進学・就職・職場の配置転換などを機会に悪化するケースが多い。ストレスにより掻破行動が増すことが原因のひとつである。自己を破壊する掻破行為がある種の快感を生み、患者がそれにより症状を悪化させるという説もある。
環境基準(健康項目)に定められる有害化学物質等により発症が報告されている。

皮膚炎の症状
乳児湿疹と混同される場合もある。その炎症は頭部に始まり、次第に顔面に及ぶ。そして体幹、手足に下降状に広がる。
幼児期-学童期には、関節の内側を中心に発症し、耳介の下部が裂けるような症状(耳切れ)を呈する。
思春期以後は、広範囲にわたり乾いた慢性湿疹の症状を呈する。
眉毛の外側が薄くなる(ヘルトゲ兆候)。
発赤した皮膚をなぞると、しばらくしてなぞったあとが白くなる(白色皮膚描記)。
乾燥して表面が白い粉を吹いたようになり、強い痒みを伴う
赤い湿疹、結節などができ、激しい痒みを伴う。痒疹を伴うこともある。
湿潤した局面から組織液が浸出することがある。
慢性化すると、鳥肌だったようにザラザラしたものができ、皮膚が次第に厚くなる。
しこりのあるイボ状の痒疹ができることがあり、この場合難治性である。イボになることもある。

気管支喘息

2008-03-21 13:04:18 | 解剖生理学(免疫系)
気管支喘息は空気の通り道である気管支がアレルギー反応や細菌・ウイルス感染などで炎症を起こし過敏になり、何かの刺激で腫れたり痰がでたりして狭くなり呼吸が苦しくなる慢性の病気である。「ゼンソク」というと「小児喘息」、「アレルギー」と思い浮かべる方も多いであろうが最近は成人にも少なくなく、必ずしもアレルギー体質の人だけがかかるとは限らない。

気管支喘息は常に症状があるわけではなく、時間や体調、ストレスなどで強い発作が出たり症状がなかったりする。ですから、本当の体の調子が主治医にうまく伝わらないことがあり、カゼと間違われ診断が遅れることもある。またダニの除去といった生活環境、習慣を改善する事で症状を軽くすることもでき医師の治療だけでは不十分で自己管理が極めて重要な病気である。

症状
多くの喘息患者さんは普段は何の症状もなく暮らしているが何かのきっかけで急に息苦しくなり「ヒューヒュー」、「ゼーゼー」といった音(喘鳴)がでる発作をおこす。また慢性的な咳、痰だけの人もいる。発作には自分でもわからないような軽いものから死に至るような重症なものもあり大きな発作を起こしたことがある人は注意が必要である。
夜間から朝方の時間帯に悪くなる人が多いのも特徴である。病院に受診する頃にはよくなっていることも多く発作時の症状を担当医によく説明すること。

橋本病

2008-03-21 12:55:04 | 解剖生理学(免疫系)
橋本病の原因

橋本病は自己免疫疾患。
 
免疫のくるいにより甲状腺を異物と勘違いして甲状腺に対する自己抗体
 (抗サイログロブリン抗体、抗マイクロゾーム抗体)をつくってしまう。
 
この自己抗体(B細胞、T細胞)が甲状腺の細胞を破壊していく為、徐々に甲状腺機能低下症になっていく。

この自己抗体は血液検査でわかり、橋本病が完治するには、この自己抗体が正常値になることが必要である。

橋本病は別名を慢性甲状腺炎とも呼ばれ、慢性的(徐々)に炎症(破壊)が起こる。
頻度は女性の25人に1人、中年の女性では10人に1人くらいである。
 
およそ10人中1人~2人の患者さんでは徐々に病気が進行して、甲状腺が十分なホルモンを作れなくなる甲状腺機能低下症に移行する。


橋本病の症状

必要量の甲状腺ホルモンが作りきれない為に、全身の新陳代謝が低下する。
   全身症状-------寒がり、疲れやすい、動作が鈍い、体重増加、声かれ、低音
   体温-----------低体温
   顔つき・首------ むくみ、甲状腺腫大、のどの違和感、ボーとしたような顔
   神経・精神症状-- 物忘れ、無気力、眠たい、ぼっとしている 
   循環器症状----- 徐脈、息切れ、むくみ、心肥大
   消化器症状----- 食欲低下、舌が肥大、便秘
   皮膚-----------汗がでない、皮膚乾燥、脱毛、眉が薄くなる、皮膚の蒼白
   筋骨症状------- 脱力感、筋力低下、肩こり、筋肉の疲れ
   月経-----------月経不順、月経過多
   血液値--------- コレステロール上昇、肝障害、貧血


膠原病

2008-03-21 12:44:26 | 解剖生理学(免疫系)
 クレンペラーによって提唱された膠原病は、病理形態学的に全身の膠原線維(こうげんせんい)にフィブリノイド変性を来し、その原因として自己免疫現象が考えられている疾患群である。体内の血液中の抗体が自己の細胞の核などと反応して免疫複合体を作り組織に沈着したり、全身の関節・血管・内臓などを攻撃することで発病すると考えられている。

古典的膠原病
全身性エリテマトーデス(SLE)、
全身性進行性硬化症(ぜんしんせいしんこうせいこうかしょう)(PSS)、
皮膚筋炎(ひふきんえん)、
関節リウマチ(RA)、
リウマチ熱(RF)、
結節性多発性動脈炎(けっせつせいたはつせいどうみゃくえん)(PN)

現在ではこれに加えて、
リウマチ性多発筋痛症、
側頭動脈炎(そくとうどうみゃくえん)(巨細胞性動脈炎(きょさいぼうせいどうみゃくえん))、
多発性筋炎(たはつせいきんえん)、
シェーグレン症候群、
混合性結合組織病(MCTD)、
重複症候群、
アレルギー性肉芽腫性血管炎(にくげしゅせいけっかんえん)、
ウェゲナー肉芽腫症、
過敏性血管炎
などの類縁疾患を含めて扱うのが一般的である。

症状およびその経過
主症状として発熱・倦怠感・関節痛・レイノー現象などがある。
慢性に経過し、寛解と再燃を繰り返しながら進行することがある。多くの場合に自己免疫疾患としての機序が関与していると考えられているが、完全な病態の解明はなされていない。

治療
有効な治療法は見つかっておらず、現在の日本の最新医療技術をもってしても完全に治す事は不可能だと言われている。ただ、ステロイドや消炎剤などを使用することにより炎症がある程度抑制され、日常生活に支障のない程度にコントロールすることは可能。 最近では漢方薬などの治療法もあり、ステロイドだけでは制御できない症状、および別の手段として取り上げられている。

関節リウマチ

2008-03-21 12:16:27 | 解剖生理学(免疫系)
 関節リウマチは、70~100万人の患者数を数え、30~50代の女性に好発する。ひとつの関節にとどまらず、左右対称性に全身の関節にこわばり、痛み、はれを生じ、進行すると関節が壊れる。
 しかし、微熱、食欲減退、全身倦怠感(けんたいかん)などの全身症状や、目や口の乾きなど涙腺(るいせん)や唾液腺(だえきせん)、さらに、皮膚、肺などの関節外臓器の症状を伴うこともあり、膠原病のひとつとして位置づけられる。すなわち、従来、関節の病気との認識でしたが、現在ではリンパ球の異常による内科的疾患と考えられている。
 関節の炎症が持続すると、関節の破壊を引き起こし、関節の変形や強直(きょうちょく)をもたらし、その結果日常生活動作に制限を来す。関節の破壊は発症2年以内に最も進行するため、極力早期に診断し、適切な治療を開始することがいちばん大切である。

 関節リウマチの原因は不明だが、遺伝や感染する病気ではなく、免疫異常が関係している。
「免疫」というのは、体に外から異物が入ってきた際に、それを見分けて攻撃し、体を守るシステムだが、「自己免疫」の病気では、このシステムに狂いが生じ、自分自身の体の一部を攻撃する。免疫の司令塔がリンパ球だが、リウマチでも自分自身を攻撃するリンパ球が病気を引き起こす。
 そもそも、「リウマ」とはラテン語で「流れる」という意味だが、その理由は長い間不明だった。現在、自分自身を攻撃するリンパ球が、全身の関節や臓器に流れていき、あちこちの関節滑膜(かつまく)で炎症を起こして痛みやはれを生じ、皮膚、肺、涙腺、唾液腺などで皮下結節やリウマチ肺などの関節外症状を引き起こすと理解されている。

日和見感染

2008-03-21 11:49:03 | 解剖生理学(免疫系)
日和見感染は、免疫力の低下により、健康な動物では感染症を起こさないような病原体(弱毒微生物・非病原微生物・平素無害菌などと呼ばれる)が原因で発症する感染症である。

後天性免疫不全症候群(AIDS)などに代表されるように免疫力低下を招く疾患に罹患している、
臓器移植等で免疫抑制剤を使用中である、
あるいは加齢に伴う体力減衰等の要因によって動物の免疫力が低下する
と、通常であればその免疫力によって増殖が抑えられている病原性の低い常在細菌が増殖し、その結果として病気を引き起こすことがある。すなわち日和見感染とは、宿主と病原体との間で保たれていたバランスが宿主側の抵抗力低下により崩れ、宿主の発病につながるものである。日和見感染を起こす病原体の中には薬剤耐性を獲得しているものも含まれており、いったん発病した場合にその治療に有効な薬剤が限定されることから、医学上の大きな問題になっている。なお、免疫力の低下により易感染性になった人のことを、易感染宿主(コンプロマイズドホスト)という。

ヒトの主な日和見感染症
・細菌性日和見感染
MRSA感染症 -- 緑膿菌感染症 -- レジオネラ肺炎 -- セラチア感染症--等
・真菌性日和見感染
カンジダ症 -- クリプトコッカス感染症 -- ニューモシスチス肺炎(旧カリニ肺炎) --等
・ウイルス性日和見感染
ヘルペス -- サイトメガロウイルス感染症 -- 等
・原虫性日和見感染
トキソプラズマ症 -- クリプトスポリジウム症 -- 等

AIDS

2008-03-21 11:37:11 | 解剖生理学(免疫系)
後天性免疫不全症候群(Acquired Immuno Deficiency Syndrome:AIDS )は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が免疫細胞に感染し、免疫細胞を破壊して後天的に免疫不全を起こす免疫不全症の事である。

HIVはたいへん弱いウイルスで、空中や水中では生きていることができないが、いったん人の体内にはいると免疫を担当している細胞を集中的に攻撃して次々に破壊してしまう。そのため免疫システムの機能が低下し病気を防ぐことができなくなってしまう。HIVのことを「エイズウイルス」という場合がある。

HIV感染者とは、
何の症状もなくHIVに感染している以外は普通に日常生活をおくる事のできる人。

AIDS患者とは、
免疫システムの働きが低下し、日和見(ひよりみ)感染症やカポジ肉腫といった
重い症状の出ている人のこと。

私たちの体は空気中に存在する細菌やウイルスが体内に侵入してきたときに、これらを攻撃して排除する巧妙な仕組みを持っている。この免疫システムのおかげで、病気にならずに済んだり、病気になっても軽い症状で済んでいる。
この免疫システムの中心、いわば司令官にあたるのが白血球の中のリンパ球の一種、「ヘルパーT細胞」である。ヘルパーT細胞は体内に侵入者を発見すると他の免疫細胞に指令を出して攻撃を命じる。ところが体内に入ったHIVは、このヘルパーT細胞に好んでとりつき、どんどん自分をコピーし増殖して、やがてこの細胞を破壊してしまう。

HIVはこれを延々と繰り返すので、ついに免疫システムは司令官を失い、結果免疫が正常に働かなくなる。こうなると健康なときには何の害にもならない微生物や病原菌も退治できなくなり色々な病気にかかるようになってしまう。

HIVの感染が成立するためには、感染者の血液や精液・膣分泌液、母乳などHIVを多く含んだ体液が、粘膜に触れるか血管に入り込むという条件が必要である。感染者の体液が皮膚についたくらいで感染しない。なにしろHIVは空気や水に触れれば死んでしまうほど弱いウイルスですから、日常の社会生活で感染を恐れる必要はまったくない。

エイズが発症するまでの期間、いわゆる潜伏期間が 非常に長いことがエイズの特徴。

・急性期…感染すると一部の人には急性感染症状(風邪に似た症状で熱が出たり喉が痛くなったりする症状)がみられる。しかしほとんどの人には特別な症状がみられない。

・無症状期…その後、全く症状のない状態が続く。この時期の感染者を無症候性キャリアという。この期間の個人差は大きく、短い人で1年、長い人では10年以上といわれている。

・前駆症状期(ぜんくしょうじょうき)…潜伏期間を過ぎると前触れ的な症状がみられるようになる。そして全身が徐々に消耗しエイズ発症が近いことを感じとれるようになる。前駆症状→リンパ腺の腫れ、1ヶ月以上続く発熱、持続性の下痢、体重の減少、全身のだるさ、寝汗など。

・エイズ発症…症状が進むとカリニ肺炎、カンジダ症といった日和見(ひよりみ)感染症、カポジ肉腫、脳症、痴呆症などの神経障害など重い病気にかかる。これらが発症した状態をエイズという。

日和見感染症とは健康なときなら何でもない細菌やウイルスに感染して起こる病気のことである。

人の体には、約300種の細菌をはじめ、酵母やウイルスのほか、さまざまな寄生性の微生物がすみついている。通常、人にすみついている微生物は有害性が低いが、高齢者などからだの弱った人や免疫抑制剤を投与されている人の場合、これらの微生物が増加して問題を起こすようになる。このように、すみか(宿主)の不調で、寄生している微生物が悪さをするまでに増加することを日和見感染という。


アレルギー疾患と自己免疫疾患

2008-03-21 10:51:46 | 解剖生理学(免疫系)
アレルギー疾患
外部からの抗原に対し、免疫反応が起こる疾患。ただしその抗原は通常生活で曝露される量では無害であることが多く(たとえば春先の花粉そのものが毒性を持っているわけではない)、不必要に不快な結果をもたらす免疫応答が起こっているといえる。 アレルギー性疾患とも言う。

アレルギー疾患の例
・アトピー性皮膚炎
・アレルギー性鼻炎(花粉症)
・アレルギー性結膜炎
・アレルギー性胃腸炎
・気管支喘息、小児喘息
・食物アレルギー
・薬物アレルギー
・蕁麻疹

自己免疫疾患
自己の体を構成する物質を抗原として、免疫反応が起こる疾患。特定の臓器や部位の障害、炎症をもたらしたり、全身性の症状を呈する場合がある。

自己免疫疾患の例
・関節リウマチ
・膠原病
・円形脱毛症

アレルギー

2008-03-21 10:42:49 | 解剖生理学(免疫系)
アレルギーとは、免疫反応が、特定の抗原に対して過剰に起こることをいう。免疫反応は、外来の異物(抗原)を排除するために働く、生体にとって不可欠な生理機能である。

アレルギーが起こる原因は不明であるが、抗原に対する過剰な曝露、遺伝などが原因として考えられている。

アレルギーを引き起こす環境由来抗原を特にアレルゲンと呼ぶ。

☆急性アレルギー

■Ⅰ型:即時型反応(アナフィラキシー反応)

    肥満(マスト)細胞・好塩基球の細胞膜
     + 
    免疫グロブリンE
     +
    抗原

 →免疫反応が刺激となり、肥満(マスト)細胞・好塩基球からヒスタミンが放出。
 これにより、かゆみ・むくみ・血圧低下などが見られる。

 【症例】
   ○アナフィラキシーショック
     生死に関わる重篤な症状。
     ハチに刺されての死亡例の多くは、アナフィラキシー反応による
     血圧低下と気道の浮腫みによる呼吸困難が原因とされる。
     ※ペニシリンショックも、アナフィラキシーショックの一つ。
   ○喘息
   ○じんましん
   ○花粉症
   ○アレルギー性鼻炎  など、一般的なアレルギー反応


■Ⅱ型:細胞障害(溶解)型反応

    自己細胞の細胞膜
    +
    抗原

 →・自己細胞まで貪食される。
  ・免疫グロブリンGやMが、自己細胞自体まで溶かす。
  ・NK細胞が自己細胞まで攻撃する。

 【症例】
   ○ウイルス性肝炎(B型・C型)
    ※ウイルスを攻撃しようとして、肝細胞を破壊してしまう。
   ○自己免疫性溶血
   ○不適合輸血
   ○血小板減少
   ○紫斑病       など



■Ⅲ型:アルサス型反応(免疫複合型反応)

   免疫複合体(可溶性の抗原+抗体)

 食細胞が処理しきれなかった複合体は血液やリンパ液に乗って全身を回る。
 そして、複合体は沈着しやすい組織に沈着・血管壁破壊。
 さらに、肥満細胞や好塩基球が刺激されてヒスタミン放出。

 【症例】
   ○血清病
   ○糸球体腎炎
   ○リウマチ
   ○膠原病        など、難治療の自己免疫疾患。



☆遅延型アレルギー

■Ⅳ型:ツベルクリン型反応(遅延型反応)

 T細胞は、マクロファージから抗原情報を受け取り、
 情報伝達物質サイトカイン(リンホカイン)を作る。

    サイトカインによって増殖した好酸球
    +
    免疫グロブリンE

 好酸球から、アレルギー反応を起こす物質が放出、発症。
 この間1~2日かかる。


 【症例】
   ○ツベルクリン反応
   ○臓器移植
   ○臓器移植
   ○接触性皮膚炎(アトピー)    など

自己免疫疾患

2008-03-21 10:29:02 | 解剖生理学(免疫系)
自己免疫疾患とは、本来は細菌・ウイルスや腫瘍などの自己と異なる異物を認識し排除するための役割を持つ免疫系(リンパ球のB細胞、T細胞)が、自分自身の正常な細胞や組織に対してまで過剰に反応し攻撃を加えてしまうことで症状を来す疾患の総称である。

自己免疫疾患は、全身にわたり影響が及ぶ全身性自己免疫疾患と、
特定の臓器だけが影響を受ける臓器特異的疾患の2種類に分けることができる。 関節リウマチや全身性エリテマトーデス (SLE) に代表される膠原病は、全身性自己免疫疾患である。

20世紀初めには、パウル・エールリヒ (Paul Ehrlich) により提唱された、免疫系は自分自身を攻撃しないとする自己中毒忌避説 (Horror autotoxicus) を代表とする考え方が主流であった。しかし、その後の研究により自分の体の構成成分を抗原とする自己抗体が発見されるにつれ、自己免疫疾患の存在が明らかになっていった。現在では、自己免疫が関与している疾患や、自己免疫の関与が示唆される疾患が多数知られている。

女性で一番多い「便秘」「冷え性」「肌荒れ」には、自己免疫疾患が関係している場合が多いと言われている。理由は明らかになっていないが、ホルモンが関与しているという説がある。また、慢性的に経過し、難治性であるため、日本では公費負担の対象として定められた特定疾患に含まれている疾患も多い。

治療法は疾患により異なるが、免疫異常が疾患の原因となっていることから、多くの疾患でステロイドと免疫抑制剤が第一選択の薬剤として用いられる。

免疫不全

2008-03-21 10:10:05 | 解剖生理学(免疫系)
免疫不全とは、先天性または後天的に免疫機能に異常をきたした病態のこと。

B細胞機能に異常のある液性免疫不全と、T細胞機能に異常のある細胞性免疫不全があり、前者の場合はとくに化膿性の細菌感染にかかりやすく、後者の場合はウイルスや真菌に感染しやすい傾向がみられる。

また、免疫不全には免疫に関わる特定の因子の欠陥によって起こる原発性免疫不全症候群と、なんらかの病気が引き金となって起こる後天性免疫不全症候群がある。一般に、先天性免疫不全症候群は出生10万人に対し2~3人と、ごくまれな疾患だが、例外的に頻度の高い疾患もあり、IgA欠損症やC9欠損症のように健康と思われていた人でもときに発見されることもある。一方、からだの免疫機構が侵されることによって起こる後天性(続発性)免疫不全症候群の場合は、エイズのような感染が原因で起こるものだけでなく、悪性腫瘍の結果起こるものや自己免疫疾患にともなって起こるもの、その他さまざまなものがある。

免疫不全は大きく2つに分けられる。
一つは活動低下。
免疫系の活動が低下すると、感染症やガンになりやすくなる。
もう一つは活動昂進。
免疫系が働きすぎることで、アレルギーや自己免疫疾患になりやすくなる。
自己免疫とは免疫系が自分のからだの組織を攻撃してしまうことである。

免疫力

2008-03-21 09:31:23 | 解剖生理学(免疫系)
免疫力の正体は白血球
血液は液体部分の血しょうと、白血球、赤血球、血小板からなるが、
免疫力の正体は「白血球」。白血球が免疫力をつかさどることになる。

白血球には、リンパ球(白血球の35%)、顆粒球(60%)、
マクロファージ(5%)の三つの免疫細胞がある。

それぞれの役割分担はまず、
マクロファージが司令塔的な役目をして異物の性質を調べる。

くわえて、マクロファージは比較的大きな細菌や異物を食べる。

顆粒球は、からだのなかに入ってきた細菌や死んだ細胞を食べて分解する。

一方、リンパ球はそれよりも小さい異物やウイルスと闘う。

つまりこの、三つの免疫細胞は、それぞれ役割分担をして細大漏らさず、
私たちのからだを守るように機能しているのである。

このように白血球がおこなう免疫活動は、からだに細菌や異常細胞など異物が発生すると始まるのだが、白血球では「リンパ球」が病気に対して免疫力を発揮する主役で、がん細胞などの異常細胞をやっつける役目はリンパ球が担う。

また、リンパ球(35%)、顆粒球(60%)、マクロファージ(5%)の割合は、
マクロファージを除いて常に一定というわけではない。

たとえばリンパ球が増えると、顆粒球の割合は減ることになる。

免疫力の主役はリンパ球だが、理想の割合は、リンパ球が白血球の35~41%で、
顆粒球は54~60%といわれる。

ちなみに、統計によると病気を抱える人のリンパ球の比率は30%以下で、病気ではないが不快症状を抱えている人は30~35%、そして特定の疾患や不快症状などもない、健康な人のリンパ球は35~41%となっている。

つまり、健康である(病を治す)ためには、リンパ球の割合が35%以上必要ということになる。

リンパ球の増減にもっとも影響を与えるのは、心身に受けるストレスである。

ストレスとは、人間関係からくる悩みすぎや不安、限度を超えた疲労、睡眠不足などである。

このようなストレスがリンパ球に影響を与えるのは、白血球の支配に「自律神経」がかかわっているからである。

自律神経とは、意志と無関係にからだの機能を調整している神経をいう。

自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があるのだが、心拍や体温調節、排泄、生殖をそれぞれ役割分担している。

そして、交感神経は顆粒球を、副交感神経はリンパ球をコントロールするが、たとえば肉類を食べると交感神経優位に働くことになる。

肉の場合は酸性食品で消化時間が短いため、食べるとすぐに活動に反映され、交感神経が優位に働く。

すると、顆粒球が増加し、リンパ球の割合は減ることになる。


免疫力をコントロールする自律神経
自律神経は全身に分布し、心拍や体温調節など生体活動のほとんどを自動的におこなっている。

自律神経には交感神経と副交感神経があり、食事に関する食欲や消化も自律神経のはたらきで調整され、副交感神経優位では食欲が旺盛になって消化がよくなり、交感神経優位では食欲が低下する。

体調に関していえば、興奮の体調をつくるのが交感神経で、リラックスの体調をつくるのが副交感神経になります。

白血球には「リンパ球」や「顆粒球」などの免疫細胞があり、これらの白血球に占める割合は、無理をしたりストレスが加わるとリンパ球と顆粒球の比率は変動する。

この白血球の変動を支配するのが自律神経であるが、自律神経の交感神経が優位になったときにリンパ球の割合が減り、リンパ球の割合が減ったときに免疫力が低下し病気が起きる。

交感神経優位の状態が長期にわたると、交感神経が過緊張して粘膜や組織に障害がおき、血管が収縮して血流が悪くなって体調をくずし、病気を発症する。

病気の改善では、交感神経が過緊張の状態から、食事や休養などからだにとって有効な刺激を受けることで副交感神経が優位になると、交感神経の緊張がゆるんで血管が拡張して血行がよくなり治癒に働く。

また、病の改善には食事が「腸管」にストレートに働きかけるため、ひじょうに有効である。

腸管とは、消化管としての「小腸」「大腸」などであるが、この腸管には全身の免疫細胞の6割が集まっている。


免疫細胞の6割が集中する腸管
自律神経の副交感神経が優位になってリンパ球が増えると、免疫力が正しく働く方向に影響する。

食事は、この副交感神経を優位に導くもっとも有効な手段になる。

食事は休息や睡眠と同じリラックス体調をつくるので、おいしいものや温かい料理を食べてよりリラックスできれば、副交感神経が優位になり免疫力が高まっていく。

また、食べ物を食べたときの腸管(小腸、大腸など)がおこなう蠕動運動(ぜんどううんどう)、消化、吸収、排泄などもすべて副交感神経に支配されている。

そのため、食事をとり始めると腸管が働いて副交感神経が働きはじめ、とりわけ消化や排泄作用のよい食事は、より副交感神経に働きかけることになる。

食事以外にも副交感神経を優位にする方法として、呼吸法や半身浴などの入浴、アロマセラピーなどがあるが、これらの方法と食事が違うのは、「腸管」が働いて副交感神経が優位になる点である。