tokyo_mirage

東京在住・在勤、40代、男。
孤独に慣れ、馴れ、熟れながらも、まあまあ人生を楽しむの記。

「警察は慎重に捜査を進めています」

2017-04-27 12:35:12 | 物申す
テレビのニュース原稿の結びによく使われるフレーズで、
「警察は慎重に捜査を進めています」というのがある。
あれがいつも不思議で仕方がない。
バスの運転士が「慎重に」ハンドルを握るのが当たり前なように、
警察が「慎重に」捜査を進めるのは当たり前なことではないのか?
言わずもがななことではないのか?
その対に、「警察は今回は“大胆に”捜査を進めています」という表現がありうるのなら、
敢えて「慎重に」と付け足すのもまだわかるが、あいにく「大胆に」とは聞いたことがない。

しかも、捜査の何をもって判断して「慎重に」という修飾語が付けられるのだろう?
記者は捜査の現場を観察し、「ああ、これは実に慎重なやり方だ…」と実感できる何かを得たのか?
ならば、その「慎重さ」の判断の根拠となる事柄を描写することこそが、ニュースだと思うが。
根拠が示されないまま、記者の「所感」だけ聞かされても、意味がない。
そしてもしも、ろくに現場を見ずに「慎重に」という修飾語を漫然と付与しているのなら、
それは単に、警察のやり方を無批判に認め、迎合しているだけである。
報道する側の姿勢として、実に恥ずかしい話だと思うのだが。

「警察は丁寧に捜査を進めています」というリポートがテレビから聞こえてきたら、
「えっ?『丁寧に』ってわざわざ言うのはどういう意味?」と誰しもツッコむだろう。
しかし、それとほぼ同じ意味の「慎重に」は、表現としてあまりに陳腐化しているせいか、
みんなスルーしてしまっている。

今日も能のない記者は、「警察は慎重に捜査を進めています」という結び言葉を、
深く意識せずに用いてリポートするのだろう。
その表現を無自覚に用いているかどうかで、その記者の取材力・リポート力など、知れたものである。


つぶやき0427

2017-04-27 11:19:39 | つぶやき
酒屋で立ち飲みする意の「角打ち」は、「かどうち」と読むのかと思っていた。店のコーナー=「かど」でするものだから。「升酒を飲むこと」が語源だそうだから、升=角で「かく」なのか?と思ったが、さらに突っ込んで調べると「四角い升の角に口を付けて飲むこと」とある。ならやっぱり「かど」じゃないか…ともかく、正しい読みは「かくうち」である。

   ◇

この時季目につく、オレンジ色のポピー状の花。道路際のなんでもない植え込みはもとより、舗装の小さな隙間からも生えてきているから、とにかく繁殖力が旺盛そうで、きっと外来種に違いないと踏んでいたが、やはりそうだ。その名を「ナガミヒナゲシ」と言うらしい。

   ◇

ナガミヒナゲシは地中海沿岸原産で、日本では1961年に東京・世田谷区で最初に見つかったという(時期も場所も結構ピンポイントに特定されているものだな)。1個体が15万個以上の種をつけるというから相当だ。15万個…少し色褪せたトーンのあのオレンジ色も、妙に毒々しく見えてくる。

   ◇

我が家のメダカたちの食欲が、春が進むにつれ、目に見えて亢進している。エサを撒くと、水面で一心不乱に口をぱくぱく動かして呑み込む。耳を近づけると、ごくごく小さな泡が弾けるようなプチプチプチ…という音が聞こえてくる。なんとも愛らしい。