アロマテラピー学習ブログ

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参照。

GI値

2009-03-10 07:14:18 | 健康と食生活
グリセミック指数(glycemic index)とは、炭水化物が消化されて糖に変化する速さを相対的に表す数値である。1981年にデヴィッドJ.ジェンキンズ博士らが、食品による血糖値の上がり方の違いを発見し提唱した。グリセミック・インデックスまたはGI値とも表現される。後に、炭水化物の量も考慮したグリセミック負荷が考案されている。


測定基準
食品の炭水化物50グラムを摂取した際の血糖値上昇の度合いを、ブドウ糖(グルコース)を100とした場合の相対値で表すとされる。

具体的には、ブドウ糖による血糖値上昇と試料摂取時の血糖値上昇の時間的経過の曲線から両者が重なる部分の面積を算出し、ブドウ糖の血糖値上昇の時間的経過の曲線の面積によって除する。


健康
いくつかの研究結果でGI値の低い食べもので食生活を組み立てた場合に2型糖尿病と心臓病のリスクが低いと報告された。関係なかったという研究結果もある。


低インシュリンダイエット
米国発祥のダイエット方法(シュガーバスター)に類似する。 食後、血糖値上昇に伴って膵臓から分泌されるインスリンによって糖質がエネルギー(グリコーゲン)として体内に取り込まれるが過剰な糖質は、肝臓や筋肉での貯蔵可能量を超えると体脂肪として蓄えられるため、血糖値の上昇が穏やかな低いGI値の食品を選んで摂ることで体内脂肪を減らし、体重の減量を図る方法である。

好気性生物

2009-02-07 12:12:43 | 健康と食生活
好気性生物(こうきせいせいぶつ)、または好気性菌(こうきせいきん)は酸素に基づく代謝機構を備えた生物である。

細胞の呼吸で知られた過程の中で、好気性菌は、たとえば糖や脂質のような基質を酸化してエネルギーを得るために、酸素を利用する。またこれと対立した概念は嫌気性生物である。

偏性好気性菌は好気的な細胞の呼吸のために、酸素を要求する。
通性好気性菌(通性嫌気性菌)は酸素を利用することができるが、嫌気的にエネルギーを産み出す方法をも備えている。
微好気性菌は酸素を利用することができる生物であるが、それはほんの僅かな濃度の酸素だけである。
耐気性生物は酸素が存在しても生き延びることができるが、しかしそれらの生物は終末電子受容体として酸素を利用しないという点から嫌気的である。
いずれの好気性生物も細胞内外の多くの部分を嫌気的な成分が占め、酸素は特定の好気的な部分でしか存在しない。嫌気的な部分で酸素が存在することは生体に対して危険である。
好気性細菌は地球上に藍藻類が誕生し、大気中に酸素が増加してきたことによって誕生したとも考えられている。ある種の好気性細菌はミトコンドリアの祖先ともいわれている。

好気性生物の主な例
ほとんどすべての動物、ほとんどの真菌類、そしていくつかの細菌は偏性好気性である。ほとんどの嫌気性生物は細菌である。エネルギー的な観点からすると好気性であることは有利であるが、偏性好気性は絶対的に高い水準の酸化的ストレスに直面していることをも意味している。


通性好気性生物
酵母は通性好気性菌の例である。個々のヒトの細胞もまた通性好気性である。すなわちそれらは酸素が利用できない場合には乳酸発酵によりエネルギーを得るように切り替わる。しかし人間を生物全体としてみると、この状況は長く続けることができないので、人間は偏性好気性といえる。

偏性好気性生物
偏性好気性細菌の例は、Nocardia(ノカルディア属、グラム陽性菌)、Pseudomonas aeruginosa(緑膿菌、グラム陰性菌)、Mycobacterium tuberculosis(結核菌、抗酸菌)、Bacillus subtilis(枯草菌、グラム陽性菌)などがあげられる。

ドメイン古細菌では、Aeropyrum pernix(95℃付近で増殖する超好熱古細菌)、Sulfolobus 属、高度好塩菌などの例があり、古細菌全体の4割を占めている。

フリーラジカル

2009-02-07 12:00:32 | 健康と食生活
「フリーラジカル」とは、自由に動き回る電子を持った分子構造のこと。フリーラジカルは非常に不安定で、他の分子とすばやく反応しやすく、破壊的な作用をもたらす。

電子エネルギーのバランスがとれていないフリーラジカルは、体内の細胞を駆けめぐって自分に合った電子を盗みだし、電子的均衡を得ようとする。

自分のバランスを得るためには、他の安定した分子でも構わず粉砕する。その過程で更に多くのフリーラジカルを生みだし、破壊活動を更に続けて行く。別 の見方としては、フリーラジカルの与える損傷を酸化、つまり、物質に酸素を加えるプロセスとして考えることもできる。

酸化は腐蝕と言い換えることができる。ある意味で、老化はかつて完全な形だった金属がさびついていく過程に似ている。

なぜなら、酸素自体の形がフリーラジカルであり、実際には私たちが生きていくために欠かせない呼吸や、健康的といわれるエアロビック体操からも老化につながるフリーラジカルが生じている。フリーラジカルの代表格が、発生したばかりの酸素である。酸素は炭水化物やタンパク質を燃焼させるなど代謝には必須の存在だが、過剰にあっても周りの細胞や体外から入ってきた栄養物質を酸化させてしまう。酸化とはすなわち、金属がさびていくのと同じ過程である。フリーラジカルは、紫外線や環境ホルモンなどの有害環境によって発生し、老化の原因ともなる。酸素のラジカルを活性酸素といい、この悪影響を阻止する物質はビタミンC、E、β-カロテンなどの抗酸化剤がある。有酸素運動によっても活性酸素は発生するため、運動前後に対策が必要である。


酸化による悪影響を阻止する物質は抗酸化剤として知られている。天然の抗酸化剤としては、ビタミンC、ビタミンE,ベータカロチン(私たちの体がビタミンAを作りだすために必要な物質)などである。

抗老化医学の専門家たちは、天然の抗酸化剤や量産された抗酸化剤を多数処方して老化防止に役立てている。更に、フリーラジカルを除去する物質を使ってフリーラジカルを探し出して拘束し、他の分子を攻撃したり、有害な橋かけ反応を生じることができないようにする。

栄養所要量

2009-01-28 11:15:58 | 健康と食生活
栄養所要量とは
「栄養所要量」とは、日本人の健康の保持・増進と、生活習慣病の予防のための標準となるエネルギー量と各栄養素の摂取量を、厚生労働省が示したもの。
昭和45年に策定されてから5年ごとに改定されており、現在公表されているのは第6次改定の日本人の栄養所要量である。
以前は栄養の欠乏症の予防が主目的だったが、現在は過剰摂取への対応も考慮しており、“欠乏を防ぐ必要量(所要量)”とともに、“過剰摂取による健康障害を防ぐための上限値(許容上限摂取量)”も設定し、これらを合わせて「食事摂取基準」としている(許容上限摂取量が設定されている項目は、ビタミン類・ミネラル類のみ)。

※平成 17年4月より、「食事摂取基準」が策定され、従来「栄養所要量」の名称で指導していた部分は、「食事摂取基準」として扱うこととなる。
これまでの

「栄養所要量」
 「日本人の栄養所要量」は、健康の保持・増進、生活習慣病の予防のために、標準となるエネルギー及び各栄養素の摂取量を示すもので、

教科書等では

・成長し健康を維持・増進させていくために、

 どのような栄養素がどれくらいの量必要かを示したもの

・一日に摂取することが望ましい栄養素等の量を示したもの

等と説明されている。

 栄養欠乏症の予防を主眼として5年ごとに改定され、健康増進施策、栄養改善施策等の基本となるものであり、栄養指導、給食計画等の基準として幅広く利用されている。

今回の

改定への

流れ
 現在の食生活の状況から、栄養欠乏症よりむしろ 過剰摂取による健康障害を予防する観点からの検討も必要となってきた。

 現在教科書等で使用されているのは 1999年の第6次改定(平成12年度~16年度)のものだが、過剰摂取への対応もできる限り考慮した策定が行われており、ほとんどの人に健康上悪影響を及ぼす危険のない栄養素摂取量の最大限の量が「許容上限摂取量」 として示されているところである。

「食事摂取基準」とは  来年度の改定では、このような食生活の現状や国際的動向を踏まえ、「食事摂取基準」という考え方を導入している。

 この「食事摂取基準」は、より「確率論」的な数値の捉えがされており、「リスク分析・評価」の考え方が主体となっている。

 平成17年度からは、「第7次改定 日本人の栄養所要量」ではなく、 「日本人の食事摂取基準(2005年版)」として 平成17年度から平成21年度までの5年間使用される。


アイソメトリック

2009-01-26 15:10:02 | 健康と食生活
 アイソメトリックとは、等尺性運動(静的な局所運動)のことで、筋肉の長さを変えないで筋力を発揮すること。たとえば、関節を動かさずに壁や柱などのように動かないものを全力で押すとか、バスタオルなどのように伸び縮みしないものを引っ張ることで筋力トレーニングを行なうというものである。この押したり引いたりする動作を約10秒~20秒行なう。筋肉は、全力で力を入れるとおよそ6秒で最大筋力を発揮するようになる。その状態でさらに数秒間力を入れ続けることでハイパワーのトレーニングになる。

 アイソメトリック・トレーニングの利点は、家庭にあるバスタオルや電車の吊革、オフィスの給湯室やデスクを利用してどんなところでもトレーニングすることができ、特別な用具がなくても行なえることである。また、筋肉痛になりにくかったり、関節への負担が少ないのでトレーニング初心者でも簡単に始めることができる。

アイソトニック

2009-01-26 15:04:08 | 健康と食生活
アイソトニックとは、筋肉の力の発揮方法をさす言葉で、等張性筋収縮ともいう。関節の動きを伴う静的な運動のこと。関節を動かし、筋肉の長さを変えながら力を発揮させる。バーベルやダンベル、マシンなどを使って一定の負荷をかけながら行う。アイソトニックには、筋肉を収縮させながら力を発揮するコンセントリックと、筋肉を伸ばしながら力を発揮するエキセントリックとがあり、エキセントリックのほうが強い力を発揮する。

γーリノレン酸

2008-04-04 08:37:09 | 健康と食生活
γーリノレン酸

γーリノレン酸は、体内でリノール酸から合成されてできる脂肪酸で、ビタミンFとも呼ばれている。

γーリノレン酸は「プロスタグランジン」の材料となり、プロスタグランジンは、体の各組織の働きを調整しているホルモンで、ごく少量でも強い生理作用が認められている。

不足すると、血圧や血糖値が高くなりやすく、アレルギー性疾患の症状がでやすくなる。

性質
プロスタグランジンの材料となる。

γーリノレン酸の効能
・高血圧の改善、予防
・動脈硬化を予防
・心筋梗塞を予防
・糖尿病を改善、予防
・肥満を予防
・アトピー性疾患を改善、予防

γーリノレン酸過剰症
過剰症による心配はないが、脂質自体高カロリーなので、エネルギー過剰による肥満は避けたい。

炭水化物

2008-03-26 14:20:50 | 健康と食生活
炭水化物は体のエネルギー源となる糖質と人の消化酵素では分解できない食物繊維の総称である。またオリゴ糖の中にも一部この食物繊維に含まれるものがある。

■ 炭水化物の分類
【糖質について】
<単糖類>
 単糖類は糖質の最小単位。腸管から生体内への吸収は、酵素にて単糖類まで消化されてから行われるが、二糖類までは吸収されることがあると考えられている。それ以上の多糖類は吸収されることはほとんどないと考えられている。

1:ブドウ糖(グルコース:Glucose)
単独で果物や蜂蜜に存在する単糖である。自然界に最も多く存在している。ブドウから発見されたためこの名前が付いている。糖尿病などで注目される、血糖として血液中に存在する量は、血糖値が100mg/dlとすると血液中には約5gから6gであり、体全体の0.1%程度にすぎない。

2:果糖(フルクトース:Fructose)
 単独でも果物などに含まれており、ブドウ糖と結合してショ糖(二単糖で砂糖の主成分)を構成する。甘味が糖質中で最も強い特徴がある。

3:ガラクトース(Galactose)
 自然界には単独では存在しない。ブドウ糖と結合して乳糖を構成する。乳汁中に多く含まれていることから、乳幼児のエネルギー源と考えられている。また、生体中では脳や神経の細胞膜に存在する糖脂質の構成成分として重要な役割を果たしている。

<二糖類>
1:ショ糖(スクロース:Sucrose)
 砂糖の主成分で、ブドウ糖と果糖が結合したもの。甘味料として繁用されている。糖尿病患者では、低血糖発作時にブドウ糖を治療として補給するが、ショ糖は効果発現までに時間がかかるため推奨されない。一般に砂糖は高級菓子で使われている事が多いため、甘いものなら何でも良いと高級菓子を摂取する方がいるが、この点は注意が必要である。

2:麦芽糖(マルトース:Maltose)
発芽した麦や水飴に存在している。ブドウ糖が二つ結合したもの。生体ではデンプンが消化分解したときに生じる。

3:乳糖(ラクトース:Lactose)
 母乳(約7%)や牛乳(約4.5%)に存在しているブドウ糖とガラクトースが結合した二単糖である。日本人には乳糖分解酵素(ラクターゼ)欠乏している人が約20%程度いると言われている。このような人は乳製品の摂取をすると乳糖を分解できず、下痢をしてしまう。このような病気を乳糖不耐症という。

【オリゴ糖について】
単糖類(ブドウ糖や果糖など)が2~10個程度結合した糖類で、消化管で分解・吸収されてエネルギーとなるものと、消化されずに腸内細菌に利用されるものがある。生理作用としては、虫歯予防・肥満防止・高脂血症改善・便秘改善・腸内細菌増殖作用などがある。

<多糖類>
1:でんぷん(starch)
 人の主なエネルギー源(4Kcal/g)であり、ブドウ糖が多数結合したもの。結合の仕方によりアミロース(直鎖型:amylose)、とアミロペクチン(分枝鎖型:amylopectin)がある。うるち米は80:20の割合であり、もち米は100%アミロペクチンです。アミロースとアミロペクチンを比べると後者の方が味は甘いといわれている。

2:デキストリン(dextrin)
 でんぷんが分解されている途中の産物をいう。生体では、唾液に含まれるアミラーゼという酵素で分解されるのだが、さらに分解が進むと麦芽糖そしてブドウ糖になる。

3:グリコーゲン(glycogen)
 動物の肝臓および筋肉に存在しエネルギー源となる貯蔵多糖類である。構造的にはアミロペクチンに似た構造である。

【食物繊維】
 生体内の消化酵素では消化されない動植物食品に含まれる成分を食物繊維と言う。難消化性多糖類を中心に粘質物・ガム質・海藻多糖類・オリゴ糖・動物性難消化成分・化学合成物・微生物合成されたものなど、多義にわたる。通常は水に溶けるもの(水溶性食物繊維)と水に溶けないもの(不溶性食物繊維)に分類される。両者は生体内での作用に違いがあることが知られている。食物繊維の効果は様々報告されている。主な効果としては、肥満予防(咀嚼増加・飽満感増加)・糖尿病予防(胃内停留時間の延長・耐糖性改善・インスリン分泌節約)・動脈硬化、胆石予防(コレステロール吸収低下・胆汁酸再吸収量の低下)・有害物質の毒性軽減・大腸癌予防・便秘予防などがあげられる。

<不溶性食物繊維>
1:セルロース(繊維素:cellulose)
 植物細胞壁の主成分、便秘において便の嵩を増して腸を刺激し便通を良くすることが知られている。

2:ヘミセルロース(hemicellulose)
 穀類の外皮に多く存在する植物細胞壁構成成分。

3:キチン(chitin)、キトサン(chitosan)
 エビ・かになどの殻に含まれる動物性食物繊維をいう。コレステロール排泄作用や免疫力増強作用のほか、ビフィズス菌の増殖によって腸内環境を整える。

<水溶性食物繊維>
1:ペクチン(pectin)
 果物に多く含まれている細胞をつなぐ役目をしている食物繊維。砂糖と一緒に加熱するとゼリー化してジャムになる。

2:グルコマンナン(glucomannan)
 こんにゃくいもの主成分でコレステロールの上昇を抑制する働きがあると言われている。グルコマンナンを石灰で凝固したものがこんにゃくである。

3:アルギン酸(alginic acid)
 昆布・わかめに含まれる表面のぬるぬるした成分。菓子やアイスクリームの安定剤などに利用されている。

4:アガロース(agarose)・アガロペクチン(agaropectin)
 寒天の原料であるてんぐさに含まれる食物繊維。

5:カラギーナン(carrageenan)
 海藻の一種に含まれる食物繊維でゼリーや嚥下困難な患者さんに使用するとろみ剤として利用されている。

6:ポリデキストロース(polydextrose)
 化学合成された難消化性多糖類。菓子や飲料などの添加物として利用されている。

7:リグニン
 細胞壁を強固にする働きを持つフェノール誘導体。木材実質の約30%を占めているがヒトの消化管内では全く消化・吸収が行われない。

8:ガム(Gum)
 樹皮・果実から滲出して弾性の固まりを作り、水に触れるとゼリー状になる食物繊維であり、乳化剤として利用されている。

■ 炭水化物の消化と吸収
【炭水化物の消化】
 ヒトが消化出来る炭水化物はでんぷんとその誘導体のみで、唾液や膵液中に含まれるαアミラーゼをはじめとした種々の酵素によってブドウ糖まで分解される。そして小腸に到達するときにはほとんどが2糖類か単糖類になっている。そして2糖類分解酵素の働きで最終的には単糖類に分解される。

【炭水化物の吸収】
 小腸から吸収される単糖類はブドウ糖(グルコース)・果糖(フルクトース)・ガラクトースの3種類である。主に小腸上部(回腸)で吸収される。これらは小腸から吸収されると門脈を介して肝臓に運ばれる。食物繊維のセルロースは大腸で腸内細菌に分解されることがあるが、吸収される。果糖とガラクトースの大部分は肝臓でブドウ糖に変換される。

糖質

2008-03-26 13:56:53 | 健康と食生活
糖質は三大栄養素の中でもっともエネルギーとして利用しやすく、無酸素的にでもエネルギーを作り出せる即効性のある栄養素である。酸素と結合すればより多くのエネルギーを生み出すことが可能である。1gで4kcalのエネルギーを生み出す。

糖質(炭水化物)は、
単糖類(ブドウ糖、果糖など)、

単糖類が2つくっついた状態である
二糖類(ショ糖、乳糖、麦芽糖など)、

さらに、単糖類が3つ以上くっついている
多糖類(でんぷん、グリコーゲン、食物繊維など)の3種類に分けられる。
これらは摂取すると、最も分子の小さい単糖類に分解されてから、体内に吸収される。

人間の体にとって主要なエネルギー源である糖質は、速効性があり、特に単糖類であるブドウ糖は、脳、神経系、赤血球、筋肉などの、唯一のエネルギー源となっている。

ジュースや甘い菓子類などは、分解する手間が省けるので、体内に吸収されるスピードが速く、血糖値が急激に上昇する。そのため、運動中に不足した糖質を、運動している最中や運動後に補給するには効果的だが、普段からこうしたものを摂りすぎることは糖代謝異常(糖尿病)を招く危険がある。
普段の食事は、澱粉(多糖類)として摂取していくことが健康のためには大切である。

糖質が小腸から体内に取り込まれると、おもに血液中を流れていつでもエネルギーとして使える状態になる。とともに余分な糖質は筋肉や肝臓にグリコーゲンとして蓄えられる。
筋肉のグリコーゲンは筋肉を動かす際に真っ先に使われる。血液中の糖質も応援に駆けつけるが、なにせ血流にのって運搬されるので、少し時間がかかる。

筋肉中のグリコーゲンが枯渇してしまうと、運動することができなくなる。それほど運動とは密接にかかわった栄養素である。
血液中の糖質が少なくなってくると、肝臓に蓄えられているグリコーゲンを分解して、血糖値を一定に保つしくみになっている。

糖質は脂肪の燃焼のためにも必要不可欠である。脂肪は糖質なしには燃焼できない。いってみれば、糖質は脂肪を燃焼し続けるための”種火”の役目をする。そのため、あまりに低血糖の状態で運動を始めたり、運動中に糖質が尽きてくると、脂肪の燃焼も止まり、体も動かなくなる。

エネルギーとして必要以上の糖質があふれると、中性脂肪につくりかえられ、内臓脂肪や皮下脂肪として体内に蓄えられ、肥満の原因となる。
普段から有酸素運動をしていれば、摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスが取れ、肥満を予防できる。

このように糖質は摂りすぎると肥満の原因になるが、脳や中枢神経、血球などは、ブドウ糖以外からエネルギーを得ることができず、肝臓の解毒作用が低下し、肌荒れなどを起こす場合があり、さらに不足状態が続くと、体内のたんぱく質をも分解してブドウ糖を合成しようとするので、やる気が起きない、疲れやすくなるといった症状が現れたり、病気に対する抵抗力も弱まり生きていけないので、少なすぎてもいけない大切な栄養素なのである。
このことからも、ダイエットと称して糖質を極度に制限することは体を壊し、健康を損なうことになる。

脂質

2008-03-10 10:43:52 | 健康と食生活
人体や食物に存在する脂質の大半は中性脂肪であることから、中性脂肪のことを特に”脂肪”と呼ばれるケースが多い。中性脂肪は、1g当たり9kcalのエネルギー源となる。胃に長く停滞する性質があるため満腹感を得やすく、脂質と同時にビタミンAやビタミンD、ビタミンEなどの脂溶性ビタミンを摂取するすると吸収率が上昇する。人体に存在する中性脂肪は、断熱材や緩衝剤の役割を果たす。脂質からのエネルギー摂取割合は、総エネルギー摂取量の20%~25%が最適といわれている。

脂質の分類
脂質は脂肪酸、脂肪酸がグリセリンと結合した中性脂肪コレステロール、脂肪酸とグリセリンとリン酸が結合したリン脂質に分類される。

脂質の栄養と役割
脂肪酸
エネルギー源や細胞膜の構成成分となる。脂肪酸は、炭素・水素・酸素から構成されているが、結合の種類によって飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸とに分類され、不飽和脂肪酸はさらに単価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分類される。多価不飽和脂肪酸は、n-(エヌマイナス)6系とn-(エヌマイナス)3系に分かれ、n-6系とn-3系は、それぞれオメガ6系不飽和脂肪酸、オメガ3系不飽和脂肪酸とも呼ばれる。
食物では動物性脂肪の多くが飽和脂肪酸、植物性脂肪の多くが不飽和脂肪酸である。
飽和脂肪酸を含む割合が高い中性脂肪は常温で固体となる。不飽和脂肪酸を含む割合が高い中性脂肪は常温で液体となり、熱、光、空気などで酸化されやすい性質を持つ。
不飽和脂肪酸は活性酸素と結合すると過酸化脂質となり、老化や生活習慣病を促進する原因となりうる。
脂質の中でオメガ3系不飽和脂肪酸である、青魚に多く含まれるEPAやDHAや、これらのもとになるα-リノレン酸が健康によいとされている。

飽和脂肪酸…コレステロールの原料、体内合成できる
・パルミチン酸  ラード・牛脂、肉、卵、乳製品
・ステアリン酸  ラード・牛脂
・ラウリン酸 ヤシ油・鯨油
・ミリスチン酸 ヤシ油・ラッカセイ油
・酪酸 バター
・カプロン酸(ヘキサン酸) バター・ヤシ油
・カプリル酸(オクタン酸) バター・ヤシ油
・カプリン酸(ヘタン酸) バター・ヤシ油

単価不飽和脂肪酸…体内合成できる 酸化されにくい コレステロール値上昇抑制効果
・オレイン酸  オリーブ油 種実類 アボガド

多価不飽和脂肪酸
n-6系(オメガ6系)…体内合成できない、LDLコレステロール値低下作用、
            過剰摂取の場合:HDLコレステロール低下作用、アレルギー促進作用
・リノール酸 ゴマ油・大豆油
・アラキドン酸 肝油

n-3系(オメガ3系)…α-リノレン酸摂取により体内でEPA、DHA合成、中性脂肪値低下作用、血流促進作用、がん・アレルギー抑制作用
 ・リノレン酸 ナタネ油
 ・EPA(エイコサペンタエン酸) 魚介類
 ・DHA(ドコサヘキサエン酸) 魚介類

中性脂肪
脂肪酸のグリセリンエステルを指す。狭義には常温で固体の中性脂質を中性脂肪と呼ぶ。

脂肪酸グリセリンエステルにはモノグリセリド(モノアシルグリセロール)、ジグリセリド(ジアシルグリセロール)、トリグリセリド(トリアシルグリセロール)が存在するが、血液中に含まれる中性脂肪のほとんどはトリグリセリド(1つのグリセリンと3つの脂肪酸からなる)である。したがって、中性脂肪はトリグリセリドと同義とする場合も多い。脂肪酸とグリセリン(グリセロール)が結びついて中性を示す事から「中性脂肪」と呼ばれる。

中性脂肪の成分である脂肪酸は動物においてはステアリン酸,パルミチン酸など飽和脂肪酸が主であるのに対し植物においてははオレイン酸,リノール酸,リノレン酸のような不飽和脂肪酸を多く含む。したがって、動物性の中性脂肪は室温で固体であるものが多いのに対して、植物性の中性脂肪は室温で液体の場合がほとんどである。

脂肪細胞中に存在し、貯蔵エネルギー源・ホルモンや体液の材料にもなる。飽和脂肪酸を多く含む中性脂肪は常温で固体となり、不飽和脂肪酸を多く含む中性脂肪は常温で液体となるように、中性脂肪は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の割合の違いで性質が異なる。動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸の過剰摂取は、常温で固体となる中性脂肪が多くなり、血管内幕に付着し血管内が細くなることで高血圧になる傾向が強くなる。高血圧は動脈硬化、心筋梗塞や脳梗塞の原因になる。

コレステロール
細胞膜やホルモン、胆汁酸の構成成分となる。体内に存在するコレステロールの大半は炭水化物や脂質から合成されたもの。水に溶けないため、特殊なたんぱく質と結びつきリポたんぱくという複合体として血液中に存在する。そのうち高比重のリポたんぱく(HDL)は、血管や組織についた余分なコレステロールを肝臓内まで運んで回収する、いわば清掃車のような働きをする。これにより血液中のコレステロールの増加が抑えられ、動脈硬化の防止につながるため、HDLコレステロールを善玉コレステロールと呼んでいる。

リン脂質
細胞膜の構成成分となる。







食物繊維

2008-03-10 10:01:05 | 健康と食生活
食物繊維は、人の消化酵素で消化できない食品中の難消化性成分の総称である。食物繊維は、栄養価がなく消化管に対して負担をかける食物として敬遠される存在だったが、高い生理機能を有することが分かり、炭水化物、脂質、たんぱく質、ミネラル、ビタミンに次いで6番目の栄養素として見直され、10g/1,000kcal、1日20g~25gが摂取目安となっている。

食物繊維の分類
食物繊維は、動物性食物繊維と植物性食物繊維があるが、分類的には不溶性食物繊維水溶性食物繊維に別れ、それぞれ異なった生理作用と共通の生理作用がある。

不溶性食物繊維
不溶性食物繊維は、腸内で何倍にも膨らむ性質があり、これが腸を刺激して便秘を解消するといった働きがある。また、発がん物質などの有害物質を吸着したり、腸内細菌のバランスを変化させて発がん物質の生成を抑制したり、発がんに関与する胆汁酸代謝を改善する作用がある。

植物性の不溶性食物繊維と食品
不溶性食物繊維  主な食品
セルロース      穀類、野菜、豆類
ヘミセルロース    ふすま、緑豆
リグニン        ココア、野菜

動物性の不溶性食物繊維と食品
不溶性食物繊維  主な食品
キチン         カニ、エビ
キトサン        カニ、エビ
コラーゲン       畜類、フカヒレ



水溶性食物繊維
水溶性食物繊維は、体内で水分を吸収する性質があり、糖の吸収を遅らせる働きがある。また、発酵することによって、腸内でコレステロールを吸着し、コレステロールの吸収を妨げる効果がある。
水溶性食物繊維は、わかめやモズク、めかぶなどヌルヌルした食品に多く含まれています。

植物性の水溶性食物繊維と食品
水溶性食物繊維    主な食品
カラギーナン        紅藻類
ペクチン          果物、野菜
グアガム          グア豆
グルコマンナン      こんにゃく
アルギン酸ナトリウム   渇藻類
マルチトール        甘味料

動物性の水溶性食物繊維と食品
水溶性食物繊維  主な食品
コンドロイチン     魚肉




ビタミンの生理作用と欠乏症

2008-03-08 15:00:20 | 健康と食生活
ビタミンはエネルギー源にはならない。微量で体内の代謝調節、生理作用、酵素作用のある物質だが、体内ではほとんど合成できないため、食物から摂取することが必要な窒素(N)を含む有機化合物である。食物によってビタミンの含有量に差があるため、バランスのよい摂取が必要である。

水溶性ビタミンビタミンB1・B2・B6・B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、ビタミンCなどがあり、余分に摂っても尿中に排泄され、ほとんど貯蔵されないので過剰症の心配はあまりないが、摂りだめがきかないので、毎日摂らないと欠乏症を起こしやすいので注意が必要。

ビタミンB1(チアミン)
【生理作用 】
炭水化物・脂質・たんぱく質の代謝 、神経系の調節

【欠乏症】
脚気、神経炎

【多く含む食品】
レバー、米や麦の胚芽、牛乳、豚肉、豆類、卵黄など

ビタミンB2(リボフラビン)
【生理作用 】
炭水化物・脂質・たんぱく質の代謝、脂質酸化防止、発育促進、あらゆる生体反応に関与

【欠乏症】
成長低下、口角炎・口内炎・口唇炎、皮膚炎

【多く含む食品】
レバー、肉類、うなぎ、卵、牛乳、チーズなど

ビタミンB6(ピリドキシン)
【生理作用 】
たんぱく質の代謝、抗体、赤血球、インスリンなどを作るのに不可欠

【欠乏症】
貧血、皮膚炎、痙攣、口角炎・口内炎・口唇炎

【多く含む食品】
レバー、肉、豆、にんにく、魚など

ビタミンB12(コバラミン)
【生理作用 】
造血(赤血球を作る)作用 たんぱく質・核酸の合成 、神経細胞の発育、修復を助ける

【欠乏症】
巨赤芽球性貧血 眼精疲労

【多く含む食品】
レバー、肉、魚介類、卵、チーズ、貝類など

ナイアシン(ニコチン酸)
【生理作用 】
炭水化物の代謝 エタノールをアセトアルデヒドに変える。乳酸をピルビン酸などの肝代謝などに関与。脂肪酸の合成

【欠乏症】
ペラグラ(皮膚炎・下痢・痴呆症)(※)

【多く含む食品】
レバー、魚(赤身)、鶏のささみ、豆類、緑黄色野菜など

ビタミンC(アスコルビン酸)熱に弱い
【生理作用 】
コラーゲンの生成促進、細胞内の酸化還元反応、結合組織の強化(皮膚・骨・粘膜なども) 、メラニン色素沈着抑制、抗貧血作用、中毒防止作用、鉄吸収、ビタミンEの再利用、コレステロール代謝、抗酸化作用

【欠乏症】
壊血病

【多く含む食品】
果実、野菜類、芋類など

パントテン酸
【生理作用 】
脂肪酸の合成

【欠乏症】
免疫力低下 脂質代謝障害

【多く含む食品】
レバー、卵、納豆、牛乳、マッシュルームなど

葉酸(プテロイルグルタミン酸)
【生理作用 】
たんぱく質の合成 アミノ酸代謝に関与 造血作用 核酸塩基の生合成

【欠乏症】
巨赤芽球性貧血

【多く含む食品】
レバー、肉、卵黄、ほうれん草、豆類、アスパラガスなど

ビオチン
【生理作用 】
脂質の合成 炭水化物・たんぱく質の代謝  炭酸固定反応の補酵素

【欠乏症】
皮膚炎

【多く含む食品】
レバー、卵、柿、種実類など

脂溶性ビタミン
脂溶性ビタミンには、ビタミンA・D・E・Kがあり、食物中の脂質と一緒に腸から吸収され、主として肝臓に貯蔵される。そのため、大量摂取すると過剰症になるが、ビタミン摂取不足が深刻な状態にあるため、欠乏症の方が心配される。
ビタミンA(レチノール)
【生理作用】
視力保持 皮膚や角膜保護 夜盲症 角膜乾燥 皮膚の角化 抗酸化作用
【主な供給源】
レバー、うなぎ、バター、チーズなど
カロチン:緑黄色野菜(人参、ピーマン、春菊)など

ビタミンD(カシフェロール)紫外線により体内で合成される
【生理作用】
骨や歯の形成 過剰症あり クル病(生後1ヶ月~3ヶ月の子供に多くみられ、間接の腫れ・痛み・変形・成長の遅れなどが起こり、骨や歯がもろくなって、骨折しやすくなったり、歯が変色する病気)骨軟化症
【主な供給源】
肝油、魚、干し椎茸など

ビタミンE(トコフェロール)
【生理作用】
抗酸化作用 細胞膜の安定化 貧血(赤血球寿命短縮、酸化的溶血亢進)
【主な供給源】
植物油、豆類、種実類、緑黄色野菜など

ビタミンK
【生理作用】
プロトロンビンの生成 血液凝固時間の遅れ
【主な供給源】
納豆、緑黄色野菜など

ミネラルの生理作用・欠乏症

2008-03-08 03:42:28 | 健康と食生活
ミネラル(無機質)とは、人体を構成する酸素、炭素、水素、窒素以外の元素を指す。体重に占めるミネラル(無機質)の割合は4%であり、残り96%は人体を構成する炭水化物、たんぱく質、脂質、水などの有機化合物である、酸素、炭素、水素、窒素が占める。
ミネラル(無機質)は燃焼すれば灰として残るが、有機化合物は燃え残らない。ミネラル(無機質)は、尿や汗によって日々、一定量が排泄されているため、欠乏症が起きやすいという特徴がある。ミネラル(無機質)の摂取が不足した場合は排泄を抑制し、摂取過剰の場合は排泄を促進するよう腸や腎臓が調節しているが、過剰摂取が長期にわたれば過剰症を引き起こす可能性もある。


ミネラル・無機質の栄養と役割
ミネラルの働きは、骨や歯などの硬組織の形成や酵素・ビタミン・ホルモン・ヘモグロビンなどの構成成分または活性化、体液の浸透圧、酸・塩基平衡、水分平衡の保持に関わる。また、神経や筋肉の興奮性保持、血液凝固にも関わる。様々な働きをするミネラルは、互いに協力しあって、一定のバランスを取りながら働いている。
ミネラルの種類は、体に無害のものと有害のものがある。例えば水銀のような重金属はミネラルの仲間だが、有害物質なので注意が必要。人体に無害で生体に欠かすことのできないミネラルを必須ミネラルといい、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、鉄などがある。

カルシウム(Ca)…1日の標準摂取量は体重1㎏あたり約10㎎。腸から吸収されるが、加齢により吸収力が低下し骨粗鬆症を招きやすい
【生理作用】
細胞の分裂・増殖・分化に関与。網膜細胞の感光に関与。神経細胞の興奮に関与。血液凝固に関与。骨格筋・心筋・平滑筋の収縮に関与。 エネルギー代謝などに関与する酵素を活性化する。

【欠乏症】
骨歯の形成不全、成長遅延、くる病、骨軟化症、骨粗鬆症、関節痛、関節炎、血液凝固が遅くなる、リウマチ、皮膚ガン、ストレス抑圧状態、イライラ、神経痛、生理痛、腰痛、頭痛、痙攣、下痢、喘息、痴呆、不眠、アレルギー性鼻炎、結膜炎

【含まれている食品】
チーズ、わかさぎ、煮干し、きびなご、利尻昆布、青のり、油揚げ、炒りごま、さくらえび、モロヘイヤ、パセリなど。

リン(P)
【生理作用】
歯や骨を作る。脂肪と糖質の代謝に関与。核酸代謝に関与。脂肪輸出のためのリン脂質を形成する。神経・筋肉の機能正常維持。ナイアシンの吸収補助。体液の浸透圧やpHの調節に関与。 ※カルシウムの吸収を阻害するため、リンを多量摂取した場合には、カルシウムをサプリメントなどで補ってください。

【欠乏症】
欠乏症の心配はほとんどない。炭水化物の多量摂取者には「低無機リン酸症」が見られることがある。欠乏症は、虚弱体質、集中力の欠如。

【含まれている食品】
粉乳、チーズ類、卵黄、魚介類の乾燥した物、小魚等の佃煮、胚芽、ぬか、加工食品(リン酸塩として添加)、種子類、豆類、海草類など。

ナトリウム(Na)
【生理作用】
細胞外液にあり浸透圧を維持したりpHの調節に関与。カリウムに対抗して筋肉の弛緩。血中のカルシウムの溶解補助。炭酸ガスの排出補助。

【欠乏症】
欠乏症の心配はほとんどない。下痢、嘔吐、発汗などが長期に渡って続いた場合は欠乏症の恐れあり。

【含まれている食品】
食塩、みそ、しょうゆ、調味料、加工食品など。外食が多いと過剰摂取になりがち。

カリウム(K)
【生理作用】
細胞内外の浸透圧、水分バランス、pHの調節に関与。骨格筋の収縮、タンパク質合成、グリコーゲン合成。高血圧予防。心臓発作抑制。ガン予防や治癒。便秘治癒。胃液分泌促進。
※カリウムとナトリウム(塩分)の理想的な摂取バランスは1:1。身体は塩分を排出するとカリウムを取り込もうとするが、バランスが崩れ、体内の塩分を排出しきれないと高血圧になる。

【欠乏症】
欠乏症の心配はほとんどない。欠乏症は、むくみ、疲労感、吐き気、便秘、関節炎、痺れ、不整脈や高血圧などの心臓症状。

【含まれている食品】
干しヒジキ、切り干し大根、海苔、昆布、大豆、きな粉、納豆、ほうれん草、さつまいも、アーモンド、パセリ、たけのこ、きのこ、干しプルーン、ピーナツ、黒砂糖など。

硫黄(S)
【生理作用】
軟骨、骨、腱を作る。皮膚、爪、髪を作る。補酵素として糖質、脂質の代謝に関与。

【欠乏症】
皮膚、髪の毛、爪などに障害を起こす。

【含まれている食品】
卵、牛肉の赤身、豆腐、キャベツなど。

塩素(Cl)
【生理作用】
血中のアルカリと酸のバランス調整。肝臓の機能補助・体内老廃物除去。消化補助。身体の柔軟性維持。

【欠乏症】
水道水に多量の塩素が含まれているため、日本では欠乏症は起こりえない。

【含まれている食品】
食塩、水道水など。

マグネシウム(Mg)
【生理作用】
筋・神経の興奮性に関与。軟組織のカルシウム沈着防止・腎臓結石防止。高血圧改善・冠動脈疾患防止。血中の糖代謝において酵素を活性化する。抗ストレス作用。血液を固まりにくくする。アルコール多量摂取者やピル常用者は多めに摂取してください。

【欠乏症】
疲労感、貧血、食欲不振、嘔吐、動悸、不整脈、心臓発作、筋力低下、精神症状、四肢の震えや痙攣などの神経症状。

【含まれている食品】
青海苔、昆布類、わかめ、ヒジキ、落花生、大豆、アーモンド、かぼちゃの種、バジル、パセリ、お茶の葉、インスタントコーヒーなど。

亜鉛(Zn)
【生理作用】
インスリン構成元素。炭酸脱水酵素の成分。DNA・RNA・タンパク質合成に関与・細胞の新生促進。ビタミンA代謝に関与。アルコールの分解に関与。鉛や水銀の毒性を弱める。コラーゲンの生成に関与。乳酸(筋肉内の疲労原因物質)の除去。

【欠乏症】
味覚障害、性機能の発育不全、脱毛、夜盲症、生理不順、にきび、爪の白斑点。

【含まれている食品】
牡蠣、あわび、ほたて、小麦胚芽、舞茸、ゴマ、煮干し、レバー、牛肉(赤肉)、イワシの丸干し、数の子(乾)、たらこ、抹茶(葉)、グリンピース、きなこ、高野豆腐、アーモンド、カシューナッツ、かぼちゃの種、松の実など。

銅(Cu)
【生理作用】
ヘモグロビン合成のために、鉄の吸収や利用を助ける。冠動脈疾患の予防。関節炎の治癒。ビタミンCの代謝補助。

【欠乏症】
人工栄養の乳幼児、摂取量が少ない事の他、亜鉛の多量摂取(銅の吸収阻害)や低タンパク栄養不良(銅利用不全)などによる欠乏。貧血、縮毛、うつ病、免疫低下、血圧上昇、脂質の代謝低下、肺気腫、動静脈瘤、血管が弱くなる。

【含まれている食品】
ほたるいか、するめ、塩辛、海老、たこ、シャコ、牛の肝臓、大豆、きなこ、ゆば、アーモンド、カシューナッツ、かぼちゃの種、くるみ、ゴマ、ひまわりの種、茶葉、など。

ヨウ素《ヨード》(I)
【生理作用】
甲状腺ホルモンの構成分。甲状腺ホルモンの役目である「細胞の新陳代謝」「皮膚や毛髪の健康維持」といった働きを補助。成長作用。

【欠乏症】
「世界三大欠乏栄養素」の一つだが、日本では1日当たり1~4mgのヨウ素を摂取しているので、欠乏症はほとんど見らない。欠乏症は甲状腺腫、低血圧、疲労感、精神反応の鈍化、クレチン病。。 ※甲状腺腫は、欠乏しても過剰摂取しても起こる。

【含まれている食品】
昆布、ワカメ、ヒジキ、ノリなど海藻類、ナマコ、魚介類など。

マンガン(Mn)
【生理作用】
糖質の酸化、尿酸生成、タンパク質の加水分解などに関与する酵素を活性化させる。生殖・中枢神経の機能を正常維持。記憶力を高める。チロキシン(甲状腺の主要ホルモン)の生成補助。骨粗鬆症予防。筋肉の反射補助。骨や糖質の代謝に関与。

【欠乏症】
欠乏症の心配はほとんどない。欠乏症は、運動失調、血液凝固機能低下、不妊や出産障害、耳鳴り、骨の発育不全や変形など骨筋関係の症状、愛情性欠如。

【含まれている食品】
精製されていない穀物、大豆、柿、シジミ、ナッツ類、栗など。

鉄(Fe)…男性では10mg、女性では12mg、妊婦では20mg の摂取が必要とされる
【生理作用】
ヘモグロビン構成分・酸素を運搬。ミオグロビン構成分・血中の酸素を筋肉に届ける。細胞内で酵素の構成分・酸素を活性化させエネルギーの産出補助。タンパク質の代謝に関与。コラーゲンの形成に関与。カロチンをビタミンAに変換。

【欠乏症】
顔色(皮膚)が青白い、疲労感、動悸・息切れ、食欲不振、無気力、口角炎・舌炎など粘膜の症状、鉄欠乏性貧血。

【含まれている食品】
スッポンの血、豚レバー、牛レバー、鶏卵、うずらの卵、牛肉、豚肉、鶏肉、赤身の魚、アユ、イワシの丸干し、スジコ、アカ貝・牡蠣・シジミ・ハマグリ、ヒジキ、青海苔など。

コバルト(Co)
【生理作用】
ビタミンB12の補因子。ヘモグロビンを生成。神経細胞の防御。

【欠乏症】
悪性貧血、動悸、筋力低下。

【含まれている食品】
レバー、牡蠣、ハマグリ、アサリなど。

ケイ素(Si)
【生理作用】
腱やコラーゲン、血液、皮膚、髪や爪などの結合組織強化。コレステロール低下作用。

【欠乏症】
爪が割れやすい。脱毛。皮膚のたるみ。動脈硬化の進行。

【含まれている食品】
スギナ、精製されていない穀類、ホタテ、ホヤ、サザエ、豆類、レバー、ほうれん草、にんじん、粟など。

フッ素(F)
【生理作用】
歯のエナメル質強化・虫歯予防。骨の強化。

【欠乏症】
虫歯。

【含まれている食品】
魚類、海草類、番茶、野菜類など。

モリブデン(Mo)
【生理作用】
糖質や脂質の代謝補助。尿酸の代謝補助。鉄の利用を高める造血作用・貧血予防。銅の排泄を増大させる。

【欠乏症】
貧血、疲労、尿酸代謝異常、不妊。

【含まれている食品】
海草、豆類、納豆、牛肝臓、牛乳、乳製品、玄米、小麦胚芽、カリフラワー、グリンピース、ほうれん草、ニンニクなど。

クロム(Cr)
【生理作用】
糖質の代謝に関与・糖尿病予防。脂肪酸とコレステロールの合成促進・動脈硬化・高血圧の防止。身体に有用なクロムは三価クロムで、環境汚染物質であるクロムは六価クロム。全く違う作用をする。

【欠乏症】
過剰な運動、糖質の多量摂取、妊娠・授乳などにより欠乏症が見られる。欠乏症は、糖尿病、動脈硬化、高脂血症、高血圧、発育不全、生殖機能低下、肥満、末梢神経炎

【含まれている食品】
レバー、肉類、はまぐり、しじみ、あさり、かき、ほたて、ワカメ、海苔、ヒジキ、小麦胚芽、ほうれん草、キャベツ、卵など。

セレン(Se)
【生理作用】
血液凝固抑制・動脈硬化防止。抗ガン作用。精子形成に関与。タンパク質合成に関与。水銀・カドミウム中毒防止。消炎作用促進。免疫機能上昇。核酸や粘膜の酸化抑制・老化防止。

【欠乏症】
欠乏症はほとんど見られない。欠乏症は、成長の遅延、男性の不妊症、脱毛、不整脈、変形爪、免疫力低下。

【含まれている食品】
ワカサギ、イワシ、ホタテ、小麦胚芽、レバーなど動物の内臓、肉類、乳製品、穀物、トマト、ブロッコリー、にんにく、たまねぎなど。


嗜好品の摂取と生活習慣病との関係

2008-03-07 17:07:12 | 健康と食生活
アルコールが身体に与える影響
適量のアルコールは一時的には緊張をほぐす効果があるが、寝る前に飲むと眠りが浅くなり、アルコールの麻酔作用が2~3時間後に切れてしまうため、途中で目が覚めてしまうことが多い。男性よりも女性のほうがアルコールの影響をうけやすい。アルコール依存症は、気分の変動が激しくなることがある。

カフェインが身体に与える影響
適度な摂取は中枢神経の興奮作用や疲労回復作用などがあるが、過剰摂取は神経過敏の原因や不眠(覚醒作用があり、眠りを妨げる。カフェインの作用は、約4時間続く)や嘔吐などの悪影響もある。利尿作用がある。肝臓の代謝酵素活性を賦活させる。肝臓の代謝酵素は、種々の科学物質、ホルモン類、医薬品毒物などを分解し、体内から排泄する。このほか緑茶は体を冷やす作用がある。

喫煙が身体に与える影響
ニコチンやタールなどは主流煙に含まれるものよりも副流煙中に含まれるものが3倍にも及ぶ。1本の喫煙で25mgのビタミンCが破壊される。喫煙により一酸化炭素がヘモグロビンと結びつくのは酸素よりもはるかに高い。一酸化炭素の吸入は体内の酸素量の不足を引き起こす。ニコチンは一時的に脳を興奮させる働きがあり、寝る前に吸うと寝つきが悪くなったり、眠りの質が悪くなる。ニコチンは交感神経を刺激し末梢血管を収縮させて血圧を上昇させる。中枢神経興奮・抑制作用や、血管収縮、心拍数増加などを引き起こす作用などがある。ニコチンは依存性の強い物質である。ニコチンや、ニコチンによって副腎髄質からの分泌を促進されたカテコラミンは、血小板凝集能を高めるため、血栓が出来やすくなる。たばこの煙に含まれる刺激物質は、気道に無数にある繊毛の運動を妨げることが分かっている。
また、喫煙による慢性的な刺激は気道を過敏にし、たばこの葉からの抽出物には、アレルギーのもととなるアレルゲンが含まれていることも最近、報告されている。
従って、たばこは気管支ぜん息などの誘因となっていると考えられている。


肥満

2008-03-07 16:55:35 | 健康と食生活
肥満…食事で摂取した脂肪や糖質が、体内に消化・分解されずに余り脂肪細胞に脂肪として蓄積されること

肥満の原因…ストレス、冷え、遺伝、高カロリー食、運動不足、エストロゲンの分泌低下、薬剤(ステロイド剤・経口避妊薬・フェノチアジン・インスリン等の使用による)等。

肥満により予想される生活習慣病…糖尿病、高血圧、動脈硬化、心臓病(狭心症、心筋梗塞といった虚血性心疾患)、肝臓病胆石、脂肪肝、通風、関節炎などの疾患

肥満の予防策…エネルギー摂取の制限、運動

BMI(Body Mass Index=体格指数、肥満指数)・・・体重kg÷身長m÷身長mで算出する。BMI値が22(18.5以上25未満)を標準としている。BMIが25以上30未満が太りすぎ、30以上が肥満とされる。BMIが25を超えると高血圧や高中性脂肪血症、27を超えると糖尿病、29を超えると高コレステロール血症のリスクが2倍になると言われる。

上体肥満(内臓脂肪型肥満)・・・別名リンゴ型肥満と言われ男性に多いが、閉経期を過ぎた女性は、上体肥満に移行しやすい。腸間膜や大網などの門脈系に脂肪が蓄積することをいう。脂肪が落としやすい。生活習慣病の原因となる。ウエスト÷ヒップが男性で1.0以上、女性で0.8以上

下体肥満(皮下脂肪型肥満)・・・別名洋ナシ型肥満。女性に多く、腰から太ももにかけて脂肪がつく。この脂肪は出産や妊娠時に重要な役割を持つとされている。女性はむやみに減らさない方が良い。ウエスト÷ヒップが0.7以下。