昨年末,教育基本法「改正」案がいとも簡単に成立した理由は何故か?ある政治家は,「教職員組合が裸にされたからだ」と解説する。つまり,国鉄,電電公社,郵政の民営化などを通じて,労働組合が弱体化し,教育基本法改悪阻止に力を十分注ぐことができず,教育のあり方に直接利害関係があると見られてしまう教職員組合が支援が少ない状態で反対運動を行わざるを得なかったからだというのだ。これは正しいと思う。当事者だけが盛り上がっていると見られるとやはり弱い。教育基本法改悪について,十分周知されなかったことも,労組弱体化が大きな原因だろう。つまり,はっきり言えば,最初から勝負が決まっていたということ…。これは,辛いけれども直視しなければならない事実だと思う。不利な中で、最後まで心ある市民は反対運動を繰り広げたが、数万単位が連日集まるような活動はできなかった。労働組合が弱体化したせいで,何が起きたのか,何が起きようとしているのか。政治問題だけではない。労働条件そのものだって,ホワイトカラーエグゼンプションの導入などは,労組がしっかりしていたら,ここまで議論が進むこと自体,あり得ないことだったろう。
1月4日,安倍は,年頭会見(全文はこちら←クリック)で,教育改革に次いで,
「社会保障制度について申し上げます。国民から信頼される社会保障制度を構築してまいります。社会保険庁は、残念ながら国民の信頼を失っています。お約束どおり、社会保険庁を廃止、解体、6分割をし、徹底した効率化、合理化を図り、国民の皆様から信頼される組織に変えてまいります。それに必要な法案を、この国会に提出をし、成立を期していきたいと、このように考えております」
と,社会保険庁解体を重要課題として挙げた。社会保険庁解体とは,すなわち,社会保険庁労組の解体を意味する。こうして,対立政党の票田を破壊し,かつ,市民のために活動する集団をさらに弱体化する。
確かに,組合にも問題がないわけではない。しかし,それは,無駄なダム建設や無駄な自衛隊,いいや,有害なダムや有害な自衛隊で儲けている連中の「問題」とはレベルが違う。無駄な,いや,有害なダム建設をやめれば,組合が抱える問題による税金の出費をはるかに上回る歳出カットができる。
安倍は,同じ記者会見で,憲法「改正」について,次のとおり述べている。
「今年は、憲法が施行されてから60年であります。新しい時代にふさわしい憲法をつくっていくという意思を、今こそ明確にしていかなければならないと思います。自由民主党の草案は既にできているわけでありまして、与党・各党との協議を進めていってもらいたいと考えております。
まずは手続法案であります。日本国憲法の改正手続に関する法律案について、与党内、また与野党で議論を深め、今年の通常国会に提出できることを期待したい。与野党でそのために議論が深まっていくことを期待したいと思います。
また、先ほど申し上げましたように、今年は憲法が施行されて60年であります。憲法を、是非私の内閣として改正を目指していきたいということは、当然参議院の選挙においても訴えてまいりたいと考えております」
有害な,まぁ,少なくとも無駄な憲法「改正」を行うために,税金をいくら出費するつもりなのか?そういう無駄遣いをすることの方が組合の問題よりもよほど深刻なはずだ。
前にも書いたが,われわれ市民は,「のうのうと生きること」を考えていけばいい。企業がいくら儲けるかなんてことは基本的には関係ない。勤めている会社が世界最大規模の企業になることよりも,自分の給料を上げてくれたり,会社が不正行為をしていないかチェックしたりする組織が,会社内にあるかどうかの方がよっぽど大切なはずだ。組合の中で突出した者の行為に目を奪われることなく,闘える労働組合を支援することを当然とする意識を共有したい。
…しかし,教育現場で労働組合の意義についてどのような説明がなされているのだろうか…。その現状を踏まえ,労働組合を再生するにはどうしたらよいのだろうか…。
憲法改悪が国民投票にかけられるとき,最初から勝負がついている状況にさせないために何をするべきなのだろうか…。
(写真は,官邸HPから。しかし,桐の紋,なんでここで使うんでしょうかね)
★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。転載、引用大歓迎です。なお、安倍辞任までの間、字数が許す限り、タイトルに安倍辞任要求を盛り込むようにしています(ここ←参照下さい)。
1月4日,安倍は,年頭会見(全文はこちら←クリック)で,教育改革に次いで,
「社会保障制度について申し上げます。国民から信頼される社会保障制度を構築してまいります。社会保険庁は、残念ながら国民の信頼を失っています。お約束どおり、社会保険庁を廃止、解体、6分割をし、徹底した効率化、合理化を図り、国民の皆様から信頼される組織に変えてまいります。それに必要な法案を、この国会に提出をし、成立を期していきたいと、このように考えております」
と,社会保険庁解体を重要課題として挙げた。社会保険庁解体とは,すなわち,社会保険庁労組の解体を意味する。こうして,対立政党の票田を破壊し,かつ,市民のために活動する集団をさらに弱体化する。
確かに,組合にも問題がないわけではない。しかし,それは,無駄なダム建設や無駄な自衛隊,いいや,有害なダムや有害な自衛隊で儲けている連中の「問題」とはレベルが違う。無駄な,いや,有害なダム建設をやめれば,組合が抱える問題による税金の出費をはるかに上回る歳出カットができる。
安倍は,同じ記者会見で,憲法「改正」について,次のとおり述べている。
「今年は、憲法が施行されてから60年であります。新しい時代にふさわしい憲法をつくっていくという意思を、今こそ明確にしていかなければならないと思います。自由民主党の草案は既にできているわけでありまして、与党・各党との協議を進めていってもらいたいと考えております。
まずは手続法案であります。日本国憲法の改正手続に関する法律案について、与党内、また与野党で議論を深め、今年の通常国会に提出できることを期待したい。与野党でそのために議論が深まっていくことを期待したいと思います。
また、先ほど申し上げましたように、今年は憲法が施行されて60年であります。憲法を、是非私の内閣として改正を目指していきたいということは、当然参議院の選挙においても訴えてまいりたいと考えております」
有害な,まぁ,少なくとも無駄な憲法「改正」を行うために,税金をいくら出費するつもりなのか?そういう無駄遣いをすることの方が組合の問題よりもよほど深刻なはずだ。
前にも書いたが,われわれ市民は,「のうのうと生きること」を考えていけばいい。企業がいくら儲けるかなんてことは基本的には関係ない。勤めている会社が世界最大規模の企業になることよりも,自分の給料を上げてくれたり,会社が不正行為をしていないかチェックしたりする組織が,会社内にあるかどうかの方がよっぽど大切なはずだ。組合の中で突出した者の行為に目を奪われることなく,闘える労働組合を支援することを当然とする意識を共有したい。
…しかし,教育現場で労働組合の意義についてどのような説明がなされているのだろうか…。その現状を踏まえ,労働組合を再生するにはどうしたらよいのだろうか…。
憲法改悪が国民投票にかけられるとき,最初から勝負がついている状況にさせないために何をするべきなのだろうか…。
(写真は,官邸HPから。しかし,桐の紋,なんでここで使うんでしょうかね)
★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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向うの権力の方がずっと凄いんだから、余程、本来は気を締めて掛からないとならないのですが...。
大名の系譜とか、幕府の系譜とか、言いたいんですかね...?
敢て推測すれば、封建的なノスタルジーの一環か?