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現代へのまなざし

日本とはなにかを探求します。

神話の作り方-安倍政権のやり方-

2017-06-23 20:45:12 | 政治
 神話とは、当時の象徴的な出来事を表現したものだという側面がある。
 日本では日本書紀、古事記が有名な神話であるが、日本書紀は天武天皇が編纂させた、天皇制を正当化するための書物にほかならない。現在、安倍政権が同じように事実を歪め神話を創り出しているかのようである。

 森友学園問題、加計学園問題を巡る安倍政権の世論誘導に関する手法が、過去の神話の作成と似ていると考えられる。

・事実関係
 安倍総理が迫田財務省理財局長(当時、現国税庁長官)あるいは萩生田官房長官に対し、安倍晋三の思想に近い森友学園の教育を広めるため、森友学園に対し国有地の格安売却を財務省理財局に指示した、あるいは国家戦略会議において、腹心の友である加計理事長の要望通り、加計学園が今治市において獣医学部を新設するよう指示し、それは、いずれも実現した。

・安倍総理等の弁明
 財務省は一貫して資料がない、記録が無い、記憶が無いと主張し、安倍昭恵夫人は沈黙。事実を明らかにしようとしなかった。そして、安倍総理は「森友学園への国有地の売却問題については、すでに会計検査院が検査に着手をしており、政府としては全面的に協力をしてまいります」と弁明。
 加計学園問題については、「国家戦略特区は民間メンバーが入り、諮問会議や専門家を交えたワーキンググループにおいて議論を進め、決定されていきます。議事はすべて公開しています」「半世紀ぶりの獣医学部新設についても、審議に携わった民間議員のみなさんも審議に一点の曇りもないと断言されておられます」などと弁明している。

 安倍総理の弁明を見れば、事実関係とは全く異なる様相が呈されているのがわかる。妻の安倍昭恵さんが名誉校長になっていた事実や、文部科学省で「総理のご意向」という文書や萩生田官房副長官からの圧力を示した文書が見つかったことなど全く無視されているのである。
 事実を否定し、政権にとって都合のいい事ばかり書いているのが神話である。

 この神話も作成された当時は神話では無く、政治的文書であったかもしれない。その当時の知識レベルから見れば、事実を検証しようとか、エヴィデンス・ベースで確認しようなどということは全く考えられないことである。支配者が作成し、それを信じろと言われれば信じたのが当時のレベルでの真実であろう。

 今の時代、知識レベルが奈良時代、平安時代と同じであれば、安倍総理の弁明は民に受け入れられ、新たな神話になるのかもしれないが、海外メディアも見ている状況の中で受け入れられるはずがない。受け入れられないと信じたい。
 しかし、受け入れられるのであれば、安倍総理の言葉、安倍政権の弁明、安倍政権の嘘は真実として受け入れられ、歴史上の事実となるのである。知識を有する日本人としては、歴史的な屈辱であるが、知識のない日本人にとっては大切な神話になるのである。
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安倍政権の嘘がまかり通る日本社会

2017-06-07 22:46:37 | 政治
 安倍政権の嘘が多く発信されているが、今の日本ではその嘘がまかり通っている。森友学園問題、加計学園問題、この2つの問題に共通していることは、安倍総理自身がこの問題に関与していた場合には自ら責任を取ると発言したことから、安倍総理や昭恵夫人の関与があったにも関わらず、一貫して関与を否定しているということである。特に加計学園問題での安倍総理、首相官邸の嘘は酷いモノであるが、内閣支持率は大きく低下しない状況で、安倍政権の嘘に不感症になった国民の姿がこの支持率に見受けられる。これにはマスコミも大きく関与しているようである。

 加計学園の獣医学部新設を認める国家戦略特区に関する問題で、前川喜平前文部科学事務次官が「週刊文春」の取材に「『総理のご意向』などと記された一連の文書は、私の手元にあるものとまったく同じ。間違いなく本物です」と証言し、、さらに、5月25日の記者会見で、菅官房長官が怪文書だと言い、文部科学大臣が存在を確認出来なかったと言った文書に関して「私が在職中に作成され共有された文書で間違いない。文科省の幹部に共有された文書で、自分も受け取った。ちゃんと捜索をすれば出てくるはずだ。あったものはなかったことにできない」と述べた。

 一方で官邸側は、事実を解明することなく、事実を隠蔽することに汲々としているようである。さらに、記者会見前に読売新聞が「辞任の前川・前文科次官、出会い系バーに出入り」という記事を掲載し、前川・前次官の人格を攻撃することで、その発言の信頼性を低めようとしている。
 安倍政権では、警察官僚(警視庁刑事部長経験者)が政権のために活躍していると言われているが、警察が保有している各種の情報が政権に提供され、政権にとって不都合な人の情報が政権から大手マスコミに提供され記事になる(政権が読売新聞に、人格攻撃をする記事にさせた)ということは容易に推測できることである。
 政権の意向に従って新聞記事を掲載する読売新聞社はすでに政権広報紙というべき状態と言えるであろう。

 今回の加計学園の獣医学部設置に関する問題のように、行政上の必要性、公平公正性からは到底認められないものが、学園の理事長が安倍総理の腹心の友であり、総理の意向によって国家戦略特区として認められる、総理のお友達に対して行政が便宜を図る、このような国家を私物化するようなことは断じて許されてはならない。

 このような行政運営上の不正が認められ、その不正が総理の指示によって行われた可能性が非常に高いにも関わらず、政権はこれを隠蔽し、さらに政権与党である自由民主党や公明党は事実解明を行わない。さらには大手新聞社である読売新聞も政権擁護のための記事を掲載する始末である。民主主義に不可欠の言論の自由であるが、政権擁護の言論は北朝鮮などの独裁国家に必要なもので、民主主義では各種政策・施策について是々非々で望み、民主主義的価値観によって判断するものである。政権による不正を隠蔽することが言論機関の役割ではないことは当然のことである。

 前川・前文部科学事務次官は証人喚問を受け入れると明言しており、事実を解明するためには、国民の信託を受けた国会議員が国会で証人喚問を行うことが必要であるにもかかわらず、自民党は証人喚問を拒否する。自民党議員は、国民の代表者ではなく、安倍政権の下僕として国会を運営していると言わざるを得ない。
 総理の意向を忖度し、総理のために必死になって事実を隠蔽し、不正を隠そうとする自民党は責任政党とは呼べない。

 国民のための行政を念頭に、自身が各方面から攻撃されると予想されるにも関わらず記者会見で事実を述べた前川氏は官僚の矜持を示したが、事実を隠蔽し個人攻撃を行う自民党は無責任政党になり、さらに大手新聞社が政権の広報紙になる今の日本の状況は異常と言わざるを得ない。

 天武天皇は天皇の正当性を主張するために日本書紀を編纂させたが、安倍政権は政権の正当性を主張するために嘘を並び立て、事実を明らかにする者の人格を攻撃し、さらに言論の自由を振りかざす御用新聞を使って政権の広報を行っている。そんな政権を支持する国民が半数を占める今の状況は、啓蒙が必要な無知蒙昧な国民が増えているという状況かもしれない。神話がまかり通るような時代と同じような状況になっていることに大きな不安を抱かざるを得ない。
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トランプ大統領と偽(フェイク)ニュース-安倍晋三と捏造-

2017-02-26 09:19:35 | 政治
 アメリカのトランプ大統領は、自分にとって不都合なニュース、不利益なニュースを全てフェイクニュース=偽ニュースと決めつけて、自分にとって都合のいいことしか発言しないようである。トランプにとって都合のいいことが嘘であっても、オルタナティヴ・ファクト=もう一つの真実と強弁する。
 こんな嘘つきな人達が政権を運営するアメリカ合州国は大丈夫なんだろうか、などと考えている日本人が多いようであるが、翻って日本はどのような状況なのかを考えることは少ないようである。

 日本の安倍総理は、自分にとって不都合なニュース、不利益なニュースを捏造だと決めつけて、自分にとって都合のいいことしか発言しないようである。安倍晋三にとって都合のいいことが嘘であっても、ネットの真実として安倍信者達がネットで拡散しているようである。
 福島第一原発はコントロールされている、TPPには絶対に参加しない、大阪府豊中市の国有地を妻の安倍昭恵さんが名誉校長を務める右翼団体に通常であれば考えられない安値で売却した問題は自分には関係ない、訂正でんでんとの指摘はでんでん当たらない。過去の発言をファクト・チェックすれば安倍晋三の多くの嘘が発見できるだろう。

 日本のマスコミは、アメリカのトランプ大統領の話題をすることが多いが、トランプと同じように嘘つきで強弁を行う安倍晋三のことは批判しないようである。国家がマスコミに介入し、神話を作り上げているような今の日本の状況は、北朝鮮にどんどん近づいているのではないだろうか。
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日本人とユダヤ人

2017-01-14 12:05:56 | 政治
 ここ数年のテレビ番組では、外国人が日本人を誉めている番組がしばしば見られる。外国人、特に欧米の白人に誉められると、番組出演者が日本って凄いですね、というようなコメントをして、参加者全員で、日本は凄い、素晴らしいという雰囲気になり、悦に入るというような番組である。
 一方で、ネットでは在日朝鮮人などの在日アジア系の人達への憎悪などがかなり以前から見受けられる。彼等にとっての、日本人とは何だろう。

 以前のブログでユダヤ人のことを取り扱ったことがある。それは、「ユダヤ人は有色人種だったのに、いつから白人に変わったのか。」という疑問からのものである。本来のユダヤ人であるスファラディと後付けのユダヤ人であるアシュケナジー(白人のユダヤ人)であり、ナチスが迫害したのはアシュケナジーであり、シオニズム運動は、そもそもアシュケナジーと関係ないパレスチナの土地への帰還を推進するおかしな運動であると論じたものである。
 「ユダヤ教を信じる人達はユダヤ人である、という定義。アシュケナジーは本来ユダヤ人ではないが、自らをユダヤの神に依拠するためにはユダヤ人でなければならない。であれば、人種は関係なく、ユダヤ教を信じる人達はユダヤ人だという定義が必要となる。」

 これに比べて、日本での日本人というのは大きく異なるような印象を受ける。ユダヤ人の定義と同じであれば、在日朝鮮人であっても日本の伝統や風習を身につけ、その通りの生活を送っているならば日本人であるということになる。昨今のスポーツ選手には黒人の日本人も存在する。日本人の血を受け継ぎ、日本人と同じ生活スタイルを持っているのであれば日本人である。法律的には日本国籍を取得していれば日本人であるが、日本人の感覚からすればちょっと違和感があるかもしれない。白人や黒人が日本人というのは違和感があるだろう。
 では、黄色人種(モンゴロイド)であり日本国籍を取得していれば日本人と認めるのだろうか。日本での一般的な理解は、父母ともが日本人であれば日本人というものだろう。先祖をたどったときに、ドイツ人の血が混ざっていたら日本人なんだろうか、ドイツ人ではなく朝鮮人だったらどうなんだろうか。

 日本人の歴史をたどると、縄文人、アイヌ人、琉球人、さらに朝鮮半島からの渡来人との混血である弥生人などいろんな人種が混合されて日本人が出来上がっている。桓武天皇の母親は朝鮮半島の百済の女性である。混血が普通だった当時の状況から考えれば違和感なく日本人だと言えるだろう。日本に住み、日本の伝統、風習を身につけ、それに従って生活すれば日本人というのが当時の理解ではなかったか。
 欧米列強に対峙し、彼等に追いつけという富国強兵殖産興業の時代背景の中で、欧米に対する劣等感と日本以外のアジアに対する優越感が醸成されたとすれば、明治以降に日本人の多様性が否定され、単一性が求められるようになったと考えるのは違和感がない。

 日本に住み、日本人の父母を持ち、数代さかのぼっても日本列島外からの人間との混血がないものを日本人とするならば、ユダヤ人に対する違和感を抱かないのが不思議である。民族と人種ということなど、いろいろ考えさせられる。

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トランプ候補とアメリカ民主主義

2016-11-13 23:57:17 | 政治
(趣旨)
・アメリカの従来からの民主主義の伝統に反する主張を行ってきたトランプ候補が大統領選挙で勝利した。
・アメリカ大統領選挙のみならず、イギリスのEUから離脱、さらには日本の国会議員選挙でも同様の傾向があった。
・大衆は将来的な展望もなく、単純な言葉に反応し、感情的に行動する。
・大衆は自らにとって不利益な政策ですら支持する。その行動は経済合理性を持っておらず、不合理極まりない。
・このような傾向は今後先進諸国でも拡がるような不安があり、世界はどのような姿になるのか不安である。
・大本営発表の場と化したNHK(日本放送協会)の罪は深い。

(本文)
アメリカ大統領選挙で知識人の期待を裏切る形で、しかし、怒れる庶民の期待に添った形で、ドナルド・トランプ候補がヒラリー・クリントン候補を破って当選した。総得票数はクリントン候補の方が多かったものの、各州別に大統領選挙人を選出するというアメリカ大統領の選挙システムから多くの選挙人を獲得したトランプ候補が次期大統領になる予定である。

 アメリカは、その国内では民主主義が基本的価値観として尊重され、中東などの非民主主義的とされる国々に対して民主主義を軍事的に押しつけ、国内の治安悪化を招いていた。
 しかし、トランプ候補の主張は外国人移民への差別的対応など、民主主義の価値観を否定するようなことを常々主張していた。そのトランプ候補がアメリカ大統領に就任するというのは、アメリカが自国の価値を否定するかのような選択を行ったというべきことである。

 アメリカ大統領選挙のみならずイギリスのEUからの離脱を問う選挙でも見られたことであるが、低所得者層や低学歴層がポピュリズムに流れるのは、なぜなんだろうか。日本でも多くの大衆にとってメリットがない安倍政権の経済政策、すなわちアベノミクスが支持され、大衆にとって経済的メリットがないにも関わらず自民党が支持された選挙結果にも共通して見られるこの傾向はなぜ存在するのか。言い換えれば、富裕層には恩恵があるものの、普通の労働者層などには恩恵のない政策を普通の労働者層や低学歴層が支持し、あるいは、その政策に賛成しないまでもその政策を取っている政党を支持するのはなぜなのか。
 トランプ候補が繰り返したキーワード「Make America great again」(アメリカを再び偉大にしよう=偉大なアメリカを取り戻す)、安倍総理が繰り返していた言葉「ニッポンをトリモロス」(日本を取り戻す)、イギリス独立党のファラージ党首の「自国のコントロールを取り戻す」、このような単純な言葉に労働者層、低学歴層、高齢者が同じような反応を示していると言える。

 自らの貧しい境遇、やり場のない怒り、中間層への嫉妬と手の届かない富裕層への憧れ、このような感情が優先する人達に合理的な判断はできないのである。これは精神的に疲れ果てたうつ病の人達がまともな判断ができないことと似ているのかもしれない。
 生活水準が下落し、日常的に余裕が失われる、そしてグローバリズムによる競争激化で不平等が広がり、将来に対し明るい展望持てない、さらに現状にやり場のない怒りを感じている庶民が反乱を起こすことは理解できるが、その行動は、自らの生活がより厳しくなる政策を取る右翼に対する支持である。彼等は合理的思考すら奪われ、感情の赴くがまま、自らに不利益な政策を支持するという行動しか選択でいない状況なのかもしれない。

 世界的にこのような傾向になるのであれば、来年のフランス大統領選挙では極右のルペン党首が勝利し、ドイツの総選挙でもネオナチのような右翼政党が勝利し、オランダやオーストリアでも同じような結果になるのではないかと懸念される。
 先端を進んでいる日本ではマスメディアがトランプ候補の勝利を他人事のように報道しているが、ヘイトスピーチが問題になり、かつては小泉首相のワンフレーズ・ポリティックスが話題になったことも忘れているんだろうか。マスメディアが持ち上げた石原慎太郎元都知事の悪政=豊洲市場の問題を小池百合子知事を持ち上げることで棚上げしようとしているような状況を見ると、マスメディアは無責任に視聴率を上げることだけを考えて報道を行っているような無責任な姿勢が際立ち、大衆はそのような状況の中で、ますます誤った選択をするような気がする。

 日本の誤った状況を報道することもなく、イギリスやアメリカの政治状況を報道する日本のマスメディアこそが諸悪の根源とも感じられる状況であり、大本営発表の機関と化したNHK(日本放送協会)の罪は大きすぎると痛感させられる。天武天皇は日本書紀を作成させることで天皇支配の正当性を国民に広めたが、NHKは、その偏向した報道で大本営発表を続ける政権の正当性を国民に広めているのであろう。

 話はそれたが、トランプ候補が大統領になることでアメリカ民主主義は危機的状況に陥る可能性が高まったが、日本の状況はより深刻である。日本の状況を注視しつつアメリカの状況を見守る必要がある、ということは強調しておきたい。
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