情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

もはや、総務省には任せておけない~独立行政委員会設置のアピールにご賛同を!

2007-04-28 05:54:06 | メディア(知るための手段のあり方)
 4月27日、総務省がテレビ局に対し、次のとおり、4件の行政指導をした。

 3件は、本庁が出したものであり、次のように報道された。

【総務省は27日、情報番組「みのもんたの朝ズバッ!」など3番組で放送法違反となる不正確な報道ややらせがあったとして、TBSに対して情報通信政策局長名の文書による厳重注意の行政指導をした。テレビ東京に対しても、バラエティー番組の過剰な演出が違法だったとして口頭による注意の行政指導をした。

 TBSについては1月22日放送の「朝ズバッ」で、不二家の工場が小売店から回収した賞味期限切れのチョコレートを再利用しているなどと報じたことについて、「正確に調べていない」「公正でない表現があった」と指摘。

 また、2月11日放送の「サンデージャポン」では、街頭で無作為にインタビューしているように見せかけ、実際は事前に場所と時間を伝えて呼んだ相手に話を聞いていたことはやらせにあたると判断した。2月3日の「人間!これでいいのだ」でも、高周波の音で「頭がよくなる」と断定したことが過剰な演出だった、としている。

 テレ東は、1月6日の「今年こそキレイになってやる!」で、タレントがヨガをやって血流が良くなる様子を別人の手の映像で説明した点を行き過ぎな演出と判断した。

 行政指導に対し、TBSは「真摯(しんし)に受け止め再発防止に努める」、テレ東は「すでに再発防止策も公表しており、信頼回復へ向けた努力を重ねる」と、それぞれ談話を出した。】(朝日

もう一つは、総務省近畿総合通信局が出したものであり、こちらは次のように報道された。

【やしきたかじん(57)が深夜テレビ番組で、女性タレントと離婚した元夫の名誉を傷つける発言をしたのは、放送法に抵触するとして、総務省近畿総合通信局は27日、番組を放送した毎日放送(大阪市)を厳重注意処分にした。

 同通信局によると、番組は05年10月18日深夜に放送されたバラエティー番組「たかじんONEMAN」。

 やしきは元夫について「男が絶対別れへん言うた」「別れるときは大変やった。最高裁までいった」と発言。しかし実際は、離婚訴訟は大阪高裁で和解していた。

 番組をめぐっては06年12月、大阪地裁が「発言に公益性がない」として、やしきと毎日放送に連帯で330万円を支払うよう命じた。

 毎日放送広報部は「公人や芸能人でない人の名誉やプライバシーに、一層配慮した番組制作に努める」とコメントした】(日刊スポーツ


 この行政指導を受けた番組の内容は、二つに分類できる。

 一つは、直接の被害者がいないものであり(「サンデージャポン」、「今年こそキレイになってやる!」)、もう一つは直接の被害者がいる事件である(「みのもんたの朝ズバッ!」、「たかじんONEMAN」)。

 少なくとも、被害者がいるものについては、被害者が訴訟によって事件を解決することができる。もちろん、被害者の苦痛は、損害賠償だけでは不十分だということは理解できるが、それなら、交通事故で死亡した人も同じことであり、放送局が特に行政指導という形での政治圧力を受けなければならない理由はない。

 たかじんの方は、すでに訴訟で判決が出ている。それで十分だろう。

 みのもんたの方は、相手が大企業であり、訴えを起こそうと思えば起こせるのだから、何も総務省が口をはさむ必要はないだろう。

 こういう事案について行政指導をすることによって、安倍「映像」事件(下記※)での行政指導などをこれからも続けるというメッセージを発し続けているわけだ。

 ※【夕刊フジのスクープで発覚した、TBSのニュース番組で内容とは関係のない安倍晋三官房長官の写真が写っていた問題で、総務省は7日までに、TBSに対して厳重注意の行政指導をする方針を固めた。
 問題となったのは、同局が7月21日に放送した生物・化学戦研究を行っていた旧日本軍「731部隊」の特集で、内容とは全く関係ない場面で安倍氏の写真パネルが映し出されていた。
 TBS側は「意図的なものではない」と説明したが、安倍氏は「政治生命を傷つけようということであれば問題だ」と話していた。】(ZAKZAK

 安倍の件は、安倍が個人的に問題にすれば済むだけのこと。というか、政府が首相に対する報道について、注意をするなんて、トンでもない話だ。

 前にも書いたように(ここなど参照)、先進国で、放送行政を、政府が直接行っているところはない。

 このように行政指導を濫発するなら、なおさら、独立行政委員会の設置の必要性は大きいというほかない。

 民主主義を守るために、衆議院、参議院の総務委員会に、放送法を変えるなら、独立行政委員会を設置するべきだ、という声を伝えましょう!黙っていると、必要な情報が流れなくなる!

 まずは、【放送免許の許認可権を政府が直接的に掌握するという方式は先進諸国には見られない異例のもので、第三者的な行政機関を設けて、そこが政府から独立して放送行政を司る制度的仕組みが、韓国や台湾も含めて、いまや世界の大勢になっています。表現行為への規律というデリケートな問題を扱うために、国家権力が放送内容についてダイレクトに影響を及ぼさないような工夫がされているのです。日本でも戦後、放送法が施行されて二年間ほどだけですが、「電波監理委員会」という行政・準司法・準立法の権限を合わせもった独立行政委員会が設置されていました。委員の人選などに問題があったとはいえ、「公開・民主」を原則に政府から独立して電波・放送行政を行う制度的仕組みが存在したのです。私たちは、このような独立行政委員会設置のための法改正なら積極的に賛成しますが、政府の番組介入を強めるだけの改定には反対の意を表明します。】という内容を含むこのアピール(←クリック)に賛同する旨書いて、議員らにFAX送信しよう!すでに集約は終了しているが、直接、議員らにこのアピールを利用して要望することは意味があると思う。数が必要なので、ぜひ、危機感を感じる人は行動に移してほしい!



 
 




★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2007-05-18 00:11:05
何で投稿を検閲するのだ。矛盾していないか。
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第三者のプライバシー侵害 (ヤメ蚊)
2007-05-18 06:37:09
を防ぐため、及び、読むに堪えない下劣な表現を防ぐためには、承認制は必須だと考えています。数時間おきにアクセスできればいいのですが、一日に1回しか、時には、数日に1回しかアクセスできないこともありますので、ご了承下さい。
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