情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

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言論テロに対する共同アピール~「まだ遅くない、手遅れではない」内田雅敏弁護士

2006-09-09 00:53:06 | メディア(知るための手段のあり方)
少し古い話ですが,加藤紘一議員の実家が放火された事件で,9月5日(火)午後、日本弁護士会館(東京・霞ヶ関)で、評論家・佐高信さんや漫画家・石坂啓さんらが呼びかけ人となって「私たちは『言論封じ』のあらゆるテロを許さない!」とする共同アピールを発表した。

janjanが内田雅敏弁護士のコメントを伝えている。同弁護士のコメントからは,市民,メディア,弁護士会の動きの鈍さに対する歯がゆさが伝わってくる。毎日新聞(←クリック)によると,ここ1年8ヶ月の間に少なくとも7件の言論に対する暴力がふるわれている(末尾に引用)。「それぞれの人々がそれぞれの職場や地域で、表現の自由を確立するための運動を広げる一歩にしてほしい」という同弁護士の声に応えましょう!

■■引用開始■■
弁護士の内田雅敏さんは、事件そのもの以上に、その後の反応が鈍いことに危機感を感じている、と述べました。1989年に昭和天皇が亡くなったとき、天皇の戦争責任について言及した本島等・長崎市長が右翼に襲撃された事件で、長崎では集会が開かれ、「長崎は民主主義の危機に対して発信する」とアピールしたそうです。

 内田さんは、「今日の会合でも、アピールを出しておしまいというのではなく、それぞれの人々がそれぞれの職場や地域で、表現の自由を確立するための運動を広げる一歩にしてほしい」と、呼びかけました。今回の事件に対し、具体的な行動をとるために弁護士会では委員会を設け、話し合いを進めているそうです。

 「事件が起きたとき夏休み中だったこと、事件の背景が明確でなかったことで動きがやや鈍かった弁護士会でしたが、この問題こそ弁護士会が率先して行動を起こさなければならないケースであり、今後の活動を通して運動を広めていきたい」と内田さんは語っていました。その上で、「遅かったけれど、まだ遅くない、手遅れではない」と述べ、怒りを全国的な運動に広げていくことの重要性を訴えました。内田さんは、「みんな怒っている。ただその怒りを表現する場がなかった」と述べ、そういう意味で、この記者会見が行われた意義を高く評価しました。

■■引用終了■■



■■毎日引用開始■■
 ◇言論をめぐり暴力や脅しがあったとみられる最近の主な事件

05年 1月 9日 東京都目黒区にある富士ゼロックスの小林陽太郎相談役最高顧問の自宅に火炎瓶が置かれていた。19日には拳銃の実弾1発が郵送された。小林さんは04年9月、記者会見で、小泉純一郎首相の靖国神社参拝について、「個人的には、やめていただきたい」などと発言していた。

    7月 3日 東京都港区にあるフリーライターの山岡俊介さんの自宅マンションが放火される。山岡さんは同年、月刊誌に政府開発援助(ODA)を手がける大手コンサルタント会社社長の不正行為を指摘する記事を執筆していた。

06年 1月 8日 フリーライターの溝口敦さんの別居していた長男が暴力団関係者に刺される。溝口さんは05年、月刊誌に暴力団幹部に関連した記事を執筆。

    2月 4日 小林相談役最高顧問の自宅近くにある警備員詰め所の敷地に、拳銃の薬きょう数個が置かれていた。

    5月29日 糸川正晃衆院議員(国民新党)と、毎日新聞記者にあてて、それぞれ衆院議員会館の事務所(東京・永田町)と、東京本社(東京・一ツ橋)に銃弾と脅迫状が郵送される。同一犯の可能性も。糸川議員は東京都港区南青山の一等地の再開発をめぐって国会質問。毎日新聞もこの問題を報道していた。

    7月21日 日本経済新聞社(東京・大手町)に火炎瓶が投げつけられる。同紙は昭和天皇が靖国神社のA級戦犯合祀(ごうし)に不快感を示す発言をしていたとされる元宮内庁長官メモを特報した。

    8月15日 加藤紘一・自民党元幹事長の山形県鶴岡市の実家、地元事務所が全焼。加藤氏は小泉純一郎首相の靖国神社参拝に対して批判的な発言をしていた。

■■毎日引用終了■■





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3 コメント

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日本国における暴力実態と民主主義社会の未来 (東西南北)
2006-09-09 19:09:20
 弁護士会で総力を挙げて「現在日本の暴力実態と民主主義運動」というテーマで出版してもらえませんか。



 特に、①右翼・極左暴力集団の実態と暴力性。②指定暴力団の実態と暴力性。③エセの実態と暴力性。④支配階級の暴力性。⑤国家権力の暴力性。以上の5点と民主主義運動の実態について。



 具体的な事実関係を丁寧に記すこと。形式法律論は最低限にする。労働者、庶民の人間論、社会論のレベルで事実関係にある問題を提起する。具体的な選挙と結びつけた論述にする。諸問題での諸政党の態度、政策の現状と歴史を余すところなく登載する。



 
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Unknown (新党を欲する人)
2006-09-10 10:45:50
弁護士会の体たらくには 辟易する。

こんなに人権無視 表現の自由無視 憲法無視の自民党に 文句ひとつ 出す気概がない。



いったい何を弁護するつもりか?

弁護士会っちゅうのは 矜持がない たんなる利権集団ですな。



日本は どこもかしこも 腐っている。



これからは 弁護士会ではなく 先生のように 矜持のある 真の民主的法曹が 独自に団体を作って 運営すべきだ。



十把ひとからげで 弁護士連合じゃ 糞みそいっしょだ!
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Unknown (日弁連の実態)
2006-09-10 20:54:29
かつては、なんだかんだ言っても日弁連には人権擁護に使命感を持つリベラルな会員が多かった。また、主導権を握っていたのは、保守派というより、共産党系だった。今も中枢にその傾向がなくはない。ところが、ソ連・東欧崩壊以降、共産党系の動きに変化が生じている。単なる抵抗勢力とみられるのを必要以上に恐れ、自民党、公明党との妥協、駆け引きに血道をあげてきた。中枢から弾き飛ばされるのを恐れて妥協を重ねている。結果は、「毒食わば皿まで」状態。真面目な素朴な会員の疑問を押しつぶす役割を果たしている。「司法改革」が今日の惨状を呈するうえで、中枢にいて今日まで引っ張ってきた連中の罪はまことに重い。自民党、公明党との野合だ。日弁連をだめにしたのはこの連中の責任だ。司法改革の主導権を握っているように錯覚しているだけで、実は権力の掌の上で踊らされているだけだ。いつになったら目を覚ますんだ。
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