脚本 大野武雄、監督 辻理
資産家宅に忍び込み、温室に咲くランの花を盗もうとした老人が、資産家の飼い犬に襲われ死亡した。捜査に当たった叶は、老人を見て驚く。それは顔見知りの屋台のラーメン屋だった。老人は常連のホステスとともに、都会の谷間にコスモスを咲かそうと人知れず種を撒いていた。そんな老人が花を盗もうとするだろうか?疑問を抱いた叶はホステスのアパートを訪ねるが、ホステスは自室で何者かに殺害されていた。金目のものには手をつけられていなかったが、隣人の証言によれば、紫陽花の花がなくなっていた。ホステスは誰かに頼まれ、紫陽花について調べものをしていたという。叶は数日前、老人とホステスが青い紫陽花を持って何事かを相談に来たことを思い出す。捜査に追われるあまり、叶は「後で連絡します」といったまま、そのことを忘れていた。資産家宅にも紫陽花があったことに気づき、資産家宅を訪ねる叶。しかし、資産家宅の紫陽花は青色ではなかった。
その後の調べで、資産家が犬を飼い始めたのは、つい先日だったことが判明。「老人が侵入することを察して警戒したのではないか」と推測する特命課だが、資産家は「老人とは一面識もない」と否定する。だが、老人の屋台引き仲間を尋ね回った結果、両者の接点が明らかになる。8年前、老人が我が子のように可愛がっていた屋台引きの女が、レストランのボーイだった資産家と結婚した。二人は女の金を元手にレストランを開業し、成功を遂げた。しかし、女はその翌年に失踪していた。
資産家を問い詰める叶だが、資産家は「昔のことなので忘れていた」と白を切る。資産家が若い女と再婚する予定だと知った特命課は、二人が7年前から愛人関係にあったことを突き止める。その矢先、山中から、凶器と思われる鉄製の花瓶とともに白骨死体が発見された。鑑定の結果、死体は行方不明の女だったが、もともと別の場所に埋められていたものが、数日前に埋め直されたと判明。死体に付着していた土を調べたところ、資産家宅の庭の土と一致した。資産家は若い女と結婚するために、女を殺して庭に埋めたと推測する特命課。だが、資産家は「偶然の一致だ」と否認する。
引き続き資産家宅を見張る叶は、雨に濡れた紫陽花が変色するのに気づく。1株だけ青い紫陽花を、カラースプレーで他の紫陽花と同じ色に染めていたのだ。調べたところ、紫陽花は地中に鉄分が多いと青く変色するという。女の死体が鉄製の花瓶とともに埋められていたためだと推理する叶だが、証拠は何もない。資産家の温室を訪ねた叶は、ランを可愛がる資産家に「コスモスは好きか?」と訪ねる。「あんな貧相な花は嫌いだ。間違っても植えたりしない」との答えを得た叶は、その日からコスモスを育て始める。一週間後、そのコスモスが芽を出したとき、叶は再度資産家の温室を訪ねる。その片隅にコスモスが芽を出しているのを発見した叶は、「この種は殺されたホステスの部屋で犯人に付着したものだ」と資産家を追及。資産家はついに敗北を認めるのだった。
ラン、紫陽花、そしてコスモス。花に託した人々の想いが事件を彩る一本です。資産家にコスモスの芽を突きつける叶を見ていて「そんなものが証拠になるのか?」と疑問を持たざるを得ませんでしたが、資産家はあっさりと犯行を認めます。「信じていた花に裏切られたからだろうか」と思ったとき、これは第255話「チワワを連れた犯罪者」の、犬と花を入れ換えたリメイクだと気づきました。とはいえ、単なる焼き直しではありません。実はラストで、温室のコスモスは叶が密かに撒いたものだったと判明するのでした。ひどいぞ叶。
資産家宅に忍び込み、温室に咲くランの花を盗もうとした老人が、資産家の飼い犬に襲われ死亡した。捜査に当たった叶は、老人を見て驚く。それは顔見知りの屋台のラーメン屋だった。老人は常連のホステスとともに、都会の谷間にコスモスを咲かそうと人知れず種を撒いていた。そんな老人が花を盗もうとするだろうか?疑問を抱いた叶はホステスのアパートを訪ねるが、ホステスは自室で何者かに殺害されていた。金目のものには手をつけられていなかったが、隣人の証言によれば、紫陽花の花がなくなっていた。ホステスは誰かに頼まれ、紫陽花について調べものをしていたという。叶は数日前、老人とホステスが青い紫陽花を持って何事かを相談に来たことを思い出す。捜査に追われるあまり、叶は「後で連絡します」といったまま、そのことを忘れていた。資産家宅にも紫陽花があったことに気づき、資産家宅を訪ねる叶。しかし、資産家宅の紫陽花は青色ではなかった。
その後の調べで、資産家が犬を飼い始めたのは、つい先日だったことが判明。「老人が侵入することを察して警戒したのではないか」と推測する特命課だが、資産家は「老人とは一面識もない」と否定する。だが、老人の屋台引き仲間を尋ね回った結果、両者の接点が明らかになる。8年前、老人が我が子のように可愛がっていた屋台引きの女が、レストランのボーイだった資産家と結婚した。二人は女の金を元手にレストランを開業し、成功を遂げた。しかし、女はその翌年に失踪していた。
資産家を問い詰める叶だが、資産家は「昔のことなので忘れていた」と白を切る。資産家が若い女と再婚する予定だと知った特命課は、二人が7年前から愛人関係にあったことを突き止める。その矢先、山中から、凶器と思われる鉄製の花瓶とともに白骨死体が発見された。鑑定の結果、死体は行方不明の女だったが、もともと別の場所に埋められていたものが、数日前に埋め直されたと判明。死体に付着していた土を調べたところ、資産家宅の庭の土と一致した。資産家は若い女と結婚するために、女を殺して庭に埋めたと推測する特命課。だが、資産家は「偶然の一致だ」と否認する。
引き続き資産家宅を見張る叶は、雨に濡れた紫陽花が変色するのに気づく。1株だけ青い紫陽花を、カラースプレーで他の紫陽花と同じ色に染めていたのだ。調べたところ、紫陽花は地中に鉄分が多いと青く変色するという。女の死体が鉄製の花瓶とともに埋められていたためだと推理する叶だが、証拠は何もない。資産家の温室を訪ねた叶は、ランを可愛がる資産家に「コスモスは好きか?」と訪ねる。「あんな貧相な花は嫌いだ。間違っても植えたりしない」との答えを得た叶は、その日からコスモスを育て始める。一週間後、そのコスモスが芽を出したとき、叶は再度資産家の温室を訪ねる。その片隅にコスモスが芽を出しているのを発見した叶は、「この種は殺されたホステスの部屋で犯人に付着したものだ」と資産家を追及。資産家はついに敗北を認めるのだった。
ラン、紫陽花、そしてコスモス。花に託した人々の想いが事件を彩る一本です。資産家にコスモスの芽を突きつける叶を見ていて「そんなものが証拠になるのか?」と疑問を持たざるを得ませんでしたが、資産家はあっさりと犯行を認めます。「信じていた花に裏切られたからだろうか」と思ったとき、これは第255話「チワワを連れた犯罪者」の、犬と花を入れ換えたリメイクだと気づきました。とはいえ、単なる焼き直しではありません。実はラストで、温室のコスモスは叶が密かに撒いたものだったと判明するのでした。ひどいぞ叶。