tokyo_mirage

東京在住・在勤、40代、男。
孤独に慣れ、馴れ、熟れながらも、まあまあ人生を楽しむの記。

戯れにビジネスホテルに泊まったが

2017-06-02 17:40:32 | 今日の出来事
とある成り行きから横浜のビジネスホテルに泊まった。
東京と目と鼻の先の横浜の、それもビジネスホテルとて、
「外泊」でもしてみれば、少しは気分転換になるかと思ったが…。

僕は「枕が変わる」とダメな性質で、安眠できず往生した。

このホテルは古くからの歓楽街のど真ん中にある。
前の通りには薄汚れた身なりのおじさんが幾人もうずくまっている。
明らかに高校生くらいと思しき若造がたむろして、タバコの煙を吹きかけあって粋がっている。
建物は、エントランスを入った途端、わざとらしい芳香剤の匂いが漂う。
部屋のカーテンを開けると、道路の向かいにあるのは、
泡姫伝説がなんとかという、18歳未満立入禁止の店だ。

しかし、決して悪いホテルではなかった。
なにより安い。ツインルーム2名泊で1泊5200円。
部屋は18㎡と広くはないが、アメニティーはしっかり揃っていて、
備品やシーツ、タオルも清潔そのものだし、フロントの物腰もきちんとしていた。

ただ、窓や壁が薄いのは致し方ないのだろう。
通りや隣室の人声、車の走行音、深夜のゴミ収集と思しき作業音などが次々と飛び込んでくる。
明け方5時前に目が覚め、そこからはまんじりともしなかった。

シャワーを浴びてからチェックアウトすると、外を吹く風は、
梅雨も盛夏も通り越して、秋のように爽やかだった。
明るい陽射しに照らされて幾多のシミが浮き上がってきそうな薄汚れた歓楽街だから、
いかにも場違いな体感なのだが。

乗り慣れない路線を使って、物珍しがりながら、あるいは退屈がりながら、出勤する。
午後、案の定、だろう、眠くてたまらなくなった。
ちょっと睡眠時間が普段より欠けただけでこの有り様だ。
仕方ないので、眠気覚ましに、会社を抜け出して当てずっぽうに30分弱ほど歩いた。

行きつけないショッピングモールに入って、高級スーパーに入り、
プリンアラモードが意外と安いので買って外で食べようかと思ったが、風が強いのでやめておいた。
手入れされすぎてよそよそしい、でも緑の匂いはかぐわしい公園を抜け、
この辺りはこんなに土地に起伏があるのかと思わせる坂道を登ったり下りたりして、会社に戻る。