アロマテラピー学習ブログ

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参照。

血管の構造

2008-03-29 12:22:17 | 解剖生理学(循環器・血管・血液系)
血管は、内膜、中膜、外膜の3層からなっている。動脈の壁は拍動性の血流と血圧に耐えられるよう厚く弾力があり、内部の圧が減っても丸い形が保てるようになっている。静脈の壁は薄く柔らかい。

動脈…心臓から出た血液を末梢(まっしょう)に運ぶ血管で、全血液の20%が流れている。中膜の平滑筋(へいかつきん)と弾性線維(だんせいせんい)により伸縮性と弾性がある。末端は枝分かれして細くなっており、これを細動脈という。

静脈…毛細血管に続き、血液を心臓に送り返す血管で、中膜の平滑筋が少なく弾性も乏しくなっている。始まりの部分は細静脈という。場所により内膜に半月状の静脈弁を持ち血液の逆流を防いでいる。皮下組織内を走行する静脈を皮静脈と総称している。

毛細血管…細動脈と細静脈とを結ぶ網目状の血管で最も細い血管(5~20μm)である。壁は単層の内皮細胞からなり、平滑筋はない。壁の細胞のすきまを通して、血管内の血液中と組織間で、栄養素、酸素、二酸化炭素、老廃物(ろうはいぶつ)などの物質交換が行われる。

リンパ系

2008-03-29 12:14:27 | 解剖生理学(循環器・血管・血液系)
リンパ系は、リンパ器官(リンパ節、リンパ管、胸管など)からなる複雑なシステムで、リンパ液の生成及び、組織から循環系への移動にあずかる。また免疫系において大きな役割をはたす。

リンパ系には以下の3つの機能があり、これらは相互に関係がある。

・組織から余剰になった液を取り除く
・消化吸収された脂質を循環系まで運ぶ
・免疫担当細胞(リンパ球、単球、抗体を産生する形質細胞)の産生

リンパ液の元は毛細血管から漏出した血漿が細胞間隙にて組織液となったものである。血漿は静水圧によって毛細血管から押し出され、組織液に混じる。ほとんど(90%程度)の組織液は浸透圧によって血管内に戻るが、一部(10%程度)は細胞間に残り、組織液の量は次第に増加することになる。その結果余剰が生じ、余剰部分はリンパ管の中に拡散し、リンパ系によって循環系に戻されることになる。要するに、リンパ液はリンパ系にとりこまれた組織液そのものである。

リンパ液の循環
リンパ系は第二の循環系として機能している。リンパ系ではリンパ節の白血球が体を癌細胞、真菌、細菌、ウイルスから守っている。ポンプ(心臓)を中心とした閉じた管からできている血管系と違って、リンパ系は開放循環系である。リンパ系にかかる圧力は低く、液の流速も遅い。リンパ系の圧力は蠕動、骨格筋の収縮によってもたらされ、リンパ管には静脈と同じく、逆流防止の半月弁がある。リンパ液の移動は主に骨格筋の収縮を原動力とするが、周期的な管壁の収縮もリンパ液のリンパ管への移動を助ける。毛細リンパ管は集合しつつ次第に太くなり、右の上半身からのリンパ液は右リンパ管に、他の部位からのリンパ液は胸管に集まる。これらは右及び左の鎖骨下静脈に流れ込み、血液循環系と合流する。

脂質の運搬
リンパ管は 乳糜管とも呼ばれ、消化管の表面に沿って分布する。小腸で吸収された栄養素はほとんどが肝門脈を通って肝臓に流れ込みそこで処理されるが、脂質はリンパ液に乗って胸管を通り静脈まで運ばれる。小腸からの脂質を多く含むリンパ液は乳糜と呼ばれる。脂質は一旦体循環に乗った後で肝臓において処理される。

リンパ器官
リンパ器官を構成する付随的なリンパ組織には胸腺、脾臓、リンパ節、パイエル板、扁桃、虫垂、赤色骨髄がある。これらの器官を足場にして、B細胞やT細胞、及びマクロファージ、樹状細胞など他の免疫細胞が体を循環する。他にも、細網内皮系と呼ばれるものがある。病原体が体内に侵入したり、体が抗原(スギ花粉のような)に晒されたりすると、抗原がリンパ液に移動し、リンパ液はリンパ管を通って近傍のリンパ節に運ばれる。リンパ液の中の細菌、癌細胞といった異物はリンパ節で除去される。マクロファージおよび樹状細胞が病原体を貪食・処理し、リンパ球に対して抗原提示を行う。病原体を認識するとリンパ節は腫大し、産生された免疫細胞が新たに加わって生体防御にあたることになる。

一次リンパ性器官(骨髄、胸腺) 血液(血漿、リンパ球)の産生器官
二次性リンパ器官(脾臓、扁桃腺、所属リンパ節など) 生体防御器官

循環器

2008-03-29 11:38:51 | 解剖生理学(循環器・血管・血液系)
循環器とは、動物の器官の分類のひとつで、血液を体内で循環させるのに働く器官と、血液の成分である血球を産生、成熟、分解する器官をまとめて呼ぶ言い方。これらの器官をまとめて循環器系という器官系としてまとめて扱うことがある。

体のすべての細胞は、その活動のために酸素や栄養分を必要とし、また二酸化炭素や老廃物を除去する必要があるため、これを血液の形ですべての細胞とやり取りする必要がある。脊椎動物では、このシステムは心臓とそれに接続された血管と呼ばれる管によって達成されている。血管は、心臓から体の各部まで血液を運んだ後、再び心臓まで戻るような経路になっており、文字通り「循環」するようになっている。これに加えて、血液は免疫のための白血球をも運んでおり、白血球の機能に関する器官も循環器に含めることが多い。

循環器系の器官
ヒトの循環器系(の一部)。動脈は赤、静脈は青で表現されている血液 - 赤血球、白血球、血小板などの細胞成分と血漿と呼ばれる液体成分から構成される
心臓 - 血液を動脈に送り出すポンプ
血管 - 血液の通路となる管。動脈、静脈、毛細血管などがある
リンパ管 - 体の各部の組織液を血管に戻す通路となる管
リンパ節 - リンパ管の途中にあり、白血球の一種のリンパ球を増殖、成熟させる
扁桃 - 口の奥にあり、リンパ球が成熟する場所
虫垂 - 小腸と大腸の間にあり、リンパ球が成熟する場所
脾臓 - 古い赤血球を分解する場所、リンパ球が成熟する場所
腎臓 - 血液を濾過し、尿を作り出す場所
胸腺 - Tリンパ球を作り出す場所
骨髄 - 新しい血球を作り出す場所

大腿部の筋肉

2008-03-29 10:59:14 | 解剖生理学(骨・筋肉)
体のバランスを安定させる筋肉。

大腿部の筋肉の働き

・大腿部を身体の前方に上げる

・大腿部の身体の内側に上げる

・ヒザを伸ばす

・ヒザを曲げる

・走ったり、ジャンプしたりといった動作に関わる

骨盤

2008-03-29 10:50:01 | 解剖生理学(骨・筋肉)
骨盤は大腿骨と脊柱の間で体を支える、強固に一体化した一群の骨の解剖学的名称である。

1個の仙骨と、それぞれ左右1対の腸骨・恥骨・坐骨の7つの骨が環状(逆円錐台状)に結合した構造をしている。大きく板状に広がった腸骨が腹腔内臓器を支えている。なお、解剖学においては腸骨・恥骨・坐骨を併せて寛骨と呼ぶこともある

仙骨は脊柱の下端の骨でもある。俗に尾てい骨と言う。
坐骨・腸骨・恥骨の結合部が大腿骨との関節になっている。肩関節と同じく球体関節で自由度は2である。

子供の頃は、腸骨・坐骨・恥骨に分かれて軟骨で結合しているが、一般的に16~17歳、遅くとも23歳くらいまでに軟骨が骨化し、骨結合する。

骨盤は法医学において、頭蓋骨と並んで最も男女差の著明な骨である為、骨盤が遺されていれば性別の鑑定が簡便である。

骨盤の中央の孔は男性では三角形に近く、女性では丸く、出産時に胎児を通すため骨盤が開く。

恥骨下角は男性(50~60度)より女性(70~90度)の方が広い。

 

骨盤の内側の空間を、骨盤腔といい、腹部の内臓のうち、骨盤腔に入っている内臓、つまり下部の内臓を骨盤内臓器(子宮のほか、膣、前立腺、膀胱、大腸の一部など)ともいう。

喉頭

2008-03-29 09:28:27 | 解剖生理学(嗅覚・呼吸器系)
喉頭(こうとう)とは、咽頭と気管の狭間で、舌骨より下にあり気管より上にある、頸部中央に一つ存在する器官のことをいう。体表からは、のど仏として触れることができ、嚥下時には上前方に移動する。嚥下時の食物の気管や肺への流入(誤嚥)の防止、発声などの機能を持つ。嚥下時には、喉頭蓋が後方に倒れ込み、声門が閉鎖することにより、気管に食物が入り込む事を阻止する。

喉頭の解剖
甲状軟骨:
輪状軟骨:
披裂軟骨(対):
喉頭蓋:
喉頭前庭:
喉頭室:
輪状甲状筋:
仮声帯:
甲状披裂筋 :声帯(声帯ひだ):声門を構成する、左右一対、腱状の構造物。発声時に呼気流を断続的に遮ることで振動、音声(喉頭原音)を生じる。

咽頭

2008-03-29 09:21:00 | 排泄・解剖生理学(消化器系・泌尿器系)
咽頭(いんとう)とは、脊索動物門固有の器官で、消化管の前部で口腔と食道の中間にあり、胚の時期には、両側壁にいくつかの咽頭嚢が前後に並んで発生する部分のことである。

鼻腔の奥から喉頭までの約12cmの管で、空気と食塊がクロスする所である。

※喉頭は気管へ続く空気の通り道で喉頭蓋や声門を含む箇所で、軟骨で取り囲まれている。

鼻腔から咽頭(あるいは喉頭)までを上気道、その下部から気管支までを下気道と言う。

尿道

2008-03-29 08:14:21 | 排泄・解剖生理学(消化器系・泌尿器系)
尿道(にょうどう)とは、哺乳類の泌尿器に分類される器官のひとつで、尿が、膀胱から体外へ排泄されるときに通る管のこと。男性の場合、膀胱の出口で、精管が接続されており、射精時には、精子を含む精液を運ぶ管でもあるので、生殖器でもある。

男性と女性とで、尿道の形状が大きく異なる。男性の場合、成人で10数 cmの長さがあり、湾曲していて細い。一方、女性の尿道は太く、ほぼまっすぐで長さは3~4 cmと、男性よりもかなり短い。これが、女性のほうが尿路感染症を起こしやすい原因であるといわれる。尿道には、膀胱を出たあと、尿道周囲の筋肉が発達して、内部の尿の通行を妨げる尿道括約筋がある。この筋は随意筋で、意識的に尿を我慢するときに用いられる。

尿道の壁の構造は、内側に、粘膜があり、その外に主に2層の平滑筋が存在するのが基本であるが、男性の尿道海綿体内では平滑筋層は明確ではない。尿道内部の壁の潤滑剤としての粘液を分泌する尿道腺と呼ばれる小型の分泌腺が多数存在し、尿道の内壁を湿らせている。内側の粘膜は、女性では、膀胱のごく近くでは、膀胱と同じ移行上皮であるが、それ以外のほとんどは重層扁平上皮である。一方、男性尿道では、膀胱の近くでは移行上皮、その後、前立腺内を通るときは前立腺の上皮と同様の多列円柱上皮となり、陰茎内では、独特の重層円柱上皮、亀頭部で重層扁平上皮と、様々に形を変える。

膀胱

2008-03-29 08:03:57 | 排泄・解剖生理学(消化器系・泌尿器系)
膀胱は、下腹部の骨盤内にある器官で、腎臓から送られてくる尿を一時的に溜める袋状の器官。前上部の膀胱尖(ぼうこうせん)と後下部の膀胱底と中間部の膀胱体の3部に区分される。膀胱壁は粘膜、筋層、漿膜(しょうまく)の3層からなる。粘膜には多くのしわが有り、膀胱床の膀胱三角は平滑である。尿が溜まっていない時は逆三角形型をしている。粘膜の上皮は、膀胱の伸び縮みにあわせることができる特殊な上皮になっていて、移行上皮という。

腎臓からの排出物は本来は消化管に放出される。その部分に発達した袋状の構造が膀胱である。したがって内胚葉起源である。ほ乳類では肛門と独立して新たに尿道が直接に体外に口を開くので、膀胱は消化管と独立する。

場所は、骨盤内器官としては体の一番前にあり、下腹部中央、恥骨結合の後ろにあり、男性は直腸の前に、女性は子宮と膣の前に位置する。左右の腎臓からの尿管でつながり、尿が送られてくる。 また、尿を外部に排出するために尿道がつながる。尿道への入口は膀胱頸部筋で閉じられる。



通常時は1時間あたり60mlの尿が腎臓から送られる。 膀胱総容積の4/5程度蓄積されると大脳に信号が送られ、尿意を感じる。 排尿時は腹圧を加えることで膀胱の筋肉が働いて内圧がかかり、膀胱壁の3層の平滑筋が収縮し、内尿道口にある膀胱括約筋が弛緩(しかん)すると 膀胱頸部筋が開放、排尿に至る。

基本構造は、平滑筋でできたほとんど筋肉の袋である。筋層は内側の空間にどれだけ尿がたまっているかにあわせてのびるので、膀胱全体の大きさもそれにつれて大きく変わる。

通常の膀胱の厚さは1.5cm程度だが、尿が蓄積されるにつれて薄くなる。 満タン時には3mmまで薄くなり、この場合まれに衝撃で破裂する事がある。

膀胱の容量は、成人で平均して500ml程度であるが、人によって、約250 - 600ml程度と、個人差が大きい。男女でみれば、どこでも立小便ができる男性と比べ、女性のほうが、普段から我慢することが多いため、容量も大きめである。体の大きさもあまり関係なく、小柄な女性でも1ℓ以上我慢できる人もいる(俗に「貴婦人膀胱」といわれる)。

腎臓

2008-03-29 07:57:40 | 排泄・解剖生理学(消化器系・泌尿器系)
腎臓は、泌尿器系の器官の一つ。 「肝腎」の言葉の通り、非常に重要な臓器の一つで、血液から老廃物や余分な水分の濾過及び排出(尿)、体液の恒常性の維持を主な役割とする。

形態と構造
ヒトの腎臓はソラマメの種子の様な形をしており、腹の裏側、横隔膜の下に一対ある。身体の右側には肝臓があるため、右腎は左腎よりやや(約1.5cm)低い位置にある。重さは約150g(ノート1冊分)で、縦約12cm、幅約6cm、厚さ約3cm。健康な人ならば、移植などで片方を失っても機能上問題は無い。 中央内側の部分はくぼんでおり、「腎門」と呼ばれる。ここには腎盂(腎盤)、腎動脈、腎静脈、輸尿管、リンパ管などが集まる。上部には副腎がある。

繊維状の部分が髄質(腎錐体)。髄質の外側に血管に富んだ顆粒状の皮質が広がる。髄質と皮質を合わせて腎実質と言う。髄質は本文中にある顕微鏡的構造であるネフロンの集合体。ネフロン中の糸球体は皮質に位置し、糸球体から発した腎細管(細尿管、尿細管ともいう)はいったん髄質中を腎中央に向かって進み、次に戻り、再度他の尿細管と集合しながら小腎杯に向かう。この折り返し部分で水や各種イオンを再吸収する。髄質に囲まれた空洞部分を小腎杯と呼び、小腎杯が集まって大腎杯に、大腎杯をあわせたものを腎盂(腎盤)と呼ぶ。腎盂はそのまま尿管、さらに膀胱へとつながっている。腎盂は尿を集めて尿管に送り出す。

組織学的には、ネフロンと呼ばれる機能単位からなり左右の腎臓それぞれ約120万個のネフロンを持つ。ネフロンはボーマン嚢と腎細管から構成されている。



尿生成と排泄
腎動脈から送られてきた血液は、毛細血管を経由して腎小体(マルピーギ小体)に入る。 蛋白質以外の血漿成分は一度ボーマン嚢中に濾過される。その量は通過血液の10%で、濾過された液体は「原尿」と呼ばれる尿の原料となる。原尿は1日約170リットル作られるが、尿となるのは1.5リットル程で、残りは全て再吸収される。

原尿のうち有効成分(全てのグルコース、95%の水および無機塩類)は腎細管を経由、残り4%の水・無機塩類は集合管を経由し、再吸収されて腎静脈に戻り、再び身体の血流にのる。残った成分(尿)は腎細管を経て腎盂に集まり、尿管を経由して膀胱に排出される。水やナトリウムの再吸収量の調節は、遠位尿細管や集合管で行われ、抗利尿ホルモン(ADH)やアルドステロン、ANPなどのホルモンが関与する。

再生しやすい尿細管に対し、糸球体は損傷しても再生しない為、機能不全や損傷に陥った場合は塩分及びカリウムの制限、人工透析が必要となる。現代人は腎臓に負荷を与える塩分摂取量が多いため、負荷がかかりやすく、知らず知らずのうちに腎臓にダメージを与えている場合がある。

小腸

2008-03-29 07:47:11 | 排泄・解剖生理学(消化器系・泌尿器系)
小腸は、消化管の一部で消化と吸収を行う。胃と大腸の間にあり、十二指腸(約30cm)、空腸(約250cm)、回腸(約350cm)からなり、全長は6m以上に達する。十二指腸は固定されているが、他の空腸・回腸はかなり自由に動く事ができる。肝臓からの胆汁や、すい臓からの酵素は十二指腸へ分泌され、消化反応の大部分はここで行われる。pHは十二指腸から回腸へと徐々に上がっていく。

小腸の粘膜は粘膜上皮、粘膜固有層、粘膜筋板で構成される。

小腸の内壁は輪状のひだになっており、その表面には数百万もの絨毛(栄養素を吸収する場所)と呼ばれる指状の突起があり、これが小腸の表面積を増大させている。これは柔突起とも呼ぶ。さらに、絨毛の表面には数千の微絨毛があり、さらに表面積を増やし、吸収効率を高める仕組みになっている。表面積はテニスコート2面分にあたる。一つの細胞からおよそ60000の微絨毛が突き出している。しかし絨毛の栄養分の入り口の大きさはとっても小さくわずか数ミクロンで、その入り口から入れたものだけが、血管・リンパにはいることができ、体の中に吸収され、栄養素の効果をだしていく。
この大きさに入れなかったものは、残念ながらそのまま大腸にいき排泄されてしまう。

腸内容の移送は主に縦走・輪走筋の蠕動運動によって行われる。

神経細胞

2008-03-28 18:14:15 | 解剖生理学(脳神経系)
神経細胞の形態

・神経細胞はニューロンと呼ばれ、神経細胞体とそれから伸びる一本の長い軸索と、比較的短い数本の樹状突起からなる。
軸索は遠心性、樹状突起は求心性に情報を伝える
・軸索は糸のように細長いので神経線維とも呼ばれる。
・軸索の一部にはグリア細胞が巻きついて出来た、髄鞘(ミエリン)と呼ばれる構造を持つ。
・髄鞘を構成するグリア細胞は、中枢神経系ではオリゴデンドロサイト、また末梢神経系ではシュワン細胞である。

・髄鞘は脂質二重層で構成された細胞膜が何十にも巻きつく形で構成されており、脂質は絶縁体の性質を持つためイオン電流の漏洩を防ぐ。また、電気的信号の伝達速度を上げる効果を持つ跳躍伝導にも寄与している。
・神経にはその軸索が髄鞘に覆われている有髄神経と髄鞘に覆われていない無髄神経がある。
・髄鞘は脂質を主成分としていて電気抵抗が高く軸索を周囲から絶縁している。
・有髄神経の軸索は全て髄鞘に覆われているわけでなく、一定間隔で切れ目がある→ランビエの絞輪
・有髄神経では興奮がランビエの絞輪から絞輪へと飛び飛びに伝えられる。→跳躍伝導
・長く伸びた軸索は終末に近いところで通常枝分かれをして、その先端はほかのニューロンの細胞体もしくは樹状突起に接続している。この接続部位をシナプスと呼ぶ。



・情報を送る側がシナプス前ニューロン、受ける側がシナプス後ニューロンという。
・1つのニューロンに多いものでは数千個のシナプスが存在する。
シナプスにおける情報伝達は化学的伝達物質によっておこなわれている。
・有髄神経の伝導は無髄神経に比べて速い。
神経線維の再生・回復にはビタミンB群が関与している。特にビタミンB1が有効である

*グリア細胞は神経膠細胞(しんけいこうさいぼう)とも呼ばれ、神経系を構成する神経細胞ではない細胞の総称であり、ヒトの脳では細胞数で神経細胞の50倍ほど存在していると見積もられている。

水虫

2008-03-27 21:14:58 | 解剖生理学(皮膚)
水虫は白癬菌(はくせんきん)による皮膚病であり、白癬菌は角質層に寄生しケラチンを栄養源にしている。足に水疱・発赤・痛痒感を伴う(近年特に、指先や爪の裏側の皮膚に感染するケースも増えている)。

田虫(たむし)、陰金(いんきん)、白雲(しらくも)も同じ白癬菌による感染症であるが、感染する場所によって呼び方が異なる。皮膚(掌、足、頭、太股の内側、陰部を除く)に感染すると田虫となり、太股の内側や陰部に感染すると陰金となり、頭に感染すると白雲となる(白雲は子供に起こりやすい)。