アロマテラピー学習ブログ

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参照。

ベンゼン環

2008-12-30 08:39:05 | 精油学総論
「ベンゼン」(C6H6)は、「ベンゾール」とも呼ばれ、6個の炭素原子(C)と6個の水素原子(H)とからなる有機塩素化合物で、揮発性及び引火性が非常に高く、特徴的な芳香をもつ無色透明の液体である。
 ベンゼンの6個の炭素原子は環状に結合し、亀の甲羅のように平らな6角形の「ベンゼン環」(「ベンゼン核」ともいう)を形成している。

官能基

2008-12-30 08:33:42 | 精油学総論
有機化合物の化学的性質を決定する原子団をさす。有機化合物の化学反応は、官能基単位であることが多いため、同じ官能基をもつ化合物は、その性質がたがいによく似ている。

光毒性と光感作

2008-12-30 07:59:40 | 精油学総論
「光毒性」
たとえばフロクマリン類の入った精油を皮膚塗布した後に日光にあたることで皮膚と成分が反応し色素沈着や炎症反応などを起こすこと。
基本的にオイルをぬって日光に当てた部分に反応が現れる。

「光感作」
感作というのは、免疫システムに基づくアレルギー反応。
光感作は、簡単に言うと日光にあたることによってアレルギー症状を起こすこと。
塗布した部分だけでなく全身に反応が出ることも考えられる。


芳香族化合物

2008-12-30 06:22:44 | 精油学総論
芳香族化合物は、ベンゼンを代表とする環状不飽和有機化合物の一群。炭化水素のみで構成されたものを芳香族炭化水素 (aromatic hydrocarbons)、環構造に炭素以外の元素を含むものを複素芳香族化合物 (hetero aromatic compounds) と呼ぶ。狭義には芳香族化合物は芳香族炭化水素と同義である。

19世紀ごろ知られていた芳香をもつ化合物の共通構造であったことから「芳香族」とよばれるようになった。したがって匂い(芳香)は芳香族の特性ではない。

異性体

2008-04-04 08:28:07 | 精油学総論
異性体とは、分子式が同じで構造式の一部が違う(原子の配置が異なる)もののこと。大多数の有機化合物のように多数の原子の共有結合でできた分子化合物は異性体を持ちうる。

アロマテラピーや医薬品で薬理効果を求める時には、重要である。

リナロールでもd-リナロールとl-リナロール(l=エル)、
リモネンもd-リモネンとl-リモネン、それぞれ異性体である。
また、テルペン系アルデヒド類のネラールとゲラニアールは異性体である。

ブレンドの方法

2008-04-01 08:05:43 | 精油学総論
◇ブレンドの方法
効果的なブレンドの方法は、多くのエッセンシャルオイルについての香りの特徴、効果を的確につかむ必要がある。ブレンドに使うオイルを選ぶにあたり、先ず表に現れている症状に対する効果のあるオイルをリストアップする。5種類位絞れたら、テイスティングペーパーか綿棒につけて香りが本当に合うか試してみる。

ポイント
純粋に香りの面だけで、どれとどれが合いやすいか試してみる。治療効果を中心に考えた場合、どうしてもすきになれないブレンドがある。その場合は、ブレンドエンハンサーを使いブレンドの香りを良くする。

ブレンドエンハンサー

2008-04-01 07:55:12 | 精油学総論
ブレンドの香りを良くする為に加える精油のことをブレンドエンハンサーと言う。
柑橘系の香りが使われることが多く、とても効果的に香りを親しみやすくしてくれる。 しかしブレンドエンハンサーは、作用目的とはずれたものは選ばないことが大切である。

 ブレンドエンハンサーの例
「プチグレイン」 「オレンジ」 「マンダリン」 「レモン」 「グレープフルーツ」他

植物の学名

2008-03-05 15:49:34 | 精油学総論
スウェーデン生まれの博物学者であり医師でもあるカール・フォン・リンネ(1707~1778)という、植物分類学の父と呼ばれている人が命名。

■構成
学名は普通2つの単語で構成される「2命名法」と呼ばれる方式で表される。このときの表記方法にはいくつかのルールがあるが、次のものは「国際命名規約」にも定められているものである。
(1)属名と種名はイタリック(斜字体)で表す。
(2)属名は頭文字が大文字で後は小文字。種名はすべて小文字とする(→種小名)。
 スィートオレンジの場合 … Citrus sinensis 
                  属名 種小名
ただし公式には、Citrus sinensis Osbeckのように命名者の名を最後につけ3本立てにすることが正式の学名表記(この場合、Osbeck=命名者)。その際、(リンネ)をL. とかSiebold(シーボルト)をSieb. などと簡略化することが一般的。詳しくは植物事典を参照。 種以下の階級を書く場合は、種小名に続けて下記のように書かれる。
 subsp. またはssp. … 亜種 
 var. … 変種 
 f. … 品種 

学名はラテン語で書かれており、読み方の基本はローマ字発音となる(aは「ア」、bは「ブ」、-umは「ウム」、-usは「ウス」というように。-um、-usをそれぞれ「アム」「アス」とつい読んでしまうのは英語読みなので要注意)が、いくつかのアルファベットはローマ字発音と異なる読み方をする(下表参照)。

c、ch カ、キ、ク、ケ、コ    j ヤ、イ、ユ、イェ、ヨ
ph ファ、フィ、フ、フェ、フォ  qu クァ、クィ、ク、クェ、クォ
v ウァ、ウィ、ウ、ウェ、ウォ  x クサ、クシ、クス、クセ、クソ
y イ

※子音の次に母音のない場合は、子音の後にuを入れたようにして読む。archi(アルキ) pro(プロ)など。

ギリシャ語が使用されることもある。

精油の安全性

2008-03-04 23:21:20 | 精油学総論
経口毒性
飲み込んで消化器系から精油が吸収された時に消化器を傷めたり、精油成分が体内を循環して肝臓で解毒される時や腎臓で処理する時に毒性が働く。神経組織に影響を与える神経毒性や発がん性を持つものもある。

経皮毒性
表皮から吸収され体循環を巡った成分が経口毒性と同じ作用を示すこと。経口毒性より体内への吸収速度が遅くなり吸収効率が低くなる。LD値は高い。

LD50 (リーサルドース50)
精油の危険性(致死量)を示す指標
(100匹のマウスにある物質を投与してそのうち50匹が死にいたる量。)与える物質の量。
(例)20与えて50匹死ねばLD値は低い。80与えて50匹死ねばLD値は高い。
値が高いほど安全性が高い。経口より経皮の方が高い。

神経毒性
麻痺・酩酊等。

精油の薬理作用

2008-03-04 22:48:16 | 精油学総論
心身への作用
 緩化作用:排便を促す作用
 去痰作用:気管支から過剰な粘液を除去する作用
 駆風作用:腸内に溜まったガスを排出させる作用
 引赤作用:血液量を増大させて、局所を温かくする作用
 抗炎症作用:炎症や熱を鎮める作用
 デオドラント作用:匂いを消す作用
 女性ホルモン様作用:卵胞を発育させるホルモンの働きを刺激する作用
 催淫作用:性欲を高める、又は精力を強くする作用
 通経作用:月経を促し、月経周期を規則的にする作用
 エンハンサー作用:組織の張り、引き締め作用

精油のノート

2008-03-04 22:16:44 | 精油学総論
ノートとは、19世紀にピエッスが作り出したものでトップ・ミドル・ベースが基本となっている。ノートは人によってそれぞれ感じ方が違い、そのときの精神状態や体調によっても左右される。
トップノート」…ブレンドした時にすぐに香りがする。香りはすぐに消えてしまいます。気分を高揚させるのでリフレッシュしたいときに向いている。おもに柑橘系や葉、花から抽出される精油。
オレンジ・グレープフルーツ・ベルガモット・レモン・ユーカリ・ティーツリー・ペパーミント・レモングラスなど。

ミドルノート」…トップノートの後に漂ってくる香りで、香りを柔らかくする。体の機能を整える働きを持つ精油が多い。おもに花や葉から抽出される精油。
カモミール・ゼラニウム・マージョラム・ローズマリー・クラリーセージ・ジュニパー・ネロリ・ブラックペッパー・メリッサ・ラベンダーなど。

ミドル~ベースノート」…ミドルノートとベースノートの間のノート。
イランイラン・サイプレス・ジャスミンアブソリュート・ローズオットー・フランキンセンスなど。

ベースノート」…数時間後まで安定的に香りが持続し、深みを与える。心を静めてくれる香り。樹木や樹脂、根から抽出される精油。
サンダルウッド、シダーウッド、パチュリー、ベンゾイン、ミルラ

■香りの特徴を表すノート表示

ヘッドノート(精神をリフレッシュし、集中力を回復する。軽快でさわやかな香り)
ハートノート(心を開き、感情を調和させる。ブレンドのバランスを保つ。やさしくやわらかな香り)
ベースノート(勇気づけ、安定へと導く。重厚であたたかく長く持続する香り)
ヘッド-ハートノート(ヘッドノートとハートノートの橋渡しをする)
ハート-ベースノート(ハートノートとベースノートの橋渡しをする)

精油の純度

2008-03-04 19:28:44 | 精油学総論
1.自然そのままの精油
ケモタイプ…芳香植物で、科・種・属は同じでありながら、芳香分子の化学組成が大幅に異なるものを、化学組成別に分類した物を「ケモタイプ」または「化学種」という。一方、精油に含まれる化学成分の含有量を分析して、内容成分が明示されているものを広い意味で「ケモタイプ」とも呼んでいる。

ピュアナチュラル…100%自然から採れたそのままの精油のこと。

ナチュラルな精油は数百種類の化学成分からなっており、それぞれの成分が互いに協力し合っている。

相乗(シナジー)効果…成分同士が互いに作用を高め合う作用で、1+1なのに2より大きい。
抑制(クエンチング)効果…ある成分が他の成分の毒性を弱める作用で、1+1なのに2より小さい。

2.自然そのままでない精油
フレグランスタイプ…美容などの目的でトラブルを避けるため、一部の成分を除去していたりあるいは成分を足したりしているもの。成分に手を加えることで全体の科学性質が変化して自然のシナジー効果やクエンチング効果が薄れてしまうことがあるのであくまで香り重視としての精油である。
 脱テルペン:品質の劣化を防ぐため酸化しやすい成分であるリモネンなどのテルペン類を抜き取る。品質の劣化を防ぐため。柑橘系の精油は、テルペン系の分子がいくつも連なる重合(精油の分子が同じような分子と連続的に重なり合って大きな化合物を作ってしまうこと。)という現象が起きることで精油の粘度が高まり、香りも劣化しやすくなる。

 脱フロクマリン:光毒性のあるベルガプテンなどのフロクマリン類を抜き取る。

ネイチャーアイデンティカル…科学的に合成した自然の模造品のこと。ピュアナチュラルは、数百種類の成分を含むがその代表的な成分だけを合成し混ぜ合わせたもの。

偽和…高価な精油に似せようと様々な技巧を駆使して作ること。
 (例)メリッサ=レモングラス+化学物質
    ローズ=パルマローザを引き伸ばす
    ネロリ=プチグレンにネロリを少しだけ加える

混和…精油成分の調整を行ったもの。

※精油と飽和脂肪酸(炭化水素基が単結合だけでできている脂肪酸)を含む基材とのブレンドは、不飽和脂肪酸(炭化水素基に1個以上の二重結合を含む脂肪酸)を多く含む基材とのブレンドに比べ品質劣化が遅い

精油に含まれる化合物の大まかな分類

2008-03-04 17:38:17 | 精油学総論
炭化水素類…炭素Cと水素Hの二つの元素だけで構成される。酸素Oは含まれない。酸化しやすく劣化が早い。精油の中では最も広く存在する精油成分で、一部を除いて毒性が低い。
 特に、柑橘系には約90%が含まれている。
 炭化水素テルペン類の約5%が感作物質である。

 炭化水素テルペン類はイソプレン単位という単位によって、さらにいくつかにカテゴライズされる。

 イソプレン単位とは(C5H8)の1個の単位。

テルペン類…炭素Cと水素Hのみで構成されており“イソプレン単位(C5H8)”が基礎となっている。テルペン類がイソプレン単体ではなく、組み合わされて存在するため“イソプレン化合物”と呼ぶ事もある。一般的にモノテルペン類はセスキテルペン類より揮発性が高い。消毒・殺菌作用があり、他の構成成分が持つ毒性を和らげる効果を持つものもある。テルペン類の名前は、~エン(~ene)で終わる。
●モノテルペン(C10H16)類…イソプレン骨格2つからなる。ほとんどの精油に含まれる。特に柑橘系は、主成分のほとんどがこれで占められている。空気中の酸素と反応する。分子量が小さく、より揮発しやすい。
 ピネン、リモネン、オシメン、カレン、カンフェン、サビネン、ジペンテン、シメン、テルピネン
●セスキテルペン(C15H24)類…イソプレン骨格3つからなる。
 サンタレン、カジネン、カマズレン、カリオフィレン、ゲルマクレンD、コパエン、セドレン、セリネン、テルピネン、ビサボレン、ファルネセン、フムレン
●ジテルペン(C20H32)類
 クラリセージのスクラレオール(アルコール類)

酸素化合物類…炭化水素類に酸素Oが組み合わさって構成される。精油の“香り”と“味”は主にこの“酸素化合物類”に由来する。酸素Oが含まれるため、若干、水に溶ける。(アルコールにはよく溶ける。)

アルコール類…酸素化合物類の中でも、とても変化に富んだグループである。普通はモノテルペンを基礎としている。セスキテルペンが基礎の植物性アルコールは少ない。水酸基(-OH)が、アルキル類に付いている物。
 (例)サンダルウッド(白檀)のサンタロール、ユーカリ類のフサノールなど。
 アルコール類の名前は、~オール(~ol)で終わが、フェノール類など、アルコール類以外でもこの形で終わるものがあるので注意。
 オリバノール、カラトール、ゲラニオール、サビノール、サンタロール、シトロネロール、セドロール、ダウコール、テルピネオール、テルピネン-4-オール、ヌシフェロール、ネオメントール、ネロリドール、ネロール、パチュリーアルコール、ビサボロール、ピノカルベオール、ビリジフロール、ファルネソール、フェニルエチルアルコール、ベチベロール、ベンジルアルコール、ボルネオール、メントール、ラバンズロール、リナロール


アルデヒド類…アルデヒド類は精油の組成成分として広く分布する。香りに特徴があり、かるくフルーティな香りがする。またアルデヒド類は、非常に不安定で酸化しやすく酸化するとカルボン酸になる。殺菌作用があり、刺激性のある成分が多い。皮膚刺激とアレルギー反応を引き起こす事がよくある。アルデヒド類の名前は、~アール(~al)もしくは~アルデヒド(~aldehyde)で終わる。
 アセトアルデヒド、アニスアルデヒド、クミンアルデヒド、ゲラニアール、シトラール、シトロネラール、シンナムアルデヒド、ネラール、バレラナール、ペリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、ミルテナール
ケトン類…ケトン類は安定した性質を持ち、簡単に酸化されない。構造的には、アルデヒド類と似ている。ケトン類は、しばしば体の代謝に耐性を持つため、変化せずに、尿の中に排泄されたり、蓄積される場合がある。神経毒性がある。ケトン類の名前は一般に、~オン(~on)で終わる。
 アセトフェノン、イオノン、イロン、カルボン、カンファー、ジャスモン、タゲトン、2-ウンデカノン、ツヨン、ノートカトン、バレラノン、ピノカルボン、ピノカンフェン、ピペリトン、フェンコン、プレゴン、ペリラケトン、ベルベノン

エステル類…エステル類は、それぞれに対応するテルペンアルコール(テルペン類を基礎としたアルコール類)とその他の有機酸とで生成される。(アルコール類と酸類が脱水症状を起こした際に生じる)加水分解するとアルコール類と酸類ができる。果実やその植物が成熟しきった時、あるいは花が満開になった時点で、生成レベルが最高になる。甘くフルーティーな芳香が特徴的である。
 (例)ベルガモットのリナリルアセテートはベルガモットの果実が熟す時、含まれるリナロール(アルコール類)がリナリルアセテート(エステル類)に変化したものである。
 エステル類の名前は、~イル(~yl)または~エート(~ate)で終わる。
 酢酸リナリル、オイゲニルアセテート、ゲラニルアセテート、サビニルアセテート、サビネンヒドレート、シトロネリルアセテート、シトロネリルフォルメート、テルピニルアセテート、ネリルアセテート、ブチルアルゲレート、ベチベリルアセテート、ベンジルアセテート、ベンジルベンゾエート、ボルニルアセテート、ボルニルイソバレレート、メチルアントラニレート、メチルサリチレート、メチルブチレート、メチルベンゾエート、メンチルアセテート、ラバンズリルアセテート、リナリルアセテート

フェノール類水酸基(-OH)がベンゼン環に付いている物を言う。フェノール類はその構造上、とても刺激が強くなりやすい。強い殺菌作用、抗ウイルス作用、皮膚・粘膜刺激がある。大半のフェノール類の名前は、~オール(~ol、~ole)で終わる。
 アネトール、エストラゴール(=メチルカビコール)、オイゲノール、カビコール、カルバクロール、クレゾール、チモール、メチルオイゲノール

オキシド(酸化物)類…オキシド(酸化物)類はとても強い反応性を持つため、様々な環境の変化に敏感に反応する。すなわち、高温、空気、水により、簡単に分解されてしまう。オキシド(酸化物)類の名前は、~オキシド(~ole、~oxide)で終わるものが多いが例外としてシネオールがある。シネオールは2種類あるが、多くが“1.8シネオール”である。(ユーカリから採られるものは“ユーカリプトール”とも言われる。)
 カリオフィレンオキシド、シネオール、スクラレオールオキシド、ビサボロールオキシド、ビサボレンオキシド、リナロールオキシド、ローズオキシド

ラクトン類…ラクトン類は、一般にテルペン類とは関係を持たない。普通は低揮発性である。ラクトン類の名前は、特に一貫性はない。光毒性を持つ“ベルガプテン”などが有名だが、他にも、紫外線が無くとも皮膚の感作を誘発する“コスツラクトン(コスタツオイル)”などもある。
 アラントラクトン、アンブレットリド、キサントトキシン、クマリン、コスツラクトン、コスツノリド、ベルガプテン、ペンタデカノリド