記者は、少し、本気で取材をしたら、やばいことが世の中にたくさん潜んでいることに気づく。これは書けない、これ以上取材したらやばいかも…。そこで、一歩進むかどうか、これは簡単に答がでる問題ではない。勇気だけの問題ではなく、日常業務をこなしながら取材する時間の捻出の問題もある。組織ジャーナリズムであれば、周りのバックアップも必須だ…。
チェチェンの取材で社会の問題点を追求した女性記者アンナ・ポリトコフスカヤさんが、射殺された。数限りない脅しに屈せず、報道し続けた彼女の勇気は本当にすばらしい。彼女のようなことができる記者はそう多くはないと思う。ただ、記者でいる以上は、少しでも彼女の勇気に近づきたいという思いを持ち続けてほしい。落第記者から現役記者の皆さまへのお願いです…。
【追記】松井やより記者が、自らの余命幾ばくもないことを知りながら若い記者に残した講演録を紹介します。
“私が最後に言いたいのは、人間は何のために生きているのかということを考えながら取材するときには、非常に細かいことに気を遣う必要はないんじゃないか、勇気をもってできるんじゃないかなということ。私が若いときに一番考えたのは「世の中を変えたい」ということ。「世の中を変えたい」という気持ちはずっと持ち続けてきた。それが一つの支えになってきた。別の言葉で言えば、「怒り」ってことじゃないかな。”
…若い記者たちへ 松井やよりの「遺言」(←クリック)
■■東京新聞より…
【モスクワ=常盤伸】インタファクス通信などによると、批判的なチェチェン紛争報道で知られるロシアの女性ジャーナリストで、独立系「ノーバヤ・ガゼータ」紙政治評論員のアンナ・ポリトコフスカヤさんが七日夕方、モスクワ市中心部の自宅アパートのエレベーター内で射殺されているのが見つかった。遺体には複数の銃撃を受けたあとがあった。警察当局は殺人事件として捜査を開始した。遺体から現金などの所持品は奪われておらず、現場には拳銃と弾丸が残されていたという。
政治的な背後関係は不明だが、プーチン政権の強権体質を批判していたポリトコフスカヤさんの殺害は、メディア統制に抵抗しているロシアの独立系メディアに大きな痛手になるとみられる。
ポリトコフスカヤさんは一九五八年生まれ。イズベスチヤ紙などを経て九九年に「ノーバヤ・ガゼータ」紙に移り、同年に始まった第二次チェチェン紛争の実態を、ロシア軍による厳しい報道統制のなか現地取材。ロシア軍による腐敗やチェチェン市民への弾圧の実態を次々に発表、国際社会に衝撃を与えた。二〇〇一年には国際人権団体アムネスティ・インターナショナル英国支部の世界人権報道賞を受賞している。
また、〇二年のモスクワ劇場占拠事件では、チェチェン独立派武装勢力とロシア政府の仲介者として人質解放交渉にも深く関与。さらに〇四年九月の北オセチア共和国での学校占拠事件では現地に向かう旅客機内で出された紅茶を飲んだ直後に倒れ重体となった。不可解な状況から毒殺未遂との見方も強い。ロシアではジャーナリストの殺害が相次いでおり、ポリトコフスカヤさんも今年四月、本紙に対し、本人や家族への脅迫が続いていると語っていた。
■■引用終了←記事クリック■■
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チェチェンの取材で社会の問題点を追求した女性記者アンナ・ポリトコフスカヤさんが、射殺された。数限りない脅しに屈せず、報道し続けた彼女の勇気は本当にすばらしい。彼女のようなことができる記者はそう多くはないと思う。ただ、記者でいる以上は、少しでも彼女の勇気に近づきたいという思いを持ち続けてほしい。落第記者から現役記者の皆さまへのお願いです…。
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“私が最後に言いたいのは、人間は何のために生きているのかということを考えながら取材するときには、非常に細かいことに気を遣う必要はないんじゃないか、勇気をもってできるんじゃないかなということ。私が若いときに一番考えたのは「世の中を変えたい」ということ。「世の中を変えたい」という気持ちはずっと持ち続けてきた。それが一つの支えになってきた。別の言葉で言えば、「怒り」ってことじゃないかな。”
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■■東京新聞より…
【モスクワ=常盤伸】インタファクス通信などによると、批判的なチェチェン紛争報道で知られるロシアの女性ジャーナリストで、独立系「ノーバヤ・ガゼータ」紙政治評論員のアンナ・ポリトコフスカヤさんが七日夕方、モスクワ市中心部の自宅アパートのエレベーター内で射殺されているのが見つかった。遺体には複数の銃撃を受けたあとがあった。警察当局は殺人事件として捜査を開始した。遺体から現金などの所持品は奪われておらず、現場には拳銃と弾丸が残されていたという。
政治的な背後関係は不明だが、プーチン政権の強権体質を批判していたポリトコフスカヤさんの殺害は、メディア統制に抵抗しているロシアの独立系メディアに大きな痛手になるとみられる。
ポリトコフスカヤさんは一九五八年生まれ。イズベスチヤ紙などを経て九九年に「ノーバヤ・ガゼータ」紙に移り、同年に始まった第二次チェチェン紛争の実態を、ロシア軍による厳しい報道統制のなか現地取材。ロシア軍による腐敗やチェチェン市民への弾圧の実態を次々に発表、国際社会に衝撃を与えた。二〇〇一年には国際人権団体アムネスティ・インターナショナル英国支部の世界人権報道賞を受賞している。
また、〇二年のモスクワ劇場占拠事件では、チェチェン独立派武装勢力とロシア政府の仲介者として人質解放交渉にも深く関与。さらに〇四年九月の北オセチア共和国での学校占拠事件では現地に向かう旅客機内で出された紅茶を飲んだ直後に倒れ重体となった。不可解な状況から毒殺未遂との見方も強い。ロシアではジャーナリストの殺害が相次いでおり、ポリトコフスカヤさんも今年四月、本紙に対し、本人や家族への脅迫が続いていると語っていた。
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こちらのサイトにも詳しく載っていますよ。
メルマガに登録していてこのニュースを知りました。
ひどい事件です…。世界中でこのようなことは幾度も起こっていると思いますが、、、
報道が第四権力化する構造に、報道による私刑が容認されている土壌があると思う。だからこそ、ある程度は政府によるブレーキングが必要であるとも思うし、報道の自由の制約も当然あるべきではある。
極論を言えば、ペンという武器を保持してる人間はこのようなことも覚悟するべきだと思う。それができないならば、報道するべきではないとまで思う。それほど、報道という権力は強いものであるという覚悟が必要である。
自分も教育者として、どういう人間を育成するのか・・・という問題に直面することがあるが、その責任を負う覚悟があるから、教育者たりえている。職業に対する責任というのものはそういうものだと思うのだが・・
あえていえば、彼女は己の命によって真実の一部を伝えられたという意味で、本望かもしれない・・・そんな気がする
まだまだやりたかった事が沢山あっただろう。
彼女がいかなる報道をしてきたか、ご存じのうえでの発言ですか?
「ロシアは自ら良心を失った」とかロシア大使館にメールしてしまいました。
しかし、殺人は殺人ですよね?
問題は「誰が実行犯でも、真犯人はプーチンだ!」と言うか言わないかでは?
で、警察が捜査している、と。事件の事実関係の全貌を解明するには、①現場の警察官とロシア政府の関係がどうなっているか、②現場の警察官の捜査を妨害するロシア政府を罷免する民主化運動があるか、③民主化運動を盛り上げる現場の報道記者と報道機関役員の関係がどうなっているか、④報道機関とロシア政府・財界の関係がどうなっているか、がポイントでしょうね。
普通に考えると次の構図。①ロシア政府を批判するからロシア政府の命令で殺された。②ロシア軍を批判するからロシア軍事資本の経営者の命令で殺された。③実行犯はロシア政府かロシア軍産に雇われた組織暴力団のメンバー。
①・②の責任を証拠づけるためには、最低限、③のメンバーの逮捕・起訴・重刑を実現し、さらには組織暴力団の最高責任者の逮捕・起訴・重刑にまで到達する必要がある。
組織暴力団の最高クラスまで行けば、①・②までとどく条件が出てくる。組織暴力団の最高幹部も重刑にならない強固な背景があるから、金で暗殺を請け負うのであろう。
とにかく、組織暴力団を葬ることから始めなければ、自由な社会など実現しない。