アロマテラピー学習ブログ

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参照。

軸索反射

2009-01-29 07:48:20 | 解剖生理学(脳神経系)
ツボにある枝分かれした感覚神経同士に刺激が伝わり、さらに、その神経から枝分かれしている神経にも刺激が伝わっていくこと。ただし、この刺激は脊髄や脳までは伝わらない。

 軸索反射により、神経ペプチドが放出され、皮膚発赤(血管拡張、血流増加)、平滑筋収縮(気管支収縮、気道収縮)、粘膜浮腫(血管透過性亢進による血漿蛋白漏出)、粘液分泌亢進が、起こる。

軸索反射とは、末梢神経が刺激された時に、中枢神経を介さないで刺激された神経の側枝内でインパルスが反射性に伝導し、諸反応を起こす反射反応。
■発汗
■立毛
■紅潮

脊髄反射

2009-01-29 07:34:17 | 解剖生理学(脳神経系)
脊髄が中枢となって起こる、最も単純な反射の総称。例えば膝蓋腱(しつがいけん)反射、アキレス腱反射、発汗反射など。

 たとえば、熱いものに手や足が触れるとそれを意識する前に手足を熱い物から遠ざけるような動きをする。このように何らかの刺激によって受容器が興奮し、 その興奮が、それを感じたり意識したりすることがなく効果器(筋肉)に至る現象を反射(Reflex)という。この反射の情報を処理する場所を反射中枢(Reflex center)といい、また反射の起こる経路を反射弓(Reflex arc)という。 反射には
(1)単シナプス反射(Monosynaptic reflex):反射弓が2個のニューロン(1つのシナプス)で構成されているもの
(2)多シナプス反射(Polysynaptics reflex):反射弓が2個以上のシナプスで構成されているもの 
 がある。

脊髄反射の分類
(1)伸張反射(Stretch reflex): 伸張反射は唯一の単シナプス反射で筋伸展による刺激が脊髄内の運動ニューロンに達して筋肉の収縮を起こす。 伸張反射の例として膝蓋腱反射があげられる。大腿四頭筋の腱をたたくと腱にひっぱられて筋が伸張し、筋肉内の伸張受容器である筋紡錘が興奮する。この興奮によって生じたシグナルがIa神経線維を通って後根から脊髄へ入る。さらに脊髄の前角内で運動ニューロンとシナプス結合を介して信号が伝達され、この運動刺激が大腿四頭筋を刺激して収縮させる(下肢が動く)。

(2)屈曲反射(Flexion reflex): 四肢の皮膚を刺激すると屈筋がすばやく収縮して刺激から四肢を遠ざけようとする。これを屈曲反射という。この反射は危険から身を守るとための防衛反射である。
 強い刺激をうけると同側の肢の屈曲だけではなく、反対側の肢の伸展が起こる。これを交叉性伸展反射(Crossed extension reflex)と呼ぶ。
 屈曲反射は多くのシナプスを介した多シナプス反射である。

坐骨神経

2009-01-27 15:46:29 | 解剖生理学(脳神経系)
坐骨神経(ざこつしんけい)は多くの動物に於いて同一個体中で最大の直径と長さをもつ末梢神経。

ヒトの場合、腰仙骨神経叢から始まり総腓骨神経と脛骨神経に分かれて終わる。腰仙骨神経叢を構成する末梢神経のうち坐骨神経をなす物は第4、第5腰神経と第1~第3仙骨神経である(L4~S3)。



坐骨神経の走行は、腰仙骨神経叢を出た後、梨状筋の前面を通り、下殿神経と共に大坐骨孔(梨状筋下孔)を通って骨盤外へ出て、大腿後面(大殿筋と大腿二頭筋の前面)を下行し、大腿屈筋群(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)と大内転筋へ筋枝を分枝し、膝の裏(膝窩)の上方で2終枝(総腓骨神経と脛骨神経)に分かれる。

症状として坐骨神経痛がある。

 全身の神経は脳と脊髄からなる中枢神経とその中枢と夫々の部分を連絡する末梢神経に大別される。末梢神経は知覚神経・運動神経・自律神経に大別され身体の末端の刺激は知覚神経が脳に伝える。脊髄は背骨の脊柱管の中に納まっており、脊髄の末端からは腰神経や仙骨神経、尾骨神経などが下に向かって走っている。

 肋間神経と坐骨神経の大まかな位置は下図のとおり。





脊髄神経

2009-01-03 00:06:47 | 解剖生理学(脳神経系)
脊髄神経とは、末梢神経のうち、脊髄から分かれて出るものを指す。末梢神経は脊髄神経と脳神経に分かれるが、脳神経は迷走神経を除いて頭頸部にしか分布しないから、四肢・体幹を支配する神経はほぼすべて脊髄神経である。狭義には脊柱管から前根と後根が出て合わさるところから、前枝と後枝に分かれるまでの部分を指す。


脊髄神経は、脊椎の椎間孔ごとに一対ずつ出ている。頚椎の間から出るものを頚神経(cervical nerve)、胸椎の間から出るものを胸神経(thoracic nerve)、腰椎の間から出るものを腰神経(lumbar nerve)、仙骨の仙骨孔から出るものを仙骨神経(sacral nerve)、第1尾椎と第2尾椎の間から出るものを尾骨神経(coccygeal nerve)と呼ぶ。これらは上から順に番号をつけた略号で、C1~C8(第1頚神経~第8頚神経)、Th1~Th12(第1胸神経~第12胸神経)、L1~L5(第1腰神経~第5腰神経)、S1~S5(第1仙骨神経~第5仙骨神経)と呼ばれる。後頭骨と第1頚椎(環椎)の間からC1、第7頚椎と第1胸椎の間からC8が出て、以下、第1胸椎と第2胸椎の間からTh1、第1腰椎と第2腰椎の間からL1、第1前仙骨孔・後仙骨孔からS1が出る。なお、これらの略称は神経ではなく骨に対しても(第3頸椎=C3という具合に)使われることがある。この項ではもっぱら脊髄神経に対してのみ使う。

脊髄神経は脊髄から分かれたのち、脊柱管の中でいくらか下に走ってから椎間孔を抜ける。これはより低い位置の脊髄神経について顕著であり、C8が第7頸椎あたりの高さから起こる(脊髄から根が出る)一方、すべての腰神経は第12胸椎から第1腰椎あたりの高さから起こる。このため脊髄の本幹は第2腰椎あたりの高さで終わるのに、脊柱管の中ではその下にも長く脊髄神経の根が束になって走る。この部分を馬尾という。

脊髄神経の根は、脊髄前面の前外側溝から出る前根と、脊髄後面の後外側溝から出る後根の2つである。前根はおもに骨格筋を支配する運動線維、後根はおもに皮膚などの知覚を伝える感覚線維を入れているので、後根は後外側溝「に入る」と言ったほうが正確ともいえる。前根と後根は合わさって脊柱管を出るが、後根は合流する少し根元で後根神経節(脊髄神経節)と呼ばれるふくらみを作っている。脊髄神経節には神経節細胞と呼ばれる神経細胞の細胞体が入っている。神経節細胞は知覚の一次線維である。すなわち、神経節細胞から延びた線維が皮膚や筋紡錘で知覚の受容器を作り、受容した刺激の信号をシナプスを介することなく脊髄神経節まで送る。神経節細胞は脊髄の中にある細胞とシナプスを作って知覚伝導路をなす。

前根と後根が合流した先で、脊髄神経は細い硬膜枝と交通枝を出したのち、体の前面に向かう前枝と後面に向かう後枝に分かれる(前根・後根と混同しないよう注意されよ)。硬膜枝は硬膜の知覚を伝え、交通枝は交感神経幹の神経節に入る。一部の前枝は神経叢を作って異なる高さからの線維を交換し、さまざまな高さからの線維を含んだ神経になって末梢へ向かう。この型の神経叢は人体に4箇所あり、C1~C4の前枝は頚神経叢、C5~Th1の前枝は腕神経叢、L1~L4の前枝は腰神経叢、L4~S3の前枝は仙骨神経叢を作る。頚神経叢と腕神経叢は鎖骨付近で一部の根を共有していて関係が深いので、まとめて頚腕神経叢とも呼ばれる。腰神経叢と仙骨神経叢は一部の根を共有していて関係が深いので、まとめて腰仙骨神経叢とも呼ばれる。

神経叢にかかわらない脊髄神経はおおむね一様な分布を示す。後枝は固有背筋の運動と背部の皮膚知覚を支配する。前枝は肋間神経として肋骨の間を走り、体壁の筋肉と皮膚知覚を支配する。前枝の支配域は背部まで及んでおり、後枝の支配域よりもかなり広い。

シナプスにおける興奮の伝達

2008-12-28 21:59:01 | 解剖生理学(脳神経系)
【シナプスにおける興奮の伝達】
《シナプスの重要性》
( 1 ) 刺激( 信号) は、シナプス前側( 軸索) からシナプス後側へ向かってのみ、
伝達される。すなわち、シナプスは、ニュ- ロンからニュ- ロンへ、ある
いは、ニュ- ロンから効果器へ原則的に一方向にのみ、興奮を伝える中継
所として働く。
( 2 ) シナプスの効率は、変わりうる。頻繁に使用される場合には、全く使用さ
れない場合とか、あるいはまれにしか使用されない場合に比べて、より確
実に興奮伝達ができるようになる。言い換えると、頻繁に使用されるほど、
伝達の確実性が増す。学習や記憶に重要な機能を果たすと考えられている。
( 3 ) 多くの薬物が、作用する部位として重要である。
【反射】
末梢からの刺激が求心性神経を伝わり中枢に達し、大脳皮質と関係なく、その
反応が遠心性神経を介して効果器に及ぶことをいう。
受容器・求心性神経・神経の中継( シナプス) をする中枢・遠心性神経・効果
器が区別される。これらを反射弓という。
【反射の特性】
( 1 ) 一方向性伝導
( 2 ) 潜時および不応期が長い
( 3 ) 反射の拡延
( 4 ) 刺激の加重
( 5 ) 反射の抑制
( 6 ) 後発後反応
( 7 ) 疲労性
【筋紡錘】
骨格筋線維の間に紡錘形の小細胞錘内筋線維群があり、筋紡錘といわれる。こ
れは、張力受容器である。
筋紡錘の中には、2 ~ 4 本の比較的太くて中央の膨大した核袋線維と4 ~ 5 本
の比較的細くて核が鎖状をなす核鎖線維とがある。
これらの錘内筋線維には大小2 種の求心性線維( I a 群とⅡ 群線維) と細い遠
心性線維( γ 線維) とが入っている。遠心性線維( γ 線維) は錘内筋線維の両端
( 極部) にある横紋構造の収縮部を支配する。
太い求心性線維( I a 線維) は、中央( 赤道部) の核袋にあるらせん終末に発
し、細い求心性線維( Ⅱ 線維) は、赤道部の筋管にある散形終末に発している。
筋を伸張するとこれらの終末からインパルスが発射される。筋紡錘からのイン
パルスは、脊髄で自筋の運動ニュ- ロンに伝えられ伸張反射により筋の緊張を増
す。
γ 線維からの遠心性刺激は両極部の収縮の程度を加減して、筋紡錘の感度を調
節している。
【腱紡錘】
腱の中にあり、1 ~ 2 本の求心性線維( I b 群線維) につながっている。筋が
収縮するときは、筋紡錘は緩むが、腱紡錘は伸張されてインパルスを発射する。
腱紡錘からのインパルスは、脊髄で自筋の運動ニュ- ロンに対しては、抑制的
で過度に伸張されたとき伸張反射によって筋が断裂するのを防いでいる。( I b
抑制または自己抑制)
【ブラウン= セカ- ル症候群】
あるレベルで脊髄の半側を切断すると、脊髄側の切断レベル以下の分節では、
同側に、① 随意運動麻痺
② 血管運動神経麻痺
③ 深部感覚麻痺
④ 皮膚感覚の過敏( 一定時の後消失)
他側に、① 温度感覚麻痺
② 痛覚麻痺
が起こる。これをブラウン= セカ- ル症候群という。
【錐体路系】( 随意運動)
大脳皮質中心前回にあるB e t z の細胞に発する随意運動の経路を錐体路とい
う。延髄の錐体を通るのでこの名がつけられた。
錐体路には、
( 1 ) 皮質延髄路
( 2 ) 皮質脊髄路
の2 つが区別される。
( 1 ) 皮質延髄路
大脳皮質運動野から起こり、内包に向かって集まり、その膝を通って大脳脚
( 中脳) に入り、その内側部を下行する。神経線維は、脳神経の運動核( 動眼神
経核・滑車神経核・外転神経核・三叉神経運動核・顔面神経核・舌咽神経核・迷
走神経核・副神経核・舌下神経核) に終わる。
( 2 ) 皮質脊髄路
大脳皮質運動野から起こり、内包に向かって集まり、内包後脚を通って下行す
る。続いて大脳脚に入り、橋・延髄に至る。延髄では、錐体を形成する。
延髄の下端で、神経線維は反対側に交叉して錐体交叉をつくる。
錐体をつくる下行性線維の大部分( 7 5 ~ 9 0 % ) は、錐体交叉で反対側に交
叉し、脊髄側索を外側皮質脊髄路( 錐体側索路) をつくって下行する。
外側皮質脊髄路( 錐体側索路) の神経線維は、脊髄を下行しつつ脊髄灰白質へ
入り、前角の運動ニュ- ロンに接続する。
錐体線維のうち、1 0 ~ 2 0 % の線維は、交叉しないで同側の脊髄前索を前皮
質脊髄路( 錐体前索路) として下行する。
前皮質脊髄路( 錐体前索路) の神経線維は、脊髄を下行し白交連を通って交叉
し、反対側に終わるが、一部は非交叉性で同側に終わる。
このように皮質脊髄路は、大脳皮質から起こり脊髄前角に達し、その運動ニュ
- ロンへ運動指令を伝え、骨格筋の運動を起こさせる。
錐体路で、脳神経運動核や脊髄前角の運動ニュ- ロンを下位運動ニュ- ロンと
いい、大脳皮質から下位運動ニュ- ロンに至るまでのニュ- ロンを上位運動ニュ
- ロンという。
【錐体外路系】( 不随意運動)
錐体外路系として次の各部がある。
( 1 ) 大脳皮質
大脳皮質は、線条体・淡蒼球・視床・中脳被蓋・小脳・網様体などと直接ある
いは、間接に神経線維連絡を持ち、錐体路を介さないで運動機能と関連し、錐体
外路系としての役割も担っている。
( 2 ) 線条体系
線条体・淡蒼球・黒質・視床下核などをまとめて線条体系といい、錐体外路系
として重要な中枢的役割をする。
( 3 ) 小脳
小脳は、骨格筋の運動を自律的に調整する働きを持つ運動中枢で錐体外路系と
しても重要な中枢である。
( 4 ) 脳幹
中脳を含め脳幹の赤核・網様体・視蓋・前庭神経核・オリ- ブ核などは、脊髄
・延髄に下行性運動路を送り、錐体外路系に加えられる。
① 赤核脊髄路
赤核から起こり、反対側に交叉し、橋・延髄を通り脊髄側索を下行する。
赤核は、小脳・大脳・脊髄などと連絡し、その間に介在する重要な錐体外路系
の核である。赤核脊髄路によって脊髄の運動ニュ- ロンに働き、特に屈筋には促
進的に、伸筋ないし抗重力筋には抑制的に作用するといわれる。
人では、発達が悪い。筋緊張の調節に与るといわれる。
② 網様体脊髄路
網様体脊髄路は、網様体に散在する核から起こる。橋の網様体核から起こる神
経線維は、非交叉性で脊髄の前索を下行する。延髄から起こる神経線維は、交叉
性と非交叉性で脊髄側索を下行する。
脊髄前角の運動ニュ- ロン特に、γ 運動ニュ- ロンに接続する。不随意的な呼
吸運動の調節などにも与るといわれる。
③ 視蓋延髄路・視蓋脊髄路
中脳上丘から起こり大部分交叉して、内側縦束を下行し網様体に達し、( 視蓋
網様体路) 、さらに頚随の上部の前角に、一部は胸随上部の側角に達する。
主として視覚刺激に対応して行う反射的な姿勢・体位の維持や運動と関係があ
る。
④ 前庭脊髄路
橋・延髄にある前庭神経核から起こり、非交叉性に同側の脊髄前索を下行し、
前角の運動ニュ- ロンに接続する。
前庭神経核は、前庭神経の終止核であるとともに、小脳とも線維結合をもち、
小脳からの入力をも受ける。
前庭脊髄路は、主として伸筋に対して促進的に、屈筋に対して抑制的に働き、
身体の平衡を保つのに与る。
⑤ オリ- ブ脊髄路
延髄にある下オリ- ブ核から起こり、交叉性に脊髄側索を下行し、前角の運動
ニュ- ロンに接続する。
下オリ- ブ核は、大脳皮質・線条体・赤核や脊髄( 脊髄オリ- ブ路) からの入
力を受け、骨格筋の運動を調節すると考えられている。
【条件反射】
P a v l o v ( 1 9 0 2 ) は、光とか音のような犬の唾液線には何の効果もな
い無関刺激を与えながら食物を与えることを繰り返すうちに、犬は無関刺激のみ
で唾液を分泌することを発見した。
食物→ 唾液分泌という生得の反射( 無条件反射) が予めあるとき、無関刺激
( 条件刺激) を与えて唾液分泌をひきおこすように訓練することを条件づけると
いい、そのようにして成立した無関刺激→ 唾液分泌という反射を条件反射と
いう。
条件反射は生後獲得されたものであり、学習、習慣、個性などの可能性に対し
て生理学的な基礎を与えるものとして重要視されている。
【汎化】
ある条件刺激( 1,000Hz の音) によって条件反射が形成されると、同時
にこれと似た刺激( 800Hz の音) によっても程度は弱いが同様の条件反射が
起こるようになる。
【分化】
1,000Hz の音の時には、食物を与え800Hz の音の場合には、食物を与
えないように訓練すれば、1,000Hz の音では、唾液を分泌するが、
800Hz の音では、分泌が起こらないようになる。
【外抑制】

興奮の伝達・興奮の伝導

2008-12-28 21:50:29 | 解剖生理学(脳神経系)
興奮の伝達
神経細胞から神経細胞へ情報を伝える過程。
活動電位により脱分極した神経終末から放出される化学伝達物質を介して液性に情報が伝達される。
興奮の伝達
①一方向伝達・・・第1のニューロンであるシナプス前線維から、第2のニューロンのシナプス後線維へは興奮は伝わるが、その逆には伝わらない。(シナプス前繊維→シナプス後繊維)
②シナプス遅延・・・シナプスを通って興奮が第1ニューロンから第2ニューロンへ渡る際2~5ミリ秒位要する。何回も刺激すると短くなる(反復刺激後増強)
③発散と収束・・・発散は一つの神経細胞の軸索から枝分れし、収束は一つの神経細胞に多数の神経細胞の神経終末が集まる。
④疲労しやすい
⑤シナプス電位の加重
⑥シナプス前抑制

→活動電位、 強縮

興奮の伝導
活動電位が軸索に沿って伝播。
【伝導の原則】
1、絶縁伝導・・・ある神経線維の興奮は隣接神経には伝導されない。
2、不減衰伝導・・・活動電位の大きさは一定であり、減衰しない。
3、両方向伝導・・・神経線維の一点で興奮がおきると、その興奮は中枢側(細胞体側)と抹消側の両方向に伝わる

脳梁

2008-12-28 20:46:16 | 解剖生理学(脳神経系)
脳梁とは、左右の大脳半球をつなぐ交連線維の太い束である。大脳の正中深く、すなわち大脳縦裂の底、側脳室の背側壁に位置し、左右の大脳皮質の間で情報をやり取りする経路となっている。ヒトの場合、約2億~3億5000万の神経線維を含む。大脳の容積と比較した相対的な脳梁の断面積は、女性の方が男性よりも大きいとする研究がある。

脊髄

2008-12-28 20:21:10 | 解剖生理学(脳神経系)
脊髄は、脊椎動物のもつ神経幹。脊椎の脊髄腔の中を通り、全身に枝を出す。脳と脊髄を合わせて、中枢神経と呼ぶ。脊椎の中を通って脳につづき延髄とともに中枢神経系を構成する長い器官である。

構造
ヒトの脊髄は、延髄の尾側に始まり、第一腰椎と第二腰椎の間の高位で脊髄円錐となって終わり、終糸と呼ばれるひも状の繊維につながっている。

脊髄から直接出ている神経は神経根と呼ばれ、神経根が脊髄腔から出る高位によって、頸髄、胸髄、腰髄、仙髄、尾髄に分けられる。ただし人間では、尾髄は退化的である。脊髄は脊椎より短いため、脊髄の高位と脊椎のそれとは一致しておらず、脊髄の末端より下位の脊髄腔には神経根のみが伸びており、馬尾と呼ばれる。


脊髄の断面
脊髄の断面は、縦走する神経細胞で構成される白質が、神経核(神経細胞体の集まり)である灰白質を囲む構造となっている。これは脳における白質、灰白質の関係と逆転する。中央には第4脳室の続きである中心管がみられ、脳脊髄液で満たされる。灰白質部分は、(図6下側より)前角、側角、後角に分かれ、脳から降りてきた運動に関わる神経は脊髄前角で運動ニューロンにシナプスを作って連絡する。この連絡箇所は上肢・下肢に向かうニューロンが出る際に多くなり、頚部には頚膨大、腰部には腰膨大の膨らみとして肉眼でも観察できる。

灰白質は、存在する神経細胞の性質によって分類される。前角には遠心性神経の細胞体があり、脳から降りてきた運動に関わる神経は脊髄前角で下位運動ニューロンにシナプスを作って連絡する。後角には末梢から入る求心性神経とシナプスを形成する神経細胞体がある。また腰髄・胸髄だけに側角があり、ここには交感神経の神経細胞体がある。灰白質はさらに組織学的に幾つかの部分に分類される。さまざまな分類方法があるが、最も広く用いられているのは、スウェーデンのレクセド (Bror Rexed) による層分類である。彼はネコの脊髄を使って灰白質をⅠからⅩまでの10層に分類した[1][2][3]。

白質は大きく前索、側索、後索に分けられるが、前索には上行路として前脊髄視床路、下行路として内側縦束、前皮質脊髄路、視蓋脊髄路、橋網様体脊髄路、前庭脊髄路、延髄網様体脊髄路がある。側索には上行路として脊髄視蓋路、脊髄オリーブ路、外側脊髄視床路、前脊髄小脳路、後脊髄小脳路が、下行路として赤核脊髄路、外側皮質脊髄路がある。後索には上行路として薄束、楔状束が、下行路として半円束、中間縁束がある。また、前索、側索、後索のいずれの部分でも、灰白質と接した部位は脊髄内の上下の連絡を行う神経線維の通る部分で、ここを固有束という。(主な伝導路については後述する)

脊髄は髄膜と呼ばれる三層の膜に包まれており、外側から硬膜(脊髄硬膜)、クモ膜(脊髄クモ膜)、軟膜(脊髄軟膜)と呼ぶ。すべての髄膜は大脳半球および脳幹を包むそれぞれの膜と一体になっている。脳と同様、クモ膜下腔には脳脊髄液が存在する。神経根の間の軟膜の外側は歯状靱帯となって硬膜に付着し、脊髄を固定している。硬膜は第二仙髄の高位で閉じている。


脊髄の分節
ヒトの脊髄は30の分節に分かれており(これを髄節と呼ぶ)、それぞれの髄節の左右の腹側から運動神経根が、背側から感覚神経根が末梢に出ている。腹側神経根と背側神経根はやがて合わさって脊髄神経となる。

30対の脊髄髄節はヒトでは以下に分類される。
・7対の頸髄(第一頸神経は後頭骨と第一頸椎(環椎)の間から、第二頸神経以下はそれぞれ一つ上の高位の頸椎の下(椎間孔)から出る)
・12対の胸髄(第一~第十二胸神経は、それぞれ第一胸椎~第十二胸椎の下から出る)
・5対の腰髄(第一~第五腰神経は、それぞれ第一腰椎~第五腰椎の下から出る)
・5対の仙髄(第一~第五仙骨神経は、それぞれ第一仙椎~第五仙椎の下から出る)
・1対の尾髄(尾骨神経は尾椎から出る)
ただし、第一頸髄と尾髄では、背側神経根はなく運動神経根だけが出る。
脊椎は脊髄に比べて成長が早く、最終的に長くなるため、成人では下位の脊髄髄節になるほど、対応する高位の脊椎骨に比べて高い位置にある。発生のはじめ(胎生3ヶ月まで)では脊椎と脊髄の高さは一致しているが、成人の脊髄の終わり(脊髄円錐)はだいたい第一腰椎と第二腰椎の間になる。腰仙髄は第九胸椎から第二腰椎の間にあり、例えば第四仙髄の神経根は胸腰椎移行部のあたりで脊髄から出て脊柱管内を下行し、第四仙椎の下から出る。脊髄円錐より下は馬尾と呼ばれる。

脊髄の径は、次の二つの部位で大きくなっている。
・頸膨大 - 大体腕神経叢を構成する神経が出る髄節に一致し、上肢を支配する。第四頸髄から第一胸髄であり、椎骨の高さもほぼ一致している。
・腰膨大 - 腰仙骨神経叢(腰神経叢、仙骨神経叢)を構成する神経が出る髄節に一致し、第二腰髄から第三仙髄にあたる。脊椎高位は第九から第十二胸椎の高さである。



腰椎

無髄神経線維・有髄神経線維

2008-12-28 03:57:49 | 解剖生理学(脳神経系)
 無髄神経線維、あるいは略して無髄線維とは、神経線維のうち、ミエリン鞘(=髄鞘)によってまわりを取り巻かれていないもののこと。ミエリン鞘に取り巻かれている神経線維を、有髄神経線維という。

 有髄神経線維のミエリン鞘は、脳や脊髄などの中枢神経系の組織では、グリア細胞の一種(希突起グリア細胞)によって、体の各部を走る神経などでは、シュワン細胞によってつくられる。それらの細胞の細胞膜が、神経線維を何重にも取り巻いてできている構造である。一方、無髄神経線維のまわりにも何もないわけではない。シュワン細胞などの細胞質が取り巻いているが、ただし、その細胞膜がバウムクーヘンのように神経線維をぐるぐる巻きにはしていない、ということ。この違いは、跳躍伝導の働きがあるかどうか、その結果、神経線維を興奮が伝導する速さの違いである。有髄神経線維は伝導速度がけた違いに速い。

 有髄神経線維を伝わる痛みは、刺激によって瞬間的に起こる鋭い痛み。
 無髄神経線維を伝わる痛みは、鋭い痛みに続いて起こる遅く鈍い痛み。無髄神経線維を伝わる痛みの方が、大きなストレスとなる。

蝸牛

2008-12-26 21:52:30 | 解剖生理学(脳神経系)
蝸牛(かぎゅう, cochlea)とは、内耳にある、聴覚を司る感覚器官である。 中学・高校の生物ではうずまき管と呼ばれる。 哺乳類では動物のカタツムリに似た巻貝状の形態をしているためこれらの名がある。 蝸牛の内部は、リンパ液で満たされている。鼓膜そして耳小骨を経た振動はこのリンパを介して蝸牛内部にある基底膜 (basilar membrane) に伝わり、最終的に蝸牛神経を通じて中枢神経に情報を送る。 解剖学的な知見に基づいた蝸牛の仕組みについての説明は 19 世紀から行われてきたが、蝸牛が硬い殻に覆われているため実験的な検証は困難であった。1980年代ごろよりようやく生体外での実験が本格化したものの、その詳細な機構や機能については依然謎に包まれた部分がある。


植物性機能と動物性機能

2008-12-26 13:30:19 | 解剖生理学(脳神経系)
植物性機能とは、血液循環、呼吸、消化、内分泌、生殖等、植物界にも同種または類似のものが存在する機能をいう。脳幹・脊髄系は植物性機能の中枢である。

筋運動、知覚器及び神経系の機能は、動物界にのみ存在するので、動物性機能という。大脳新皮質・大脳辺縁系は動物性機能の中枢である。

カテコールアミン

2008-04-01 14:41:43 | 解剖生理学(脳神経系)
分子構造のなかにカテコール核をもった生理活性アミンで、副腎の髄質から分泌される心臓の収縮、血圧の上昇を促す働きをするホルモンをいう。アドレナリン、ノルアドレナリン、ドパミンなどの総称。神経伝達物質として、また副腎皮質ホルモンとして重要な役割を果たしている。

なお、ノルアドレナリンまたはアドレナリンを伝達物質とする神経をアドレナリン作動性神経という。また、カテコールアミンが合成されるとき、「チロシン→ドーパ→ドパミン→ノルアドレナリン→アドレナリン」の順で合成される。

カテコールアミンは神経終末から遊離し、伝達停止時にはカテコールアミンの再取り込みが行われる。再取り込みによって神経終末に移行したカテコールアミンはモノアミンオキシダーゼA(MAOA)によって分解される。

・アドレナリン受容体
アドレナリン受容体にはα受容体とβ受容体がある。α受容体には、α1受容体とα2受容体が存在する。α1受容体は交感神経支配器側の作用を起こし、α2受容体は交感神経からNAdやAdの遊離を調節する働きをする。

β受容体はβ1受容体、β2受容体、β3受容体の三つに分けることができる。β1受容体は心臓などに存在し、β2受容体は気管支平滑筋などに存在し、β3受容体は脂質代謝に関与している。

・ドパミン受容体
ドパミン受容体にはさまざまな受容体が存在するが、主なものとしてD1受容体とD2受容体がある。この違いはアデニル酸シクラーゼ(AC)に対してどのように作用するかで異なっている。

D1受容体ではGsと共役してアデニル酸シクラーゼを活性化する。それに対し、D1受容体ではGiと共役してアデニル酸シクラーゼを抑制している。

 カテコールアミンの生理作用
・アドレナリン(Ad)の生理作用
アドレナリン(Ad)は循環器系に対して血管収縮、心拍数増大などの作用がある。これらの作用によって、血圧上昇がみられる。

ただし、アドレナリンはα1受容体の作用による皮膚、粘膜、腎臓の血管収縮と、β2受容体の作用による骨格筋、冠血管、肝臓などの血管拡張が同時に起こっている。このとき、α1受容体による血管収縮作用の方が強いため、血圧が上昇するのである。

ここで、前もってα1受容体を遮断してアドレナリンを投与すると、β2受容体による血管拡張作用が表れるため、血圧下降作用を起こす。この現象をアドレナリン反転という。

また、平滑筋に対しては気管支平滑筋の拡張作用、瞳孔散大の作用がある。

・ノルアドレナリン(NAd)の生理作用
血圧上昇作用を示すが、心拍数は同じか心拍数減少作用を示す。

・ドパミンの生理作用
中枢神経の伝達物質であり、精神活動や下垂体ホルモンの分泌などに関与している。また、消化器系の機能調節など末梢に関しても重要である。

ノルアドレナリンはα作用が強く、低血圧やショックに、

アドレナリンはβ作用が強く、気管支喘息や局所麻酔に併用して用いられる。

脳幹反射

2008-04-01 14:22:54 | 解剖生理学(脳神経系)
脳幹レベルで起こる反射を脳幹反射という。   
 瞳孔反射(対光反射):眼に光を当てると瞳孔が縮まる。
 瞬目反射:眼に危険があると眼を閉じる。
 角膜反射:眼に触ると眼を閉じる。
 くしゃみ・涙の分泌など。

脊髄反射

2008-04-01 14:20:09 | 解剖生理学(脳神経系)
ヒトを含む動物が刺激を受けた場合に、脳で意識しないうちに脊髄が中枢となって起こる反応。熱いものに手を触れたとき、瞬間的に手をひっこめる、末梢血管の拡張、膝蓋腱反射など。

神経細胞

2008-03-28 18:14:15 | 解剖生理学(脳神経系)
神経細胞の形態

・神経細胞はニューロンと呼ばれ、神経細胞体とそれから伸びる一本の長い軸索と、比較的短い数本の樹状突起からなる。
軸索は遠心性、樹状突起は求心性に情報を伝える
・軸索は糸のように細長いので神経線維とも呼ばれる。
・軸索の一部にはグリア細胞が巻きついて出来た、髄鞘(ミエリン)と呼ばれる構造を持つ。
・髄鞘を構成するグリア細胞は、中枢神経系ではオリゴデンドロサイト、また末梢神経系ではシュワン細胞である。

・髄鞘は脂質二重層で構成された細胞膜が何十にも巻きつく形で構成されており、脂質は絶縁体の性質を持つためイオン電流の漏洩を防ぐ。また、電気的信号の伝達速度を上げる効果を持つ跳躍伝導にも寄与している。
・神経にはその軸索が髄鞘に覆われている有髄神経と髄鞘に覆われていない無髄神経がある。
・髄鞘は脂質を主成分としていて電気抵抗が高く軸索を周囲から絶縁している。
・有髄神経の軸索は全て髄鞘に覆われているわけでなく、一定間隔で切れ目がある→ランビエの絞輪
・有髄神経では興奮がランビエの絞輪から絞輪へと飛び飛びに伝えられる。→跳躍伝導
・長く伸びた軸索は終末に近いところで通常枝分かれをして、その先端はほかのニューロンの細胞体もしくは樹状突起に接続している。この接続部位をシナプスと呼ぶ。



・情報を送る側がシナプス前ニューロン、受ける側がシナプス後ニューロンという。
・1つのニューロンに多いものでは数千個のシナプスが存在する。
シナプスにおける情報伝達は化学的伝達物質によっておこなわれている。
・有髄神経の伝導は無髄神経に比べて速い。
神経線維の再生・回復にはビタミンB群が関与している。特にビタミンB1が有効である

*グリア細胞は神経膠細胞(しんけいこうさいぼう)とも呼ばれ、神経系を構成する神経細胞ではない細胞の総称であり、ヒトの脳では細胞数で神経細胞の50倍ほど存在していると見積もられている。