情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

アフリカNGOをアフリカ開発会議(TICAD4)に招待しておいて締め出し!~外務省

2008-05-23 03:01:47 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 毎日新聞(※1)によると、【28~30日に横浜市で開かれる第4回アフリカ開発会議(TICAD4)で、外務省が非政府組織(NGO)向けのパス(入場許可証)を前回の30枚から大幅に減らす方針を直前になって示し、NGO側が見直しを求めている。主催の日本政府に招待されたアフリカのNGOが会議場に入れない恐れもあり「招待しておいて締め出すのは侮辱だ」と反発。22日午後、同省を訪ねて直接交渉する】という。

 このパスは、各国首脳らが出席する全体会合用のもので、NGOをとりまとめているNTnetの要望書(※2)によると、5 月16 日(金)にNGO 担当官からTICAD IV 本会議場へのアクセス・パス数について、「全体会合では3 枚、分科会については8 枚が認められ、これは海外NGO のパスも含んだ数」との通達を受けたという。その理由については、5 月19 日(月)、アフリカ第二課長の岡田課長より運営委員に連絡があり、「一国際機関につき、3 枚のパスしか出していないので、NGO にも3 枚となっている」という説明があったらしい。

 そもそも、前回TICAD Ⅲにおいては、30 名の日本NGO 代表に対して10 枚のパスが支給されたほか、アフリカ・国際NGO は全員がパスをもらっているという。しかも、TICAD ⅢからTICAD IV にいたるまでの5 年をかけた長いプロセスに市民社会は関わり、歴代審議官は市民社会参加は後退しない、と約束していたらしい。

 今回、アフリカから参加予定のNGOだけでも15人もおり、3枚では出席できない人が大半となり、来日した意味が薄れてしまう。

 上記毎日によると、同省民間援助連携室は「調整中だ。入場できなくても別室でモニター傍聴できる」と話しているらしいが、そういう問題ではないはずだ。毎日は、アフリカのNGOの取りまとめ役で来日中のギュスターブ・アサー議長(45)は「参加できなければ金と時間の無駄遣い。人々のためのTICADではないのか」と怒っていると伝えているがもっともだ。

 これに対し、外務省は、どうやら、パスを増やすのではなく、急遽インターネット中継をすることで争点をすり替えようとしている節があるという。

 外務省のホームページに5月22日になって急遽次のような案内(※3)が掲載された。

【1 2008年5月28日から30日までの間、横浜市において開催される第4回アフリカ開発会議(TICADIV)において、右会議の開閉会式、全体会合及び分科会Aの様子を、インターネットを通じてライブ中継を行う。

2 右中継画像は、パシフィコ横浜会議センター内のモニタリング会場に放送する画像と同一のものとし、会議の様子を国内外から広く視聴することが出来るようにするものである。

3 会議期間中、TICADIVホームページの下にインターネットライブ中継用特設ページを設置し、利用者は外務省ホームページのインデックスページより直接同ページにアクセス出来る。また、横浜市、アフリカ開発会議横浜開催推進委員会、国連広報センター、国連工業開発機関(UNIDO)、国連開発計画(UNDP)東京事務所、世界銀行東京事務所TICADIV関連ホームページからも同ページにリンクを張ることとする。

4 インターネットによるライブ中継は当省初の試みでもあるところ、アフリカ問題における我が国の取り組みを幅広く内外に広報する機会としてこのライブ中継を最大限活用するものとする。

5 インターネットによるライブ中継の仕様は以下のとおり。
(1) 情報伝送量: 56/100kbps(予定)

(2) 同時視聴者数: 1000人(1000人まで同時視聴可能)

(3) 占有帯域: 100Mbps

(4) 使用言語: 各代表の使用する言語をそのまま配信する(英語・フランス語・日本語・ポルトガル語(見込み)(通訳音声は配信されない))。

(5) 録画配信: 実施しない。】

…もちろん、高い費用を出して来日できない市民も多いだろうから、ネット中継には意味があるが、だからといって、来日した市民を締め出すのは筋がとおらない。まったく失礼な話だ。

 しかも、録画配信はしないという…。時差のことを考えれば、当然、しばらくの間、動画配信をするのは当然のことではないだろうか。先日、紹介した国連の人権理事会については発言者別のアーカイブが提供されている。日本もIT技術を売りにする国ならそれぐらいのサービスをするのは当然ではないだろうか。NHK国際放送で宣伝しようとするのもよいが、それよりも前に政府の情報の透明性を高めることが先決だ。


※1:http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080522k0000e040072000c.html

※2:http://www.ticad-csf.net/TNnet/yobosho05.html

※3:http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/h20/5/1180165_907.html



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1 コメント

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恐らく…。 (田仁)
2008-05-24 18:35:52
ウィルフウィッツだのゼーリックだの、世銀にはブッシュ米大統領周辺の怪しげな人脈が「脈々」だから。
害務省は直にソレに靡くし、どうせ急遽『安全性』が気になってしまう羽目に陥っちゃった!てな理由か何かでは?
ロード・オブ・ウォーなんて悪事を働いてると、敵が多いからねぇ!
しかし、朝令暮改、最も恥ずべきです…。
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